ハイスペック?十一歳ことスコーン君、出番ですよ!
その異変に真っ先に気づいたのは、スコーンだった。
ガナッシュと別れて歩き続けて、数時間。
もしかしたら数十分かもしれないが、時計がないため時間がわからず、また廊下の景色も変わらないため、自分達かどのくらい歩いたのか分からなかった。
廊下をただひたすら歩いているうち、始めこそ気づかなかったが、じっと見ているうちに彼は気づいた。
(・・・あれ?なんか変だな)
視線の先に居るのは、眠ってしまっているレイをおぶりながら、ガレット達や自分のペースに合わせて歩いているポル。
始めのうちは、何がおかしいのかが分からなかった。
おかしいとは思いつつも、特に気にしていなかった。
けれど、やっとその違和感の正体がわかった。
「・・・疲れた」
スコーンがそう訴えると、ポルは振り返り「なら、少し休むか」と言い、前を歩いていたガレット達を呼び止めた。
皆で、廊下の端に座り込む。
そんな中、スコーンだけはポルの表情を見逃さないようにと、食い入るように見つめていた。
そして、ポルが一瞬痛そうに顔をしかめたのを、スコーンは見逃さなかった。
「・・・なあ、ポル」
「どうした、スコーン。・・ここで休むのは不安なのか?」
声をかけると、優しい気遣いが返ってくる。
スコーンはその言葉に首を振り、言った。
「ううん、別に。。」
「怪我でもしたのか?見せてくれ、手当てをする」
心配そうな表情を浮かべ、ポルがスコーンのもとに向かおうとする。
スコーンはふるふると首を振った。
「ならどうしたんだ。まだ不安か?」
何処までも自分やガレット達のことを心配してくれるポルに、少し怒りがわいた。
「っっっそうじゃなくて!!・・・っ」
うまく言葉にすることができず、言葉をつまらせるスコーン。
そんな彼の背中を、ポルは優しく擦る。
少しの間大人しくしていたスコーンは、落ち着きを取り戻した。
「大丈夫か、どうしたんだ」
「・・・怪我してんの、そっちじゃん。。」
スコーンの言葉に、ポルは驚いたように目を見開いた。
「え!?ポル、怪我してるの?」
「えええ!?ほんと?痛くない!?」
「んぅ。。何の話してるの……?」
ガレットとティラミスが、驚いて大声をあげる。
その声に、レイも起き上がってきた。
「・・・してないよ。気のせいだろ」
ポルがそう言うと、スコーンはおもむろに彼の右足に触れた。
「っっっ!!」
足に激痛が走り、ポルは思わず顔をしかめる。
「あっごめっ」
ポルの反応を見て、スコーンは慌てて手を離す。
「・・・はあ、うまく隠していたつもりなんだがな。。わかったよ、観念する。確かに、怪我をしている。たぶん原因は、ガナッシュが言っていたジョンだ。・・・でも、心配しなくていい。歩けないほどでもないしな」
観念したように両手をあげ、ポルはスコーン達にそう告げた。
ハイスペック?スコーン登場。
医者の息子なだけあって、怪我には敏感です。