お菓子のお家   作:深緑の古龍

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二章、前回の続きです。


二章 問いかけ

ガレットがそれを止めようとしているのが、なんとも微笑ましい。

その光景を見たポルは、自分でも気づかないうちに微笑んでいた。

と、その時。

ポルの耳に、「すぅ……」という寝息が聞こえてきた。

声の主を探して視線を下に移すと、レイがポルにしがみついたまま眠っていた。

「んぅ・・・」

可愛らしい寝言が聞こえてくる。

「ポ、ル……」

ポルが優しい手つきで頭を撫ででやると、レイはもぞもぞ動いてポルの手に頭をすり付けてきた。

そんな二人に気づいたガレット達が、二人のもとにやって来る。

ガレットとティラミスは、安心しきったような表情で眠っているレイを見て、同時に微笑んだ。

スコーンもやって来てレイのことを見ようとしたが、何故かプイと顔を背けた。

それを見たポルが、眉を潜める。

「・・・ん」

「なんだ」

「っから、ごめんって言ってんだよ!!服、汚しただろ、そんこと!」

はんばやけになりながら、スコーンはそう叫んだ。

まさか、まだ気にしていたとは・・・。

そう思いながら、ポルはスコーンを見て言った。

「・・・気にするなって言っただろ。。このくらい、洗えばすぐ落ちる。。それより、さっさとここから出るぞ」

スコーンの頭をわしゃわしゃと撫で、ポルは立ち上がる。

右足に痛みが走ったが、ポルは表情一つ変えずにレイをおぶって歩き出す。

慌てたように追いかけてくるガレット達とともに、ポルは出口を探す。

早く、ここから出た方がいい。

何故か、そう強く思った。

子どもの横を通るとき、ガレット達はポルにしがみついてきた。

歩きづらいはずなのに、ポルは文句一つ言わずにそれを受け入れ、彼女達に子ども達を見せないようにしてくれた。

・・・その途中、ポルは何を思ったのか、比較的被害の少なそうな少女に声をかけた。

「・・・おい。ここはどこだ、お前達に何があった」

話しかけられた少女は、静かに答える。

『・・・魔女に食べられたの。ここに居る子は、みんなそうだよ。トーイも、クアも、ジョンも……。魔女に騙されたの。ここは、安全だって言ったのに。。』

「魔女?どういうことだ。ここは、魔女の棲み家なのか」

『ここは、魔女のお家。人食い魔女、ザッハトルテの・・・』

「トルテ!?その魔女の外見は?髪の色は、目の色は、肌の色・服の色は!?」

ザッハトルテ。

その言葉に反応し、声を荒げるポル。

彼の表情には鬼気迫るものがあり、少女だけでなくガレット達も怯えさせた。

「っ」

ガレット達の様子に気づいたポルは、落ち着きを取り戻す。




続きます。
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