あまり考えすぎても進まないので、思うがままに進めようと思います。
久しぶりなので書き方変わってるかもしれません。
そして地雷は踏み抜くもの……
俺は走る。
右手に盛大な死亡フラグというお荷物を引っ張りながら。
すれ違う人の波が、背後からせまるゴロツキの怒声に反応し、モーゼの如く道を開ける。
しかし、逃げ遅れる者は確実に現れるわけで。
悲鳴が止んだ。
同時に赤黒い血しぶきが弾けて、人はただの物へと変わる。
理不尽な悪意にさらされて、苛立ちは募る。
怒りは右手が握る柔らかい感触を強く握り占めた。
そして、その手をしっかりと握り返す少女は、この状況を引き起こした自覚に多少罪悪感でもあるのか、縺れそうな足を必死に動かしながらついてくる。
「ねっ、ねぇ!? ど、何処まで行くの?」
「知らんっ!」
土地勘はない。
とにかく銃弾を避けるように直角に道を曲がり続けるが、目的との往復路しか覚えていないため、もはや何処へ向かっているのか分からなかった。
反撃するか?
いやだめだ。拳銃一丁で数人の追手を倒せるほど、自意識過剰にはなれない。
危機に追い込まれた所に、不思議な力、念応力に目覚める?
もしも目覚めるなら、今すぐにでも目覚めてくれよと思う。
物語の如く都合の良い未来は現れない。
ヒーロ―が颯爽と現れて助けてくれる?
偶然は二度は続かない。
ついさっき助けてくれた人はいたが、追っての大部分の足止めに時間がかかっているようだ。
いくら念能力者でも、そうそう都合よく助けに追い付いてくれるとは思えない。
追跡用の念能力を持って居るとも限らないし、見た目からして戦闘力のある念ではないだろう。
原作で名前と姿だけが出て来た人だけに、その力量は未知数だ。
ただの銃弾で念能力者が殺せるとは思わないが、あの人より先に俺が死んでしまう。
「畜生、何でことに「あっ!?」」
ぼやこうとした直後ネオンは足を縺れさせて倒れる。
それに引きずられるようにして、自分の身体も態勢を崩す。
その光景に好機と見たのか、追ってからの銃撃は止まり、一斉に速度をあげて迫ってくる。
「畜生ッ!!!」
隠していたありったけの数少ない手榴弾を投げつけると同時に残っていた弾丸すべてを撃ち尽くすつもりで、爆破の中心にばらまいた。
何人かは殺せたかもしれないが、万策尽きた。
立ち向かう手段を失いながら、半ばやけになって、ネオンを抱きかかえて近くの裏通りへ逃げ込み身を隠す。
その先に逃げ場はなかった……。
「いった~「(静かに)」
思わず声をあげそうになるネオンの口を手で押さえて強制的に黙らせる。
反論するように涙を浮かべて睨んでくるが、泣きたいのはこちらの方だ。
逃げられない。
追い詰められた袋小路。
もはやどうやっても逃げられない。思考に巡るのは絶望的なエンディングである。
どうして、どうしてと繰り返す先に、もはや未来は存在しない。
そして強張った様子のネオンが目に入る。
こいつを見捨てれば助かるだろうか?
ネオンを差し出せば助かるだろうか?
ここで見捨てたとしても、原作では、ヨークション編まで生きていたしどうでもなるだろう。
そう言った短絡的な考えが止まらない。
きっと、歴史の強制力とか何かで生き残るだろうというのは甘い考え。
だが、行きついたその先の結論は、背筋も凍る結論へと至った。
もしもネオンが結局生き残り、原作通りに事が進むとしたら自身はどうなるのかと。
原作が強制的に進むとすれば、異物である俺は、きっと助からない。
もともと居なかったものとして、此処で誰にも知られずに死んでいくだろう。
死ぬのは嫌だ、それでも無力な一般人がこの状況を覆すなどできない。
主人公のような力を手に入れられる世界であっても、この場でそれを手に入れることはできない。
ある種の賭けとしてネオンを差し出しすか……。
全身の血が冷えたように感じられる。
この場所では、原作知識など何の役にも立たない。
もしも、自分が現れたのが別の場所なら、もっと上手くやれたのだろうか?
無意味な考えが、浮かんでは消えていく。
どうせ使えない未来の知識なら、どうせ主人公にもなれない存在であるなら……、
自暴自棄に陥りそうになったとき、ふと浮かんだ妙手。
ただ、自分自身が今この時、念に目覚めて無双するよりは、可能性があるように感じた。
「なぁ、あんたは自分の未来が分かったらどうする?」
「え?」
命の刻限が迫る中、俺は必死に生き残る可能性を手繰り寄せる。
『青年はかける。差し出した空っぽの器に混ざった異物を抱いて死地にかける。
小鳥は捻じれた翼で羽ばたきだす。
耳を閉ざしてはいけない、小鳥囀りだけが生命の安らぎを与えてくれる』
一人、大通りへ飛び出したアザミはこちらに気が付いた暴力者に向かって、一心不乱に走り寄る。
その胸には、生々しいほどの精巧さを持った心臓が、不気味に大きく脈動する。
そして、その横に侍るものは、三つ目の海坊主のようなゴーストであった。
青白い顔をして、ゆがんだ分厚い唇が二つ。
通常の人間と同じ位置に一つ、頬を裂いたように縦にもう一つの唇。
通常の人間の位置にについた唇が、予言めいた口調で話す。
その言葉を脳内で反芻させながら、アザミは向けられた大量の銃口に突撃する。
「ッ!?」
突如、これまで閉じられていたゴーストの頬についた唇が、ガラスを引掻くように不快な金切り声をあげた。
『シャガンデッ!?』
もはや考えている暇もなく、地面へ飛び込むようにして転がった。
大量の銃弾が頭上を通過すると同時に、通常の唇が言葉を発する。
『強大なる猛獣の群れ、牙なきものに抗うことは許されぬ。
右翼の爪をそぎ落とせ、小さき小指を集めれば、僅かな反逆を許される。
雄たけびをあげ、天敵は迫る。
その猛獣食いころさんとするその時までをかけぬけろ』
抽象的なその言葉の羅列。
全てを理解する暇もなく、ただ直感的に右へと転がる。
同時に、左側に留められていた車が爆発した。
爆風に煽られて遮られる視覚を利用し、近くで銃口を下げた男の鳩尾へ一切の躊躇いを見せずに殴り付ける。
悲鳴は上げられず、肺の空気を吐き出すと同時に手にした銃を取りこぼす。
それを手を掴みとると、こちらへ視線を向けていた男に向かって、躊躇いなく引き金を引いた。
男はさらに血を吐き出し、そして崩れ落ちる。
『モグレッエェ! ミギィエムケッェ』
その場を離れようと下直後、不愉快な声色が忠告を告げる。
直感的に、崩れる男の懐に飛び込むようにして、男を盾した。
直後襲い掛かる衝撃に、手にした男が痙攣を繰り返し、全身から血を吹きだした。
生暖かなシャワーを浴びながら、死体となった身体を盾を右へ傾ける。
アザミは、こんな無謀な戦いは長く続かないと思い泣きたくなった。
だが、これ以外に今を生き残るすべがないのも現実であった。
追い詰められたアザミは、天然の念能力者であるネオンに、都合の良い真実を語り、新しい能力を目覚めさせたのだ。
完全な未来予知という力を、限定的なこの場所で生き残れる形にするため、原作で知っていたネオンの性格、性質、何を思ってその力を目覚めさせたのか、それらを曲解し、都合のいいように解釈し、利用しやすく都合の良い能力として発現させた。
はっきり言って、それがどのように作用するのかは賭けであったし、都合よく能力が目覚めるかもわからなかった。
そして、新たに生まれた能力をネオンが使いこなせるかどうかも分からなかった。
そして、生まれた能力は特定の人物を媒介にして、自身の未来をある程度知ることが出来る能力が生まれたのだった。
ゴーストの予言に従い大雑把に動き回り、時折叫ぶ、ひび割れた声色の忠告に従って、紙一重に死地を脱する。
その先に何があるのかは分からない。
ただ、その先に幸運な終わりがあると信じて、懸命に今を生き延びるしかなかった。
奪った拳銃の弾が尽きる。
それを気にする余裕もないほど、精神は追い詰められる。
『気付かない。気付いてはいけない。だけども気付いた。
その時はあなたは叫ぶだろう。それが少女を守る剣となる』
身体に憑りついた生々しい心臓。奇しくもそれは、本来感じるはずのない、生命の中に眠る可能性を刺激していた。
直接オーラを身体に注がれるよりは緩やかに、アザミと、ネオンを守るための力を発現させるきっかけとなった。
気付いたのは、3発目を撃った時であった。
すでに尽きていた弾倉から、残弾数以上の弾が飛び出していた。
そのことを自覚したアザミは、発現した能力を強めるために、確固した姿と目的を与えるために叫ぶ。
「
大地向けて銃口を向けると同時に、引き金を引いた。
空っぽの弾倉の中には、銃弾の代わりにオーラの塊が装填される。
手数という差を埋めるために、弾数という制約を排除する。
さらに、ネオンから憑りつけられた念を利用して新たな制約を追加する。
「ネオンの念能力を受けて居る時のみ、この能力を底上げできる」
それ以外では、どんな制約と誓約をつけて、この能力は向上しない。
ネオンの念能力を受けていなければ、ただ銃弾が無限に充填されるだけの能力。
おそらく、原作の旅団メンバーが使用した
普通に銃弾を持った方が効率も良いだろうし、あえて念能力として発現させる意味はほとんどない。
だが、今生き残らなくてはそんな考察なども無意味なのだ。
できる限り生き残れる方法を考えて、限定的であるが、飛躍的に能力を向上できる方法はこれしかないと思い込む。
その思い込みは能力を飛躍的に上昇させた。
撃ちだした念弾は、追って身体を何重にも貫いて風穴を開ける。
そこに居たって追手達の勢いがついに緩まった。
そして、二度目のリロードの行うよりも早く、その時は訪れた。
身近に侍っていたゴーストの姿が揺らめく。
その姿が消えると同時に、横合いから銃弾の雨と、雄たけびをあげる猛犬の群れが飛び出して来た。
訓練された犬は銃弾に恐れもせずに、目の前の男達の喉笛を食い破る。
そして、一匹の犬が首をかしげるように、判断をしあぐねた様子で、アザミと見つめあう。
指笛の音が聞こえたとき、その場に自力で立って居るものは、アザミのみ。
そして、犬をけしかけていたであろう新手の一団が姿を現した。
「誰だ、お前は?」
奇妙な文字が彫られた刀を手に、刺青を入れた男が静かにアザミを睨み付けてくる。
オリ主(アザミ)の念能力
空になった銃を地面に向けて引き金を引くことで、弾倉に念の塊を装填する。
通常時は、その銃が持つ本来の威力しか出ない。ただし、
通常は弾切れをなくすだけの能力だが、本来の利点は別の所にある。
ネオンのオリジナル念能力
発動時自分の
横の唇は、少し先の未来を予言して、縦の唇は直前の行動を忠告する。
使用者が死ぬと
また