今回は、特に失敗もなく、ようやくギフト鑑定まで行くことができました
それでは本編をどうぞ
「なんで、あの短時間で“フォレス・ガロ”のリーダーに喧嘩を売るようなことが起きるんですか⁉」「しかもゲームの日取りが明日!」「それも敵の敷地内で‼」「準備する時間もお金もありません‼」「どうゆう算段があってやったんですか!」「聞いているんですか四人とも‼」
先ほど起きたことの顛末を話すと黒ウサギがウサ耳を逆立てて切れた
「「「「ムシャクシャしてやった 反省しています」」」」
「黙らっしゃい!!」
口裏を合わせていたような言い訳に黒ウサギは激怒 それに対し十六夜はニヤニャ笑っている
しかしジン君まで乗ってくるとは 意外だ
「別にいいだろ 見境なしに喧嘩を売ったわけじゃないんだしよ」
「十六夜さんは 面白ければいいと思いますが この“契約書類”を見てください」
“契約書類”とは“主催者権限”を持っていない者たちがギフトゲームをする時に必要なもので そこにゲーム内容 チップ 賞品が書かれていて最後に“主催者”が署名をして成立する
内容は俺たちが勝てばガルドは全ての罪を認め箱庭の法の下に正しく裁きを受け その後 コミュニティを解散する もし 負けたら ガルドの罪を黙認すること
「自己満足もいいところだな」
「はぁ 仕方がありませんね まぁ いいです“フォレス・ガロ”相手なら十六夜さん一人いれば楽勝でしょう」
「何言ってんだ?俺は参加しねぇよ」
「あら 分かってるじゃない」
「頼まれても参加させない 安心して」
十六夜と飛鳥 耀の発言に黒ウサギが慌てる
「ダメですよ!コミュニティの仲間なんですからちゃんと協力を」
「そういうことじゃねえよ この喧嘩はコイツらが売って ヤツらが買った それに俺が手を出すのは無粋だってことだよ」
「……もう 好きにしてください」
肩を落とし困り果てる黒ウサギであった その内胃に穴が開くな それか白髪に
「あはは…それじゃあ 今日はコミュニティに帰る?」
ジンが苦笑しながら黒ウサギに聞く
「あ ジン坊ちゃんは先にお帰り下さい ギフトゲームが明日なら"サウザンドアイズ”にギフト鑑定をお願いしないと」
「“サウザンドアイズ”?コミュニティの名前か?」
「YES サウザンドアイズは特殊“瞳のギフト”を持つ者達の群体コミュニティで 箱庭の東西南北・上層下層の全てに精通する超巨大商業コミュニティです 幸いこの近くに支店がありますし」
「ギフト鑑定ってのは?」
「ギフトの秘めた力や起源などを鑑定することです 自分の力の正しい形を把握していた方が 引き出せる力はより大きくなります 皆さんも自分の力の出所は気になるでしょう?」
俺のは自分から願ったものだから大体分かるが やっておいて損はないか
“サウザンドアイズ”の向かいながら町の様子を眺める 途中 桜の木のようなものがあり 飛鳥が不思議そうに呟く
「桜の木…ではないわよね?花弁の形が違うし 真夏になっても咲き続けるはずがないもの」
「いや まだ 夏になったばかりだぞ 気合の入った桜が残っていてもおかしくないだろ」
「……?今は秋だったと思うけど」
「長いこと定住して無いから季節は分からん」
何やら会話が噛み合わない
「皆さんは それぞれ別の次元から呼び出されたのですよ」
「なるほど だから季節がちがうのか」
「もしかしたら時代も違うかもな その辺はどうなんだ黒ウサギ?」
「はい 鋼夜さんの推測通り皆さんは 別の時間軸から呼ばれたため元いた時間軸で歴史や文化 生態系など所々 違いがあるはずです」
黒ウサギが説明する
「パラレルワールドってやつか?」
「正しくは立体交差並行世界論というものですけど 説明はまたの機会に」
黒ウサギの解説が終わると程よく“サウザントアイズ”の支店につき 割烹着を着た店員が暖簾を下げるところだった
「まっ」
「待った無しですお客様 うちは時間外営業はやっていません」
「なんて 商売っ気のない店なのかしら」
「全くです!閉店時間の五分前に客を締め出すなんて!」
「文句があるなら他所の店へどうぞ あなた方は今後一切出入りを禁じます」
「出禁!?これだけで出禁とか御客様舐めすぎでございますよ」
文句を言う黒ウサギに対し 冷めたような目をする店員
「そうですねさすがに失礼が過ぎました では コミュニティーの名前をお聞きしてもよろしいでしょか?」
「俺達は“ノーネーム”ってコミュニティなんだが」
十六夜が躊躇いもなく名を名乗る
「どちらの“ノーネーム”様でしょう 旗印を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
名乗る名も旗印もないと知ってて聞くか
黒ウサギ一行と店員の間に険悪な空気が漂う そんな中店の奥から何かが出てきた
「いぃぃぃぃぃぃぃぃぃやほおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギイィィィィィ!」
飛び出てきたのは着物風の服を着た幼女で そのまま 黒ウサギにフライングボディーアタックをした 黒ウサギは幼女と共に空中四回転半ひねりをして街道の向うにある水路に落ちた
「おい 店員 この店にはドッキリサービスがあるのか?俺も別バージョンで是非」
「ありません」
「なら 有料でも」
「やりません」
十六夜の目は真剣 対して店員は冷静
何をまじめに聞いてるんだよ
黒ウサギに飛びついた幼女は黒ウサギの胸に顔を埋めてなすり付けてる
あの子は黒ウサギの知り合いか?
「し 白夜叉様!?どうしてこんな下層に!?」
「黒ウサギが来る予感がしたからに決まっとるだろうに! フフ フホホフホホ!やっぱり黒ウサギは触り心地が違うの!ほれ ここが良いかここが良いか!」
違った ただの変態だ
「ち ちょっと 離れてください!」
白夜叉を無理やり引きはがし 頭を掴み投げ飛ばす 投げ飛ばした先に十六夜がおり 白夜叉を足で受け止めた
「おんし!飛んできた初対面の美少女を足で受け止めるとは何様だ!」
「十六夜様だぜ 以後よろしくな和装ロリ」
このような事態が起きても普段通りの十六夜
どうやら先ほどの自称美少女の和装ロリは白夜叉というらしい
「貴女はこの店の人?」
「おお そうだとも この“サウザンドアイズ”の幹部様で白夜叉様だよご令嬢 仕事の依頼ならおんしの年齢の割に発育がいい胸をワンタッチ生揉みで引き受けるぞ」
「オーナー それでは売り上げが伸びません ボスが起こります」
コイツ 本当に変態だな 隣を見ると春日部さんブツブツ言いながら落ち込んでいるが触れないでおこう
その後白夜叉の計らいで店の中に入ることができた
「改めて 私は 四桁の門 三三四五外門に本拠を構える“サウザンドアイズ”の幹部白夜叉だ 黒ウサギとは少々縁があってな コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸してやっている器の大きな美少女と認識しておいてくれ」
「はいはい お世話になっております本当に」
投げやりに受け流す黒ウサギ その隣で耀が首を傾げながら白夜叉に質問をした
「外門って何?」
「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ 数字が若いほど都市の中心に近く 同時に強力な力を持つ者達が住んでいるのです」
黒ウサギが描いた図を見て 耀が
「……超巨大玉ねぎ?」
「超巨大バームクーヘンではないかしら?」
「どちらかと言えばバームクーヘンだな」
「俺は超巨大玉ねぎに一票」
「ふふ うまいこと例える その例えなら今いる七桁の外門はバームクーヘンの一番皮の薄い部分にあたるな 更に説明するなら 東西南北の四つの区切りの東側にあたり 外門のすぐ外は“世界の果て”と向かい合う場所になる あそこはコミュニティに属してはいないものの 強力なギフトを持ったもの達が住んでおるぞ―――その水樹の持ち主などな」
そう言って黒ウサギの持っている水樹の苗に視線を向ける
話を聞いたところアレは十六夜が世界の果てで蛇神を倒しゲットしたものだそうだ
すげえな十六夜
「ところで 白夜叉 あんたの口振りからしてその蛇と知り合いみたいだが どうなんだ?」
「知ってるもなにも あれに神格を与えたのは私だぞ もう何百年にもなる話だが」
「へぇ~ じゃあお前はあの蛇より強いわけだな」
十六夜の目が獲物を見つけた狩人の目になっていやがる
「当然だ 私は東側の“階層支配者”だぞこの東側の四桁以下では並ぶものはいない 最強の主催者だ」
最強の主催者か 見た目ロリで中身変態だが
「つまり 貴女のゲームをクリアすれば私たちが東側最強ってことになるのかしら?」
「無論 そうなるのう」
「そりゃ 景気のいい話だ 探す手間が省けた」
俺達は立ち上がり闘争心を剥き出しにして白夜叉を見る
「抜け目が無い童たちだ 依頼しておきながら私にギフトゲームを挑むと?」
「え?ちょ ちょっと御四人様!?」
慌てて俺達を止めようとする黒ウサギを片手で白夜叉は精する。
「よいよ 私も遊び相手には常に飢えとる しかし ゲームの前に確認することがある」
白夜叉は懐から”サウザンドアイズ”の旗印の紋が入ったカードを取り出す そして 不敵な笑みを浮かべた
「おんしらが 望むのは”挑戦”か?もしくは―――”決闘”か?」
その瞬間 白夜叉の部屋が崩壊したかと思うと 別の場所に立っていた 白い雪原と凍る湖畔そして 水平に太陽が廻る世界
「今一度名乗り直し問う 私は”白き夜の魔王”―――太陽と白夜の精霊白夜叉 おんしらが望むのは試練への”挑戦”か?それとも対等な”決闘”か?」
そこにいたのは先ほどまでの変態ではなく 太陽と白夜の星霊としての白夜叉がいた
「水平に廻る太陽……そうか 白夜と夜叉 あの水平廻る太陽やこの土地は お前を表現しているってことか」
「如何にも この白夜の湖畔と永遠に沈まぬ太陽 これこそ私がもつゲーム盤の一つだ」
十六夜の言葉にこともなさげに応える白夜叉
「こ これが
飛鳥も驚く
「……して おんしらの返答は?挑戦なら手慰み程度に遊んでやろう しかし “決闘”を望むなら……魔王として命と誇りの限り戦おうではないか」
しばらく沈黙が続き 十六夜が手を上げた
「まいった やられたよ 降参だ」
「ふむ?それは決闘ではなく試練を受けるということかの?」
「ああ アンタの力はよくわかった 今回は試されてやるよ 魔王様」
プライドが高い十六夜にとって今の言葉ですら言いたくなかっただろう
そんな十六夜をかわいい意地の張り方だといって白夜叉は笑う
「他の童たちも同じか?」
「……ええ 私も試されてあげてもいいわ」
「同じく」
苦虫を噛み潰したような顔で返事をする
「して そこのおんしはどうする?」
少々意地の悪い顔をして白夜叉は聞く それに対する鋼夜の答えは
「決闘を望む」
如何だったでしょうか?
次回は主人公である九頭竜鋼夜が白夜叉に決闘を挑みます
初の戦闘描写になるのでうまく書けるか心配です
それでは皆様最後まで読んで下さってありがとうございました