ガレットがそれを止めようとしているのが、なんとも微笑ましい。
その光景を見たポルは、自分でも気づかないうちに微笑んでいた。
と、その時。
ポルの耳に、「すぅ……」という寝息が聞こえてきた。
声の主を探して視線を下に移すと、レイがポルにしがみついたまま眠っていた。
「んぅ・・・」
可愛らしい寝言が聞こえてくる。
「ポ、ル……」
ポルが優しい手つきで頭を撫ででやると、レイはもぞもぞ動いてポルの手に頭をすり付けてきた。
そんな二人に気づいたガレット達が、二人のもとにやって来る。
ガレットとティラミスは、安心しきったような表情で眠っているレイを見て、同時に微笑んだ。
スコーンもやって来てレイのことを見ようとしたが、何故かプイと顔を背けた。
それを見たポルが、眉を潜める。
「・・・ん」
「なんだ」
「っから、ごめんって言ってんだよ!!服、汚しただろ、そんこと!」
はんばやけになりながら、スコーンはそう叫んだ。
まさか、まだ気にしていたとは・・・。
そう思いながら、ポルはスコーンを見て言った。
「・・・気にするなって言っただろ。。このくらい、洗えばすぐ落ちる。。それより、さっさとここから出るぞ」
スコーンの頭をわしゃわしゃと撫で、ポルは立ち上がる。
右足に痛みが走ったが、ポルは表情一つ変えずにレイをおぶって歩き出す。
慌てたように追いかけてくるガレット達とともに、ポルは出口を探す。
早く、ここから出た方がいい。
何故か、そう強く思った。
子どもの横を通るとき、ガレット達はポルにしがみついてきた。
歩きづらいはずなのに、ポルは文句一つ言わずにそれを受け入れ、彼女達に子ども達を見せないようにしてくれた。
・・・その途中、ポルは何を思ったのか、比較的被害の少なそうな少女に声をかけた。
「・・・おい。ここはどこだ、お前達に何があった」
話しかけられた少女は、静かに答える。
『・・・魔女に食べられたの。ここに居る子は、みんなそうだよ。トーイも、クアも、ジョンも……。魔女に騙されたの。ここは、安全だって言ったのに。。』
「魔女?どういうことだ。ここは、魔女の棲み家なのか」
『ここは、魔女のお家。人食い魔女、ザッハトルテの・・・』
「トルテ!?その魔女の外見は?髪の色は、目の色は、肌の色・服の色は!?」
ザッハトルテ。
その言葉に反応し、声を荒げるポル。
彼の表情には鬼気迫るものがあり、少女だけでなくガレット達も怯えさせた。
「っ」
ガレット達の様子に気づいたポルは、落ち着きを取り戻す。
続きます。