あれから再び穂乃果達の元へ行き、簡単に事情を説明。すると驚く事に、全員が何の躊躇いもなく頷く。
「なんで皆さん抵抗しないんですか……」
「そりゃ友実っちやからやない?」
「理由になってませんよ……」
東條さんがどこか楽しそうに言うも、それは私の聞きたい答えじゃない。まぁ穂乃果達二年組は分かる。幼馴染みだからね。絵里とにこも友香に許可をした事から分かる。けど、他のメンバーは!?
星空さんと小泉さんを見ると、なぜか尊敬するような目で見てる。あ、この目はあれか。あこがれの先輩と親睦を深めるチャンス! って所か。じゃあ東條さんと西木野さんは?
「ウチは友実っちがいた方が楽しいし?」
「べ、別に私は皆が良いって言うから」
西木野さんや。今ここでツンデレ発動しても意味ないですよ? それにお母さんの所に来たのは西木野さんだけだったしね。素直じゃないねぇ。
「それじゃあ別荘に戻りましょうか」
「あ、先に行ってて下さい。私は荷物を取りに戻りますので」
「それならホラ、ここに」
あれれぇ? おっかしいぞ~。ホテルにあるはずの私の荷物が今目の前にある。
「矢澤さん。それはどこから?」
「そりゃあんたの部屋からよ。さっきあんたのお母さんが持って来たわよ」
「お、お母さん……」
あの人は自由過ぎるね。でもいいや。これでホテルに行く必要がなくなった。にこから荷物を受け取ると、別荘に向かうらしい皆の後を追う。
「ねぇ友実」
「どうしたの、絵里」
最後尾をのんびりと歩いていると絵里が歩くペースを落として並ぶ。
「実は今ね、先輩と後輩の垣根を無くす為に」
「あぁ敬語を禁止してるんだって? 西木野さんから聞いたよ」
「そう、なら話は早いわ。この際に友実もμ'sの皆と素で接してみたら?」
って言われてもなぁ。バレてるのは穂乃果に海未、ことりににこ、絵里に西木野さんの六人だけでしょ? ……あれ? 結構バレてないか?
「まぁ、機会があればいいかもしれな……くない! さすがに半数以上にバレてるからって自分から進んでバラしはしないって!」
「そう? いい機会だと思ったんだけどね」
確かに機会としては良いんだろうけど、さすがに自分からはバラさない。これは絶対。仮面を被る時に決めた事。逃げられない追及されたり、相手方がもう知ってたりする時は観念するけどね。
「さ、着いたわよ」
絵里の言葉に足を止め皆が入って行った建物を見る。そこには立派な二階建ての建物があった。さすが金持ち。
「開いてる部屋ってある?」
「まだ決まってないわよ。ここに来てすぐに海に行っちゃったからね」
「練習に来たんじゃないの……」
なんで絵里もにこも当たり前の事を。みたいに言ってるのよ。
取り敢えず部屋割は決まってないみたいだから、皆の荷物が置かれている場所に一緒に置く。そしてリビングに行くと早速穂乃果がだれていた。
「あ~たくさん遊んだ~」
「にゃ~」
穂乃果の隣では星空さんも一緒になってる。あとにこがいれば定期テストでピンチになったバカトリオが完成するのに。
「真姫ちゃーん。この近くにスーパーってない?」
「買い物?」
なんでも晩御飯に必要なものが足りないらしい。なんで来る時に買い物に行かなかったんだよ。いや、私が増えた事で足りなくなったのか?
「それなら私が買い物に行……きますよ?」
「ここからそれなりに遠いですよ?」
「なら真姫ちゃんと友実っちとウチ、三人で行こか」
ふむ。私と東條さん、西木野さんか。これまた珍しい組み合わせだな。
「私は別に構いませんよ」
「でもお姉ちゃん体力持つの?」
私が頷くも、ソファに座ってることりに聞かれ思わず目を逸らす。
「友実。今回は希と真姫に任せましょ」
「……分かりました」
仕方ない。買い物に行って私が荷物になる訳にはいかないもんね。
それから玄関で二人を見送ってからリビングに戻る。そこでは皆が思い思いに過ごしていた。
「あ、お姉ちゃ~ん! こっちでトランプやろ!」
「はいはい」
穂乃果がソファに寝転びながら誘って来るも私はそれどころじゃない。本を読みたいんだ。あ、でもこの後練習があるのかな? そしたらその時間に読めるのか。
「おねぇ~ちゃん♪」
「南さんどうしました?」
「あそぼ?」
「はい」
何だろう。なんか抗えなかった。そう言えば何をやる……あぁトランプですね。ことりが何も言わずに穂乃果の隣に座ったよ。三人でやるのかと思ったら絵里とにこも来た。星空さんと小泉さんはテレビ見てる。海未は……どこ行った?
「誰を探しているんですか?」
「誰ってあなたですよ、園田さん」
海未がなぜか私の後ろから現れた。こういったドッキリ系は遥さんで慣れてるから大して驚きはしなかったけど、いつの間に後ろに回り込んだんだ?
「それでは始めましょうか」
「始めるの良いけど、この人数で出来る事って限られるわよね?」
「確かに、にこの言う通りね」
まぁ六人で出来るトランプって何があるよ?
「あ、ここは手軽にポーカーとかどうです?」
「ポーカーってあの五枚のカードでやるやつ?」
「でも私役の強弱知らないよ?」
「そこは任せて。私が全部把握してるから」
ポケットからメモ用紙を取り出し、役を書き出す。実はポーカーはよく遥さん達図書委員達でやってるから、役は覚えちゃったよね。
「それじゃあディーラーは誰がやる?」
「慣れてるようだし、友実でいいんじゃない?」
「じゃあ僭越ながら」
絵里とにこの言葉に頷いて穂乃果からカードを受け取り、シャッフルしてから配る。あれ? ディーラーの私って参加できない? まぁいいか。
「さ、誰か交換する?」
手の平を見せながら聞くと穂乃果と海未が二枚、ことりと絵里が一枚、にこは三枚交換した。
「そう言えば交換の回数とか決めてなかったけど、どうする?」
「あー決めてなかったわね」
「二回でいいんじゃない?」
「てな事で、はい二回目」
にこの言った回数で異論がないのか、特に反対がなかったから再び手を出すと、絵里とことりが一枚交換しただけで終わった。そんなに他の三人は手札が良かったのかな?
「ではもう交換する人がいないから、一斉にお願いします。では、オープン!」
それぞれの手札を見ると穂乃果がツーペア。海未と絵里がスリーカード。にことことりがフォーカード。
「にことことりの勝ちだね」
「やったぁ!」
「ま、にこに掛かればこんなものでしょ」
それから何回かやってポーカーは終わりになった。ちなみに優勝、と言うより勝率が高かったのは絵里だった。
「それじぁあ次は何やる?」
「あ、それならダウトとかどう?」
「ダウト?」
にこがダウトを提案すると絵里が首を傾げる。取り敢えずルールは説明しよう。
「はい。それじゃあ始めるわよ」
「楽しみにゃ~!」
「誰からスタートする?」
「じゃんけんで良いんじゃない?」
そしてじゃんけんの結果、私からになった。手札にAは……ない。仕方ない、ここは
「一」
手札を一枚伏せて出すも誰からもダウトを言われない。
「じゃ、じゃあ二!」
「三!」
「四」
それから穂乃果、ことり、にこと出して行き、二巡目のにこのQで星空さんがダウトをかけ、場に出ている十二枚のカードを自身の手札に加えた。
「それじゃあ次は……星空さんからだね」
「うぅ……じゃあK」
慌ただしく手札を整えてから二枚を伏せて出す。
手札が二十枚近くあったら二枚出しくらい出来ると思うので私はスルー。
そしてさらに何巡かすると手札が多い人と少ない人に分かれた。
「はい、上がり」
「えー! お姉ちゃん早いよ!」
「まさかにこが負けるなんて」
取り敢えず一抜け出来た。
「う~お姉ちゃん嘘が上手いよ~」
「いえ、ポーカーフェースが上手いのです」
「あはは~誉めても何も出ないよ?」
海未の言葉に笑って手を振る。遥さんとやってれば自然とトランプが強くなるって役員の子が言ってたけど、それってほんとだったんだね。普段役員同士でやってるからそこら辺が分からないのか。
「それにしても二人は遅いな」
「あなたが言ってたじゃない。ここから遠いって」
私の呟きに隣に座ってる絵里が肩を竦める。
いや、まぁ言ったけどね? でもあまりにも遅い気がする。
「ちょっと様子見て来る」
「あ、ちょっと! まったく。入れ違いになったらどうするのよ」
後ろから聞こえる絵里の静止の声に手を振ってから玄関から出て行く。
二人ともナンパされたらそのまま連れて行かれそうだからなぁ。変なのに絡まれてないと良いけど……えっとお父さんが言ってた最短ルートはこっちか。
「あ、見付けた……けど。やっぱり絡まれてるか」
道の先に買い物袋を持った東條さんと西木野さんが男二人に絡まれていた。よく焼けていると金髪にピアスの二人組か。なんか遥さんに「海でナンパしてる人」って聞いて真っ先に出て来そうな人達だな。
「あの~ちょっと良いですか?」
「あん?」
「おやすみなさい」
もう話し合いすら面倒だから、金髪が振り向いたのに合わせて右フック。まぁそんなに体重乗せてないから軽いと思う。ま、先手必勝は基本だよね。
「テ、メェ!」
「あーもう良いよ。疲れてんだよこっちは」
取り敢えず掴みかかって来たから腕を捻ってから、その勢いのまま焼けている人にパス……じゃない、叩き付ける。あ、ダメだ疲れてるからかイラついてるからか、扱いが適当だ。
「さ、今の内に行こ」
「え、ちょ、友実っち!?」
「引っ張らないでよ!」
ナンパが立ち上がりかけてる所に、軽く踵落としを喰らわして伸す。あれほどやってもまだ起きて来るのか。こりゃもうちょっと痛めつけるか? ストレス発散? 偶には動かないとね。てな訳で次は何してくれようか。
「ほ、ほら友実っちもう行くで!」
「でもまだ意識が」
「何もそこまでやらなくていいでしょ!」
む……まぁ被害者の二人が言うなら良いか。
「友実っちって意外と容赦ないんやね」
「そ、そうね。友実だけは怒らせない様に注意が必要ね」
二人に手を引っ張りながら何かいてるも、取り敢えず後ろで呻いてるナンパを一睨みしてから引き摺られてる状態から自分で歩き出す。
まぁ二人が無事だったから良かった。
その後、別荘に戻った時に東條さんがさっきの事を絵里に言い、こってり絞られた。
【妹ラジオ】
友「ただいま〜」
亜「おかえり〜」
雪「おかえ……て、だいぶ焼けたね」
友「そうかな? あんまり焼けてないと思うけど」
雪「ちょっと袖捲ってみてよ」
友「こう?」
亜「あ、ほんとだ! 色が違う!」
友「これは……脱皮できるかも」
亜「脱皮!?」
友「そうだよ? 日本人はこうやって肌が焼けると脱皮するんだよ」
亜「ハ、ハラショー!」
雪「こらこら、嘘を教えないよ」
友「テヘッ♪」
雪「可愛く言ってもダメだからね」
亜「で、でも雪穂。友香の肌捲れてるよ?」
友「うっ! これは代々東野家に伝わる秘術!」
雪「バカな事言ってないで、そろそろ本編に触れるよ」
亜友「「はーい」」
友「そういえば久し振りにお姉ちゃんのアクションシーン見た気がする」
亜「最後にやったのっていつだっけ?」
雪「確か絵里さんの誕生日の時?」
友「今の雪穂の答えからして、作者ですら把握してない事が分かったよ」
亜「でも男の人二人を一人で倒しちゃうなんて、友実さんハラショー!」
雪「まぁ疲れと苛立ちから画面が思いっきり外れてたけどね」
友「そんな事言うなら、その前のゲームの時に既に外れてたよ。その場にいた誰も気付いてなかったみたいだけど」
亜「でも私はどっちの友実さんも好きだよ?」
雪「まぁどっちも友実姉だからねぇ」
友「えー、という訳で。次回で合宿回終わるといいね!」
雪「そこは言い切ろうよ!」
亜「それじゃあさようなら〜」