お菓子のお家   作:深緑の古龍

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ザッハトルテの攻撃に倒れるポル。
ポルに止めを刺そうとする魔女を止めたのは。。


六章 魔女・ザッハトルテ

彼女の目に映ったのは、がたがた震えながらも飴の欠片を握りしめている、スコーンの姿。

スコーンはザッハトルテに向かって、もう一つ飴の欠片を投げつける。

「こ、この魔女め!!ポルから、ポルから離れやがれ!!!」

スコーンはそう叫び、また飴を投げつける。

ザッハトルテは、無表情のまま身を翻し、スコーンの方へ歩み寄ってくる。

やられる!!

そう思って、スコーンは強く目を瞑った。

その時だった。

『……駄目、やめて。この子達に、このお兄さんに手を出さないで、ザッハトルテ!!』

そんな大声と共に現れたのは、ガナッシュだった。

ガナッシュはザッハトルテにしがみつき、その動きを封じ込める。

ザッハトルテが抜け出そうと抵抗するが、ガナッシュは決して離そうとはしない。

ガナッシュは、一番落ち着いているスコーンに向かって叫んだ。

『早く!ポルを連れて、早く逃げて!!私が少しの間ザッハトルテを封じ込めておくから、そのうちに早く!!!』

「あ、ありがとう!!」

スコーンはそう叫ぶと、倒れているポルのもとに駆け寄り、なんとかその体を背負う。

そしてポルを引きずるようにしながらも、ガレット達を連れて部屋から逃げ出した。

もう見えなくなったスコーン達に、ガナッシュはそっと声をかける。

『お願い、みんな。ポルの目を、醒まさせてあげて。。』

そして、ガナッシュはポルに向かっても、言葉を発した。

『・・・ポル、駄目だよ。騙されちゃ駄目。。あなたの妹は・・・』

 

ガナッシュのお陰でザッハトルテから逃げ出せたスコーンは、ガレット達とともに広い広い地下洞窟に迷い込んでいた。

ザッハトルテや他の子どもがいないか確かめたあと、スコーンはすぐさまポルを地面に寝かせ、応急処置を行う。

傷こそ酷かったがそこまで深くはないらしく、出血はもう止まっていた。

これなら助かる。

そう思って、スコーンはほっと息をついた。

てきぱきと傷口を消毒し、ガーゼを当てて包帯を巻く。

「……ふう。これで、大丈夫だろ。。」

そう言って、スコーンはポルに服を着せてあげようとした。

カチャンッ

何か、固い金属が落ちたような音がして、スコーンはふと下を見る。

そこに落ちていたのは、古いペンダント。

錆び付いてしまっているそれは、どうやらポルのポケットから落っこちてきたらしい。

おもむろにそれを拾い上げたスコーンは、ふと気になってペンダントのふたを開けてみた。

「!!これって・・・」

スコーンの声に反応してか、ガレット達もそのペンダントを見てみる。

「!!!」

そこに写っていたのは、自分達と同じぐらいの年頃のポルと優しそうな女性、そして八歳くらいの女の子だった。

その少女がポルの探しているザッハトルテという名の少女だというのとはよくわかったのだが、それ以上に驚いたことがある。

「それは、母さんが最期にくれた誕生日プレゼントだ。。」




ハイスペック?スコーン再来です。
明らかに体格差のあるポルを背負うとは。。
まあ、ほぼ引きずっていたんですが。

ガナッシュも出番ありましたね。
彼女はポルを気に入ったため、助けに来てくれたようです。

そして、魔女・ザッハトルテと幼い頃のポルが写った写真が。。

これから、どうなっていくのでしょうか?
次回に続きます。
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