とある無力の常識殺し《ルールブレイカー》【完結】   作:ちひろん

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なんと、感想までもらってしまいました。
嬉しさのあまり、小躍りしました。

今週末にアップするとかいう話は、もう忘れた!


甘いものは別腹

 三人は近くの喫茶店に入って、4人掛けのテーブル席に座った。

 まず二人が並んで座り、向かいに佐天が座った。

 

 「私、遠慮しないけど?」

 

 シスターは、きつい言葉とは裏腹に、目の奥を輝かせながら佐天に言った。

 

 「どうぞどうぞ、好きなだけ行っちゃってください。でも15時過ぎちゃってるんで、なんか好きなデザートとかでも頼んじゃってください」

 

 佐天の答えに、さらに目を輝かせるシスター。

 

  「いや、こいつめちゃくちゃ食べるから。こらインデックス、わきまえて頼めよ? なんか悪いな、こんなことしてくれなくてもいいのに」

 

 彼の言葉に不満げなシスター。

 

 「いえ、このくらいさせて下さい。危ないところを助けてくれたんですから」

 「助けたっていうか、むしろ巻き込んじまったから申し訳ないと思ってるくらいなんだけどな」

 

  彼は、頭を書きながらうつむき加減に言った。

 

 「いえいえ、結果として助けられているわけですから、ほんの気持ちです」

 

 佐天のその言葉に、彼は苦笑いをした。

 

 「じゃあ、まあ、お言葉に甘えるよ」

 

 その言葉を皮切りに、シスターが店員を呼び、あきらか高そうなパフェを二つ、ケーキをホールで一つ頼んだ。

 大事なことなのでもう一度書くが、ケーキをホールで一つ頼んだ。

 佐天は思わずしかめっ面になりそうなところをどうにか隠し、二人にばれないように財布の中身を確認した。

 どうにか払えるだけのお金があることを確認すると、胸を撫で下ろして、ここしばらく節制していた自分を心の中で褒めた。

 

 佐天は、怒涛の勢いでパフェを食べ尽くすシスターを尻目に、彼に向き直った。

 ここの代金は、彼との距離を縮めて深い話を聞き出すための、いわば投資である。このチャンスは生かさなければならなかった。

 

 「自己紹介してもいいですか?」

 

 彼はチーズケーキを食べていた手を止めて、佐天を見た。

 

 「私は佐天涙子、中学一年生です」

 

 佐天はそう言って、口を閉ざした。敢えて間を入れることで、相手に会話を強要するためである。

 それを知ってか知らずか、彼も自己紹介を始めた。

 

 「俺は上条当麻、高校一年。んで、こっちがインデックス」

 

 そう呼ばれたシスターは、顔を上げて佐天を見て、口に入れた大きめに切られた桃を数度の咀嚼で飲み込むと、愛想もなく言った。

 

 「よろしく」

 

 この自己紹介の目的は佐天のことを上条へ伝えることが目的であった。

 ただ、今の話の流れで、インデックス、と呼ばれたシスターの学年の話が出なかったことは、恐らく学校に通っていないからではないかと、佐天は推察した。

 

 佐天は少し探りを入れて見ることにした。

 

 「インデックスさんは、私と同じ中学生ですか?」

 

 その言葉にインデックスは我関せずと、ただ黙々とデザートを食べ続けているだけだったが、上条はその言葉に動揺したようだった。

 

 「いや、うん、そうそう、中学生」

 

 上条はとってつけたように答えた。

 

 佐天は自分の推察が正しいことを認識した。

 インデックスを尾行したことによって、上条が警戒した理由もこのあたりにあると言えた。

 これ以上の追求は逆に距離を置かれかねないため、別の探りを入れることにした。

 

 「いやー、上条さんは凄くお強いんですね」 

 「へっ?」

 

  上条は首を傾げた。

 

 「いえ、あの発火能力者《 パイロキネシス》、凄かったじゃないですか。辺り一面火の海で。あんな相手にを倒しちゃうんですから、無能力者の私からすると、憧れちゃいます」

 「ああ、いや、 発火能力者《 パイロキネシス》って言うか… まあいいか」

 

 気になる話の切り方ではあったが、佐天は火の海よりも上条の能力の方が気になった。

 

 「まあ、俺だって無能力者だよ。この間の奴、倒せたのだって、まぐれみたいなもんさ」

 「へっ? そ、そうなんですか?」

 

 先ほどまでの言動から察するに、彼は嘘を付くのが苦手と見えたが、佐天が観察する限りでは、嘘をついているような様子はなかった。

 と、インデックスが食事を終えて満足そうな顔で会話に参加してきた。

 

 「そうそう、毎回毎回首を突っ込んでさ。 」

 「まあまあ、インデックス、今回はうまく行ったからいいじゃん」

 「よくないよ! まったくとうまは…」

 

 彼が炎を打ち消す瞬間を見ていた佐天は、彼が嘘をついていると思った。

 ただ、先ほどからの言動から、彼が平然と嘘をつけるような人ではないとも感じていた。

 

 いずれにしてもあまり踏み込みすぎるのはよくないと判断して、佐天は、微笑んで言った。

 

 「ところで、二人は一緒に住んでいるんですよね?」

 「ぶっ!」

 

 上条が飲んでいたコーヒーを吹き出した。

 

 「な、なんで知ってるんだ」

 「いえ、知らないですけど、インデックスさんは上条さんの部屋から出てきましたし、仲良いですし、そうなのかなあっと思って」

 

 上条は吹き出したコーヒーを、テーブルに置かれたナプキンで拭きながら、目を丸くした。

 

 「そ、そう。まあ、黙っていてもらえると嬉しい」

 「もちろん、恩人がこまるようなことはしません。じゃあ、ご飯はインデックスさんはが用意されるんですか?」

 

 佐天はインデックスを見るが、インデックスは首を軽く傾げた。

 

 「私が? なんで?」

 

  佐天もインデックスと同じように首を傾げる。

 

 「じゃあ上条さんが?」

 「まあね。大したものは作れないけど」

 

 上条は苦笑いをしながら言った。

 

 佐天は、俯いておでこに手を当てながら、悩む振りをしたあと、まるで今思いついたかのように顔を上げて言った。

 

 「もしよければ、今日の夕食、私が作りましょうか?」

 




佐天さんグイグイいってますね。
今日の夜か、明日には、もう一本投稿できると思います
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