ガンゲイル・オンライン:Apex of Gunfighters   作:EoEo.

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▼武器名等に修正が入っています、第0話の武器紹介にも変更が加えられています。




OPS 04:バレット・ラインの先へ 《Phase 1》

「じゃあ、アルバイト終わったら店長さんのお店に集合ね!」

 

「うん、わかった。」

 

初ログインから翌日、一之瀬さんと学校で会いGGOについていろいろと話していた。

放課後私はアルバイトがあるため、待ち合わせを店長、アルフレッドさんの店にして電車で別れた。

アルバイト先に行くと、店長もGGOの話を私にして正直仕事という仕事はしてないような気がした...。

アルバイトを終え帰宅しいつも通りシャワー、夕飯を済ませた私はすぐさまアミュスフィアを被り、ベットに横になった。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ...。」

 

早速ログインをし、集合先に向かおうとした。しかし昨日ログアウトしたのが、店長さんの店だからだろうかログインした先も店の中だった。

 

「あれ、まだみんな来てないのかな?」

 

店長、アルフレッドさんはゲームショップからまだ帰ってないから当分かかるだろう。

一之瀬さん、ラファールは...何か用事だろうか?

ふと、試射場が目に入った。

 

「ちょっと練習しようかな...。」

 

昨日購入...タダでもらったAKをメニューウインドウから手持ちのメインウェポン枠に入れ、同じくサブウェポン枠にハンドガンを装備する。

 

「よし...。」

 

試射場のコンソールパネルを操作し、人型ターゲットを使った試射を開始する。

3秒のカウントダウンの後、50mのターゲットが3つ勢い良く跳ね上がる。

 

「っ...!」

 

バレット・サークルの動きを抑えるために撃つ瞬間に呼吸を止める。すると、サークルは一番小さくなったところで、ゆっくりと動き始める。

ダンッ!ダンッ!ダンッ!とリズムよく3つのターゲットに銃弾を撃ち込む。

3つのターゲット、すべての頭部部分に命中。

程なくして50mmのターゲットは消滅し、100mに2つ新たにターゲットが出現した。

先程と同じくサークルの縮小の一番小さくなるところで呼吸を止め、動きをゆっくりにする。

ダンダンッ!と先ほどよりも速く弾をターゲットに撃ち込む。

2発の銃弾は2つのターゲットの、やはり頭部に命中。

最後のターゲットは150m。100mのターゲットが消滅した後、すぐに出現した。

 

「次も頭だ...。」

 

サークルの動きが小さくなった。

 

""Rafale is Online""

 

「っ....?!」

 

突然視界の右上に表示された、ポップアップに目をやると、そう表示された。

私はとっさに試射場のコンソールパネルを操作し、中断ボタンを押した。

 

「ごめんごめーん!、犬の散歩に行ってたら遅れちゃって...」

 

ログインエフェクト、声とともにラファールのアバターが現れる。

 

「あれ、練習でもしてた?」

 

「うん、まぁ...そんな感じ...。」

 

ぎりぎりのところで見られずに済んだ。

 

「あっそうそう、店長、アルフレッドさんねお子さんが熱出しちゃって、今日はログイン出来ないってメールが来たよ。」

 

そういえば店長、既婚者で2児のお父さんだったっけ。

 

「じゃあ今日はどうする?」

 

「今日は私がよく行く狩場に行こっか!」

 

「狩場...?」

 

「うん、広い意味では"モンスターを倒す場所"のことかな、この場合だと効率よくモンスターを倒せる場所って意味かなー、というわけで早速しゅっぱ~つ!」

 

「おー...。」

 

アルフレッドさんの店を出て、近くのタクシー乗り場から外周へとつながるゲートまで行くこととなった。

今日学校で一ノ瀬さんに聞いた話によると、私達が今いるこの、街のように見えるものは「SBCグロッケン」という大型宇宙戦艦の上で、ゲーム内の舞台設定は人類が宇宙に進出し、その後大規模な宇宙戦争が勃発、文明が衰退し残った人々は大戦で滅びた地球に宇宙移民船団で戻り過去の技術遺産に頼って過ごしている、というもの。

SBCグロッケンは移民船団の宇宙船の上にそのまま都市を築いたという設定らしく、ここ以外にも様々な都市が点在するらしい。

これから向かう場所はそのSBCグロッケンの外にある私達の知る地球の地上だったところだ。

 

「ついたよ。」

 

タクシーから降りると、目の前に大きなゲートが有り≪外周区画ゲート≫と書いてあり

扉のコンソールパネルにラファールが触れると、≪注意:都市のゲートに入らない限り完全ログアウトは出来ません!≫の文字が出る。

 

「どういうこと?」

 

「フィールド内でログアウトしても、アバターの体自体はその場所に残っちゃうんだ。もし、敵に襲われてるのにログアウト出来ちゃうと簡単に逃げれちゃうでしょ?

だから、ログアウトするときはちゃんと市街かセーフエリアに入ったりしないとだめってこと。」

 

つまり、敵と遭遇したら倒すか倒されるまで戦うか、もしくは自分の足でゲート内まで逃げなきゃならないというわけだ...。

 

「じゃあ、ゲートを空けるよ!」

 

彼女がゲートのコンソールパネルを操作すると、轟音とともにゲートがゆっくりと開きはじめ、開いた隙間から風と砂が入り込んでくる。

 

「あ、そうだパーティ組んでなかったね。」

 

そういうとメニューウィンドウを開き、何かを操作するとこちらのウインドウ画面が自動で開き"Rafaleからパーティー招待が届きました。許可しますか?"と表示された。

 

「許可してもらえれば私たちのパーティが組まれて経験値とかクレジットとかの報酬が山分けされたりするんだけど。」

 

「へぇ」

 

もちろんyesの○ボタンを押す。

 

「よーし、じゃあ行くよサーニャ!」

 

「うん」

 

ゲートの外は、内側がビルや建物があったのに対してこちらは一面砂とむき出しになった岩場など、荒れ果てた大地だった。

 

「ゲートの外側には、建物とかお店はないの?」

 

「うーん、都市丸ごと廃墟になった場所もあるにはあるけど...後は店の中だけ攻撃無効エリアのアンチクリミナルコードが有効になってるウェスタン・サルーン風の酒場があったはずだよ、私は行った事ないけど。」

 

つまりは市街地戦闘になることもあるわけだ。

 

「というわけで到着!」

 

数分歩いて到着した場所は、もともとは高速道路だったであろう場所が崩落したところだった。

 

「で、どうするの?」

 

「あそこ見てみて。」

 

ラファールが指差した先に、小刻みに蠢く物体があった。

 

「これ使ってみて。」

 

手渡されたのは双眼鏡だ。覗いてよく確認してみると、蜘蛛とカマキリが合体したような不気味なモンスターが、別の自分より小さいモンスターを食しているところのようだ。

 

「あのタイプは"リーパー系"って言って鋭い鎌を持ってるんだ、この世界のモンスターは機械系以外皆突然変異の実際に存在する生き物って言う設定だからああいうのはいっぱい居るよ。得にリーパー系は強暴だから、自分より弱いものと認識するとすぐ襲い掛かってくるから注意ね。」

 

「なるほど...」

 

「あそこはあのリーパーのスポーン場所()だから、いっぱい倒せるよ!」

 

そういって私たちはさらに巣へと近づいていく。

 

「私はAGI(俊敏性)が高いから敵をひきつけてヘイトを取るから、サーニャはバシバシ弾を撃ちこんじゃって!」

 

「わかった。」

 

そういうと、一体だけ別行動をしているモンスターに向かっていった。

 

「さぁさぁ、やりますかー!」

 

腰のホルスターから拳銃、"Glock 18C"を取り出すと、ラファールは走りながらそのモンスターに対して、射撃を始めた。モンスターもこれに気づき、進路を変えラファールのほうに向かってくる。

 

「いいよサーニャ!、撃っちゃって!」

 

ラファールがモンスターの爪攻撃をひらひらと交わしながらこちらに叫ぶ。

 

「了解...。」

 

私は銃を構え、相手の頭に狙いを定める。

的は試射場のターゲットより二回り以上も大きく、この銃の性能と距離からして外すほうが難しく思えた。

サークルが小さくなったところでダダダンッ!と3バースト射撃でモンスターの頭部に銃弾を浴びせる。

グギャアァッ!とモンスターが悲鳴を上げる、一発は胴部の横から入り、二発、と三発目はモンスターの眼球に命中した。

 

「ナイス!サーニャ!」

 

彼女はそう言うと、怯んだモンスターの背中に飛び乗り頭部に向かって走り始めた。

 

「よっと!」

 

頭部にたどり着くと、そのまま勢い良く飛び空中で体が逆さになるとそのまま2丁のGlock 18Cのロングマガジン、全66発をモンスターの頭部に浴びせた。

そのまま地面に着地すると受身を取る。

モンスターは苦しみだしたと思うと、動かなくなりそのまま消滅した。

 

「ナイス援護サーニャ!」

 

「ありがとう。」

 

戻ってきたラファールとハイタッチをする。

 

「今のモンスターは私がラストアタックしちゃったけど、むこうにもう少し弱い敵がいるからサーニャ一人で今度はやってみよう!」

 

「うん、分かった。」

 

今の位置から数百メートル歩いた先に別のモンスターの巣があり、こちらは先ほどのモンスターよりHPが低く、攻撃力も低いので初心者の私でも倒せるとのこと。

ステータスは高いにしても、基本が分かってないとやはりこのゲームで生き残るのは難しいらしい。

私はラファールに連れられ別の巣に移動する。

 

「そうそう、これ渡しておくよ。」

 

そういって渡されたのは片耳に付けるタイプのヘッドセットだった。

 

「距離が遠くなると声聞こえないでしょ?それ使って話せば大体1km位は障害なく通話できるかな。」

 

「うん、分かった私ちょっと一人で戦ってみるよ。」

 

「お、自信満々だなぁ~!じゃあ私さっきのところでリーパー系を狩ってるからもし何かあったら無線で連絡してね。」

 

「了解。」

 

ラファールと別れ、一人で狩りをする。

私自身銃を撃った事はあるけど、生きた標的に撃ち込んだ事は初めてだ。

 

「さて。」

 

銃を構え、300m程先のモンスターに狙いを定める。

 

「西の風、これくらいかな...」

 

5.56mm弾の場合、7.62mm弾より風の影響を受けやすい、そのため修正が必要だ。GGO内では風向きは視界の左下に風向き等が表示されているため調整がしやすい。

また、バレットサークルが風向き似合わせ上下左右に動くのでこれも予想がしやすい。

現実なんかよりずっと銃が撃ちやすく、当てられる。

 

「一撃で...。」

 

フィールド型モンスターの大半は頭が弱点とラファールから聞いている、そのとおり頭に合わせる。

 

「すぅー...ふぅ...。」

 

呼吸を整えて、サークルの動きを抑える。

 

「っ...!」

 

ダンッ!と一発、モンスターに向けて放つ。弾は風の影響を受け緩いカーブを描きモンスターの頭部を貫く。

弱点へ当たったダメージボーナスでダメージは2倍以上となり、モンスターは瞬く間に消失した。

 

「よし...。」

 

その後も同じように倒し、30体程狩っただろうか。ふと、ラファールの事が気になりヘッドセット越しに話しかける。

 

「ラファール、聞こえる?」

 

返答なし。

 

「ラファール?」

 

何度か通話を送るが返答がない。

 

「様子を見に行こう...。」

 

ラファールが居るのは、私達がリーパータイプを倒した場所のはず。彼女がリーパー型に倒されたとは考えにくい...が念のために、それに彼女がやられてスポーン地点に転送されてしまったら私が一人で帰る事になってしまう。と、考えていたら目の前に大きな岩がある。この岩を越えればリーパー型の巣があった高速道路が崩落していた場所だ。

岩を越え、巣のある場所を覗くとラファールが砂の上に倒れている。

 

「ラファール...!」

 

助けに...と足を踏み出した途端、反対側の高速道路崩落場所の方から3人組の男性アバターがラファールの方に歩いてくる。借りていた双眼鏡を使い、ラファールを見る。すると彼女の肩に何か光る物体が刺さっているのが確認できた。

 

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「くぅ....」

 

彼女は砂の地面に倒れていた。油断していたようだ。

 

「体が動かない...?!」

 

自分のステータスバーを見ると"スタン"状態のマークが描かれていた。ふと、肩に目をやる。自分の肩に光る棒が刺さっている。

 

「スタンバレット...!?」

 

"スタンバレット"、本来の名を"電磁スタン弾"と言い、当たった相手を数分間麻痺させ、身動き出来なくする事ができる弾薬だ。しかしコストが高い事、そもそも口径が大きいライフルでないと使用できないため、使っている人間は少ない。

 

「予測線は見えなかった...」

 

彼女が言う"予測線"とは弾道予測線(バレットライン)の事で自プレイヤーが敵から撃たれる際に、敵の銃口から赤色のレーザーの様な線が伸び、撃たれた弾がどこに着弾するかを視覚化したもの。自分のバレットサークルと同期しておりバレットサークルがでている間はバレットラインも銃口から出ているため、相手に弾道を予測されてしまう。ただし、目標に気付かれていないの場合、初弾はバレットラインが表示されないため相手に気づかれずに初弾を打ち込むことができる。銃撃による戦闘にゲームならではの「ハッタリ」的面白さを盛り込むため採用されているシステムである。

 

「サーニャ...ヘッドセットは倒れた衝撃で壊れちゃったか...」

 

サーニャに無線を、と思ったがアイテムのヘッドセットは麻痺時に倒れた衝撃で壊れてしまったようだ。

と、その時崩れた高速道路のコンクリート片の影から三人組の男たちが現れた。

 

「あの人達が...。」

 

一人の男はドイツH&K社製の"G36K"、もう一人の男はイタリアベレッタ社製"AR70/90"。そして最後尾の男。彼の手に握られていたのはフランス、PGMプレシジョン社製"PGM.338"スナイパーライフルだった。

 

「PGM...!?超レア武器じゃない...!」

 

彼女もPGM.338を見るのは初めてだった。モンスタードロップ系レア武器の一つでかなり高額取引されている武器の一つである。

 

「お嬢ちゃん~狩りしてる所悪いねぇ、俺達これでもPKスコードロンでさぁ~。」

 

G36Kを持った、男が声をかけてくる。

スコードロンとは、他のVRMMOで言うギルドである。

 

「早くトドメさしなさいよ...!」

 

「いやいや、こ~んなかわいい子を間近で見ないですぐに殺しちゃうのはもったいないでしょ?」

 

「でもリーダー、早くとどめ刺さないとスタンバレットの効果切れちゃいますよ~?」

 

「あぁ?じゃあ切れそうになったらもう一発ブチ込んどけよ。」

 

「いやいや弾代高いですし...!」

 

「....。」

 

ラファールは痺れている腕を何とかして動かし、目の前に転がっている自分のGlock 18Cに手を伸ばそうとする。

 

「おぉっと~、だめだめおとなしくしてなきゃ!」

 

「くぅ...」

 

伸ばした手はGlock 18Cに届かず、気付いたリーダーと思わしき男に銃を蹴り飛ばされた。

 

「でもね、その根性気に入ったよ~ねぇ君、うちのスコードロンに入らない?」

 

「お断りよ...っ!」

 

食い気味にラファールが言う。

 

「ありゃりゃ残念、じゃあもう用ないからここで死んでもらうね。あとあそこに落ちてるグロック貰ってくよ。」

 

男のG36Kの銃口が、彼女の頭に向けられる。

 

「じゃあ、さようなら~。」

 

「...っ!」

 

ラファールは反射的に目を瞑る、風で砂が流される音がいつもより大きく聞こえたような気がした...と、その時。

 

「ぐあっ?!」

 

「リーダーっ!」

 

どこからともなく、弾丸が飛んできた。弾はリーダーの男の腕に命中した。

 

「...えっ...?」

 

何が起こったのか、彼女は理解するのに少し時間がかかった。

 

-------------------------------------------------------------------------------------------

 

「腕に命中かな...さすがにこの距離じゃ倒せないか...。」

 

プローン«伏せ撃ち»の姿勢でラファールの周りにいる3人のうち一人、彼女に銃を向けていた人を狙撃した。

倒せはしなかったが、相手の気をこちらに向けることに間に合った...と私は胸を撫で下ろしたがまだ安心するのは早い。

他の二人はアサルトライフルだけどもう一人はスナイパーライフルらしきものを持っているのは双眼鏡のおかげで確認できた。本来ならこっちを優先するべきなんだろうけど、ラファールのこともあったし、先にスナイパーを撃ったところでラファールの危険度が下がるわけではない。

 

「まだこっちに気付いては...。」

 

再び狙撃を試みるが、スナイパーの方から赤いレーザーのようなものが一本こちらに伸びて、私の顔の中心に投射されているのに気づいた。

 

「...っ!?」

 

反射的に顔を反らすと頬を銃弾がかすめていった。

 

「見つかった...!」

 

私はとっさに立ち上がり、岩場を急いで降りた。

ラファールの居る高速道路が崩壊している場所へは約400~500mほど離れているけど、その場所までは稜線で隠れていて、大回りで移動すれば崩壊している瓦礫の元へたどり着くことができるはず。それまでにラファールが無事だといいけど...。

 

「アサルトライフルを持った2人が先行して前に出て来るはず。スナイパーはこの瓦礫だと状況的に不利のはず...油断はできないけど。」

 

何事も無く高速道路の瓦礫に取り付いた。

 

「AKの残弾は...あと2マガジン...ハンドガンは使ってないからフルで3マガジン...長期戦は出来ない...か。」

 

ふと、微かに声が聞こえる。

 

『狙撃してきた奴は絶対こっちに向かってきてるはずだぞ!探せ!』

 

『それにしてもリーダー、なんであの子撃っておかなかったんすか?』

 

『そんな暇ねぇだろ!、とりあえずこっちのやつが優先だよ!手分けして探せ!』

 

「ここに来たのはもうバレちゃってるのか...。」

 

しかし3人共バラバラに行動してくれてた、一人ずつ確実に倒せば...。それにさっきモンスターが落とした"この"武器も試したい。

 

「よし...」

 

ゆっくりと、できるだけ足音を立てずに移動を開始する。

まず最初の目標はリーダーではないもう一人のアサルトライフル持ち。

 

「...居た。」

 

彼は瓦礫で山になっている所を見張り台にして辺りを見渡していた。ただ、このまま彼を撃つと逆に敵の二人、特にスナイパーは見渡しのいい別の場所で狙撃体勢に付いているだろうからあの人が倒れた場合すぐに察知するだろう。

 

「おびき寄せよう...。」

 

近くに落ちていたこぶし大の石をわざと私の隠れている場所で落とした。石が地面に接触すると同時に鈍い音がする。

 

『...っ!リーダー?』

 

彼は今の音をリーダーと呼んでいる人のものだと勘違いしているらしい。彼が動き出しこちらに歩いてくる足音が聞こえる。数歩数歩、徐々に音が大きくなってくる。そしてついに私の目の前まで来た。

音を立てず、腰からその、先ほど手に入れた物をゆっくりと取り出す。

彼は幸いまだ気づいていない。

その彼に私は後ろから後ろの首めがけてその"物"を振り下ろす。そうする際に、彼の"悲鳴"が響かないように口元を強く抑えた。しかし一回振り下ろし、"刺した"ただけでは、ゲーム上のHPを削り切ることが出来ず。倒れこんだ彼の後頭部にもう一振りした。

 

「最初のプレイヤーキルがこんな形になるなんて...それにゲームとはいえ私酷いことしたなぁ...。」

 

私がモンスタードロップで入手したこの武器は名前が"VOODOO HAWK"という小型の斧のような形をした、近接武器。

首を刺し、後頭部に一振り...なんて現実でもしもやったとしたら返り血が凄いことになっていたことだろうが、幸いここはゲーム内。死亡状態になった彼はモンスターと同じように粒子状になり消滅した。

 

「後二人...」

 

斧を腰に戻し、再び残りの二人の排除に向かう...。

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