お菓子のお家   作:深緑の古龍

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現れた人物。
その正体は・・・


六章 魔女・ザッハトルテ

そこに立っていたのは、美しい一人の少女だった。

茶色い髪に、銀色の目。薄い肌に、血のように赤い真紅のドレス。。

だが、少女の髪や肌、服には飛び散ったのだろう、血液が付着している。

あどけない顔立ちをしてはいるが、彼女が何者なのか、一目でわかった。

"魔女・ザッハトルテ・・"

 

少女の姿に怯えたレイが、「早く逃げようよぉっ」と言ってポルの服を強めに引っ張る。

ガレット達も、ポルがわかってくれると信じていた。

しかし。

「・・・」

ポルは、少女の姿を凝視したまま、動こうとしない。

・・今のポルには、ガレット達の声など届いていなかった。

目の前にいる少女の顔を凝視する。

そして、確信した。

「・・・トルテ」

「え・・・?」

ポルのこぼした言葉にガレットは目を見開いた。

そんなガレット達の様子に気づかず、ポルは一歩少女に近づく。

「トルテ、トルテなのか・・・?俺だ、ポルだ。ポルボロン、お前の兄だ。覚えてるだろ・・?トルテ」

ポルは懐かしそうに目を細め、一歩、また一歩と少女に近づいていく。

「ポル!駄目!!」「いくな!ポル!!」「ポル!?」「やだ、行かないでよぉ!!」

ガレット達の必死の叫びも、今の彼には届かない。

ポルは迷うことなく少女のもとまで歩いていくと、その体を強く抱きしめた。

愛おしげに少女の髪を撫で、ポルは少女に話しかける。

「やっと、やっと見つけた。。俺は、ずっとお前のことを探していたんだ。・・・こんなに近くにいたんだな、トルテ。。逢いたかった・・っっ」

ザッハトルテは何も言わず、ただポルに抱きしめられている。

なんの反応も示さないザッハトルテの手に握られている物に、ポルが気づくことはない。

ザッハトルテの目が、突如赤くなる。

「ポル!離れろぉ!!!!!」

スコーンが叫んだ、次の瞬間。

ザシュッ

「・・と、るて・・・・・?」

鮮血が、ポルの脇腹辺りから飛び散った。

「やあぁぁぁぁぁ!!!」

耳をつんざくようなティラミスの絶叫が、部屋の中にこだました。

ゴポッと、ポルの口から赤い液体が溢れ出てくる。

見開かれた目は、虚ろな光に飲み込まれていく。

「と、て・・。な、で・・・」

ザシュッ ザシュッ

続けざまに、二回。

ポルの体から出た血が、ザッハトルテの体にかかった。

立っていられなくなったのか、ポルの体がずるり、と地面に落ちた。

「ポル!!!」

そう叫んで駆け寄ろうとしたガレットの腕に、レイが必死でしがみつく。

ザッハトルテはガレット達の方には目もくれず、ポルに止めをさそうと、血に濡れた包丁を振り上げた。

ガンッ

ザッハトルテの手に、飴で出来た机の一部が当たった。

ザッハトルテが、飴の飛んできた方向に顔を向ける。




とうとう姿を現わした、魔女・ザッハトルテ。
その正体はなんと、ポルの妹であるザッハトルテでした。
ポルは喜びのあまりザッハトルテを抱き締めましたが、その直後彼女の無慈悲な攻撃により、大きな傷を負うことに。。
これから、どうなっていくのでしょうか?
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