お菓子のお家   作:深緑の古龍

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これで、この小説は完結となります。
見ていただいた皆さん、ありがとうございます。
それでは、最終章、お楽しみください。。


終章 お菓子のお家

・・・あれから、数週間後。

ガレット達の住む村に、新しく住人が引っ越してきた。

新しい住民は、十八歳の青年と、十六歳の少女だった。

仲のいい兄妹で、ガレット達のよく知る人物でもあった。

「!ポル!!」

広場で遊んでいたガレット達は、妹と共にやって来たポルの姿を見たとたん、駆け寄ってきた。

ポルはそんなガレット達の頭を、優しく撫でてやる。

「あんたら、今日からこの村に住むんだよな?」

スコーンが笑いながら尋ねると、ポルは「ああ」と答え、同じように笑い返してくれた。

ポルはいつのまに抱きついたのか、ぎゅうっとしがみついているレイの頭を撫でている。

そんな兄のことを、トルテは微笑ましそうに見守っている。

・・・思う存分甘え終わったところで、ガレット達はポルから一旦離れる。

「ポル、お菓子の家って、どうなったのかな?僕、ずっと気になってるんだ~」

突然、ティラミスがポルにそんなことを聞いてくる。

「そうだな……」

ポルは少し考える素振りを見せ、やがてこんなことを言ってきた。

「・・・なら、行ってみるか?」

ポルの言葉に、ガレット達は耳を疑った。

あんなことがあったばかりだと言うのに、彼は本気なのだろうか。

そう思ってポルを見てみれば、彼はいたずらっ子のような笑みを浮かべている。

「……あーもう、しゃーねえなぁ。行こうぜ、皆」

そう言い出したのは、意外にもスコーンだった。

ガレット達が慌てて止めようとするのをおさえ、スコーンはポルに言った。

「てかあんた、そもそもそれが目的だったんだろ?」

スコーンがそう言うと、ポルは「ばれたか」と楽しそうに笑った。

スコーンの頭をくしゃくしゃと撫で、ポルはガレット達に「行くぞ」と声をかけた。

歩き出したポルに遅れないよう、ガレット達は慌てて走っていった・・・。

 

・・・お菓子の家に辿り着いたガレット達は、目を丸くした。

お菓子の家は、お菓子ではなく普通の家になっていた。

驚くガレット達を尻目に、ポルとスコーンは扉を開けて中へと入っていく。

中は、少し埃が溜まっていたものの、ちゃんとした作りとなっていた。

「これが、あの魔女の家……?」

「恐らく、あのこの魔力でお菓子のように見せていたんだろうな。子どもはお菓子が好きだから。あのこも、好きだったんだろうな」

ポルがそう言うと、ガレット達は納得したように頷いた。

奥へと進んでいくポルの後を追いかけつつ、ガレット達は家の中を楽しげに見て回る。

もう、家の中は血塗れになっていなかった。

それがどうしてなのか、真実はわからないが、きっと魔女の力なのだろう。

自分が旅だった後、待たへんな噂がたって他の人が魔女と呼ばれないように、気を使ったに違いない。

そんなことを考えながら、ポルは前に進んでいく。

・・・ある部屋の前で、ポルの足が止まった。

「どうしたんだよ、ポル」

スコーンが不思議そうに尋ねる。

「いや。。……この部屋、前に来たときにはなかったはずなんだが」

ポルに指摘され、ガレット達はその部屋を覗き込んでみる。

・・・確かに、前に来たときにはなかった部屋だ。

その部屋は女の子らしく可愛い飾りつけがなされていて、明らかに他の部屋とは異なっていた。

「ここが、あのこの部屋だったんだな」

ポルの呟きに、トルテは同意するように頷いた。

さすがに、女の子の部屋に入るわけにはいかないな。

 

そう言って、ポルはその部屋を後にしようとした。

その時だった。

「あ!ねえ見てみてポル。机の上に、なんか箱みたいなのが置いてあるよ!しかも、六個!!」

ティラミスが、興奮したようにポルの腕を引っ張る。

それを聞いたレイが恐る恐る部屋を覗き込み、やはりティラミスと同じようにポルの服の裾を引っ張るった。

「ポル、ティラミスの言うとおり。。ね、ちょっと見てみようよ?」

そう言って、レイはポルの顔をじっと見つめる。

ポルはそんな二人に「分かった分かった」と言って笑いかけ、部屋に入る。

机まで歩いていき、置いてある箱を見る。

その箱はリボンで綺麗に結ばれていて、よく見てみるとメッセージカードが挟まっていた。

カードに書かれていたのは、メッセージではなくポル達の名前だった。

一人一人に宛てた、プレゼントの箱。

呆然とそれを見つめるポルに、ガレットは言った。

「ねえ、ポル。もしかしてこれ、あの子が言ってたお詫びなんじゃない?」

あの時、魔女は最期にこう言った。

『おわびに、これあげるね』

恐らく、この箱がそうなのだろう。

ポルは箱を手に取り、ガレット達に渡していく。

そして最後に自分の名前が書いてある箱を手に取り、リボンをほどいた。

箱を開けると、そこに入っていたのは美しい光を放つ小ぶりの宝石。

よく見ると、その宝石はポルの目の色と同じ色をしていた。

ガレット達の箱に入っていたのも宝石だったらしく、自分の目の色と同じだとはしゃいでいた。

「なあ、ポル。あいつが渡したかったものって、これだったんだな」

嬉しそうに、スコーンが声をかけてくる。

パルはそんな彼の頭を優しく撫でてやり、「ああ、そうだな」と言って笑った。

 

・・・屋敷の探索を終え、ポル達は村へと帰ってきた。

「あ、そうだ!ねえ皆、私達の家に来ない?お兄ちゃんが、ブリオッシュを焼いてくれたの。一緒に食べましょ?」

無邪気に誘ってくるトルテに、ガレット達は嬉しそうに返事をし、それからポルを見た。

「ねえポル。私達も行っていい?」

ガレットがそう尋ねると、ポルは優しい笑みを浮かべながら言った。

「ああ、もちろん。もともと、そのつもりで作ったんだ。・・・さあ、行くぞ」

そう言って、ポルはガレット達と共に、我が家に向かって歩き出す。

その時。

 

ー・・・プレゼント、喜んでくれた?ー

 

風と共にそんな声が聞こえてきた気がして、ポルはふと立ち止まった。

そして空を見上げ、ふっと微笑んだ。

「・・・ああ、ありがとう。絶対に、お前達のことは忘れないよ。ずっとずっと、覚えている」

 

「ポル、何やってんだよ?早く行こうぜ!」

「ポル、早く行こうよ!」

「お~い、ポル~!!」

「ポル、行きましょ!」

「お兄ちゃ~ん!!」

大切な人達が、ポルを呼ぶ。

「ああ、今すぐ行くよ!」

ポルはそんな彼女達に笑いかけ、走り出す。

 

 

願わくば、その幸せが、永遠に続きますように……

そんな願いが込められた小ぶりの宝石が、六人の胸元でより美しい光を放った。。

 

ー完ー




これで、お菓子のお家は完結となります。
長々と面白味もない小説を見てくださった皆様、本当にありがとうございました。
感謝感激雨霰です。
色々と突っ込みたいところがあったかもしれませんが、勘弁してください。。
ちなみに、僕が一番気に入っているキャラは、ポルとスコーンです。
この二人のからみを書くのが、一番楽しかったです。

実はですね。
お菓子のお家はこれで完結したのですが、まだ続編がありまして。。
今度の主人公は、ポルの娘にしたいと思っています。
とは言ったものの、まだまだ書けていませんので、皆様が忘れた頃に書き始めると思われます。
その時は、またお付き合いください。。

では、最後に。
お気に入り登録をしてくださった皆様、評価してくださったお方、小説を見てくださった皆々様、本当にありがとうございました。
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