お菓子のお家   作:深緑の古龍

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スコーンとポルが言い合ってます。
ただひたすらに、言い合ってます。


六章 魔女・ザッハトルテ

聞き慣れた声に振り返ると、ポルが壁にもたれ掛かるようにして座っていた。

「ポル!!」

ガレット達が、慌ててポルの元へと駆け寄ってくる。

ポルは苦しそうに息をしながら、話す。

「……中央の女性が俺の母親で、左が俺。右にいるのが、俺の妹のザッハトルテだ。。」

ポルはそれだけ言うと一旦口を閉ざし、やがて自嘲するような笑みを浮かべた。

「・・・よく分かったよ。トルテは、俺を恨んでいるんだ。母さんと自分を裏切った、俺を。。だからあいつは、俺を殺そうとしたんだ」

ポルは右手で顔を覆い、苦しげに息を吐き出した。

ガレットは、そんなポルに慌てて声をかける。

「違う!!トルテさんは、ポルのことを恨んでなんかいないわ!!」

「そうだよ!ポルのことを恨んでるだなんて、そんなのあり得ない!!」

「わ、私だってそう思うよっっ」

ティラミスとレイも、そう言ってポルを励まそうとする。

しかし。

「やめてくれ!!!」

「「「っっっ」」」

ポルは、初めてガレット達に向かって声を荒げ、反論した。

ガレット達がビクッと肩を震わせるが、今のポルにはそれを気にすることができない。

「トルテはっあいつは、俺のことを恨んでいるんだ!あの時、助けてやれなかった俺のことを!!だから、今までずっと逢えなかったんだ。。・・・そして、あいつは今。復讐するために、俺を探しているんだ・・」

ポルはそこまで言うと、ふらつきながらもなんとか壁づたいに立ち上がった。

「おいポル、どこ行く気だよ!?」

スコーンが慌ててポルの手をつかみ、問いかける。

「・・・あいつの、トルテのところに行くんだ。トルテが復讐を望んでいるのなら、俺は……」

そう答えたポルの目には、一筋の光さえ宿っていない。

少女の死を間近で見たときよりも、虚ろなその目に、スコーンは焦った。

(駄目だ。このままじゃ、こいつ何するか。。!!)

スコーンは、ポルの手をぎゅっと握りしめ、叫ぶ。

「ふざけんな!!トルテが、あんたのこと恨んでる?復讐したいと思ってるだって!?そんなこと、するわけないだろ!!……あいつは、あんたの妹のザッハトルテじゃない。まったく血の繋がっていない、赤の他人だ!!あいつは魔女・ザッハトルテ。・・・ポルボロンの妹のザッハトルテなんかじゃない!!!」

「っ!!」

その瞬間、ポルの目に光が戻った。

ポルは驚いたように、自分に食って掛かってくるスコーンをみつめた。

「あんたの妹は、そんなことしない。だって、あんたはこんなにいいやつなんだ!!その証拠に、見ず知らずの俺達を、命懸けで護ってくれようとしてる。。そんなやつの妹が、魔女になんかなるわけねーじゃん!!」

「・・・いや、あのときトルテが食べたのは、きっと人だったんだ。。だから、二人とも捕まったんだ。トルテは、魔女になったんだ」




トルテが魔女になったと思い込むポル。
そんなポルを、どうやって正気に戻すのか。。
スコーン君、がんば!
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