-王立書士隊バルバレ支部-   作:みーきんぐ

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健康的な肌って憧れますよね。

暑い季節には日に焼けた女の子がまぶしく見えます。

今回もよろしくお願いします。


2017/3/27 修正


出会い編 ベリル・ラン

フィールドは火山

 

バルバレから南へ500㎞程海を渡った赤道直下の熱帯国

火山帯が多く周辺には緑の草がほとんど生えていない

 

気温は摂氏約60℃

麓まで行けばさらに上がるだろう

 

クーラードリンクを飲み干した私とベリルは

汗を拭きながら麓へと歩き出した

 

今回の調査はラングロトラ(幼体)の脱皮した皮の回収と

グラビモス(キングサイズ)の眼球の回収である

 

クエストのランクはG級

特にラングロトラは群れの可能性が高いため、このランクと認定された

 

「この程度」であれば私一人で十分なのだが

荷物が多くなるため補助として、また教育の一環としてベリルを連れてきている

 

ベリルは片手剣使いなので

討伐及び調査となると負担が大きい

 

出来るだけ連係プレーを覚えてもらい

調査における狩猟補助の役割を学んでもらうつもりだ

 

私は相変わらずブレイズブレイドχ

防具はさすがに熱いのでレウスXシリーズを装着してきた

 

籠手(腕防具)だけは大和【極】を装着し、頭は何も装備せず、

黒い海賊頭巾だけを装着し火の粉対策をする

 

レウスシリーズは見た目よりも作りが複雑になっている

火竜の鱗を用いているので、耐火性はもちろんあるのだが

実は排熱にも優れた性能がある

 

防具の各部が実際の火竜の構造のように造られており、

さらに外熱を防ぎ、排気できる様になっているのだ

 

少々メンテナンスは大変だが、使い勝手のいい防具である

 

籠手だけ大和【極】にしたのは、ブレイズブレイドχの属性値の高さに

レウスの防具では耐え切れず壊れてしまうからだ

 

 

 

ベリルは、

相変わらずだが露出が多い

 

ドーベルシリーズで、頭部のみピアスにしている(三眼のピアス)

 

ドーベルシリーズはボーン系装備の最強と謳われ、

体を覆う青白い骨素材は古の竜骨を希少鉱石でコーティングしたものだ

 

防具の布部分はどこも面積が少なく、その布はケルビの厚皮(高級品)で出来ている

毛並が非常になめらかでは、見れば思わず撫でたくなってしまうだろう

(ベリルの布部分を撫でたら即刻トトに殺される・・)

 

 

武器はパラライズロンド

 

ガララアジャラの素材を使った麻痺属性の片手剣だ

かなり高価な素材を使用しており、最近完成した新品とのこと

ベリルはニコニコしながら抜刀したり納刀したりしている

 

ほら行くぞ

 

と一声かけて軽くダッシュする

 

私の鼻ではすでにモンスターの位置を把握しており

ここから約1㎞くらいに、独特の刺激臭を感じる

 

匂いからして、ラングロトラ

数は・・・5頭以上、

 

10分ほど移動し、近くに溶岩の川が流れ続ける静かな場所に

赤い亀のような格好をした奴らがいた

 

ラングロトラは仲間意識が強く、

家族への情も厚い

 

子供を殺せば厄介なことになる

皆殺しにしてもいい所だが

 

そういうことは、

あまりベリルの前ではやりたくない

 

数は目視で7頭

そのうち1頭が1/5くらいのサイズで

背中の皮がはがれかかっている、こいつがターゲットだ

 

しかし子供の周りは隙がなく

隠れて行動するのは不可能だろう

 

ベリルが私の肩をたたく

すると両手に煙玉を4個ずつ持って

耳元でささやいた

 

どうやら煙玉で視界を奪った後

落とし穴を仕掛けてやつらを混乱させ

その隙に皮を剥ぎ取るのだという

 

その煙玉いっぺんに投げるのかと聞くと

彼女はニコニコしながら首を縦に振った

 

ラングロトラは7体いるのに落とし穴2個(2人の設置限界)で足りるのかと聞くと

はっと気づいたような顔して落ち込んでいた

 

というか煙玉8つも使ったらこっちも視界どころか呼吸が確保できないだろう

ベリルの案は却下された

 

 

 

結局奴らが寝ている頃を狙って

こっそりねぐらに忍び込むことにした

 

しかし時間はまだ朝なので

先にグラビモスの眼球サンプルを回収しに行く

 

2時間ほど移動し、ちょうど昼になり、腹が空いてきた

 

 

ベリルが支度をしてくれている間に

アプケロスの肉を採取するよう頼まれたので

適当に散策し2kgほどの生肉を調達した

 

戻ると、彼女はすでに肉焼き器を設置していて、

パイナップル柄のシートを敷いて座っていた

 

ベリルは笑顔でぽんぽんとシートをたたき、

座るよう促す

 

一応安全ではあるのだが・・

なんだか遠足気分のようで気が抜けてしまった

 

 

横に座ると意外とシートが狭いことに気付く

普段はリリと使用しているとのこと

 

かなり密着した状態になり動きづらい

 

 

アプケロスの肉を差し出すと

彼女は「例の鼻歌」を歌いながら

こんがりと肉を焼いていく

 

充分に火を通すと

ベリルはポーチからスパイスを取り出した

 

通常ハンターは、常備品として必ず塩又は塩胡椒を所持している

食料の現地調達が基本の我々にとってミネラルは必需品だ

 

大抵のハンターは塩なのだが、味にこだわりを持つハンターは

胡椒や乾燥にんにく、オリジナルスパイスを持ち込む者もいる

 

ベリルは独自で調合した「チリスパイス」を「肉が真っ赤になる」まで

振りかけていた

 

 

私にも勧められたので少しだけ振り掛けて食べてみると

 

口から火球が飛び出すほど辛かった・・・

 

全身から汗が吹き出し舌がピリピリと痺れる

 

ヒーヒー言っていると

ベリルは笑いながらクーラードリンクを差し出してくれた

 

彼女も汗だくになりながら自分の分の肉を完食した

 

防具の露出が多いため、まるで海から上がってきたように

全身汗まみれだ

 

どうしていつも面積の少ない防具を選ぶのかと尋ねると

母国では腰布1枚で一生を終えるような人が多く

服を着こむことに抵抗があるらしい

 

あとカラいのは代謝にいいから好みなのだという

 

さすが南国の娘といったところなのだろうか

 

 

 

さて、昼にずいぶん時間をかけてしまった

 

遠足セットを片付けた私たちは

火口付近へ向かう

 

もう一つのターゲットであるグラビモスの眼球だが

かなり希少価値が高い

 

 

グラビモスの内臓器官は、他のモンスターに比べて

絶命した時の腐食のスピードが異常に速く、眼球も死後すぐに蒸発してしまう

 

というのも、グラビモスは体内に「耐熱度が非常に高い微生物」を飼っている

その数も膨大で、1個体に数千億を超える命が入っているのだ

 

この微生物は幼体のバサルモスの時に地上の苔などから体内に取り込まれ、

そして本体の成長とともに体内の微生物が「変異」を起こすのだ

 

そしてその微生物は溶岩に溶かし入れても生命を維持できるほどの能力を持っている

 

ただし、内臓器官や眼球においては微生物の数が極端に少なく、

主が絶命すると、体内で保持している熱量で全てが焼け溶けてしまうのである

 

このあたりは書士隊でも調べがついているのだが、

体内の微生物を変異させているトリガーはいまだ判明していない

 

 

この高耐熱微生物は、マグマに潜れるほぼすべてのモンスターが保有している

 

 

 

今回の眼球採取もその研究の一部だ

書士隊からのオーダーは眼球2個の採取

 

難易度は測定不能

モンスター自体は上位クラスだが、眼球採取がとてつもなく難しい

この任務はベリルに見学させるつもりで来ている

 

彼女と私は岩陰から目標を観察する

その時、隣に密着しているベリルから、すごく甘いにおいがした

(こいつ、チョコ食ってやがる!)

 

冷静になってベリルに説明する

 

 

今から眼球の採取を行うが

今回は私なりのやり方で遂行する

 

絶対に真似はするなよと伝えた

ベリルは目をキラキラさせて「はい!」と返事をした

 

あとチョコは没収しておいた

(匂いでモンスターに見つかる)

 

 

グラビモスが背を向けた瞬間全力で走る

 

グラビモスまでの距離は50m

約5秒で到着する

 

ブレイズブレイドの爪を全射出させながら

グラビモスの足の根元付近を引き斬る

 

一撃で骨まで到達し、グラビは絶叫する

 

そのままふらついたところを追い打ちでもう一撃

 

これでやつの右足を完全に切り裂いた

(骨のみ斬れずに残っている)

 

完全にバランスを失ったグラビモスは辺り一面に熱線ガスを放出する

 

それを読んでいた私はすでに距離を取っており、

ガスの放出が終わった瞬間右肩に大剣を担いだまま首下へ突っ込む

 

バリ!と赤黒い雷を放った刀身が

グラビモスの首筋に激突する

 

大剣をグラビの首に刺したまま、大剣の「切り上げ」攻撃のように

その巨体ごと180°ぶん回し、その勢いで首を切り落としたのだ

 

 

 

ごろん

 

と落ちた巨大な頭は筋肉が硬直したまま

眼が見開いた状態で絶命していた

 

すぐにポーチからアルコール瓶を取り出し

眼球を素手で抉り抜く

 

 

流石に熱い

 

籠手の黒塗り塗装が溶けていくのを感じる

肘まで手を入れると眼球と神経がつながっている筋を見つける

 

握力のみで神経を引きちぎり

慎重に眼球を取り出す

 

まだ腐食が始まっていない黄色く光る新鮮な眼球だ

 

もう片方の目も取り出すのだが右手は火傷で使えない

左手で同じように作業を繰り返す

 

二つの眼球をアルコール瓶に保存すると

すぐに蓋を閉めて真空装置を作動させる

 

「ふぅ」

 

 

吐息をつき、やっと肩の力がおりた

 

ベリルは近くまで駆け寄ってきて、

私の両手を案じてくれた

 

両手の肘から先は、籠手で守られている所以外ひどく火傷していた

籠手は表面の黒塗り塗装が溶け、老山龍の厚鱗が剥き出しになっていた

 

籠手を外すとやっと痛みが襲ってきた

 

まだグラビモスの体液が付着しており

耐熱微生物が私の細胞を食おうとしているのだ

 

ベリルはポーチからいくつかのアイテムを取り出して

私の腕を診てくれた

 

まずは純水で全体を洗い流す

焼けた鉄板に水を撒いたように、ジュウと水蒸気が出る

 

そして小さな瓶を取り出して私の腕に塗ろうとした

 

 

まて、この「赤い粉が入った瓶」どこかで見たぞ・・・

 

 

うっ!と体の芯から鈍痛が駆け巡る

 

ベリルが塗っているのは先ほど昼に食べた「チリスパイス」なのだ

 

痛みに鈍い私が声を出して苦しむほどの

衝撃の痛さだった

 

ベリルは一生懸命にチリスパイスを腕にこすり付ける

私はもう意識を失いそうになりながらされるがままに耐える

 

たっぷりと痛みを塗りつけたまま

彼女は包帯で丁寧に両腕を巻いてくれた

 

痛みが引くと、第一声はもちろん決まっている

 

「なんであんなもの塗ったんだ!?」

 

ベリルはいつもの笑顔で言った

 

「このスパイスは新陳代謝を上げるとよ!食べてもいいけど塗り薬にもなるけんね、

 2日もすれば火傷跡も消えて回復するんよー!」

 

 

本当にしてやられた・・

 

この子は本当に面倒見がいいから、

私が怪我をするといつも何かしら薬を持ってきてくれる

 

正直あまりキズや痛みは気にしないので有難迷惑ではあるのだが

この笑顔で迫られると、まぁ、断れないわけだ

 

ふふっと笑いながら、ベリルは包帯を巻いた腕を撫でた

私も苦笑いで返して、上からボロボロの籠手を付け直す

 

 

まだ任務は終わっていない

 

 

時間もいい頃になってきたので、

私たちは次の地点へと向かった

 

 

朝向かった最初のポイントから少し離れた洞窟に

あのラングロトラの群れを確認した

 

こっそり身をかがめて入ろうとするベリルを

私は遮った

 

 

彼女は速く任務を終わらせたいようだが、

ここは先輩としてしっかりと「指導」しなければならない

 

 

 

 

と、いうことで洞窟入口付近の凸凹した所へベリルを連れて行った

 

そこには何とも言えないかぐわしい香りと、緑や茶色や黄土色の大量の塊が

そこらじゅうに散らばっていた

 

ラングロトラの糞尿である

わたしはそのクソを両手いっぱいに汲み取り

 

 

頭からかぶった

 

 

ベリルはクソまみれになった私を見て

これまでに見たことない壮絶な表情を浮かべていた

 

ハンターの基本、

それは隠密行動であること!

 

採取クエスト、特に運搬系のクエストでは特に

敵にバレないステルス性能が必要となる

 

モンスターは人間の数倍嗅覚が利く

我々の匂いでラングロトラは間違いなく目を覚ますだろう

 

つまり、体の匂いを消し気配を消すには、

モンスターと同じ匂いになればいいわけだ

 

手っ取り早い話、糞をかぶるのが一番なのである

 

 

さっきのお返しというわけではないが、多少のサド心を剥き出しにして

もう一度たっぷりとクソを鷲づかみして

 

完全にフリーズしたベリルの全身に塗りたくる

 

 

ベリルは、

 

「ひぅ。」

 

とクソの生温かさに身震いしつつ

初めて鳥肌というものを実感したという

 

 

そのあとの流れはとてもスムーズだった

 

完全にステルスされた私たちに、ラングロトラは全く気付かず

無事に子供から脱皮した皮を頂戴することが出来た

 

安全圏へ撤退するころには体中のクソも乾いてきて

匂いに対してもだいぶ麻痺してきていた

 

 

「水...水...」

 

とベリルはうわごとのようにつぶやいていた

 

少しかわいそうに思えてきたので

近くの川で汚れを落とすことにする

 

彼女はその露出した肌のほとんどにクソが付いているため

私よりはるかに気分が悪かったのだろう

 

小さな川を見つけると

途端にダッシュして全身に水を浴びていた

 

私も続いて水辺に入る

頭を水に突っ込んで髪についた汚れを掻き落とす

 

ふぅ、と水面から顔をあげると・・・

 

 

 

目の前に、真っ裸で水浴びをしている16の女の子がいた

 

 

 

突然の全裸にびっくりした私はそのまま尻もちをついてしまった

どうやら彼女に恥じらいは無いらしい

 

 

彼女は先ほどとは打って変わった笑顔で

それはそれは楽しそうに、はしゃいでいた・・

 

 

 

 

 

帰りの道中

 

ベリルには「小一時間ほど説教」をしながら帰路に着いた

彼女は何とか私の話を理解してくれたようだ

 

 

説教の途中に「あんちゃんの前だから恥ずかしくなかったんやけどなー」

と言っていたがそれでも今後はせめてタオルを巻くように注意した

 

 

なんだかいつも以上に疲れの出た調査だった

 

明日も仕事があるので帰ったらゆっくり休もう




ベリルの情報おさらい

登録名(HN)はベリル・ラン

登録名としては珍しく本名
17歳

主な装備は片手剣
基本的に状態異常系のものを好みます

背は普通(160くらい)で、健康的な小麦色の肌に黒い瞳
少しウェーブのかかった黒髪のショートカットが可愛らしく見える出身は南方の国
両親がハンターでありそれに憧れてハンターになったが、
その頭脳の明晰さを買われ、書士隊にスカウトされたらしい


あと、ベリルは小胸ちゃんです。


追記
前にリリがレイアSシリーズつけて
暑がっていましたが、防具はランクと男女のもので
かなり性能が変わります。

特にレイアシリーズの女性用は
基本的にランク問わず蒸れます。

めっちゃ蒸れます。
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