巻き込まれた図書委員   作:名前はまだ無い♪

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今回から夏合宿回!


episode.23「合宿だよ!」

 夏休み。受験生である私や友香は本来勉強とかしないといけないんだろうけど……

 

「お姉ちゃん早く早く~!」

「今行くから少しは待ちなさいよー!」

 

 私達は現在、家族揃って海に来ていた。ちなみに二泊三日と泊りがけ。まぁ今日でその旅行も終わりだけど。

 

「ねぇ友香。もうテンション戻していいかな」

「うん。私もちょっと疲れた」

 

 まぁ海に三日も続けて来てれば飽きるよね。取り敢えずお母さん達のいるパラソルまで戻ろう。

 

「友香。一回戻るよ~」

「は~い」

 

 水色のビキニタイプの水着を着ている友香に声を掛けるとお母さん達のいる所まで行き、薄緑色のビキニと同色のパレオの上から半袖タイプのパーカーを羽織る。

 

「随分と楽しんでるね」

「久しぶりの家族旅行だからね。そう言うお父さんものんびり出来てる?」

「ははっ。なんで疑問系かは聞かないでおくよ」

 

 苦笑いで答えるお父さんの腕には、しっかりとお母さんがべったりとくっ付いていた。熱いねぇ。

 

「じゃあ私はもう行くね」

「気を付けるのよ~」

 

 これ以上夫婦の仲を邪魔しちゃいけないからね。それにあそこだけ熱いし。

 という訳で一人波打ち際でボーっとしている友香の元へ。

 

「友香遊ばないの?」

「う~ん。遊びたいんだけど、一人で遊んでもつまらないし、一人で遊んでもナンパとか怖いし?」

「中学生が何をぬかすか」

「む、これでもお姉ちゃんより……ま、まぁお姉ちゃんの方が三つ上だもんね!」

 

 あ、今私を引き合いに出したは良いものの、負けてるからって逃げたな。話も、物理的距離も。それにしても友香はどこを見て言ったんだろうねぇ。まぁ逃げたって言っても、見える範囲で遊んでるから放っておいても大丈夫だね。

 てな訳で私は日陰にでも行ってのんびりしてよっと……嫌な予感!?

 私は思わずその場にしゃがみ込む。その時髪に何かが微かに触れる。あれ? なんか既視感が……

 

「くっ。ウチはいつになったら友実っちにわしわし出来るんや……」

「ちょっと。出会い頭に声もかけないで何しようとしてるのよ」

 

 しゃがんだ体勢で振り返ると、手を前に出したままに東條さんと私に手を合わせて謝る絵里がいた。

 

「あの、なんでお二人がここに?」

「ウチらだけやないよ」

 

 ホラ、と東條さんが指した方を見ると、そこにはμ'sの六人がビーチバレーをしていた。あれ、六人? えーっと、穂乃果に海未、ことり、にこ、そして小泉さんと星空さん? 西木野さんはどこだ?

 

「真姫ならあそこよ」

 

 絵里が一つのパラソルを指すと、西木野さんはそこで読書に勤しんでいた。いいなぁ。私も海岸(ここ)に本持って来ればよかった。持って来ようとしたらお父さんに止められたんだよね、せっかくなんだから本は置いてけって。

 

「どうせだったら友実も一緒に遊ばない?」

「せっかくのお誘い嬉しいのですが、今日は家族で来ているので」

「でもお母さん達はこっちに手を振ってるで?」

 

 本当だ。多分今聞いても簡単に許可を下すんだろうなぁ。もう目がそう言ってるし、手も振ってきてる。

 

「では両親の許可が出ましたので、そのお誘いお受けさせて頂きます」

 

 と、言う事で穂乃果達に挨拶しよう。絵里と東條さんに着いて行き、穂乃果達の元へ

 

「どうも皆さん。こんにちは」

「え! 友実お姉ぢゃ!」

 

 あ、穂乃果に声をかけたら、星空さんの打ったスマッシュが穂乃果の顔にヒットした。……うん気を逸らした方が悪いよね。

 

「あー! 東野先輩にゃ!」

「っと。こんにちは星空さん」

 

 砂浜に倒れた穂乃果を起こしてると、後ろから星空さんの腕が腰に回される。はいそこ、東條さん。恨めしそうな目でこっちを見ない。

 

「ウチの時はいつも避けるのに……」

 

 いや、そんなマジ落ち込みトーンで言われても。チラチラ見てんの気付いてるからね? それに東條さんのは胸を揉みに来てるじゃん。大人しくされるがままにしたら、いつかの神田明神下での西木野さんみたいになるんでしょ? お断りだよね。

 

「どうして東野先輩がここにいるんですか?」

「なんでも家族と旅行に来てたみたいなの」

「それで先程絢瀬さんと東條さんにお会いしまして、お誘い頂きました」

 

 それにしても、この九人以外誰も見かけないけど、何してんだろ? 合宿とか?

 

「皆さんは何をしにここへ?」

「合宿だよ!」

 

 やっぱり合宿だったか。にしても合宿か。今のこの光景見ると、合宿と言うより、海水浴に来てるって言った方が正しい気がするのは気のせいかな。

 

「では来て早々ですが、私もパラソルの下で休ませて頂きますね」

「友実お姉ちゃんも一緒にビーチバレーしようよ~」

「体力が持ちそうにないので西木野さんの所にいますね」

 

 ことりがボールを持って駆け寄ってくるが、私自身この旅行で少し疲れてるのだ。今朝早くに友香に起こされて朝風呂に付き合わされた事も原因の一つかな。

 

「お隣失礼します」

「どうぞ」

 

 西木野さんから机を挟んだ反対側のビーチチェアに腰を下ろし、足を伸ばす。初めて座ったけど、案外座り心地良いのね、これ。

 

「東野先輩は一緒に遊ばないんですか?」

「ええ。そう言う西木野さんはずっと読書を?」

「はい」

 

 西木野さんは本を読みながら私に聞いて来る。一体何の本読んでるんだろう?

 

「あの、どうして皆さんは敬語で話してないのでしょう」

「なんでも、先輩と後輩の垣根をなくす為の事らしいですよ」

「それはそれは。大変面白い事ですね」

 

 ふむ。先輩と後輩の垣根をなくす、ね。どうやら他の皆は出来てるみたいだけど、西木野さんは出来てないみたい。その証拠にさっき穂乃果にバレーを誘われた時、敬語で返してたし。

 

「先輩なら、東野先輩ならどうしますか?」

 

 どうするって何がだろう。目の前に海が広がって皆が遊んでる中、一人こうしてパラソルの下でのんびりしてる事についてなのか、それとも皆が敬語を外せている中、自分だけが外せない事についてなのか。

 別に私は自分のタイミングで出来る時にやればいいと思うけどね。

 

「では試しに私と敬語を外して話してみます?」

「なんでそうなるんですか! それに東野先輩は関係ないので、その、ちょっと事情が違いますし」

「良いから良いから。まずは下の名前で、ね?」

 

 西木野さんは本を閉じてテーブルに置くと、こっちに顔を向ける。

 

「ゆ……東野先輩」

「惜しい!」

「……楽しんでません?」

 

 あ、バレた? 実は少し楽しんでる。いや~近くで見てるんだけど、あと少しで名前で呼べそうだったんだけどね。

 

「お姉ちゃん。少し素が出てるよ」

「友香!?」

 

 西木野さんのビーチチェアの後ろから友香が顔を出す。

 あれ? 友香って私が学校で仮面被ってるの知ってたっけ?

 

「あの、東野先輩。素って?」

 

 ……あ。

 

「お、お姉ちゃんまさか」

「……そのまさかだよ」

 

 友香が驚いた顔で見て来るも、そもそもバレたの友香のせいだよね? まぁ友香に話してなかった私も悪いんだろうけど。て言うか、友香は誰から聞いたんだろう? 音ノ木で仮面の事知ってるのって穂乃果、海未、ことり、にこ、絵里、彩さんの六人だけのはず。

 

「そ、それよりも説明とかあるだろうから私はもう行くね!」

「あ、ちょ、友香!」

 

 友香め逃げたな。……それにしてもなんか気まずい。真姫はさっきからなぜか固まってるし、私も私でなんて切り出そうか迷ってる。取り敢えず説明しようか。

 

「あーその、西木野さん。説明させて下さい」

「別にそんな畏まなくても大丈夫ですよ」

 

 別に畏まってる訳ではないんだけど……まぁいいや。

 それから数分かけて今までの謝罪と、仮面を被ってる事に関する説明を済ませる。

 

「成る程ね。この事他の人に話す気はあるんですか?」

「今のところは特に……」

 

 今回みたいに何か切っ掛けみたいな事がない限り話す気はない。まぁにこの時みたいにバレたら明かすけどね。

 

「あの東野先輩。私の事は名前で呼んで下さい」

「なんで?」

 

 私は別に西木野さん呼びでも良いんだけど。違和感ないし

 

「その、素の東野先輩を知ってる人達を名前で呼んでるので」

「ふむ。じゃあ西木野さんが上手い事先輩禁止を出来たらね」

「なんでそうなるんですか」

 

 ふふふ。言ってるそばから敬語を使ってるよ。はてさて。私はいつ西木野さんの事を名前で呼ぶのかな~。

 

 

 

 なんていう余裕はその後に消えた。陽もそれなりに傾いて、夕方になりかけた時、さすがにそろそろ戻らないとと思いお母さん達の所に戻ると、なぜかお母さんに追い返された。

 え、なんで?

 

「ここで会えたのも何かの縁。一緒に泊まるのも良い思い出になるわよ」

「いや、急に人増えても困るだけでしょ」

「あら? 友香が部長さんと生徒会長に許可貰ったって言ってたわよ? それに穂乃果ちゃん達もいるんでしょ?」

「まぁいたけど。て言うか、皆が泊まるの西木野さんの別荘だから、絵里やにこじゃなくて西木野さんの許可がないとなんだけど?」

 

 その二人の許可もいつの間に取り付けたんだって話だけど。

 

「私は別に構いませんよ」

「え~っと、あなたは?」

「初めまして。西木野真姫と言います」

 

 西木野さんよ。なんでこんなベストタイミングでここにいるのさ。まさか見てたの?

 

「あら初めまして。私は友実の母の友子です。不束者だけど、この子をよろしくね?」

「はい」

「私は花嫁かなにかか!」

「学生結婚は認めないわよ」

「何? 学生結婚だと? 相手はどこの馬の骨だ?」

 

 ここでまさかのお父さん参戦。て言うかお父さんはパラソル片付けていたんじゃないの? 聞き耳立ててたな?

 

「ま、良い思い出話楽しみに待ってるわね」

 

 お母さんはそう言うとなぜか近付いて来る。今のって別れ際の言葉じゃないの?

 

「それに壁は無くしておいた方が良いわよ」

「ちょ、なんでそれを」

「それじゃあね~」

 

 耳元で囁かれた事について問い質そうとするとサッサと手を振ってホテルに戻っていった。

 くっ。友香の逃げ足の速さはお母さん譲りか。それにしても壁って多分仮面の事だよね? なんでお母さんがその事知ってるんだろ? 友香から聞いたとか? でも友香も私が誰に仮面を被ってるかまでは把握してないみたいだったし……情報源は誰なんだ?

 

「東野先輩、早く行きましょ」

「ん? あぁそうだね。まずは皆に説明しないとか」

 

 穂乃果やことり辺りは飛んで喜びそうだなぁ。

 などと考えながら西木野さんと並んで穂乃果達の元へ歩き出した。

 

 

 

 




【図書委員だより】
穂「やって来たよ海!」
友「あーあ、今頃私も家に帰ってゴロゴロしてる筈だったのに……」
穂「まぁまぁ。皆で遊べて楽しいじゃん!」
友「私は遊んでなかったけどね」
海「しかし今回は【妹ラジオ】ではないですね」
友「だって西木野さんの別荘にはいつもの三人いないでしょ?」
穂「え、そんな理由なの!?」
海「ちなみにいつも真姫の別荘で収録してるわけではありませんので、あしからず」
こ「ならどこで収録してるのかって聞かれたら困るんだけどね」
友「さ、話したい事もたくさんあるだろうけど、今話の話をするよ?」
穂「て言っても話す事って真姫ちゃんにもバレた事くらいじゃない?」
こ「うん。あとはお姉ちゃんのお父さんが出てきたくらい?」
海「それにしても最近の友実はガードが甘いと思うのですが」
友「え、そうかな?」
穂「そうだよ! 三年生に上がってからまだ半年も経ってないんだよ? なのに色んな人にバレてんじゃん!」
友「う、うるさいなぁ! バレちゃってるんだからしょうがないじゃん!」
こ「でも、よく今までバレなかったよね」
海「いえ、三年間ほぼ毎日のように顔を合わせている人には、もしかしたらバレているのかもしれません」
友「それってもしかして遥さんの事?」
海「バレているのですか?」
友「うーんどうだろう?」
こ「話が段々ズレて行ってるね」
穂「う、うん」
友「それじゃあ今回はここまでにする?」
海「ですね。もう終わりにしましょう」
友「それじゃあ次回からはまた【妹ラジオ】に戻るので。バイバーイ」
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