諸事情が重なり、遂に九月になってしまいました。これからも、ちょっと投稿が遅れ気味になるかもしれないんで、そこのところはご理解いただければと思います。はい。
それでは、14話、始まります。
紅 美鈴は、門の前で思考する。
(何時から、この門の前に立っていたんだっけ…私)
美鈴はゆっくりと考える。
さかのぼること、五十年程昔。美鈴は一人であった。誰にも相手にされず、誰からも、愛されず。仲間の妖怪たちにさえ裏切られ、ずっと一人であった。
「お前、うちの門番になってみないか?」
そのとき、声をかけてくれた人が、お嬢様だった。声をかけた理由は簡単だった。
「お前の格好、面白おかしいし…それに良い目をしてるからねぇ」
日傘片手にくすくすと笑いながら、お嬢様はそう言っていた。たったそれだけの理由。だけれど、美鈴にとってはそれは幸福の頂点にもなる幸せであった。
それから、何年も鍛錬を積み重ね、挫折してはまた起き上がり。その繰り返しだった。
「……ふふ、よくよく考えると、ほんと単純ですね」
昔にも、吸血鬼を殺しにくる輩は何人もいた。能力を持つものもいた。だが、その者たちはいつも紅魔館にはたどり着けなかった。全員、門の前で倒されていたのだから。
今回も、状況はほぼ一緒。目の前には館に不法侵入しようとしている輩。私の後ろにはただの門。その門一つに命を懸けてでも、守り抜く。それが、私。門番としての…意地なんだ。
「あんた、そこの館の門番さん?悪いけど、そこをどいてくれないかしら。」
博麗の巫女がけだるげに話しかけてくる。
「どいてと言って通す輩がいるのでしょうか?」
私も皮肉たっぷりに返す。だが、本当にやせ我慢なのかもしれない。相手は二人。魔法使いらしき奴と、博麗の巫女。どちらも強者……そんなものは関係ない。守る。これだけだ。これが私なんだ。
「ま、どいてもらうけどねぇ?力づくで」
白黒が私に弾幕を放ってきている。敢えて、避けない。避けるまでもない。
「そんなものですか、まったく歯ごたえが無いですよ。」
また、挑発的に敵の攻撃を誘う。
「あんた、大した妖怪でもないのに、何でさっさとそこを退かないのかしら?」
博麗の巫女の問いに思わず笑みがこぼれる。何を言ってるんだ、この巫女は。はっきりと言い返す。
「私が、門番だからです」
この言葉と同時に私は手を後ろにし、手を前に持っていけないようにした。
「貴女がたの攻撃ぐらい、何もせずに切り抜けてやりますよ、守り抜く。それが門番だから」
博麗の巫女と白黒の魔法近いが弾幕を放ってくる。それを軽く避ける。
「ちょこまかと…」
「動くなって!」
長年鍛えた瞬発力で二人をまどわしていく。
「…この妖怪…できるわねぇ…」
「ああ、だが私たちの敵ではないな!」
門の前では、美鈴の意地と誇りをかけた戦いが始まった。
おしまいっす