おまけをお楽しみください
女子校にたった一人っきりの男。
そんな出来事はアニメや漫画の中だけだと思っていた時期が俺にもありました。
拝啓。
天国の一夏兄へ。
どうやら俺は女子校に入学することになってしまいました。
俺どうすればいいのか全くわからないからお願いします助けてください。
いやほんとまじでこの状況から助けて。
敬具。
...............などと少しばかりでは済まないほどに現実から目を背けたくなる。
そんな状況に俺は放り出されてしまった。
いきなり黒服のごつい男が訪ねてきて、ーー死にたくなければIS学園に入学しやがれクソ野郎。断るなんざさせねぇがもし断ったら豚箱にぶち込んで一生お日様拝めねぇようにしてやんぞあぁん?(意訳俺。
何て言われれば首を縦に降る以外の選択肢が残されてなんていないのだ。
いや、本当はもっと丁寧で以外と優しい声だったけども。
まぁ、そんなこんなでバカかとしか言いようがないけど、IS学園(女子しかISを動かせないので建前上は共学だけど実質女子校)に入学する運びとなった。
俺だって15年の命なんて嫌で死にたくないのは確かなんだけれども、この状態じゃ死んだほうがマシだったかもしれん。
背中へと突き刺さる総勢39名、78個の目ん玉が発する威圧感はそれほどまでに凄まじい。
中には親の仇のように見てくるやつだっている始末。
居心地が良いわけがない。
羨ましいとか言っていた親友がいたが今からでもないから俺とすぐ変われ。
そして後悔しやがれこのクソ野郎。
むしろ教室最前列ど真ん中を俺の席にしたやつ出てこい。
普通名前の順だろうがふざけんな。
「織斑くんちょっと良いかなー?」
山田何チャラとかいう、同い年ですよと言われたらまず疑わないくらい幼く見える我らがクラスの副担任が目の前にいた。
そしてついでに言うとかなりのぼいんである。
どこがとは言わないが紳士諸君ならわかるはずだ。
きっとこの人はミサイルを積んでいるに違いない。
結論。
...............とても、眼福です。
「えっと、織斑くん?」
「え?あぁ、はい。すいませんね決して怒っているわけじゃないんですよ?ただ、ここの席にした責任者ふざけんな許すまじと怨念送っていただけなので」
「ふぇぇ、その席にしたの私なんですよ...............」
「いやそんなことないですよむしろここの席にしてくれてありがとうございます私めにとってこれはもはやご褒美以外のなんでもありませんあなたは自信を持って良いのですよ損な落ち込まないですダサいなありがとうございます神様仏様山田様ありがたや女神様ー!」
え?心変わりが早い?
ついさっきまでゆるまじと言ってたって?
いつ俺が発言したとでも?そんなもの知らんな(すっとぼけ
枯れた大地に力強くありながらも儚さを持った人々に希望を与える可憐な一輪の花の如し女神にも等しいこの人を泣かせるやつはミジンコ一匹たりともこの俺が許さん。
可愛いは過去未来永劫に絶対的正義である。
意義も反論も認めない。
信じないやつは山田女神様にあってみろ。
俺の言葉の意味が分かるぞ。
「たかか自己紹介にどれだけ時間をかけとるんだお前は」
「げえっ!?...............えっと関羽!?」
「...............馬鹿者。わざわざそこまでしていうことか?」
「もちのろんです。人生で一度は言ってみたいランキング第152位!」
「...............随分と多いんだな」
「いやいやこれはまだまだ序の口!第3857位までありまっせ!」
ありとあらゆるエロゲーグロゲーギャルゲーラノベ古典文学本問わずに読みまくった俺が厳選しまくった上のランキングだ。
厳選しなければ15万3,000にも登るからよくやったと思うぜ俺。
そんなドヤ顔と俺とは対照的にクラスメイトは皆口をポカンと開けて固まってしまっている。
そして我らが姉は頭を抱えてうずくまってしまった。
「せんせー頭痛?」
「お前が原因だ...............!」
なぜに俺が原因?
これまで、と言っても10分程度のことだが、その間頭を抱えるような原因を作ったのか思い出すものの、全くと言っていいほど見覚えがない。
ていうか、普通にしてただけなんだけども。
「頼む。頼むから自己紹介くらいまともにしてくれ...............」
「うっす
なんかもう今すぐにでも死にそうな弱々しいこえが足元から聞こえてくる。
おや?と視線をそこに向けてみればさっきから姿が見えない姉がうずくまっていた。
そういや頭痛くて埋まっていたんだっけ。
取り敢えず自己紹介くらいはしておこう。
後で何されるかたまったもんじゃないし。
「えーっとですねー、俺は織斑十夏です」
「...............」
「...............」
やばい何にも頭に浮かばねぇ!
畜生一晩考えてきた自己紹介文が水の泡だ。
あたらめて見てみるとここの子達なかなかかわええなー。
みんな発育もよろしいこと。
って何現実逃避してんだ。
「えーっとだね。全く何言えばいいのかわからんのだよ。あ、これだけは言わせてもらうけど香水つけるのはマジてやめてくれ俺死ぬからなー。ということで質問かもーん!無理のない範囲だったらなんでも答えるぜ!」
「はいっ!」
「そこ!出席番号1番相川清香ぁ!」
「ロリはいけますか!」
「バカもん!ロリはいけるじゃない!ロリも行けるだ!可愛いは絶対正義!」
「我が同士よ!この世界にロリの可愛さを広めましょう!ロリコンに優しい世界を!一生ついていきます!」
「駄菓子菓子決して手を出さず愛でるだけだぁ!」
「「いえぁ!」」
「はい次ぃ!」
「はいはいはーい!私!次私が良いー!」
「はいソコォ!出席番号27番布仏本音!」
ん?なんでクラスメイトの名前と出席番号を覚えているかって?
そんなもの紳士のたしなみです。
「おりむーってどーてー?」
「「「そこ聞くの!?」」
「ごぶっ!?」
「織斑くんが血を吐いたぁ!?」
クリティカルヒット!
織斑十夏は一億のダメージを受けた!
しかし気合の鉢巻の効果でギリギリ耐えた!
「の、のふぅ。いやまさか初対面でそんな質問されるとはな...............貴様随分とやるな?」
「ふん?私を誰だと思ってる?天上天下天地無双布仏本音様にじょーしきなんてものはつーよすると思ったら大間違いダッ!っていうかおりむー私の質問に答えてよー。はぐらかしたらやだー!」
「...............えぇ、仰る通り私めは道程でございますよ(トオイメ」
「...............言った、だと!?」
みんなの哀れみの目線がとてもいたい。
ど、どーせ俺なんて一生童貞ですよーだ!
えぇ、わかってますよ分かってますとも!俺がこれだから女子にモテないなんて!結局面白い友達で終わってしまうのも全部!
内心ではここに来れば彼女の一人くらい出来るかなーなんて甘い妄想してたけど結局面白い無理なのわかってるもん!
俺が可愛い釣り合わないなんて!
こうなったら一生童貞のままで魔法使いどころか賢者になってやるうわーん!
「だがなぁ!俺を甘く見んじゃねぇ!俺は女を愛したらそいつ一筋だって決めてんだよ!浮気?不倫?そんなもんすんだったら最初から誰ともつきあうんじゃねぇー!ソープにでも行ってエイズにもなっちまえこのやろおぉ!」
「兄貴ィ!一生ついてきやす!その漢らしさに惚れましたぁ!」
「よっしゃあ!テメェらあの太陽に向かって走るぞぉ!夕日じゃねぇから無理?甘ったれんじゃねぇぞ!夕日だと思え!
行くぞおまえラァァァァ!!」
「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」」」
「...............ダメだこいつら。早くなんとかしないと」
「仲いいのは喜ばしいことかと、あははは...............」
太陽に向かって走る俺たちの背後で千冬姉と山田女神様が何か言っているようだったけど、んなもんシラネ。
「ぐぉらぁ!チンタラ走ってんじゃねぇ!こんなんじゃ日が暮れちまうだろうが!」
「「「ッファイッットォォォォォォ!!」」」
「「「イッパァァァァァァァァァツ!!」」」
時が過ぎること二時間ほど。
冗談抜きで太陽に向かって走るかのごとくIS学園のグラウンドを10周してきた俺たちは汗だくだった。
グラウンドの一周は約5キロ。
総距離50キロも走ってきたわけだが、いやこれむしろ世界記録塗り替えてね?なんで無駄なことを思う。
人間は本気出せばこれくらい朝飯前です。
頭おかしい?何言ってんだ一周5キロもあるグラウンドの方がおかしいだろ。
と言うわけで死屍累々となって帰った俺たちは税金の無駄遣いのごとくクーラーをガンッガンに正確には最低温度風量MAXに設定しておいた。
その所為で山田女神様がガタガタ震えていたので、さりげなく上着をかけてあげた。
顔を赤くして恥じらうお姿も可憐で暴走しそうになっても抑えた俺ってば紳士的。
そんな俺らはただいま授業中なのだが、が、こんな状態なので強制的に自由時間へしろとデモを起こした。
まぁ、自由時間にするのは成功したものの、頭の上にでっかいたんこぶこさえる羽目になった。
本当安くない買い物だと思う。
いいじゃんけちー。
なーんて言ったらぶちのめされるのは目に見えるので心の中に止めておこう。
千冬姉を怒らせたら文字通り大惨事になりかねない。
なぜなら中学生の時に町の不良100人ぶった切りを木刀一本で成し遂げた化け物。俺ら程度なんて赤子の手をひねるよりも簡単、ていうかリアルに捻られた。
あぁあれは本当に死ぬかと思ったわーっていうことで閑話休題それはさておき。
二重表現だけど気にしたら負け。
「あのだなぁお前ら。自由にしているのはいいがクラス委員長だけは決めなきゃならないーー」
「あ、俺やるということでけってーい」
「「「わーぱちぱち意義なーし」」」
「...............おまえらな」
どーせクラス委員長なんでプリント持ってくるくらいだろちょろいちょろい。
これでも中学3年クラス委員長を務めて生徒会長だって務めた俺だから今更なんともないね。
つか、疲れてるからそんなもん決めんのに時間割きたくないのだ。
自由時間は時間フルに使ってこそ自由時間だからな。
「意義あり!!ですわ!」
「およ?」
持参したミスト機能付き小型扇風機に向かってあーと、誰もがやっことがあるだろうことをしていると、聞き覚えのある女子の声。
「あら、せっしーさんではないじゃないですかー。どうしたんですかい? 」
「どうです十夏!?私しっかりと言えましたか!?」
「いやあー最高ですぜ?元ネタの人も裸足で逃げ出してるところだな」
予想通りと言うべきかしっかりと決めポーズまで決めるセッシーさんであった。
最後まで声俺のペースについてきた凄まじいまでの体力を持っていたのが印象に残っている。
そして紳士だからしょうがないがぼいんもサイコー。
どうやらアニメ文化に興味を持っているらしく、食らいつくように話を聞いていたが、まさかこんな短時間でここまでなるとは、恐ろしや。
「てか、意義ありって何に?」
「はい、わたくしもクラス委員長に立候補させていただきますわ!」
「へ、へぇー。委員長やるやつ決まってんのにそれでも立候補するやつ初めて見たわー。でもなぁ、せっしーさんこの役職だけは譲れねぇ。副委員長の約束で甘んじてくれや」
「嫌ですがなにか?」
清々しいまでのドヤ顔にそしてコンマ一秒すらない速さの即答。
こいつ、鼻から話なんて聞く気ねぇのかい。
いやここは俺の意地にかけてでも委員長の座は絶対譲ってやるもんか。
「ねぇ十夏さん?貴方は紳士だと言うのならここはわたくしが言うのもアレですがレディファーストではなくて?」
「いやいやいや。今の時代女尊男卑の世の中なんだからさぁ?男の立場弱いこの世界じゃぁジェントルマンファーストではないのかな?」
「女尊男卑のことを出すなら女として譲りなさいと命令しますわ」
「この俺が最も好きなことの一つはな交換してくれと頼んでくるやつにNOと突きつけてやることだッ!!」
「譲ってください!」
「だが断る!俺が先に立候補したんだ!諦めやがれ!」
「「ぐぬぬぬぬ!」」
「この馬鹿者、全く何度同じことを言わせればいいんだ?はぁ、胃に穴が開きそうだよ...............」
「えっと胃薬どうぞ?」
「グオラァ!中学の時二年連続で生徒会長務めた実力舐めんな!」
「十夏さんこそ代表候補生の実力なめないでください!」
「お二人方。喧嘩はよろしくありませんよ?おやめ下さい」
「んななななななななな!!あ、あああ、あ、あ、あ葵さん!!??」
「...............あんた誰?」
少なく見積もっても180はあるんじゃないだろうかというほどの長身。
完璧そう思うほどに執事服を着込んだその姿は様になっていて、身長の高いやつに多いモヤシみたいな細さはないが明らかに筋肉質だろうというのが一目でわかる。
フレームの細い眼鏡をかけ、微笑を浮かべるそいつは100人が100人こう答えるだろう。
なんだこのイケメンは?と。
...............ん?イケメン?
「紹介が遅れました。私セシリアお嬢様の専属執事を務めさせていただいております、円谷葵と申します。以後お見知り置きを」
...............え?お、男?
一応あげるか不明だったけど考えてはいた最初の内容。
ボツですけどね。
ボツ理由。
十夏が読み切りのと性格違いすぎてただの頭おかしいやつだから。
深夜テンションで書いてわけわからなくなったから。