お菓子のお家   作:深緑の古龍

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ポルさん、がんばです!!
ということで、続きです。


三章 ジョン

「ポル! ティラミス!!!」

崩れ落ちるように倒れ込んだポルを見て、逃げていたはずのスコーン達まで、二人のもとに戻ってきてしまった。

心配そうに自分に向かって手を伸ばしてくる子ども達に、ポルは言った。

「バカっっどうして戻ってきたんだ!逃げ、ろ!!」

痛みをこらえて叫ぶポルに、子ども達はブンブンと首を横に振る。

その間にも、ジョンは近づいてくる。

その姿を見てしまったレイが、「いやあぁぁぁぁぁ!!!」と甲高い悲鳴をあげてその場に座り込んだ。

血だらけになりながら近づいてくるジョンは、その口許に不敵な笑みを浮かべている。

再び吐きそうになるのを堪え、スコーンはレイの目を手で塞ぎ「見んな!!」と叫ぶ。

ガレットは気丈にもジョンを真正面から睨み付け、怒りのこもった声で「みんなに手を出さないで!!」と叫んだ。

それでも、ジョンはポル達のもとに近づいてくる。

目と鼻の先まで近づいてきたジョン。

(どうしたらいい・・・?)

この場を打開する方法を考え続けていたポルは、ガナッシュの言葉を思い出す。

『……ジョンは昔、火傷したことがあるから。。火を使えば、逃げるかも』

「そうか。おい、ジョン。これを見ろ!」

そう叫んで、ポルはポケットに入れていたライターを取り出し、火をつける。

ーギャアァァァァァ!!!ー

それを見たジョンは、悲鳴をあげて後ずさった。

ーいやだいやだ 怖い、怖いー

そう言い残し、ジョンは姿を消してどこかへいってしまった。

ジョンがいなくなったことを確認したガレット達は、安心してしゃがみこんだ。

「すごいよポルっライターだけで追い払っちゃうなんて!!」

すっかり調子を取り戻したティラミスが、興奮したようにポルに声をかける。

しかし、次の瞬間。

ポルの体がぐらりと大きく傾き、ポルはそのまま前に倒れてしまった。

「「「「ポル!?」」」」

ガレット達が慌ててポルのもとに集まり、起こそうとして体を揺する。

けれど、ポルはぐったりと倒れ込んでいて、起きる気配がまるでない。

顔色も悪く、彼の右足は腫れ上がってしまっていた。

「ポル、ポルっっっ!!!」

スコーンが慌てたように何度もポルに呼び掛けるが、彼が起きる気配も、その様子もない。

不安で今にも泣き出しそうになるのを必死で堪えながら、スコーンはポルを起こそうと奮闘している。

けれど、ポルは目覚めない。

「・・んで。。何で、起きないんだよ。。起きろよ、なあ。頼むから・・・」

ガレット達にも聞こえないような小さなか細い声で、スコーンはそう言った。。




祝⭐ジョン撃退!
しかし、その代償のように唯一?の戦力であるポルが
早くも戦線離脱してしまいました。。
お菓子のお家のもてなしは、まだまだ序盤にしか過ぎません。。
先への不安を抱えたまま、物語は次の章へと移ります……
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