「─────ん!は────!───さい──!」
ん~‥‥?誰だよぉ‥‥、俺の安眠を妨害しくさる輩はぁ~。
「おき───さ───!──の───ね────ん────!」
‥‥‥‥ん~?女の‥‥声‥‥?
「起きてください!四ノ宮 鋼さん!」
‥‥んぁ?どこだ、ここ‥‥。
「起きましたか?起きましたね?四ノ宮 鋼さん」
目の前に居るのは色白の肌に白いワンピース・裸足・膝下まで届く白銀の長い髪・オッドアイ(左目が赤・右目が紫)の、見た目小学六年生ぐらいの少女。
で。俺達が居るのは前後左右上下斜め、360度全方位が真っっっ白な境目が全く分からない空間なんだけど‥‥‥。
えっと‥‥これってつまり‥‥‥。
ポクッ
ポクッ
ポクッ
チ~ン‥‥!
えっ!?何?!俺、転生すんの?!
「り、理解が早いですね‥‥」
フッ‥‥‥これでも、二次創作小説はたっぷり読んでるからこんか状況でも冷静で居られる自信があるぜ!ってか俺、さっきから声に出して喋ってないはずなのに会話は通じてんのな。
「これでも私、神様ですから」
へぇ~‥‥‥んじゃ、下手なことは思えねぇよな。例えば、無い胸を張られても大して感───
「(〒_〒)」
──こりゃ失敬。
何ぞ、話題を振らねばならぬか。‥‥そうだ。
あのさぁ、俺の死因って何なんだ?これでも健康体なのが自慢の一つだったんだけど。
「死因、ですか‥‥?‥‥‥‥‥『表向き、つまり現世では心臓麻痺ということになってます』‥‥‥」
ふむ、心臓麻痺か‥‥。で?表向きっつーことは、本当の理由があるんだろ?
「‥‥‥(Ⅲ°―°)」
‥‥‥‥えっ?何で目ぇそらすん?
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥鼻水です」
はっ?
「‥‥えっと‥‥‥‥私の部下である天使が貴方の『人生録』で──」
ん?『人生録』とは何ぞや?
~『人生録』についての説明中~
「それで‥‥‥ですね‥‥。人生録は人間の命そのものでもあってですね‥‥‥」
あ~‥‥‥‥‥うん、神様が何を言いたいのか分かった。‥‥‥‥‥‥すんげぇ~嫌な予感しかしないけど‥‥。
「貴方の人生録で鼻をかんでしまったため‥‥‥」
俺は死んだと?
「‥‥‥‥‥‥」コクッ
‥‥‥いやはや、こいつは予想外だぜ。てっきり、二次創作小説同様に神様の不注意によるものかと思いきや、まさか死因が『鼻水』とは。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥マジかぁ~~orz!?!
俺の人生、鼻水と同等?もしくはそれ以下ってことッスか~‥‥‥!?
「で、ですから!?お詫びに四ノ宮さん、貴方をこれから、貴方が望むお好きな世界に転生させます!お好きな世界を何処でも良いです、仰ってください!」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥えっ?マジっすか?マジで、好きな世界で良いんですか?!
「は、はい!何処でもどうぞ!」
っしゃあーーーーー!!
そういうことなら考えるまでもない!とっくに決まっている!
プリキュアの‥‥『ドキドキプリキュア』の世界を頼む!!
「『ドキドキプリキュア』の世界ですね?承知しました。次に、転生特典はどうします?こっちも、何でも言ってください」
なら、『仮面ライダードライブ』に出てくる仮面ライダーマッハの力を!
「えっ?主人公の方じゃなくて良いんですか?」
俺、ドライブよりマッハが好きなんだ。マッハの変身ポーズが気になって真似てたらいつの間にか、ってな具合に。
「そうですか、分かりました」
あっ。シグナルバイクは勿論、全シフトカーも使えるようにしてくれ。
「シフトカーもですか?ん~‥‥‥それだけはちょっと無理があるかもです」
えっ?何で?
「問題はタイプトライドロンです。アレは、ドライブドライバーであるクリム・スタインベルトが居てこそ成り立つ変身です。クリム・スタインベルトが居ないのにシフトトライドロンがあるのは矛盾が生じちゃいます」
うっ‥‥‥‥うぐぐぐっ‥‥‥そうかぁ~!?そうだよなぁ~‥‥!?アレ、かなり魅力的だったんだけどなぁ~‥‥!
し、仕方ない‥‥‥‥‥シフトトライドロンは諦めるッス。
「他に必要なもの・必要なことがあれば言ってくださいね」
あ~‥‥‥‥‥じゃあ、記憶に関して頼みたいことが。
そこがプリキュアの世界であるという自覚だけを残して、ドキプリの原作知識は全部消してくれ。
「えっ?良いんですか?それだと、四ノ宮さんの、マナさんに対する想いも消えてしまいますよ?」
おう、構わん。というか消してくれなきゃ困るんだわ。
今までは、プリキュアの世界は二次元での存在だったんだけど、これからは俺にとって『現実として実在する世界』になるんだ。
だからさ、マナちゃんを好きになるんだったらちゃんと『実在する女の子』として見て好きになりたいんだ。
あと、生きていく過程でマナちゃんじゃなく別の誰かを好きになったとしても、それは自分の運命として受け入れたいからな。
「‥‥分かりました。ちゃんと考えがあってのことなんですね。‥‥あっ‥‥‥でも、大丈夫なんですか?四ノ宮さん、三次元の女性はお嫌いなんじゃ‥‥‥」
ぐっ‥‥‥‥が、頑張って治すさ。
他は‥‥前世の記憶は消さなくて良いし‥‥あっ、身内についても頼みたいことが。
「何ですか?」
まぁ~、二十歳にもならずに親より先に死ぬっつー親不孝を遺してしまったわけだが‥‥、それでも両親や皆には俺のこと忘れてほしくないんだ‥‥。だから、両親も含めて俺が死んだことを悲しんでくれる人達に、立ち直れるだけの幸せを与えてやってくれ。
「四ノ宮さん‥‥。‥‥分かりました」
っと‥‥大体こんな所かな?後は特にいいや。
「そうですか。‥‥‥あの、最後に‥‥」
突然、神様は俺に向かって深く頭を下げてきた。ってかおいおい。神様が人間に頭下げるなんて大事じゃね?
「この度は本当に申し訳ありませんでした‥‥!四ノ宮さんは本来だったら、ボケることなく90歳を生きられるはずだったんです‥‥」
スゲェな、おい。
「二十歳で女性と出逢い、その一年後に交際。そこから更に二年後、ご結婚なさる人生を歩めるはずだったのに‥‥」
マジっすか‥‥?
「それなのにこちらのせいで‥‥‥」
あ~‥‥ちょっとちょっと?何か勘違いしてなくね?
「‥‥えっ?勘違い、ですか‥‥?」
だって別に、今回のことは誰も悪くねぇじゃん。たまたま運が悪かった、ってだけだろ?
天使も運が悪かった、俺も運が悪かった、ましてや神様に非があるとも思えん。
それに神様は俺の恩人、この場合の恩人の『人』は『神』で『恩神(おんじん)』の方が良いか。
感謝こそすれ、恨むとか筋違いも甚だしいって。
だから俺が言うべき言葉はこうだ。
新しい人生をくれる恩神に怒る理由は無い!
「鋼さん‥‥‥」
さってと。そいじゃあ、そろそろ転生の方お願いしても良いかの?
「‥‥は、はい!」
神様が何かに触れるような真似をしたかと思えば、突如として現れたのは巨大すぎる真っ白な扉。
つか、デカッ‥‥。ONE PIECEに出てくる正義の門並みじゃね‥‥‥?
「さっ、進んでください。この先に、貴方の新たな世界が在ります」
よしっ!じゃあ文字通り『第二の人生』、張り切って生きますかね!?
次回、『仮面ライダー鎧武』より『あの男』が登場!