その日の放課後、私はまた図書室に来ていた。
「で、今度は何しに来たの??」
「えっとね、実は…」
私が近付いて小声で聞くと穂乃果は目を逸らして答えを濁そうとする。仕方ない海未かことりに聞こう…おいこらなんで二人とも目を逸らす?
「…………」
「…………」
「…………」
「…………あ、あの。実はですね。私達のグループの名前なんですが…」
私が黙って見つめていると耐え切れなくなった海未が話し始める。
グループの名前か…確かになんて名前なのだろう?
「それがまだ決まってないので、こうして話し合いをしているのです」
「あ、まだ決まってなかったんだ」
続いた海未の言葉に思わず苦笑いしてしまう。確かに今積まれている本を見ると名前を付ける類の本だな。
「ねぇ友実お姉ちゃんって副委員長なんでしょ?何か良い本ないかな?」
「そうだな…名前の付け方は人によって違うからこれと言ったものは無いけど……て言うか自分達のグループ名なんだからなんか候補とかないの?」
「あるにはあるんだけど…」
苦笑いのことりから一枚の紙を受け取る。何々?「陸海空」に「穂乃果海未ことり」?スクールアイドルのグループ名と言うより漫才のコンビ名に近いんだが、それは一体…
「三人とも、真面目に考える気あるの?」
「そ、それは全て穂乃果が上げた候補です」
「えー私達の事ってすぐに分かって良いと思んだけどなー」
穂乃果の言いたい事は分かるがよく考えろ?何か賞とか貰った時「〜〜賞受賞穂乃果海未ことり」って言われるんだぞ?恥ずかしいなんてものじゃないと思うんだが。
「お姉ちゃんは何か良い名前ない?」
「ない」
「即答ですか」
だって私ネーミングセンスないし。偶にやるゲームとかの主人公の名前だって名前を捩るか、有名な本の一節のそれっぽいのを使ったりしているくらいだし。
「そう言えば、グループ名も良いけどライブの練習はどうなってるの?曲とか衣装とか」
これをクリアしないとライブ出来ないからね。
「衣装はことりちゃんがやってくれてるよ。あと歌詞は海未ちゃん。作曲の方は一年生にピアノが上手い子がいるからその子に頼もうかな〜って」
「ふ〜ん。目処が立ってるなら良いや」
その一年生には同情するが
「ま、頑張ってね。私も出来る範囲でなら手伝うから。尤も委員会と生徒会で思ったより動けないけどね。じゃあね」
翌日、音ノ木坂の廊下にグループ名募集の旨が書かれた紙と箱が置かれた事に軽く頭痛を覚えたのは知る人だけ知っている話である。
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