お菓子のお家   作:深緑の古龍

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前回の続きです。
限界寸前の子ども達。
目覚めないポル。
そして、更なる恐怖が。


四章 少女

突然、部屋のドアが外から強く叩かれる。

その音に驚き、スコーン達はビクッと体を震わせる。

 

ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!!

続けざまに、ドアが叩かれる。

その力は、ドアが壊れるのではないかと思うほど、強いものだった。

恐怖で動けないガレット達は、震えながらポルにしがみつく。

部屋全体に響き渡るほど大きな音にも関わらず、ポルは目覚めない。

ガンガンガンガンガンガッ・・・・・

突然、ドアを叩く音が途切れた。

諦めた……?

そう思ってほっと息を漏らすガレット達。

けれど、スコーンはあることを思い出した。

(!!!やべぇ。たしかこの部屋、鍵かけて……っっっ)

スコーンが慌てて立ち上がり、鍵を閉めにいこうとする。

・・・けれど、彼はその場で立ち止まってしまった。

ギイィィィィィ

重々しい、嫌な音が部屋に響く。

ドアを開けられたことにより、ガレット達は今まで抑えていた悲鳴をあげる。

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ズルリ。

そんな効果音がよく似合う動きで、"それ"は入ってきた。

入ってきたのは、顔面の皮膚が半分だけを残して全て剥ぎ取られ、手足はぐちゃぐちゃとなり、内蔵が腹部から飛び出している、幼い子どもだった。

毟り取られたのであろうその頭には、一房だけ金色の長い髪が残っており、その子どもが少女であることを物語っていた。

少女は目を見開き、最早原型を留めていないその手を、スコーン達の方へ伸ばしてくる。

『う"う"、う"あ"ぁ"ぁ"ぁ"・・・』

ヒューヒューと掠れた音を立てながら、引き絞るように出される少女の声。

しかしそれは言葉としての意味を成しておらず、ただ呻いているようにしか聞こえない。

一歩一歩近づいてくる少女から、生物《なまもの》が腐ったような強い腐臭が漂ってきて、ガレット達は思わず口と鼻を押さえた。

『う"あ" う"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"』

奇妙な呻き声を発しながら、少女は近づいてくる。

スコーンは立ち尽くしたまま、少女から目を離すことが出来なかった。

目を離せば、殺される。

そんな予感さえしていた。

しかし。

(こいつ、もしかし、て・・・)

嫌な予感が、脳裏をよぎった。

スコーンは、今まで少女が自分達に向かっててを伸ばしているとばかり思っていた。

自分達を殺すために迫ってきているのだと、思い込んでいた。

けれど、そうではない。

恐怖の余り失念していたが、今この場に居るのは自分達だけではない。

「お、前・・。ポルのこと、狙ってんのか・・・!?」




更なる恐怖である、魔女の犠牲者となった少女が登場!
ガレット達は自分達を狙っていると思い込んでいますが、スコーンは気付いてくれました。

彼女の狙いは、ポルではないのかと。
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