巻き込まれた図書委員   作:名前はまだ無い♪

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三日連続投稿二日目!
明日も22時に投稿します!


episode.28「委員長命令」

 翌日。目が覚めてカーテンを開けると小雨が降っていた。

 

「むーこりゃお客は来にくいか……」

「お姉ちゃん……?」

「おー友香。早いね」

 

 振り返ると寝間着の友香が扉の前に立っていた。友香は隣に来ると心配そうに窓の外を見る。

 

「雨、降ってるね」

「そうだね」

 

 雨か。屋上のステージに屋根が着いてたら問題ないんだけど、昨日の帰りに下から見た感じだと着いてなかったから、ステージで滑らないか心配だ。

 昨夜お母さんに聞いたら、昔お母さん達も雨の日のライブで怪我をしたことがあったらしい。

 

「そう言えば友香達は何時頃に来る予定なの?」

「ん~と、お昼のちょっと前には行くと思うよ」

「そっか。気を付けて来るんだよ」

 

 昼頃か。ウチのクラスだと一番混む時間だな。まぁ私はその時間シフトに入ってないから問題は無いんだけど、その時間はちょうど見回りの時間と被りそうだな。ま、大丈夫か。

 

「そんじゃ行って来まーす」

「行ってらっしゃ~い」

 

 友香に見送られ一人家を出る。小雨だった雨は勢いを増し、本降りになっていた。

 

「おはようございます」

「あ、東野さんおはよ~」

 

 教室に着くと既に何人かのクラスメイトが来ており、衣装に着替えたり、料理を作ってたり、コーヒーや紅茶を淹れては飲んでいた。紅茶の淹れ方の監修はなぜか私がやる事になっていた。

 不思議だよね。私は決める会議に参加せずに本を読んでたんだけど、後から聞いた所によると、どうやら遥さん伝いに私がいつも図書室で淹れてるのを聞いたクラスメイトの誰かが提案して、案の定読書中の私はそれに気付かない。そして拍手投票で私に決まったらしい。

 それにしてもいい匂いだ。私も紅茶を貰おうかな。

 

「すいません。紅茶を一つ下さい」

「はいよ~250円ね」

 

 財布からちょうどの金額を出して紅茶を受け取り、クラスメイトと談笑しながら紅茶を飲む。うんまぁ、美味しいかな? そう言えば夏帆さん達は大丈夫かな。大丈夫だよね。昨日見た感じだと。

 取り敢えず私は絵里と希が来るのを待ってればいいのか。

 

「や、友実。暇そうだね」

「おはようございます遥さん」

 

 いつの間にか隣にいる遥さんに挨拶する。て言うか遥さんウチのクラスに馴染み過ぎてないか? 昨日もさり気なくいたし、今も誰も騒がないし。周りを見ると雰囲気が

 

「三条さんがいるけど、東野さんに任せておけば良いや」

 

 ってなってる。まぁ確かに同じ図書委員でよく話してるけど、なんで私に押し付けるかな!?

 

「ほら遥。あんたもいつまでもウチのクラスにいないで、早く自分のクラスに戻りなさいよ」

「そうやって私から友実を奪うのね!」

「何を言ってるんですか遥さん!」

 

 遥さんの一言でざわつく教室。まったくこの委員長は何を言ってるんだ! ちなみに遥さんに注意をしたのはにこだった。にこの後ろには呆れ顔の絵里と面白そうに笑ってる希。私は何も面白くないんだが……っと、そんな話をしてる場合じゃないや。

 

「それでは絢瀬さん、東條さん。開会式の準備をしに行きましょう」

「そうね。それじゃあにこ、三条さん、また後でね」

「ほな」

 

 絵里を真ん中に三人で並んで飾り付けられた校内を練り歩く。

 

「あ、絢瀬さんお化け屋敷がありますよ」

「そ、そうね」

「えりちは暗い所が苦手なんよな」

「の、希!」

 

 へぇ~絵里って暗い所苦手なんだ。ちょっと意外かな。

 

「そ、そういう友実は苦手なもの無いの?」

「私? 私は特に……あ、一つだけ」

「へぇ~友実っちの苦手な物、ウチ気になるな」

 

 そんな興味持たれれも面白い話題じゃないと思うんだけどなぁ。絵里もなぜか興味津々で聞く体勢になってるし。

 

「私の怖いものは……ズバリ未読の本を没収されることですね」

 

 私の答えにキョトンとする二人。

 

「ま、まぁ友実らしいっちゃ~友実らしいわね」

「そうやね」

 

 まぁ本を没収されるのは確かに怖いけど、他にもいくつかあるよ? 友達がいなくなる事とか。でもそれ言うと、ほぼ確実に希に揶揄われるからね。

 

「そんな事より今日のライブは大丈夫なんですか?」

「う~んちょっと厳しいかしら」

「そうやね。これじゃあお客さんの入りも悪くなりそうやし」

 

 だよね~。でも二人の反応からしてもう部員同士で話し合ったのかな? まぁ何にせよライブはやるみたいだから楽しみにしてよう。

 それから開会式を恙なくこなし、各々のクラスなり、行きたい所へ向かう。

 

「ねぇ友実ちゃん」

「あぁ星空さんに西木野さん、小泉さん。おはようございます」

 

 講堂での開会式後に入り口付近で一年生三人に呼び止められる。どうしたんだろ? 特に今のタイミングで話しかけられる理由が、挨拶意外に思い付かないんだけど……世間話か?

 

「友実ちゃん、穂乃果ちゃん知らない?」

「高坂さんですか? まだ来てないんですか?」

「うん。海未ちゃんとことりちゃんに聞いてもまだ来てないって」

 

 なるほど。幼馴染みの二人が知らないからお隣さんの私に聞いて来たのか。

 

「すいません。私も今日は高坂さんは見てないですね」

 

 開会式の時見なかったから私が見落としてると思ったけど、穂乃果まだ来てないのか?

 

「誰か連絡はしたんですか?」

「海未とことりが開会式前に電話したんだけど、出なかったみたい」

「そうですか……となると高坂さんは寝坊ですね。きっと今頃こっちに向かってると思いますよ」

 

 穂乃果がいくら寝坊したとはいえ、雪穂が家にいるのだ。起こされて慌ててこっちに走って来てるのが目に見えてるよ。

 

「ライブまでまだ時間ありますし、皆さんはこれから最終チェックですか?」

「うん」

「クラスの方を手伝えないのはちょっと心苦しいけどね」

「何言ってるのよ花陽。皆からも頑張ってって言われてるじゃない」

 

 そっか。一年生は学年総出でμ'sを、真姫達を応援してるのか。良かった良かった。

 

「それじゃあ私はもう行かないといけないので。ライブ頑張ってくださいね」

 

 三人の頭を撫でながら言うと、三人とも顔を赤くする。特に真姫。普段から撫でらる事が無いのか少し照れたような表情でこっちを見て来る。

 

「ゆ~み。こんな所で後輩誑かして何してるの?」

「別に誑かしてないですよ」

 

 周りの人達がなんかざわついたり、写真のシャッター音が聞こえるけど、まぁ文化祭だしそれくらい普通でしょ。でも講堂で写真撮影ってなんかあったっけ?

 

「とにかく私はもう行きますね」

 

 遥さんの遊びに一々構ってる暇は今の私にはない。ポケットから腕章を取り出し腕を通す。さて、仕事と行きますか。

 

「東野せんぱ~い!」

「こっち見て~!」

「いや~凄い人気だね~」

 

 教室内から時折聞こえる黄色い声。それに手を振って答えていると、隣を歩く文実長がのんきに言って来る。まぁ文実長の計らいでこうして二人で組む事になった。

 

「でも君の人気は改めて凄いね。そんな人気者が一時とは言え文実(ウチ)にいたってのに、当時の私は一体なにをしていたんだ!」

「なに、と言われてもキチンと委員長の仕事をしていましたよ?」

 

 遥さんも見習って欲しいレベルで仕事をしていたよ。あ、でも最近は仕事してたっけ。

 

「そうじゃない。なぜその時に委員長命令で東野さんメインの企画を発案しなったのか……!」

「あ、見て下さい。マジックですって」

「スルーは酷くないかい?」

 

 いやあのコインの瞬間移動の手品は凄いよ。委員長のどうでもいい話なんかよりもよっぽど見聞する価値があるよ。

 それから一通り見回った後に、時間まで適当に見て回る。まぁいくら生徒会やら文実やらに所属しているとは言え、私達も女子高生だからね。こういった祭事に興奮するんだよ。

 あれ? あれは……

 

「良かった。間に合った」

「どうしたの?」

「いえ。何でもないです」

 

 良かった。今遠くの方で穂乃果が走って校門を通るのが見えた。このまま部室に行くのかな? 取り敢えず絵里にでも連絡しておくか。

 

「東野さ~ん次行くよ~」

「あ、は~い。……って何持ってるんですか?」

「これ? さっきそこのクラスの友達がくれたたこ焼き。こっちは東野さんの分」

「あ、ありがとうございます。いくらしました?」

 

 今日楽しむためにお母さんからお金を貰ってきたから、財布はあったかい。余った分は自分のにして良いらしいから、あまり無駄遣いしないで本代に回せる。いや、回す気は満々だ。

 しかしいくら節約するからと言っても、友達や知り合いに奢って貰うつもりは無い。

 

「いや良いよ。私もこれ貰ったものだし」

「そう、ですか? では頂きます」

 

 文実長からたこ焼きを受け取り一口。あ、美味しい。

 

「美味しいですね」

「でしょ?」

 

 歩きながら食べるのは行儀が悪いという事で、近場のベンチに腰掛け二人でたこ焼きを食べる。

 それから次の子達と交替し、私はアイドル研究部の部室を一人で訪れる。

 

「失礼します」

 

 中に入ると八人のメンバーがライブの衣装に着替えて話していた。入室した私に最初に気付いたのは、扉の一番近くにいた凛だった。

 

「あ、友実ちゃん! 聞いてよ! さっきね、教室に戻ったら、友実ちゃんとの関係を聞かれたんだよ!」

「お、おう?」

「こら凛。友実が困ってるでしょ」

「そうだよ凛ちゃん。それに今のだと上手く伝わってないと思うよ?」

 

 詰め寄って来た凛の横から真姫と花陽が顔を出す。取り敢えず二人に理由を聞くと、どうやら私が講堂の入り口で頭を撫でたのが原因らしい。

 なるほど、だからあの時周りが騒がしかったのか。でもそんなすぐに広まるかな……あ、そう言えば新歓の時に舞台裏で話してるの聞いたな。なんだっけ? ……そうそう非公式ファンクラブ。

 これは悪い事をしたな。何かお詫びしないとか?

 

「にゃ!?」

「ふぇ!」

「ヴェェ!」

「今回は私の不注意だったみたいで、ごめんね」

 

 取り敢えず三人をぎゅっと抱きしめる。なんか体温が直に感じると思ったら、ライブ衣装なの忘れてた。これは失敗したか?

 

「なぁえりち。友実っち絶対質問攻めにされた理由分かってへんよね?」

「多分ね」

 

 え? 私が三人の頭撫でたから、私とどんな関係なのかって聞かれたんじゃないの? ……あ。て事は今のこれも見られたら相当マズイのか。なるほど、希の言ってる事が分かったよ。

 

「あははは。本当にゴメンね三人とも」

 

 慌てて三人を離し謝る。三人ともほんのり顔を赤くして大丈夫と返してくれた。私は懐から櫛を取り出すと、サッと三人の髪を整える。

 

「なんか私がお詫びすると大変な事になるから、これで許して?」

 

 うん。バッチシ。さてと、私は別に遊びに来たんじゃないんだった。

 

「それで穂乃果は?」

「私ならここだよ~」

 

 見回り途中に登校した穂乃果を探すと、カーテンで遮られていた場所から穂乃果が現れる。どうやら衣装に着替えていた途中だったみたい。

 

「穂乃果。まったく、また寝坊したんでしょ?」

「あはは、お姉ちゃんにはバレてたか~」

 

 ……?

 

「穂乃果。大丈夫なの?」

「え? ……うん、大丈夫だよ」

「そっか、無理はしないでね。私だけじゃなくて皆が心配するから」

 

 さて、取り敢えず私がここに来た目的はこれで達成したし、出て行くか。なんか絵里達が聞きたそうな顔をしているも、さっきからポケットで携帯がうるさいんだよ。多分、と言うか十中八九友香からの電話。残りの一、二は夏帆さんからのヘルプの電話とみた。

 

「ゴメン、友香達のお迎え行かないと。それじゃああとでね」

 

 それだけ言って部室から出る。そして携帯を取り出すとやっぱり友香からの電話だった。私は移動しながら電話に出る。

 

「もしもし」

『あ、お姉ちゃん? 今どこにいるの?』

「今? 昇降口付近よ」

『あ、いたいたお姉ちゃ~……ん!」

「…………」

「ご、ごめんなさい」

 

 まったく。謝るなら出会い頭に背後からタックルして来るんじゃないよ。あー少し腰が痛い……

 

「友実姉大丈夫?」

「友実さん大丈夫ですか?」

「あぁ雪穂に亜里沙ちゃん。こんにちは」

「お、お姉ちゃん、肩が痛いんだけど!」

 

 罰として友香の肩に置いた手に力を加えつつ、友香から遅れて来た二人に挨拶をする。さてとμ'sのライブまでまだ少し時間があるな。

 

「三人とも今来たの?」

「ううん。少し前に来て二、三個教室を回ったよ」

「そう。じゃあお昼はもう済ませたの?」

 

 腕に抱き着いて来る友香に聞くと、もうお昼は済ませたらしい。私も何やかんやで文実長が貰ってきた食べ物を食べてるから、私もお昼は済んでるも同然。と、いう訳で私達が向かうのは雨の降っている屋上。

 

「いや~それにしてもよく降ってるね~」

「お姉ちゃん達この中でライブするのかな……」

 

 確かに亜里沙が不安気になるのも分かる。それくらい雨が降っているのだ。誰もいない屋上で設置されてるステージに近付く。ステージ上には雨避けとしてなのか、シートが張られていた。

 

「まぁ何もないよりかはマシ、かな?」

 

 これならシートを剥がせば踊れない事はないか。あとは時間までにどのくらい雨が納まってくれるか。

 少しして段々と傘を差したお客さんが増えて来た。私達は見えやすい場所まで移動する。

 

「ここで大丈夫かな」

「はい! ステージがよく見えます!」

 

 それから少ししてμ'sがステージに上がるのが見えた。そして音楽が流れるとともにステージ上でポーズを取った九人が飛び跳ねる。

 

『一進一跳!』

 

 軽快なリズムに合わせて九人が踊り、観客も盛り上がる。珍しく私も少しピョンピョンと軽く跳ねる。

 そして音楽が止まり拍手が贈られる。私も、友香も、雪穂も、亜里沙ちゃんも揃って拍手をする。良かった。一曲目は何も起こらずに終わったみたい。

 しかし私の安心を裏切るかの様に事態は起こった。センターでポーズを取っていた穂乃果の身体が横に傾いた。

 

「穂乃果!」

「お姉ちゃん!」




【妹ラジオ】
友「さてと、前回に引き続き本編はちょいとシリアス成分ありでお届けしてますが」
亜「もちろんここではそんなの関係無しで進めていきまーす!」
雪「いやいやいやいや! 二人とももうちょっとテンション自重しようよ!」
友「って言ってもねぇ。作者から「せめて後書きは明るくお願いね!」って言われてるんだもん」
亜「だから私達は元気よくやるよ!」
雪「いや、だから〜!」
友「今回は文化祭当日だったね!」
亜「でも最後穂乃果さんが倒れちゃったね……」
雪「この後……どうなるんだろう」
友「まったまた〜。もうこの話も終わってるんだし、皆結果知ってるって」
亜「ここの私達は全時空を生きてる設定だからね! この作品の完結までの流れまで知ってるんだよ!」
雪「おぉ、今回もメタいメタい」
友「まぁいつもメタいからねぇ。この作品の後書きは」
亜「一説では後書きが本編って言われてるくらいだしね!」
雪「そんな事言われてんの!?」
友「この茶番が原因だよね!」
亜「ハラショー!」
雪「何が!?」
友「はい、と言う訳で今回も収集が付かなくなった為、ここで終わりにしまーす」
雪「そう言えば亜里沙のキャラ戻ったんだね」
亜「別にあっちのキャラでも良いんだよ? 楽しかったし」
友雪「「ぜひこっちの亜里沙でお願いします!」」
亜「はーい。それじゃあまたね〜」
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