え、異変はまだかって?
もうちょい待ってくれるとうれしいざます。
まだフランも登場させてないからね…
それでは、どぞどぞ。
「広い……」
宙はげんなりとした顔つきで箒を動かす。
今、館の妖精メイドたちを総動員させて、大図書館の掃除を行っているところだ。
「あら、手が止まってるわよ?もうちょっと頑張りなさいな」
そういいながら、この大図書館の主、パチュリー・ノーレッジは悠々と紅茶を飲みながら座っている。
「分かってます。わかってますけど、流石に広すぎやしないでしょうか…?というか、この図書館、物凄くほこり溜まってますけど…最後にいつ掃除したんですか?」
パチュリーは顎に手を据え、少しすると、思い出したようにこう言った。
「軽く八か月は掃除してないわね…いや、九か月かしら」
もうあほなんじゃないか?宙はそう思った。
「何休憩してるのかしら?宙?」
凛とした声の中に怒気を感じ、ゆっくりと振り向くと、そこには修羅がいた…。
「あ、さ、咲夜さん…違うんですこれは……」
何とか弁解しようとするも、時すでに遅し。
気づいた時には咲夜の踵が頭の上で振りかぶられていたのだから。
大図書館に鈍く、そしてなんともよく響く音が広がった。
「無駄口たたく暇があるなら、さっさと掃除しなさいこの鈍間さん」
咲夜はそう言い残すと自分の持ち場へと戻っていった。
「だ、大丈夫ですか?」
そう声をかけてくれたのは、パチュリーの召使い、小悪魔。
何でも正式な名前が無く、パチュリーが小悪魔と呼んでいるらしい。
「……大丈夫…軽くめまいがするけど大丈夫…」
宙はふらふらと立ち上がり、本棚の整理に向かった。
(あ、痛い。普通に痛い。大丈夫とか言ったけど、これ普通に脳震盪ものだよな?あ、頭触ったら普通に血が出てた。マジうけるー!じゃないじゃない。)
宙はふらふらと、本棚に手をつき、そのまま力なく倒れた。
「ン……あら?」
気が付くと、自室のベッドで横たわっていた。
窓から外を見てみると、もう月が高く上っている。
恐らく、数十時間は昏睡していたのだろう。
頭には包帯が巻かれ、濡れタオルが頭の上に乗っていた。
「……いったい誰が手当してくれたんだろ…」
「あら、起きたのね?」
扉の方向に首を向けると、レミリアが立っていた。
「お嬢様、すみません。掃除を途中でほっぽりだす形になってしまって」
宙はベッドから起きようとするが、体がうまく動いてくれず、ベッドから滑り落ちてしまう。
「全く、大人しく寝てなさい。ケガでできなかったのは仕方ないから」
レミリアは、宙の手を取り、ベッドへ戻る手助けをした。
「ありがとうございます。それで、掃除の方はどうなりましたか?」
「ええ、全て終わったわ。最後にはパチュリーも手助けをしたらしいしね」
レミリアはそう言い終えると、部屋から出ようとする。
が、ふと思い出したように宙に向き直る。
「ああ、咲夜だけど…大分反省してるわよ。まさか倒れるとは思ってなかったんでしょうね。軽い罰を与えといたわ」
「罰…ですか?それなら私にも非はあります。私が無駄話をしてなければこんなことにはならなかったのですから。私にも罰を与えるべきでしょう」
レミリアは立ち止まり、けらけらと笑いながら、宙にこう告げる。
「なら、咲夜の罰は取り消し。これでいいでしょう?」
「ありがとうございます、お嬢様」
レミリアは軽く微笑むよう笑顔を見せ、部屋から出ていった。
一人になった部屋で、宙は思考する。
(もう少し、体を鍛えないと。今回の件で分かった。)
朝になり、日が昇ったころ。
紅魔館門前で朝の太極拳教室が開かれていた。
「はい、気の流れを感じながらー!」
美鈴の動きに合わせ、宙はゆっくりと動く。
「美鈴、少し席をはずしてくれるかしら…?」
声のする方向を見ると咲夜が立っていた。
「あ、わかりました」
美鈴は紅魔館の中に入っていった。
咲夜は気まずそうに、宙に近寄った。
「昨日は悪かったわ……。あんな酷いことして。しかも、私の罰さえ取り消してくれた…」
「いえ、昨日の事は私にも非がありましたし、その事によって私は体力、筋肉系統がまるで無いという事が分かりましたから、結果オーライですよ」
「そう……」
咲夜は恥ずかしそうに、こう小さな声で呟いた。
「反則よ…」
「?何か言いましたか?」
咲夜は顔を紅く染め、両手を振りながら必死に。
「な、何でもない!!早く洗濯物かたずけるわよ!」
「??……わかりました…」
謎のまま、今日も紅魔館の一日が始まった。
「青春ですねぇ…」
こっそり聞いていた美鈴。
「ふふ、咲夜さんも遂に…」
この後の言葉はナイフが刺さったことによる悲鳴により分からずじまいだとさ。
終わった…ちょい長めに書いてみたから、大分疲れた。
てか、最近雨がすごいね。皆様お気を付けてくださいね。
ではでは。