逃げられない孤島で4人も殺されれば、誰だってうんざりするものだ。ほとんどの人間が疲労困憊のようだ。岩季真梨亜(いわきまりあ)も早く家に帰りたい気持ちでいっぱいだった。隣にいる瞳神日和(どうがみひより)もうんざりしたような顔で席に座っている。彬水(あきらみず)の死体が見つかった後、岩季と瞳神は食堂に来ていた。そこではほとんどの人間が待機していた。雨が止むまでは本島に連絡をすることもできないため何もすることがなかった。一部の男子が娯楽室に行ったようだがよく遊ぶ気になれるものだ。命をなくす危険さえ出てきたと言うのに。
「絶対に、生き残る…」
急に瞳神がそんなことを言い出したので、岩季は立ち上がって瞳神を後ろから抱きしめた。
「大丈夫。安心して。生きて帰ろ?」
そういうと瞳神はいつもの笑顔を取り戻した。岩季が安堵の表情を浮かべた。その姿を見ていた二人の女子が近寄る。
「どうしたの?」
「大丈夫。日和」
二人に駆け寄ったのは桃香來地(ももがおりらいち)と希櫻(のぞみさくら)。この二人も中学生時代によく一緒に遊んでいたメンバーだ。心配そうに様子をうかがう二人に岩季は大丈夫よ、と明るく返した。しかし瞳神の体調があまりすぐれないようなので、部屋に連れていくことにした。岩季と瞳神は同じ部屋だ。食堂を出る前、岩季は中を見渡した。人数は少なくなり20名ほどになっていた。
果野水佳(くだのみか)は食堂で友人の吹羽三美(ふいばみみ)と待機をしていた。しかし、急に呼吸に不快感を覚えたので思いっきり息を吸い込んだ。それがまずかった。頭はガンガン痛み、ぜんそくのような症状が出る。周りを見ると20名ほどの人間が同じように椅子から落ち床にはいつくばっている。果野はふらつく足で何とか食堂の入り口にたどり着いた。最後の力を振り絞り、ドアにぶつかるが開く気配はまるでなかった。そして果野は今気づいたのだ。
・・・自分は殺されるんだと。
恐らくどこからか毒ガスのようなものを入れられたのか、もしくは犯人が自殺覚悟でこの部屋にばらまいたのか。そう思うと涙が出てきた。何故私が殺されるのか。何も悪いことはしていない。何不自由なく生きていたのに、何故・・・。
果野の手がドアの取っ手から離れる。食堂のなかには20名ほどの男女が同じような格好で息を引き取っていた。さながらナチスのガス室のように・・・。
男子 残り49名
女子 残り40名
合計 89名
死亡 24名
次の話で名前が一気に出てきます。
頑張って考えたのでお楽しみに。