侵入生の紹介が終わった。でも此れで終わりではない。
今から諒君に任務が下る。それは『不良退治』だ。 私が忍学科の生徒になって初めての任務がこの任務だった。霧夜先生曰く 実力を測るには『傀儡』相手では駄目らしい。生身の人間とやり合う方が実力を測るには最適だと・・・。
霧夜『お前の力を、存分に示せ。』
諒『はい。』
諒『じゃあ、行ってきます!』
一同『行ってらっしゃい!』
飛鳥『・・・』
霧夜『心配なのか?』
飛鳥『いえっ♪信じてますから♪』
諒君の実力なら、私は今朝間近で見た。悪忍が相手でも簡単に倒してしまうのだから
今回の任務は必ず成功する・・・私はそう、確信していた。
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学生達が帰路に着くなか。
俺は着々と、不良が跋扈している商店街に向かっていた。
諒『初めての任務・・・不良って、どんな奴なんだろう?』
俺は悪忍とは戦ったことはあるが、不良と呼ばれる者と戦うのは 今回が初めてだった。
強い奴であることを願いながら、商店街に入ったその時。
ドンッ
誰かが後ろからぶつかってきた
???『てめぇ!どこ見て歩いてやがんだ!!』
諒『そっちからぶつかってきたんだろ?』
???『うるせぇ!てめぇのせいで怪我しちまっただろうが!!慰謝料払って貰うぞ!!!』
もしかしたら、こいつが不良か? 間違ってたら謝ればいいか。
そう思った俺は、彼女に聞いてみた。
諒『お前、もしかして不良か?』
不良『だったらなんだよ!』
思ってたのと違った。言い方が違うだけで、ヤンキーみたいなもんか。
諒『悪いが、俺はお前を倒さなきゃいけない。』
不良『上等だ!やってやろうじゃないか!!』
諒『でも、ここで戦ったら他人に迷惑がかかる。場所を変えよう。』
不良『なら、あたいがいいを場所知ってる。着いてきな。』
不良はそう言って俺を、寂れた廃墟に案内した。
不良『ようこそ!あたい等の住処へ!!』
諒『あたい等?』
すると、廃墟の至るところから不良達が現れ 俺の周りを囲んでいた。
不良『さぁ、袋叩きにしちまいな!!』
不良達は手に木刀、ナイフを持っている。これなら、素手でいけるな。
諒『お前等は数に頼る方か、なら勝つのは俺だな。』
不良『何故分かる?』
諒『後で教えてやるから、かかってきな!!』
不良『言わせておけば調子に乗りやがって!!ぶっ殺して・・・』
ヒュンッ
不良『えっ!?』
あたいは咄嗟の事で、思考が停止していた。
諒『悪いが、少しだけ 眠っててくれ。』
トンッ
不良『っ!?』
あたいは、首筋を軽く叩かれただけで 気絶していた。
不良B『なんだこいつ!』
諒『…さてと、チャチャっと終わらせますか』
バチッシュバッ!
秘伝忍法!『雷迅舞雷』
バチバチッ
不良B『ッ何処だ!隠れてないで出てこい!』
諒『隠れてねぇよ』
バチッ
不良C『?てめぇ何しやがったんだ?』
不良D『あたいらをおちょくってんだな!』
諒『わりぃわりぃ。そういう風に思ったんだったら謝る。ただ俺が消えて何もせず戻ってきた…って思ってるのか?』
不良B『たりめぇだ!現に何も起こっちゃいねぇからな(笑)』
諒『そうかい……てことは…』
ピシッ パキッ バキンッ
諒『俺が、本気でてめぇ等の獲物へし折りに行った事も………』
不良達『!!!!???』
ビキッ!バシッ!!ボキッ!!!
諒『気付かなかったんだろ?』
バキャーーンッッ!!!
不良達『……………』
不良B『な…んだ…と……』
不良D『バケモンかよ……』
諒『お前等、まだ俺とやる気か?』
不良B『やるわけねぇだろ!!おいっ逃げるぞお前等!!!』
諒『こいつは連れて行かないのか?仲間だろ?』
不良C『そんな役立たず、仲間なんかじゃないね!そいつはお前にやる!!好きにしな!!!』
タッタッタッ
諒『仲間を置いて逃げたか。酷い奴等だ。』
不良『んっ・・・』
諒『起きたか。』
あたいは虚ろな目で、辺りを見渡す。
不良『・・・はっ!お前!!仲間をどうした!!!』
諒『逃げたよ。お前を置いて。』
不良『嘘だ!!あいつ等はあたいの仲間だ!!!そんな事する筈ない!!!』
諒『じゃあ、仲間からのこの言葉聞いてもまだ!そんな事が言えるか!!』
不良『じゃあ何て言った!!あたいの仲間がお前に・・・何て言った!!!』
諒『そんな役立たず、仲間なんかじゃない。そいつはやる。後はお前の好きにしろ。』
不良『っ!!?』
不良『うっうぁ・・・』
彼女は腰が抜け、その場に座り込んだ。 よっぽどショックだったのだろう。
不良『また、裏切られた・・・』
此れで何度目の事なのか、あたいにも分からない。
諒『大丈夫か?』
不良『お前が・・・気にすることじゃないさ・・・・』
諒『心配だよ。お前の事。』
その言葉聞いた瞬間。あたいの中で何かが壊れた。
不良『何であたいの事が心配なんだよ!お前も見ただろ!!あたいは何の役にも立たないただの『ゴミ』だ!!!利用されて死ぬ!!!!それ以外の生き方にあたいの存在意義はっ・・・ない筈だったんだ。』
あたいはただ・・・誰かに誉めてほしかった・・・・
不良『仲間だと思ってた奴が!!仲間じゃなかった時の怖さは異常だ!!あたいはそれに怯えて生きるのは嫌だ!!それならいっそ!!一人で生きていった方がましだ!!!』
あたいはただ・・・誰かに側にいてほしかった・・・・
不良『だからっ!・・・もうあたいのことは!!』
あたいは・・・ただ・・・・
ぎゅっ
不良『えっ?』
諒『そんなに自分を責めるな。お前はゴミなんかじゃない。恥じる必要もない。お前は立派な、一人の『人間』だ』
絆がほしかった・・・・
不良『・・・・』
あたいは泣きそうになった・・・こんな素敵な言葉、今まで言われた事がなかったから・・・・
諒『無理しなくて良いんだぞ?』
不良『なら、お前の胸で・・泣いていいか?』
諒『俺の胸で良ければ、幾らでも使え。』
不良『ありっ・・がとっ(泣)』
今まで我慢してたんだろう。あたいは沢山涙を流した。
言いたくても言えず、胸の奥に閉じ込めたものが 解き放たれていく。
・・・あたいは、彼の優しさに甘え 暫く泣き続けた。
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あたいはとっくに泣き止み、彼にさっきの事を聞いた。
不良『さっき戦う時さ、あたいに数がどうのこうのって言ってたけど 何だったんだ?』
覚えてたのか。
諒『少し話が長くなるけど良いか?』
不良『おう!』
諒『竹千代って人がいてな。その人が家来と一緒に、土手で石合戦をしている子供達を見てたんだ。石合戦って言うのは、赤と白に別れて どっちが強いか決める勝負の事だ。石合戦を見ていた竹千代に、家来がこう言ったんだ。竹千代様、どちらが勝つと勝つとお思いですか?って。すると竹千代は白が勝つと言った。理由は、赤が百人に対し 白が五十人。赤は数の多さに甘え、半分の者が真剣に戦っていない。一方の白は 数の少なさに焦り、真剣に戦っている。よって勝つのは、人数が少ない白が勝つと言った。だが家来は首を横に振りこう言った。昔から戦とは数の勝負、よって勝つのは人数が多い赤だと断言した。だけど結果は、竹千代の予想通り 人数が少ない白が勝った・・・って話だ。』
不良『なるほどな・・・そう言う事か。』
不良『でも、友達は多い方が良いよな・・・』
諒『無理して作る必要はないよ。数人でも良い。本当に心から信頼できる友達を作るんだ。』
不良『ははっ・・そんな友達・・・あたいには作れないよ・・・・』
あたいみたいな人間と仲良くしてくれる奴なんて・・・誰も・・・・
諒『なら俺が、お前の友達になる!』
誰も・・・えっ?
不良『今、何て言ったんだ?』
諒『だから、お前の友達になるって言ったんだ!』
不良『本当か!?嘘じゃないよな!!』
諒『あぁ、本当だ!』
不良『ははっ(笑)』
彼女はそうやって笑うと、嬉しそうにマスクを外した。
絢『あたい、絢って言うんだ!よろしく!!』
諒『絢か、いい名前だな。』
絢『あんがと♪そう言うあんたは?』
諒『俺は諒。よろしくな!』
絢『諒か~♪カッコいい名前だな♪』
諒『ありがとう!』
絢『・・・あたい、マスク取って人と話すの凄く久しぶり♪』
諒『マスク無い方が、俺は好きだ。』
絢『うん。マスクは今日で卒業するよ。んでもって、ガキみたいな自分からも卒業する!』
諒『俺も応援するよ!』
絢『ありがと♪頑張るからね!』
諒『・・・』
絢『そういえば、諒って何処の高校通ってるの?』
諒『国立半蔵学院。』
絢『本当か!諒って頭良いんだな。』
諒『そんな事ないって(笑)』
絢『・・・』
諒『・・・』
絢『ずっと諒と・・話してたいな♪』
諒『でも、そろそろ帰らないと 家族が心配するぞ?』
絢『あっ!そうだな(笑)。じゃあまたな♪』
諒『あぁ、またな!!』
タッタッタッ
帰ったと思ったら、急に戻ってきて・・・
タッタッタッ
絢『諒♪お~や~す~み♪♪』
諒『おっおう!おやすみ♪』
絢『へへ♪』
タッタッタッ
帰ったか・・・退治する筈の任務がこうなるとはな(笑)
でも、一人の『人生』を変えられた・・・それで十分だよな?
俺も帰らないと、皆が心配するな。
俺は足早に学院へと帰る事にした。
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ガチャッ
絢『ただいまー!』
ガチャンッ
???『あら、何時もより早かったのね♪』
この人はあたいの母さん。 親父が私に暴力を振るった時
離婚届けを突き付け そのまま離婚。その後は女手ひとつで、あたいを食わせてくれている。
母『・・・あらっ?マスクはどうしたの?』
絢『捨てた♪』
母『捨てたって、あんなに大事にしてたのに?』
絢『もう・・・何かに頼るのは止めようって・・・・そう決めたから。』
母『絢・・・。』
絢『だからお母さん。此れからも二人で、頑張ろうね!』
母『そうだね(泣)』
絢『・・・』
あたいの我が儘で、振り回してしまった・・・お母さんの『人生』。
あたいが何をしても、それを精算出来ない事も分かってる。
でも、今まで出来なかった『親孝行』をしてあげたい。
あたいに出来る・・・唯一の親孝行 それは『心配』をかけないことだ。
子供が親に心配をかけない。簡単な事じゃないのは分かる。
でも、それぐらいしないと あたいの罪は拭えない。
そんな大人になる事を目指し、これからあたいは 此れからの日々を 精一杯生きる。
そう・・・決めたから。
だからお母さん・・・。
母『さぁ、湿っぽい話はここまで!ご飯出来てるよ、椅子に座って♪』
絢『わぁ、あたいの大好きな肉じゃが♪』
母『いっぱい作ったからね!沢山お上がり♪』
絢『うん♪♪』
これからも・・・よろしくね♪♪♪
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一方その頃、諒は・・・
諒『ただいまー』
ガラガラガラッ
飛鳥『諒君!!』
諒『うぉっ!』
ぎゅ~~
飛鳥『もう!何してたの!?本当に帰って来ないかもって、心配したんだから!!!』
むにゅ~
胸が・・・
葛城『諒!大丈夫か!!』
斑鳩『諒さん!何かあったんですか!』
雲雀『諒君!大丈夫!?』
柳生『諒・・・良かった。』
諒『皆、心配させてごめんな。』
葛城『いやっ、無事なら良いんだ♪』
斑鳩『大丈夫ですよ。でも、あまり心配させないで下さいね?』
雲雀『でも、諒君が無事で良かった~♪ねっ♪柳生ちゃんもそう思うでしょ♪♪』
柳生『あぁ・・・』
て言うか、何時になったら飛鳥は離れるんだ?
それに・・・ずっと当たってるし。
諒『飛鳥、苦しい!』
飛鳥『あっごめんね?』
霧夜『諒、かなり遅かったが何かあったのか?』
諒『問題ありません。無事、任務を完遂致しました。』
霧夜『そうか。なら良いんだ。』
諒『・・・皆、ただいま!』
飛鳥『じゃあ、皆いくよ♪せーの♪♪』
一同『お帰りなさい♪♪♪』
ワイワイ♪♪キャッキャッ♪♪♪
霧夜『あーっ騒ぐのは良いがお前等、そろそろ帰らないと 明日遅刻するぞ。
飛鳥『あっそっか・・・。』
葛城『すっかり忘れてたぜ(笑)』
斑鳩『生徒会長である私が・・・お恥ずかしいです(笑)』
雲雀『でも、この時間に食べるおやつ美味しいんだよね♪』
諒『この時間帯に食ったら、太るぞ?』
雲雀『雲雀、肥満なんて関係ないもーん♪』
柳生『太った雲雀・・・(想像中)・・・。』
ブッ!(鼻血)
霧夜『今日はもう遅い。家に帰って、ゆっくり休め。』
諒『分かりました。さようなら。』
飛鳥『霧夜先生、さようなら♪』
葛城『先生、じゃなー♪』
斑鳩『先生、また明日。』
雲雀『先生、ばいばーい♪』
柳生『・・・また。』
霧夜『あぁ、気を付けて帰るんだぞ。 それと諒。』
諒『何ですか?』
霧夜『初任務、ご苦労だった。』
諒『はい!此れからも頑張ります!』
霧夜『良い返事だ。』
諒『じゃあ先生、さようなら! 帰るぞ皆。』
飛鳥『うん♪帰ろ♪♪』
葛城『飛鳥待てー♪モミモミさせろ~♪♪』
飛鳥『キャーっ♪♪かつねぇ止めてー♪♪♪』
諒『ははっ楽しそうだな(笑)』
斑鳩『また性懲りもなく、仕方ないですね・・・』
雲雀『ねぇねぇ柳生ちゃん♪明日は私が起こしてあげるね♪』
柳生『本当か!?神様・・・・ありがとう!!』
ガラガラガラッ ピシャッ
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三日月が輝く夜。
他の皆と別れた後、俺と飛鳥は・・・。
諒『本当にごめんな。こんな遅く迄待たせちゃって。』
飛鳥『大丈夫だよ♪気にしないで♪・・・あっそうだ♪明日は私が起こしてあげようか?』
俺達は幼馴染みで、家が隣り合わせと言うことで 毎朝、お互いのどちらかが起こすと言う 役割を持っている。
諒『お願いしても良いか?』
飛鳥『うん、任せて♪』
そんな他愛もない話をしてる間に、家に着いてしまった。
飛鳥『じゃあ諒君、おやすみ♪』
諒『おやすみ。良い夢みろよ。』
飛鳥『諒君もね♪えへへっ♪♪』
バタンッ
飛鳥が先に、自分の家に入った。・・・俺も、家に入るか。
ガチャッ バタンッ
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諒『ただいま~』
シ~ン・・・
諒『じいちゃんは今日も出張か・・・何時もの事だけど。』
俺は余程疲れていたのか、普段は揃える靴を揃えずに 自分の部屋に向かった。
諒『あー疲れた!』
ボフゥ
俺は疲れた身体をベットに打ち付ける。
諒『さて早く寝て、明日に備えよう!』
諒『じゃ、おやすみなさーい!』
・・・・・・・・・・・・・・・・・1時間後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
諒『・・・・』
・・・・・・・・・・・・・・・・・2時間後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
諒『・・・・寝られーーーんっ!!!』
転入初日に色んな事があってか、俺の頭はパンクしていて 寝れる状態ではない。
諒『こう言う時は昔、飛鳥が教えてくれたあの方法で!』
(えっ?眠れない時はどうしてるかって?私の場合は『太巻き数え』かな~♪
やり方はね、頭の中でいっぱい太巻きを作るの。そして作りながら、作った本数を
口に出して数える。それを眠れる迄続けるんだ♪ 私は何時も、この方法でやってるから
諒君も、眠れない時はやってみたら良いと思うよ♪)
よし、じゃあ早速。
諒『太巻きが一本~』
諒『太巻きが二本~』
あっ・・・意外と楽しい・・・・
諒『太巻きが三本~』
諒『太巻きが四本~』
職人になった気分♪イヤッホォーー!!
諒『太巻きが五本~』
諒『太巻きが六本~』
次は具材を変えてみよう♪♪♪
そんな事を繰り返すうち・・・
諒『寝れねぇじゃねぇか!! もう何でもいい!!! 誰か俺を寝させてくれーーー!!!!』
ホーホケキョ♪
俺の叫びとは裏腹に・・外では鶯谷が元気に鳴いていた・・・・