お菓子のお家   作:深緑の古龍

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とうとう七章です。
物語も終盤に近づいているので、どんどん更新していきます。


七章 ポルの妹

ポル達は、ただひたすらに地下洞窟を進んでいた。

命に別状がないとはいえ、深い傷を負っているポルは長く移動することが出来ず、ガレット達はポルの顔色を窺いながら、休み休み前に進んでいた。

「・・・っふう」

「ポル、大丈夫?みんな、少し休みましょ」

ガレットがそう言ってスコーン達に止まるように声をかけると、ポルは首を振ってそれを止めた。

「っ大丈夫だ。。早く、行こう……」

辛そうな声で、ポルはガレット達を急かす。

ガレットは心配そうに顔をあげ、ポルの顔を見上げる。

そんな彼女に、ポルは「大丈夫だ。。」と言い、無理に笑顔を作って見せる。

 

大丈夫そうには見えないよ。

 

そう言おうとしたガレットは、グッとその言葉を押し殺した。

否定する代わりに愛らしく笑いかけ、ガレットはポルに声をかける。

「……分かったわ。行きましょ、みんな」

スコーンがなにか言いたげにガレットの顔をちらりと見てきたが、結局なにも言わずに歩き出した。

口に出さなかった理由は、ここにいる全員が理解している。

地下洞窟は薄暗く、道もわからない。

もし魔女がやって来たら、とても逃げ切れはしないだろう。

それに、ポルの傷の具合から見て、走ることはできそうにない。

だからこそ、一刻も早くここから逃げ出さなければならない。

ポルは自分自身が足手まといにならないように、無理して歩き続けているのだ。

その気持ちを尊重しようと、ガレット達は思ったのだろう。

 

・・・歩き続けていると、遠くの方から一筋の光が見栄始めてきた。

出口だろうか?

そんな期待を胸に宿しながら歩き続ける五人の足は、自然と速くなっている。

たどり着いたのは、今までとは違う広い広い空間だった。

出口ではなかったことに、ガレット達はショックを受けて、つい立ち止まった。

「っ」

今まで無理をしてきたせいか、ポルはその場に崩れ落ちるようにして、座り込んでしまった。

「ポル!」

ガレット達が、慌ててポルのもとへと駆け寄ってくる。

ポルは苦しげに息を吐きながらも、ガレット達に対してすまなさそうに謝る。

「・・・すまない。。少し、休ませてくれ……っ」

ガレット達はこくんと頷き、ポルにくっつくようにして腰を下ろす。

苦しげに肩で息をするポルを、ガレット達は心配そうに見つめる。

そんなガレット達の様子に気がついたポルが、元気付けるかのように小さく笑いかけてくる。

それを見たガレット達は、泣きそうになるのをグッとこらえた。

「・・・ここ、どこなんだろうな」

ぽつりと、スコーンが呟く。

その言葉に、ガレット達は顔をあげる。

キラキラと輝く、蒼白い石。

大きな空間の中心には、石で作られたのであろう、奇妙なものが置かれている。

一見すると檻のようにも見えるそのなかに、スコーンはなにかを見つける。

「あれ。。なんか、あの中に入ってねーか?」

その声に反応したのか、ポルがのろのろと顔をあげる。

そして、その中に入っているものを見た瞬間、大きく目を見開いた。

慌てて立ち上がったポルに、ガレット達は驚いて同じように立ち上がる。

ポルはゆっくりとした足取りで、石で出来た檻のようなものに近づいていく。

そして、石の近くまでやって来たポルは、小さく呟いた。

「……トルテ?」

その声を聞き取ったらしく、中に入っていた少女はスッと顔をあげた。

そして、ポルの姿を一目見た瞬間、彼女の瞳に大粒の滴が浮かんだ。

「・・・!!お兄、ちゃん!!!」

少女はそう叫ぶや否や、立ち上がって檻の隙間から手を伸ばした。

「トルテ、トルテ!本当に、お前なんだな……?!」

ポルは差し伸ばされた手をぎゅっと握りしめ、確認するように訊ねる。

「お兄ちゃん、お兄ちゃん!!」

少女・・・トルテは、ポルのことを呼び続ける。

「待ってろ、トルテ。すぐに、この檻を壊してやるから」

そう言って、ポルは近くにあった手頃な石を拾い上げ、檻に向かって力の限り叩きつけてなんとか壊そうとする。

しかし、上手く体に力が入らず、ポルは石を落としてしまう。

「私も手伝うわ、ポル!」

「わ、私だって。。役に、たつもん!!」

「僕がいること、忘れないでよね!!」

「あんただけじゃ無理だろ?俺も手伝ってやるよ」

口々にそう言い、ガレット達も檻を壊そうと、それぞれ石で檻を叩く。

ガシャンッ

何度も何度も叩き続けているうちに、大きな音とともに、ついに檻が壊れた。

「お兄ちゃん!!」

「トルテ!」

檻から飛び出してきたトルテは、一目散にポルの胸の中へと飛び込んだ。

ポルは少しよろけながらも、トルテをしっかりと抱き止める。




感動の再会!!
今回こそは、本物のザッハトルテさんに出会うことができました!

・・・それにしても、ポルさんはなぜ魔女と妹を間違えたのか。。w
まあ、僕がそうしたんですかww
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