名前考えるのに一苦労だね。
恋合(こあい)が結婚式をしている夢を見ている途中で目が覚めたのは、近くの部屋から悲鳴が聞こえてきたからである。急いで服を着て部屋を出ると、大勢の人間が廊下を埋め尽くしていた。みんなが覗いていたのは彬水泰成(あきらみずたいせい)の部屋だった。中では泰成が腹部から血を流して絶命していた。その時、一人の男が急に走り出し館の玄関から飛び出した。恐らく逃げようとしているのだろうが、外はかなりの嵐で船が来られるような状況ではない。無線も通じない中で、再び人が殺された。
岩季真梨亜(いわきまりあ)はこの状況を現実だと思いたくなかった。同級生が誰かに殺された。しかし今までに死んだ人間は自分はあまりかかわっていない人物だ。自分が容疑者にされる可能性も限りなく低い。廊下の人だかりの後ろのほうにいた真梨亜は隣にいる親友の瞳神日和(どうがみひより)をそっと抱きしめながら状況を見ていた。日和は泰成の死体を発見した。所要があってきたらしいがなんとタイミングの悪いことだろう。このままでは日和が最重要容疑者になってしまう。人は発見者を一番に疑うものだ。部屋では糠也凪力(ぬかやなぎつとむ)などが現場を調べていた。その時、後ろのほうにいた人物がそっとその場を離れていった。それは真梨亜の近所に住んでいた叢雷楽駆(くさむららいらっく)だった。彼は昔はかけていなかった眼鏡をかけていた。外では雷が響いていた。
力は部屋の中をざっと見渡した。自分と全く同じ造りの部屋。飲みかけのビール缶が机の上に置いてあった。そこには腹部が血に染まった彬水の亡骸が倒れていた。誰か来たところを刺されて殺されているのは明白だった。しかしこの状況をどうすればいいのだろうか。その時、廊下から騒がしい声が聞こえてきた。力が部屋から出るとびしょぬれになった男が三名ほど歩いてきた。三人はそのまま通り過ぎるとそれぞれの部屋に入っていった。話を聞くと逃げようとして嵐の中飛び込んだらしいがたまらずに帰ってきたらしい。まあ、当然のことだろうが。向かったのは江之健佐介(えのたけさすけ)、裕水貴広(ゆうみたかひろ)、嶋辰哉(しまたつや)。三人とも中学時代にはそろって教員に目を付けられていた不良だ。
「またあいつらだよ。変わってねえな」
「確かに。相変わらず無茶をしてる」
親友の揮莉永雅(きりえいが)が力に近づいて呟く。彼らはどこに就職をしたかは知らないがそこでもかなり評判が悪いのはうわさに聞いていた。口恭匡弘(くちやすまさひろ)も呆然としていた。
しかしこの後、恐ろしい惨劇の幕開けとなることをまだこの場に居合わせた三人は知らなかったのである。
男子 残り56名
女子 残り53名
合計 109名
死亡 4名
次回は一気に死にます。
お楽しみに(?)。