では、どうぞ!
「あ~、忙しいですぅ~!」
あっ、皆さんにどうもです。
神様達が住まう天上宮で働けるようになってまだ百年、新米天使のルミアレルです。
周りからは『ルミア』の愛称で呼ばれているので、気軽に『ルミア様』と呼びなさいです。‥‥‥ごめんなさい、冗談です。普通に『ルミア』で良いです。
最近、一部の神様達の間で、自分達が気に入った人間を転生させる『神様転生』ってのが流行ってるみたいで、私達天使はその事務処理で忙しい毎日です。
最後にちゃんとしたお休みが取れたのって30年ぐらい前だったでしょうか?
う~~‥‥‥‥たまには休ませろーー!天使使いが荒いとストライキ起こしちゃうぞーー!です!
「‥‥はぁ~‥‥‥」
‥‥愚痴っても仕方ありません。さっさと仕事をこなしちゃいましょう。えっと、次はこの書類をオーディーン様の所へ───
その時でした。
ツルッ
「あにゃっ?」
マズいです、ヤバいです、ピンチです。
私は今、両手で書類の束を抱えた状態であり、手は塞がっています。
そこへ何かを踏んでしまい滑りそうになるですが、なんとしても耐えねば!
「ふんにゅ~~!」
‥‥‥あっ。これ無理ですね。
結局私はバランスを崩してしまい、書類をぶちまけてしまった上に顔面から床にダイブ!
「ふぎゅっ!?」
あぅ~~‥‥!痛いです~~‥‥!
「ふぇ‥‥?は‥‥は‥‥」
う~~!何でこうも嫌なことが重なるですかぁ~!?
私が倒れた際に埃が舞ったせいで、鼻がムズムズするですぅ~!
「ハックチュンッ!」
う~、鼻水がぁ~‥‥。
私は即座に、『自分の真横にあった紙』で鼻をかみました。
「‥‥‥ふぅ~、スッキリしたですぅ」
「──ん?あ~あ~‥‥。ルミア、アンタ何してんのよ?」
「ふぇ?あっ、サッちゃん!」
たまたま通りかかったのは死神見習いのサルエスちゃん。
私の幼馴染みで、愛称は『サッちゃん』です。
「こんなに散らかして‥‥‥。手伝うから、さっさと拾う」
「えへへ~‥‥、ありがとうですサッちゃん」
散らばった書類を集めるなかで、
「ん?ルミア、アンタの足元にあるソレ、ゴミ?」
「えっ?あっ‥‥そうですね」
さっき、鼻をかむのに使ったやつです。
「代わりに捨てとくから貸しなさい」
サッちゃんはいつも優しいので大好きです。何だかんだ言いながらも私のことを助けてくれます。
「───ん?‥‥‥‥ちょ、ちょっとルミア!?」
サッちゃんの様子が急に変わりました。私から受け取ったゴミを広げて、青ざめてるようにも見えますが‥‥‥。
「こ、これ‥‥‥‥『神印』が押してない奴じゃん‥‥!?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥え゛っ?」
今度は私が青ざめる番でした。
『神印』とは神様専用の印鑑のことです。
「しかもコレって‥‥‥‥‥明らかに『人生録』よね‥‥?」
マ、マジっすか‥‥‥?ヤバいです‥‥‥、それはかーなーりヤバいです‥‥!
『人生録』とは、人間の生まれてから死ぬ瞬間までの全てを司る大切な書類です。生命一つにつき一枚ですが、その生命の全てが書かれています。
で、それに汚れを付けたり破いてしまったりしようものなら、それは同時に、人生録の持ち主である生命の活動の強制終了、‥‥‥つまりは『死』を意味するですが‥‥。
「名前は『四ノ宮 鋼』か。えっと、四ノ宮‥‥四ノ宮‥‥‥‥」
サッちゃんは持っていた鞄から『死魂帳(しこんちょう)』を取り出し、名前を探します。
『死魂帳』とは全ての死神・死神見習いに与えられる、人間界で死んだ魂全ての名前が記載されている物です。
「‥‥‥‥‥‥マズいわね。死魂帳に名前が載ってないわ。つまり──」
つまり‥‥‥、本来死ぬはずじゃない人間を私の『鼻をかむ』という行為だけで終わらせてしまったと‥‥‥?
「まぁ‥‥‥‥そういうこと、ね‥‥‥」
〝〝〝( ̄Д ̄Ⅲ)
さて、一つ予告を。
次はプロローグ。で、その次に早速、仮面ライダー側から一人登場させます!