孤島の六駆   作:安楽

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4話:第二艦隊④

 しばらくはこの鎮守府に慣れるため、海上には出ずに屋内でのリハビリに専念する。

 響が告げた言葉に、特に不満があるわけではない。しかし、この衣装はどうなのだと、時雨は渋い顔で唸りながら思うのだ。

 目覚めた時に響が着ていたナース服とは異なる、今日日イメクラでもお目に掛かれないような、丈の短いナース服だ。しかも、色は黒。

 “そういうこと”をする前提のつくりであるためか、股下5センチも無いのはまあいいが、いったいどこの提督の趣味だと天を仰ぐ。

 自分のところの所属ではなかったはずだと、時雨はかつての鎮守府の提督の性癖を思い出す。

 

 こういった海軍本部や他の鎮守府からの贈り物を、ここ水無月島の面々は好意的に受け取って身に纏っているのだとか。

 まあ、艦娘の衣装自体がよくできたコスプレ見たいなものだとも考えている時雨にとって、こういった衣装に対する慣れは早いのだが、その他の面子が辛そうなのはいかんともしがたい。

 同様にナース服を着せられた高雄などは、丈の短さが気になってまとめに歩くことも出来ないのだ。

 真っ赤になって必死に裾を押さえている高雄を、通りかかった朝霜が煽ること煽ること。歩けば丸見えなのだから、まあ仕方ないと言えば仕方ないのだが。

 

 それよりも重要なのはトレーニングだとばかりに、時雨は鎮守府内のトレーニング施設を訪れる。

 艦娘である以上、体調や筋力などは入渠時に調整が入るため、必要以上のトレーニングは必須ではない。

 むしろ、気晴らしや趣味の領域以外では時間の無駄となるとされているため、どの鎮守府でも過度のトレーニングを奨励してはいないのだ。

 しかし、そうは言っても艦娘の元となる存在や“海軍”の体質上、軍隊並みのハードワークとまではいかずとも、高校の全国大会常連校並みの運動量はキープしていると言っていい。

 そして、時雨が所属していた鎮守府は、かなりのハードワークを艦娘に課すことで知られていた。

 時雨自身としては、それに関しては否応なく、そう言うものだと割り切って取り組んでいたもので、特に思い入れはない。

 それが、こういった状況になって初めて、かつての習慣が名残惜しくなったのだ。

 敵への復讐心を保ちつつ、萎えた体感を取り戻すには、何よりも必要な行為に思われたから。

 

 果たして、トレーニングルームには先客がいた。

 背の高さから最初は軽巡か重巡級の艦娘かと思ったが、髪質から暁型だなと気付く。

 先にあの響の姿を見ていたがゆえの気付きだろう。この鎮守府の暁が、先客としてそこに居たのだ。

 腰まで届く長い髪は後頭部で一纏め、帽子で上から押さえつけている。

 身に纏うスポーツブラとトレパンは、くたびれ生地が薄くなっていて、お気に入りを着古しているのだなという印象を受けた。

 今までトレーニングしていたのだろう、全身汗だくで、薄い胸元は輪郭がはっきり判別するほど透けて見える。輪郭を意識するほど量が無いのが悲しいところだが。

 そして眼帯だ。眼帯が衣装に付属する艦娘は何隻か知っているが、暁型はその限りではなかったはずだがと思い至り、しかしどうでも良いかと時雨は浅い溜息を吐く。

 

「リハビリ? 機材は24時間いつでも使えるから、後片付けだけきちんとやってもらえば大丈夫よ」

 

 一息に言って、ようやく自らを暁だと告げて握手を求めた駆逐艦に、時雨も倣って手を差し出す。

 互いの手に触れた瞬間に、時雨は幻覚を見た。目の前の暁が、敵に見えたのだ。

 深海棲艦、完全人型のそれに。表情が険しくなって行くのを自覚するも、向こうも同じような顔をしていたために力が抜けた。

 理解に理屈はいらなかった。互いに、同じような症状を抱えているのだ。緩やかに深海棲艦へと変貌する病を。

 

 リハビリがてら、その深海棲艦化の先輩とも言える暁から話を聞くことが出来たのは幸運だった。同時に、彼女が出撃を制限されているとも。

 自分も“そう”だと知られてはまずいかと焦りを生ずる時雨ではあったが、その時は別の手段に移ればいいだけだと、悪い考えを振り払う。

 ではその手段をと、考え事をしながらダンベルを持ち上げたのが悪かった。

 回復し切らない握力に加えて汗の滑りが、金属の重量をつま先に落下させるという不幸を招く。

 隣りでストレッチしていた暁が片足を突き出し、足の甲と足首の間でダンベルをキャッチしたので事なきを得たが、そうでなければリハビリ以前に再び医療用ドックに逆戻りしていただろうと、時雨は自分の情けない姿を幻視する。

 リハビリと言うだけあって、ちゃんと立ち会い人の役割を果たしているのだ。

 この鎮守府で目を覚ました時から感じていたことだが、ここの面々の優しさが少しだけむず痒く感じてしまうのは、そう言った直接的であったり、もしくはさり気ない優しさに自分が慣れていないからだろうか。

 

 そんなはずはないと、時雨は自分が所属していた艦隊のことを振り返る。

 現世においては、輸送艦護衛任務専属の駆逐隊。

 かつて鋼の時代に共にあった、第27駆逐隊の皆だ。

 口を開けば皮肉を言い合い喧嘩ばかりしていた姉と、それを微笑ましげに見守ってくれていた初春型の僚艦たちと。

 決して仲が良いなどとは口が割けても言えないような有り様ではあったが、自分たちの間には絆と愛があったのだと、時雨は断ずることが出来る。思いやりだって然り、だ。

 それ故に、復讐を果さんとする自らが、こうして長らえたのだとも。

 

 そう思い至り、時雨は自分が優しさに慣れていないわけではないのだと、気付き頷く。

 明け透けにものを言い合う間柄が隣に居ないだけなのだ。

 そして、そんな人物とはもう二度と出会うこともないだろうなと、ため息を浅く吐き出した。

 

「考え事や思いつめることがあるのは別にかまわないけれど、まずはその服で筋トレするのやめたらどう?」

 

 確かに、こんなコスプレ衣装で筋トレとは片腹痛い。あの姉艦が生存していれば、指差し腹を抱えて笑っていただろう。

 あの時のことを思い出して高ぶり噴出しそうになるのを、ナース服を乱暴に脱ぎ去って誤魔化す。

 その様を呆れたように見ていた暁は、着替えやトレーニングウェアが必要だと、後で倉庫に行くようにと言い付ける。

 

「ああ、後でいいんだね?」

 

 言質を取ったとばかりに、時雨は服を脱ぎ去った格好のままトレーニングを再開してしまう。

 憮然とした表情の暁が露出狂なのかと問うてくるので、趣味ではないと時雨が返せば、ならばナルシストだなと断定された。

 内心ムッとした時雨ではあったが、確かに一理あるかもなと、トレーニングを続行する。

 後々、暁が大鯨らにこっぴどく叱られることになるのだが、時雨は澄ました顔で、努めて知らないふりを決め込んだ。

 

 

 ○

 

 

 これは少々難しいことになっているなと、天津風は天井クレーンで吊るされた雷を眺めつつ呻きを上げた。

 吊るされた駆逐艦に何か思うことがあった、と言うわけではなく、雷の艤装に発生しているエラーがかなり深刻だったのだ。

 専門的な用語をなるべく排して簡潔にその現象を述べるならば、艤装核が駆逐艦としての動き方を部分的に忘れている、というもの。

 

「……簡潔にしてみて思ったけれど、コレさっぱり意味わかんないわね」

「もう降りていいの?」

「まだよ。もうちょっとデータ取りたいから……」

 

 手元の液晶パットを操作しながらため息を噛み殺す天津風は、傍らで雷のスカートを下から覗き見て記録している連装砲くんを思い切り蹴飛ばして第二出撃場のプールに叩き落とす。

 油断も隙もあったものではない。つい先日も、天津風の入渠風景の一部始終を記録した映像を提督に見せに行って「肉体美だね?」などと感想をもらったのだと自慢して来て頭を抱えたものだ。

 当人としては主である天津風の魅力を余すことなく提督に売り込んでいるつもりなのだろうが、正直余計なお世話も甚だしい。

 終いには他の艦娘の記録と比較したデータを突き付けて「敗けてるよ! もっと頑張らないと!」などと励ましているのか煽っているのかわからないことをほざいてくるのだ。

 

 気を取り直すように、天津風は這いずって上がってきた連装砲くんにデータを整理させる。

 さて、艤装核が駆逐艦としての動き方を部分的に忘れている、と言うこと。

 それはすなわち、ここにいる雷の人体と艦艇である雷の魂の繋がりが疎遠になっているということだ。

 繋がりを保つための艤装核がダメージを受けたせいで、ここ水無月島に流れ着いた提督のように記憶喪失状態にあるのだと、連装砲くんは結論付けている。

 

「ねえ、それって記憶が戻ったりするの?」

「どうかしら。提督の方は詳しくはわからないけれど、こっちはちょっと深刻よ」

 

 雷の艤装核に見られた喪失は、エピソード記憶の喪失ではなく、手続き記憶の喪失。人間であれば使い慣れた道具の使い方を忘れたり、毎日通っていた道を忘れたり、と言った具合のものだ。

 こういった分野に関する欠損ならば、艦娘由来の技術である短期学習装置にて改めて刷り込むことが可能ではあるが、しかしこと艤装核においては、話は違ってくる。

 

「……艤装核関連は海軍本部工廠のスタッフじゃないと弄れない。色々試したいことはあるんだけれど、ここじゃどうにもならないわ……」

 

 天津風の言に、吊るされたままがっくりと肩を落とす雷。内心では天津風も同様の気持ちだ。

 天津風とて、雷と同様に艤装核にダメージが蓄積されている身だ。

 10年ぶりに島に帰投して、艤装との同期を果たし(泣いて吐いて、幼児退行までやらかした)、海上に二足で立つことが出来た時は感涙を禁じ得なかったが、その涙はすぐに質の異なるものへと変化した。

 海上での活動に時間制限があることが発覚したのだ。

 一見して異常なく駆動するかに見える艤装も、一定時間を過ぎると急激に機能を損なっていき、酷い時は海中に没してしまう。

 そしてその制限時間は、水上で活動する度に目減りしていくのだ。

 次に水上に立つときは、もう1分と浮いていられないかもしれないと考えると、怖くて泣き出したくなる。

 

 しかし、感情に任せて泣き出すことは憚られた。

 人の目がある、という部分もあるが、自分よりも深刻なヤツが吊るされて笑っているのだから、ひとりだけめそめそしていられない。

 それに、希望はまだ潰えてはいないのだ。

 

「はーい、お待たせ!」

 

 新たに第二出撃場に入ってきたのは夕張だ。

 オレンジ色のツナギ服に袖を通し、天津風と同様に液晶パットを携えた姿。傍らには連装砲ちゃんの1号と2号も付き従っている。

 遭難中に聞いた話だが、この夕張は本土の海軍本部工廠に出入りしていた秘蔵っ子なのだとか。

 艦娘が自らの心臓部であるブラックボックスを弄れないのは彼女とて同様ではあるが、この夕張は艤装を騙す手段ならば三桁の数を上げることが出来る。

 

「さあ、今から皆の一番恥ずかし部分、御開帳しちゃうんだから……!」

 

 頼もしいのか恥ずかしいのかよくわからない感情に襲われて、天津風は苦笑と共に自らの肩を抱いた。

 

 

 ○

 

 

 ようやくまともな衣装に着替えることが出来てひと心地(体にぴったりとフィットする黒のセーターとジーンズだ)、といった気分の高雄が第二出撃場を訪れると、水無月島の所属艦娘のほとんどが集結したところだった。

 今から何が始まるかと思えば、なんと高雄の艤装を開けるのだとか。

 理解が追い付かず眩暈がしたが、先に来ていた時雨が(オーバーオールにキャップと、どこかのティーン向け雑誌のモデルのような格好だ)集まりの方を指さして「止めるなら早くした方がいいよ」と肩を竦めて見せる。

 まったくこの皮肉屋はと、ムッとした高雄がずかずかと歩調も荒く歩んでゆけば、気付いた夕張がその顔に焦りを浮かべる。

 

「艤装の持ち主に断りもなく、いったい何を?」

「いやあ、艤装って厳密には海軍の備品であるわけで、個人の所有物と言うわけでは……」

「屁理屈はよろしい。貴女が私の艤装を開ける大義名分を今すぐ述べることが出来たのならば、この怒りを矛先を見事収めて見せましょう?」

 

 張り付いたような笑顔で慇懃な言葉遣いになる高雄に、夕張は「ならば簡単だ」とばかりに笑んで見せる。

 指を三本立てる。

 

「大義名分を言わせてもらうわ。高雄の艤装選んだ理由、それは大まかに3つ。ひとつは、重巡・高雄という艦娘の艤装が、構造的にある程度の余白を設けられているという点。“艦隊司令部施設”の試験運用艦娘である以上、ある程度のスペースが必要となるは必然で、そしてその余白があればあるほど“開けた”時に他の機能に触って思いがけない誤作動を誘発するリスクを軽減させることが出来るの」

 

 一息に言われ、高雄が反論を思い付く間もなく、夕張は次の理由を述べる。

 

「ふたつ目、ここに集まった艦娘の中では、高雄。貴女の艤装が一番デフォルトに近いの。他の子達はダメージ増し増しだったり敵の艤装核を精製・純化しないで建造に用いたものばかりだから、“本来であればどうなっているのか”と“現状”との比較がやり難いのよ」

 

 ふたつ目の理由には、高雄もなるほどと頷かざるを得ない。

 頷かざるを得なかったが、横目にある人物の姿を見とめてしまったものだから(気楽そうに笑っていて腹が立つ)、眉をひそめ、言わざるを得なかった。

 

「……それなら、私ではなく青葉の艤装でも良かったのでは?」

「ちょっと、ちょっと高雄さんひどくないですか!? 青葉の大事な大事な恥ずかしい部分がこんな公の場で御開帳されちゃうのですよ!?」

「私は断りもなく御開帳されるところだったのですよ!?」

 

 逆ギレ気味の高雄を諌めるように、夕張は3つ目の理由を述べる。

 

「理由3つ目。青葉の艤装は特注品で、私でも“開ける”ことが出来ないの。構造的には皆のとそんなに変わらないはずなんだけど、短絡させる箇所とか誤動作させる箇所がまったく違ってて、下手にやろうとすると青葉が沈む」

 

 一瞬、「それはそれで……」と視線を逸らした高雄に、青葉がひどいひどいとすがり付く。

 まあ、もうすっかり皆その気になっているところをごねてもみっともないなと、高雄は艤装の開放を良しとした。

 この夕張が鳴り物入りだという話は前もって聞いているし、それに各々の艤装に差異が生じているのだとすれば、それを知っておくのも後々役に立つはずだと自分を納得させる。

 ただ、前もって恥ずかしい部分を御開帳などと銘打たれてしまったせいで、この場に提督がいることがどうにもやり辛い。年頃の男子がだ。

 自らの好みにはかすりもしないはずの彼だが、ふとした瞬間にときめきを覚えることが難儀なものだと苦悩する高雄の目の前で、彼女の艤装が開放されてゆく。

 

 開放の対象となるのは艤装核を内蔵した腰部ユニットだ。

 緊急時に全艤装をパージしても、これだけは艦娘自身と接続したままとなる部分。

 このパーツばかりはどの艦娘も同一規格のもが用いられていて、だからこそ生じた差異をはっきりと認識できるのだと、夕張は作業の手を進めつつ語る。

 

「さあ、御開帳ー」

 

 そうして開放されたユニットの中身に、集まった艦娘たちから感嘆の声が上がる。

 ユニットに内蔵されていたのは、乳白色の卵のような部品。艤装核の姿だ。

 核の大きさはそれこそ鶏の卵程で、皆から見える位置には赤い鳥居のマークと三桁の番号が刻印されている。

 その番号に疑問を示したのは、水玉模様のキャミソールワンピースに軍帽という、ちぐはぐな格好のプリンツ・オイゲンだ。

 

「ねえバリィ。この、ナンバー059って何? 製造番号?」

「これは艦娘の登録ナンバーよ。プリンツならプリンツに、高雄なら高雄にそれぞれ割り当てられている番号ね。これは高雄の艤装核だから、重巡・高雄の艦娘には全て、このナンバー059が割り当てられているってわけ」

 

 そうして高雄の艤装核を囲んで夕張のご高説が始まるわけだが、その間艤装の持ち主は心中穏やかではいられなかった。

 自分の魂と言っても過言ではない大切な場所が皆の目に晒され続け、それがどういうものかを声高に語られているのだ。

 しかも、興味深そうに艤装核を覗き込む艦娘たちが口々に「綺麗」「つるつるだな」「すべすべですー」「しっとり滑らか」「艶めかしいのう」「ちょっと濡れている?」などと率直な感想を述べるものだから堪ったものではない。

 新手の羞恥プレイに顔を真っ赤にして俯くしか出来ない高雄。

 その横顔に向けて青葉が無遠慮にシャッターを切るものだから、無言で立ち上がって逃げるフォトグラファーを追いかけ回した。

 

 そうして高雄の恥辱の時間が終わると、次に開放されるのは暁の艤装核内臓ユニットだ。

 理由はもちろん、現時点では唯一深海棲艦化が確実とされている艦娘だからだ。

 夕張が工具を用いて丁寧に開放作業を進める中、当の暁はと言えば、ずっとそわそわして、何故か身に纏っているマントの裾を握りしめている。

 わかる。わかるわ。その羞恥。高雄がそう内心で頷く中、暁はちらりちらりと提督を横目で盗み見て、すり足気味に近寄って、しかし忍び寄って来たプリンツに背後からハグされついでにがっちりと拘束されて自由を奪われた。

 不満の雄叫びを上げつつ抵抗する主を余所に、その艤装核は露わになる。

 

 暁の艤装核を目の当たりにした者たちは、まず一様に言葉を失った。

 思考が停止した、と言うよりは、高雄の時と何か違うことがあるのかと疑問する形のものだ。

 形状としては高雄の時同様の卵型で、鳥居のマークもナンバーも刻印されている。

 ただ一点、異なる部分を上げるとすれば、暁の艤装核は黒曜石のような漆黒色をしていた。

 

「これが、深海棲艦化の影響ってわけね」

 

 夕張も予想はしていたが確信は持てないでいたのだろう。

 それが、ここに来て確信するに至ったのだ。

 黒く染まった艤装核。

 それが、深海棲艦化の症状なのだ。

 

 不安そうに眉を下げる暁を、彼女を捕まえたままのプリンツが抱きしめる腕に力を込める。

 その光景を見て一安心といった心地の高雄だったが、その気持ちは遠くない未来に霧散することとなる。

 

 続いて、希望する他の艦娘たちの艤装をも開放していったのだが、驚いたことに、ほとんどの艦娘の艤装核が、暁同様に漆黒色をしていたのだ。

 阿武隈たちをはじめ、敵から奪取した艤装核を用いて建造された艦娘はもちろん、敵支配海域で長期間活動していた天津風や夕張、そして時雨の艤装核も同様だった。

 

 

 


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