こころと鈴仙の不毛かつ殺伐とした弾幕戦という名の喧嘩に割り込み、さらに自分がこころの代わりに戦う的な事を言い出した私こと翡翠、今更だけどそのことを少し後悔している真っ最中です
「情け無用か・・・まぁ元から加減なんかする気なかったからいいけどよ」
改めてこの鈴仙って人よく見なくてもガラ悪い・・・
だらしなく開いているYシャツの襟元、腰には自身が使う拳銃を入れるホルダーとマガジンケース、片手にはさっきこころに鉛弾を吐き出した拳銃、そしてあの人の事を動く的としか見ていなさそうないそうなあの紅の瞳・・・冷酷無比という言葉はこの人の為にあるんじゃないかと思えてくる
「じゃあ始めるか・・・弾幕戦開始だ」
鈴仙は弾幕戦開始を宣言し新しい煙草に火を点けると物凄い速さで私の胸倉を掴み眉間に銃口を当てる
「正直言ってお前と遊ぶ気はないんだ、さっさと果てろ」
「うえぇ!?」
私は咄嗟に撃とうとしている銃身を掴み発射させないようにする
「・・・チッ」
鈴仙は小さく舌打ちするとその状態のまま私の腹に蹴りを入れる
「ぅあっ・・・」
蹴りの威力に耐えられず吹き飛ばせれ木に激突する
その直後に私の体から赤いブロックに白文字でPと書いてあるヘンなのが出てくる
「え?な、なにこれ?」
「バカ、何をやっている!早くその
こころが声を荒げて私に指摘する
「[P]ってなにぃ!?」
「だからルールくらいは聞いとけと言っただろうがぁ!!」
「ケッ、素人が・・・」
こころと口論している間に鈴仙に私が落とした[P] を取られてしまう
「あぁ!なんか知らないけど取られた!!」
「おい兎、大人気ないぞ貴様」
「うるせぇ下衆が、引っ込んでろ」
こころの言葉をさらりと流す鈴仙にこころは表情変わらないがその何も写さぬ瞳は明確に怒りの感情が込もっていた
「それともやっぱテメェがやるか?私としてはそっちのが望ましいんだがな」
「貴様・・・いいだろう、望み通り踏み潰してやる・・・翡翠、今すぐ―」
多分退けとかそういうのを言おうとしたんだろうけどその言葉を私は聞く気はない
「退かないよ」
「なっ・・・」
私は腹を押さえながらも立ち上がり鈴仙に視線を向ける
「私はまだ負けたわけじゃない・・・まだやれる・・・だから、退く気はない!」
拳を握り締め鈴仙のいる所へ全速力で走る
「威勢だけは合格だが・・・」
鈴仙は足元の砂利を蹴り上げて砂を私の顔に掛ける
「うぅっ!?」
「口だけじゃ意味ねぇぞオラァ!」
私が怯んだのを確認すると鈴仙は私の脇腹に回し蹴りをお見舞いする
「・・・ッ!?」
私は最早声も出せずに蹴られた方向にそのまま蹴り飛ばされるがその刹那鈴仙の頭のうさ耳を掴む
「なっ、テメェ!!」
「おりゃあぁぁあ!!」
飛ばされる勢いを利用して鈴仙を投げ飛ばす
「―チィッ!!」
鈴仙はすぐに受身を取り体勢を整える、多分すぐに私を攻撃するために何かをしてくる・・・その僅かな時間で私は何ができるか考えていた
「な、何か武器かなにか・・・」
「そんな暇誰がやるかよ」
私が辺りを見回している間に鈴仙は持っている拳銃の引き金を引こうとしていた
「え、嘘っ!?」
「遅せぇ」
気付いたときには既に銃声が鳴り響き真紅の弾丸が私に迫っていた
「やば・・・な、なんでもいいからなんか出てきてえぇぇぇえ!」
私が半泣き状態で叫んだ次の瞬間、私の目の前の空間が歪み不自然に裂けて『隙間』が出来上がる
「なんだとっ!?」
その『隙間』は真紅の弾丸を飲み込むとゆっくりと閉ざされそして何事も無かったかのように元の空間に戻る
「馬鹿な!?それは・・・!!」
こころと鈴仙は驚きのあまり我が目を疑っているようだった
「お前・・・何故それを・・・?」
「えっと・・・わかんない」
こころに聞かれているが、こんなの出るとは予想していなかったから正直私もびっくりしている
「お前なぁ・・・」
こころは呆れた様子で溜息を吐く
「まぁいい・・・翡翠、最低限だが私が助言してやる、あのムカツク兎を土に埋めるぞ」
「物騒だよこころ・・・」
こころの殺意に満ちた言葉に私は思わず苦笑いする
「という訳だ兎、手出しはしないが口出しはさせてもらうぞ」
「・・・」
こころが話しかけても鈴仙は反応しなかった
「・・・どうした?いつもなら『ケッ、勝手にしろ』とか言うのかと思ってたぞ」
「―ッ!?・・・な、なんでもねぇ・・・好きにしやがれ」
鈴仙の反応を見てこころは首を傾げる
「どうしたのこころ?」
「どうも兎の奴の様子が変だ・・・何を考えている?」
確かに鈴仙は何故か少し動揺している様子だった
「だが奴が動かないのは好都合だ・・・一旦ここから離れるぞ」
こころは私の手を掴んで建物の裏側へと走り出す
走り出した瞬間鈴仙が何か怒鳴っていた気がするが聞こえないので気にしないことにした
家と家の間を走りながらこころは私に聞いてくる
「まずはお前の今の状況の説明からだな・・・一応聞くが理解しているか?」
「いや全く」
「お前よくそんなんで体で覚えるとか情け無用とか言えたな」
「それ程でも・・・」
「褒めてねぇよ」
頭に軽くげんこつをされた後少し開けた場所でこころは私に説明し出す
「さてここらへんなら奴が来るまで少し時間が掛かるはずだ・・・弾幕戦の基本を教えてやる」
「お願いします」
「まずは戦い方とさっきの[P] について・・・あと最初にこの場所の説明だな」
「え、場所?なんか違うの?」
辺りを見回すが特に変なところは見当たらない・・・何かちょっと違和感はあるけど
「今私達以外の人の気配するか?」
「・・・いや、感じないねそういえば」
言われてみれば確かに人の気配は感じられない・・・さっきから感じていた違和感ってこのことだったのかな?
「まぁ適当に説明するがここはさっきまで私達がいた場所に似せて作った別空間だ、壊そうが何しようが別に誰も文句は言わない素敵空間、ご都合空間とも言う」
「誰に言ってるのさこころ」
「良い子の皆」
「・・・あぁ、そうなんだ」
これ以上ツッコミを入れたらややこしくなりそうだからもう私は何も言わない
メタな発言は自重してだなんて絶対口にするもんか・・・
「さて少し脱線したが話を戻すとこの空間では弾幕戦をする者以外がいることは基本ないと思え、まぁ例外は存在するがな・・・実際今ここに私いることそのものがその例外のひとつだ」
確かにその説明を聞く限り私と鈴仙の勝負のはずなのにこころがいるのは少々不自然だ
「じゃあなんでこころもここにいるのさ?」
「まぁそこらへんの説明は後々ちゃんとしてやるさ・・・あとは[P]の説明か、よし」
こころは近くにあった木を突然蹴りだす
「いきなりなにしてんの!?」
「なにって稼ぎだ、[P]稼ぎ」
こころはさらにもう一回木に蹴りを入れる
すると木の上からさっきのヘンなのが大量に落ちてくる
「あ、さっきのヘンなの」
「一応このヘンなのにも名前はあるんだ、
こころは木をさらに蹴りまくり大量のヘンなの改めPBを上から落としていく
気が付けば木の周りにはPBが大量に散らばっていた
「ちょっと少ないがまぁこれでいいだろう」
「これで少ないんだ・・・」
「ほれ、回収しろ」
こころは木から落ちてきたそのPBを拾うと私に放り投げる
「あ、うん」
それを受け取ると吸い込まれるように私の体に入ってくる
「うわ、なにこれ」
「それで[P]が取れたはず・・・[P]の数値が確認できる[P]表と言うのが出せるはずだ、出し方は・・・うまく説明はできないが、出ろと頭の中で念じれば出ると思う」
「なんて曖昧な・・・」
「いいから出してみろ」
言われるがままに頭の中で[P]表出て来いって念じると目の前に数字が書いてあるヘンなの二号が突然現れる
「あー・・・えっと、今目の前に出てきたこれのことかな?」
「多分それだ、それはお前にしか見えんからな」
多分って・・・本当に最低限しか説明してくれないだねこころ・・・
「これが[P]表ってわかる特徴とかってないの?」
「む、特徴か・・・ならもしそれが[P]表なら数字が書いてあるはずだ、なんて書いてある?」
ヘンなの二号を見てみると93[P] と書かれていた
「うん、書いてあるよ93[P]だって」
「それが今のお前の持ち[P]だ、しかし最初に兎に蹴られた分まだ少し減っているな・・・今のうちにもっと稼いでおいたほうがいいか・・・よし、この辺りの木とかを片っ端からぶっ壊すぞ」
自然保護団体が聞いたら発狂しそうなことを言うとそれを早速実践するこころ
こころの真顔で行われる自然破壊を華麗にスルーしながら自分もその自然破壊に参加する
「こんなことやっちゃっていいのかなぁ・・・?」
「さっきも言ったがここはご都合空間だ、物や建物を壊しても数分で元通りになるぞ」
「マジ?」
「マジ」
そんなことを話しているうちに結構な数の[P]を回収する事ができた
ヘンなの二号改め[P]表を確認すると93[P]から261[P]まで貯まっていた
「こんだけ貯めれば少しはマシだろう・・・よし、後は一番肝心な戦い方だ」
こころはそう言うと扇を構える
その返事として私は拳を握り締め同じく構える
「兎の奴が来るまでみっちりと揉んでやろう」
「・・・お手柔らかにお願いするよ」
こころが翡翠を連れて逃げた後、鈴仙は一人思考に耽っていた
「あの翡翠とかいう奴、あの能力は間違いなくあのババアの能力・・・どういう事だ?」
鈴仙は更に思考を巡らせようとするが後ろにいる何者かの気配がその邪魔をする
「で、私の後ろで蜂の巣になるのをスタンバってるのは誰だ?」
「ちょ、ちょっと!あたいただ迷い込んだだけなのにそれってひどくない!?」
後ろから聞こえた声が予想していたのと違い鈴仙は思わず後ろを振り向くと、そこには冷気を纏った青髪の妖精チルノが立っていた
「お前・・・氷精?なんでここに居る?」
「そんなのあたいが知ってるわけないじゃん!あたいは被害者だー!!」
「うるせぇなおめぇは、どうせ何かイレギュラーが発生したんだろ・・・ったく、今私は考え事してるから適当にそこらへんでPBでもつっついてろ」
「なにさ、考え事っていってどうせ翡翠のことでも考えてたんでしょ?」
「・・・」
喚くチルノを鈴仙は溜息を吐きながら適当にあしらおうとするがすぐにチルノの方へと振り向きなおす
「お前・・・」
「ん?今度はなに?ぶっちゃけあたい何も知らないよ?」
鈴仙は無言で拳銃をチルノの額に押し当てる
「えっ?ちょ―」
「テメェ・・・誰だ?」
はい皆さんお久しぶりです。
不定期とは前もってタグで入れてたけどこれは遅い・・・実にスロウリィだ
冗談じゃねぇということでようやっと二話ですよ
今回は弾幕戦のちょっとした説明回です。
翡翠ちゃんには身をもって知ってもらいました。
一話で情け無用とか言ってたけどさすがにこれはひどい、さすがアウトレイジ・・・鬼!悪魔!優曇華院!!
・・・誰ださっきからドアノックしてる奴・・・なんか客人も来たのでここらでではまた三話で
あとチルノに関してはまたおいおいということで
やれやれ一体誰が・・・(ガチャ・・・ッターン・・・