物語も終盤に近づいているので、どんどん更新していきます。
ポル達は、ただひたすらに地下洞窟を進んでいた。
命に別状がないとはいえ、深い傷を負っているポルは長く移動することが出来ず、ガレット達はポルの顔色を窺いながら、休み休み前に進んでいた。
「・・・っふう」
「ポル、大丈夫?みんな、少し休みましょ」
ガレットがそう言ってスコーン達に止まるように声をかけると、ポルは首を振ってそれを止めた。
「っ大丈夫だ。。早く、行こう……」
辛そうな声で、ポルはガレット達を急かす。
ガレットは心配そうに顔をあげ、ポルの顔を見上げる。
そんな彼女に、ポルは「大丈夫だ。。」と言い、無理に笑顔を作って見せる。
大丈夫そうには見えないよ。
そう言おうとしたガレットは、グッとその言葉を押し殺した。
否定する代わりに愛らしく笑いかけ、ガレットはポルに声をかける。
「……分かったわ。行きましょ、みんな」
スコーンがなにか言いたげにガレットの顔をちらりと見てきたが、結局なにも言わずに歩き出した。
口に出さなかった理由は、ここにいる全員が理解している。
地下洞窟は薄暗く、道もわからない。
もし魔女がやって来たら、とても逃げ切れはしないだろう。
それに、ポルの傷の具合から見て、走ることはできそうにない。
だからこそ、一刻も早くここから逃げ出さなければならない。
ポルは自分自身が足手まといにならないように、無理して歩き続けているのだ。
その気持ちを尊重しようと、ガレット達は思ったのだろう。
・・・歩き続けていると、遠くの方から一筋の光が見栄始めてきた。
出口だろうか?
そんな期待を胸に宿しながら歩き続ける五人の足は、自然と速くなっている。
たどり着いたのは、今までとは違う広い広い空間だった。
出口ではなかったことに、ガレット達はショックを受けて、つい立ち止まった。
「っ」
今まで無理をしてきたせいか、ポルはその場に崩れ落ちるようにして、座り込んでしまった。
「ポル!」
ガレット達が、慌ててポルのもとへと駆け寄ってくる。
ポルは苦しげに息を吐きながらも、ガレット達に対してすまなさそうに謝る。
「・・・すまない。。少し、休ませてくれ……っ」
ガレット達はこくんと頷き、ポルにくっつくようにして腰を下ろす。
苦しげに肩で息をするポルを、ガレット達は心配そうに見つめる。
そんなガレット達の様子に気がついたポルが、元気付けるかのように小さく笑いかけてくる。
それを見たガレット達は、泣きそうになるのをグッとこらえた。
「・・・ここ、どこなんだろうな」
ぽつりと、スコーンが呟く。
その言葉に、ガレット達は顔をあげる。
キラキラと輝く、蒼白い石。
大きな空間の中心には、石で作られたのであろう、奇妙なものが置かれている。
一見すると檻のようにも見えるそのなかに、スコーンはなにかを見つける。
「あれ。。なんか、あの中に入ってねーか?」
その声に反応したのか、ポルがのろのろと顔をあげる。
そして、その中に入っているものを見た瞬間、大きく目を見開いた。
慌てて立ち上がったポルに、ガレット達は驚いて同じように立ち上がる。
ポルはゆっくりとした足取りで、石で出来た檻のようなものに近づいていく。
そして、石の近くまでやって来たポルは、小さく呟いた。
「……トルテ?」
その声を聞き取ったらしく、中に入っていた少女はスッと顔をあげた。
そして、ポルの姿を一目見た瞬間、彼女の瞳に大粒の滴が浮かんだ。
「・・・!!お兄、ちゃん!!!」
少女はそう叫ぶや否や、立ち上がって檻の隙間から手を伸ばした。
「トルテ、トルテ!本当に、お前なんだな……?!」
ポルは差し伸ばされた手をぎゅっと握りしめ、確認するように訊ねる。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん!!」
少女・・・トルテは、ポルのことを呼び続ける。
「待ってろ、トルテ。すぐに、この檻を壊してやるから」
そう言って、ポルは近くにあった手頃な石を拾い上げ、檻に向かって力の限り叩きつけてなんとか壊そうとする。
しかし、上手く体に力が入らず、ポルは石を落としてしまう。
「私も手伝うわ、ポル!」
「わ、私だって。。役に、たつもん!!」
「僕がいること、忘れないでよね!!」
「あんただけじゃ無理だろ?俺も手伝ってやるよ」
口々にそう言い、ガレット達も檻を壊そうと、それぞれ石で檻を叩く。
ガシャンッ
何度も何度も叩き続けているうちに、大きな音とともに、ついに檻が壊れた。
「お兄ちゃん!!」
「トルテ!」
檻から飛び出してきたトルテは、一目散にポルの胸の中へと飛び込んだ。
ポルは少しよろけながらも、トルテをしっかりと抱き止める。
感動の再会!!
今回こそは、本物のザッハトルテさんに出会うことができました!
・・・それにしても、ポルさんはなぜ魔女と妹を間違えたのか。。w
まあ、僕がそうしたんですかww