東方星海録   作:紅いボッチ

14 / 17
投稿遅れて誠に申し訳ございませんでした。
諸事情が重なり、遂に九月になってしまいました。これからも、ちょっと投稿が遅れ気味になるかもしれないんで、そこのところはご理解いただければと思います。はい。

それでは、14話、始まります。


十四話「門番の意地」

紅 美鈴は、門の前で思考する。

 

(何時から、この門の前に立っていたんだっけ…私)

 

美鈴はゆっくりと考える。

 

さかのぼること、五十年程昔。美鈴は一人であった。誰にも相手にされず、誰からも、愛されず。仲間の妖怪たちにさえ裏切られ、ずっと一人であった。

 

「お前、うちの門番になってみないか?」

 

そのとき、声をかけてくれた人が、お嬢様だった。声をかけた理由は簡単だった。

 

「お前の格好、面白おかしいし…それに良い目をしてるからねぇ」

 

日傘片手にくすくすと笑いながら、お嬢様はそう言っていた。たったそれだけの理由。だけれど、美鈴にとってはそれは幸福の頂点にもなる幸せであった。

 

それから、何年も鍛錬を積み重ね、挫折してはまた起き上がり。その繰り返しだった。

 

「……ふふ、よくよく考えると、ほんと単純ですね」

 

昔にも、吸血鬼を殺しにくる輩は何人もいた。能力を持つものもいた。だが、その者たちはいつも紅魔館にはたどり着けなかった。全員、門の前で倒されていたのだから。

 

今回も、状況はほぼ一緒。目の前には館に不法侵入しようとしている輩。私の後ろにはただの門。その門一つに命を懸けてでも、守り抜く。それが、私。門番としての…意地なんだ。

 

「あんた、そこの館の門番さん?悪いけど、そこをどいてくれないかしら。」

 

博麗の巫女がけだるげに話しかけてくる。

 

「どいてと言って通す輩がいるのでしょうか?」

 

私も皮肉たっぷりに返す。だが、本当にやせ我慢なのかもしれない。相手は二人。魔法使いらしき奴と、博麗の巫女。どちらも強者……そんなものは関係ない。守る。これだけだ。これが私なんだ。

 

「ま、どいてもらうけどねぇ?力づくで」

 

白黒が私に弾幕を放ってきている。敢えて、避けない。避けるまでもない。

 

「そんなものですか、まったく歯ごたえが無いですよ。」

 

また、挑発的に敵の攻撃を誘う。

 

「あんた、大した妖怪でもないのに、何でさっさとそこを退かないのかしら?」

 

博麗の巫女の問いに思わず笑みがこぼれる。何を言ってるんだ、この巫女は。はっきりと言い返す。

 

「私が、門番だからです」

 

この言葉と同時に私は手を後ろにし、手を前に持っていけないようにした。

 

「貴女がたの攻撃ぐらい、何もせずに切り抜けてやりますよ、守り抜く。それが門番だから」

 

博麗の巫女と白黒の魔法近いが弾幕を放ってくる。それを軽く避ける。

 

「ちょこまかと…」

 

「動くなって!」

 

長年鍛えた瞬発力で二人をまどわしていく。

 

「…この妖怪…できるわねぇ…」

 

「ああ、だが私たちの敵ではないな!」

 

門の前では、美鈴の意地と誇りをかけた戦いが始まった。

 

 

 




おしまいっす
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。