シキのユメ   作:クウネル・コナン

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期間空きすぎぃ!
まあ、読んでる人なんてそうそういないだろうけども・・・。


VS 七夜

「さて、これからどうするかねぇ。」

 

いざ、目的は定まったとはいえどう行動するか不明慮だった。

行くあてなどないため、取りあえずベンチに座る。

近くに自動販売機があったためコーヒーでも買いたかったが金など持ってるわけがない。

そんなことを考えながらコーヒーも飲んでないのに苦い顔をしていると前方から何か物体が飛んできた。

咄嗟にそれをキャッチすると某会社の缶コーヒーだった。

缶コーヒーに続いて人も現れた。

 

「・・・まさか、お前までこの夜に現れるとはね。やあ、シキ。久し振りだね。」

 

「------ああ、オレ自身でもびっくりしてるぜ。よお、殺人鬼。」

 

その現れた人物は学ランを着た遠野志貴の可能性のひとつが形になったやつがそこにいた。

オレの言葉に笑いながら隣に腰かけた。

 

「へえ、俺が偽物だって分かるのか?」

 

「はっ、当たり前だろうが。オレの自慢の弟は人は殺してない。吸血鬼やオレみたいなバケモンしかあいつは殺してないからな。お前みたいに人の血の匂いをぷんぷんさせるようなやつじゃねぇからな。」

 

投げつけられたコーヒーのプルタブを開けながら答えた。

 

「そりゃ、違いない。あの甘ちゃんに人は殺せないからね。」

 

偽物もプルタブを開けた。

お互い、特に会話もせず手元の缶コーヒーを口にする。

別に会話する必要はない。

その場は夜でタタリのせいか他に気配は何もなく、コーヒーを飲む微かな音が流れていた。

オレというバケモンと隣にいる殺人鬼がいるだけだ。

しかし、不思議と重苦しい空気ではなかった。

そのはずだ。

たとえ、一夜限りの偽物だったとしてもオレ達は兄弟なのだから。

しばらく、するとコーヒーは飲み終わり隣に目をやると奴も飲み終わったところだった。

特に示し合わせたわけではないが、同時にゴミ箱に空き缶を投げた。

二つとも奇麗な放物線を描いて投入される。

それを見て二人して声をあげて笑った。

何が可笑しいのか分からないが、何故か面白かった。

ひとしきり笑うとベンチから立ち上がってお互いに無言で距離を空ける。

 

「------さて、やるか。」

 

「------ああ、そうだな。その虚言の命、俺がもらい受ける。」

 

既に言葉はいらない。

偽物だとしても・・・いた偽物だからこそお互い理解している。

お互いに得物のナイフを取り出す。

このタタリの夜、オレの最初の戦いが幕を開けた。

 

 

◆  ◆  ◆

 

 

先手はオレが打って出た。

シンプルに七夜に向かって近づきナイフを振るう。

シンプルだが、吸血鬼の身体能力を使った接近と攻撃。

普通の人間なら回避も防御もできない攻撃だ。

そう・・・普通のニンゲンだったらだが。

 

「ふっ!」

 

短い呼吸と共に繰り出されるナイフによる斬撃。

しかし、七夜は易々と避ける。

それもそのはずだ。

相手は日本の混血と呼ばれる化け物を殺すために鍛えられているのだから。

体を引いたままバク転してオレの攻撃を避けた。

避けられたことに対してオレは驚かなかった。

オレの意思など残っていなかったが、ロアの記憶では志貴と闘っているのだ。

こんな単純な攻撃が当たるとは思っていない。

ましてや、相手は七夜一族の生き残りだ。

距離を取った七夜は手が地面につくほど姿勢を低くした。

そのクラウチングスタートに近い体制から姿が消えた。

次の瞬間、殺気を感じて頭上を見上げると首を刈り取りに来ている七夜がそこにはいた。

 

-----閃鞘・八穿-----

 

ナイフでの防御は間に合わないと判断して咄嗟に体を捻って回避しようとするが、肩を切り裂かれてしまう。

 

「ちい!」

 

舌打ちしながらそのまま距離を空けようとしたが。

 

「---遅い。」

 

既に距離を詰めている七夜。

奴は踏み込んだ勢いを殺さずに下からナイフを振り上げる。

 

-----閃鞘・七夜-----

 

その攻撃にはナイフでの防御が間に合ったため弾くことができた。

しかし、その隙に更に踏み込んできた。

 

「寝てろ。」

 

そして、そのまま俺の服を掴んで投げ飛ばされてしまい地面に叩きつけられる。

 

-----閃鞘・一風-----

 

「ぐっ!」

 

地面に叩きつけられた反動でうめき声が微かに出る。

その隙を七夜が見逃すはずがなく、逆手に持ったナイフをオレに突き立てようとしていた。

 

「終わりだ。」

 

「アホ。そんな簡単に終わるか!」

 

「何っ・・・!?」

 

ナイフを振りかざしている七夜に対してオレは肩口に付けられた傷口から体の血液を利用して槍のように硬化させて伸ばした。

流石、七夜一族とでも言うべきかギリギリで反応して体をそらして腕を僅かに傷つける程度に済まさせた。

・・・ちっ、絶好のタイミングだと思ったんだがな。

奴は完全に不意打ちで行った攻撃を避けた後、警戒したのか一旦距離を空けた。

 

「・・・まったく下手だね、どうも。血液を操る力か。流石は遠野。日本有数の混血だな。」

 

「はっ!ぬかせよ。そんな混血の化け物相手に互角以上にやりあえてるてめえに言われたくないぜ?」

 

「それはそれは、お褒めに預かり光栄でございます。とでも言うべきかな?」

 

「言ってろよ、キザ野郎が。」

 

さて、これは分が悪いな・・・。

相手は偽物とは言え弟の志貴が七夜として大成していたらという存在だ。

直接戦闘の経験値は段違い。

対してオレは混血の力とロアの魔術知識があるだけの戦闘者とは程遠い存在。

しかも、吸血鬼の属性が含まれているとはいえベースが人間のところに上塗りした程度の弱い吸血鬼性だ。

いくらオレの『不死』の能力があるとはいえ頭を潰されれば他の部位で補うとかそんな話にはならない。

・・・オレの手札と相手の戦力を計算して考えた策は、だ。

ある程度どう動くべきかは決まった。

後は賭けだな。

距離を空けた七夜に対してオレはナイフで手のひらを切る。

そこから流れた血を極限まで薄く鋭い剣の形に変える。

それを投擲する。

 

「喰らえっ!」

 

極限まで軽量した上に吸血鬼の身体能力で投げられたそれは音速を超えるスピードで飛んでいく。

だが・・・。

 

「斬刑に処す。」

 

-----閃鞘・八点衝-----

 

超高速で振るわれたナイフにより切り刻まれた。

・・・全く対応されると分かっていたが、こうも簡単に止められるとはな。

吸血鬼化している目で追い切れないほどのスピードで振るっている奴にいっそ尊敬の念まで覚えた。

しかし、それを止めている間にオレは奴に跳んだ。

上空から3本の血刀を生成してそれを3本投げつける。

シエルの黒鍵投げの見よう見まねで投げたそれは思ったよりも威力が乗ったものになった。

ナイフでそれを撃ち落とすスキを狙ってナイフによる攻撃を狙ったが。

 

「蹴り穿つ。」

 

-----閃走・六兎-----

 

投げた血刀をわずかに体をずらす程度の最低限の動きで避けて上空にいるオレに向かって蹴りを見舞ってきた。

上空に蹴りをやるってどんな身体能力してやがるっ!

空中にいるオレは当然避けられずに喰らってしまう。

 

「ごふっ!?」

 

その蹴りにより再び浮きあがるオレの体。

無防備に空中にいるオレに向かって追撃をかけようと七夜も飛び上がった。

完全に体制を崩された状態で迎撃しようとナイフを振るう。

しかし、無理な体勢で振るわれたそれは初動が分かりやすく眼の良い七夜には簡単に避けられてしまった。

七夜はナイフを避けた状態からオレの服を掴み空中から地面に向かって投げる。

 

「かはっ!」

 

いくら混血の・・・それも吸血鬼の能力も上乗せされているとはいえオレの体はほとんど人間。

地面に叩きつけられた衝撃で肺の中の空気を吐き出してしまった。

酸素が足りないせいか視界がやや点滅している。

そしてそんな隙を七夜が見逃すわけがなかった。

 

「極彩と散れ・・・!」

 

左手を地面につけながら前傾姿勢からの飛びかかるような動き。

凄まじい速度で動いているはずなのにゆっくり動いているように感じる。

意識が極限まで圧縮されているような感覚。

これが走馬灯ってやつかよ。

くそ、目ではなんとか動きを追えてるけど体が思うように動かない・・・!

なんとか右手を動かしてナイフを振るう。

俺と交差する瞬間に七夜手がぶれる。

 

 

-----閃鞘・迷獄沙門-----

 

 

高速移動からの交差する瞬間に超高速で放たれる2連斬。

体勢が崩れたオレには片方の斬撃を防ぐので限界だった。

そして止められなかったもう片方の斬撃は・・・。

 

「ぐあぁぁあああ!」

 

「ちっ、仕留めそこなったか・・・」

 

中を飛ぶオレの左手。

くるくると空中を飛び地面に落ちる。

腕を飛ばされたことによる痛みで叫んだ。

対象的に今の一撃で決めるつもりだった七夜は憎々しい表情で一旦距離を空ける。

流石に状況判断能力だ。

そのまま追撃を加えるようなら今受けた攻撃による大量の血液で反撃してやったのに。

 

「今のも捌くとはね。正直舐めてたよ。シキ。」

 

「は・・・ぬか、せよ。どう見ても捌けてな、いだろうが・・・!」

 

息も絶え絶えに言葉を返す。

流石のオレも腕を切り落とされたら痛みと血が足りず視界が霞む。

 

「ならば、お前に敬意を払い俺の奥義を持ってお前を殺そう。」

 

そんなことを言葉にしながらナイフを上に掲げる。

・・・ようやくか。

奴は技を出し切った。

この瞬間を待っていた。

奴は遠野志貴じゃないが故にオレの能力の本質を知らない。

それはこの戦いの中での会話で分かっていた。

だから、奴の大技を使うこの瞬間をずっと待っていた・・・!

七夜は掲げたナイフを体の全てを使ってオレにナイフを投擲した。

 

-----極死・七夜-----

 

それと同時に七夜自身も飛ぶ。

その速度は超高速で投擲したナイフに迫るスピードだ。

一体、ただの人間がどれほどの修練を積めばそんなことができるのか。

退魔の一族が極限まで鍛え上げた肉体から放たれる奴の技の中で最速であろう一撃。

極死・七夜。

ナイフを相手の心臓に向けて投擲して、自身もそれに追従するように飛びナイフが当たれば当然致命傷。

仮にそれを避けられても空中から首を引っこ抜く七夜一族短刀使いの絶技。

戦闘経験もあまりない。

吸血鬼としても混血としても未熟なオレには絶対不可避の一撃。

 

------しかし、そもそも最初から避けるつもりはない!

 

真っ直ぐにオレの心臓目掛けて投擲されている短刀。

その短刀に対して自ら踏み込む。

 

「------な・・・に・・・?」

 

流石のあいつも自ら踏み込むとは思わなかったのか空中を逆さまに飛ぶ七夜の顔に驚愕の表情が浮かぶのが凝縮された意識の中で見た。

前に踏み込んだ為当然短刀がオレの心臓に突き刺さる。

当然、痛みはあるし血は流れる。

しかし、オレのこの体はそう簡単には死なない。

-----いや、死なないように作り変える!

胸に短刀が刺さったままオレは空中の七夜を掴み地面に思い切り叩きつける。

 

「がはっ!」

 

肺の空気を吐き出しながら呻く七夜。

仮にも吸血鬼の腕力による叩きつけだ。

並みの人間には耐えきれるものではない。

動けない七夜へマウントポジションの状態から顔の横の地面にナイフを突き刺す。

俺もかなりの無茶をやったせいで息が上がっている上に心臓には七夜の短刀が刺さったままだ。

七夜を抑えつつ息を整えた。

必死に息を整えているとオレの下で倒れている七夜も動かないが既に息は整えているようだ。

静寂がオレ達以外無人の公園に広がっている。

 

「-----オレの勝ちだ。」

 

「-----ああ。俺の負けだ。」

 

二人のその言葉によってこの公園の戦いは終わりを迎えた。

 

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七夜自ら負けを宣言した聞いてオレは七夜の横に仰向けで転がった。

・・・ったく、なんでただの人間と戦ってこんなに疲れるんだっつうの。

そんなことを思いながら胸に刺さった短刀を抜いて七夜の方に放り投げる。

もちろん、刃はしまってから。

 

「・・・俺を殺さないのか?」

 

「当たり前だ。二度も弟を殺すのは勘弁しろっつう話だ。」

 

「甘ちゃんだな。」

 

「弟に甘いのは兄貴として当たり前だろうが。」

 

「くっくっく、先ほど散々俺のことは弟ではないと言ったのにか?」

 

「あー、聞こえねぇ。オレは物覚え悪いんでなー。」

 

公園で男二人が仰向けになりながら談笑している。

つい先ほどまで殺しあっていた二人がである。

その事実もあって笑いが止まらない。

 

「さてと、そろそろ行くかね。」

 

「流石、吸血鬼。回復は早いな。」

 

「弱い吸血鬼性だがな。どうやらオレの体はほぼ人間ベースの性能みたいだな。お前は?」

 

「俺はこの虚言の夜の中とは言え再現しているのはただの人間だ。さっきの叩きつけでまだ動けん。・・・ああ、心配しなくても今夜はもう動けんよ。何ヶ所か骨がいかれちまってる。」

 

着物についた砂埃を払いながら立ち上がる。

地面に寝ていたらもう傷はほとんどふさがった。

本家の吸血鬼と比べたら半分以下の再生能力だが、オレの能力の仕様で弱い再生能力でも相性がいい。

オレの能力はとにかく死にづらいことだからな。

七夜の方に目を向けるとまだ動けないようだ。

 

「じゃあな、殺人鬼。もう会わないことをことを祈るぜ。」

 

俺はいまだに地面に転がっている七夜に言葉を投げた後に公園を後にした。




やっぱり私は読む側の人間なうえに文才なさすぎぃ!

でも、戦闘シーンを文章で表現するのは難しいですね。

FGO絆レベル上げるのきつい。
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