亡国機業の人間が操るサイレント・ゼフィルスをインベスの乱入によって逃がしてしまった。インベスは倒したが奴には逃げられた。逃げる時の口振りからすると、奴は一人で来た訳ではないな。他の奴もいたと考えるのが妥当だろう。奴らも本気になってきたというわけか。しかし、奴にはもう逃げられた。逃げた奴のことを考える必要はない。今はあの無人機共を倒すのが最優先だ。まずは篠ノ之のところか。俺はダンデライナーを使い篠ノ之の所へ向かった。
「くそっ、このままではまずい……」
俺は篠ノ之の所まで来たがあまりいい状況ではなかった。第4世代と言っても、あれには敵わないのか?それ以前に、あの無人機は篠ノ之束が送り込んだものだ。自分の姉が送り込んできた相手と知らずに戦うとは、皮肉なものだ。しかし、今はそんなことはどうでもいい。あの無人機は倒せば問題ないのだからな。援護射撃をしてやるか。俺はダンデライナーのバルカンで無人機に向けて発射した。しかし、今俺がいるところと無人機との距離はだいぶ離れている。こんなところから発射してあたるわけがないが、当たらなくていい。注意をこちらへ向けられればいい。無人機はバルカンを察知したのか避けたと同時に俺のを見始めた。ターゲットを俺に切り替えたか。丁度いい。
「俺が相手だ」
「お前、呉島か……?」
またその反応か。もう聞き飽きたぞ。
「ああ。篠ノ之、選手交代だ」
「なっ、どういうことだ!?」
「俺が奴と戦っている間に隙を見計らって仕留めろ。若しくは俺が合図を出す」
「お前はどうするんだ!?」
「俺のことは気にするな。奴を倒すことだけを考えろ。わかったな」
俺は無人機の所へ向かった。
「お、おい!」
俺も今はあいつのことは気にしない。そして俺と無人機は対峙した。あいつの動きを見たが、機動、防御、パワー、これら全てが優れている。さっきまで少し似たような奴と戦ったばかりだが、やるしかない。まずはスラスターを落とす。俺はダンデライナーで無人機に接近したが、奴は俺が接近することを許さない。無人機は俺から離れると同時に熱戦を撃ってきた。
「くっ!!」
俺はどうにかあの熱線を避けることが出来た。そして奴は俺に接近してきた。だが、これは好都合だ。俺から近づく手間が省けた。しかし、無人機は巨大ブレードを振り下ろしてきた。
「ぐっ……」
俺はすかさずソニックアローでブレードを防いだが、重い。今の一撃が重すぎる。防いだまではいいが、身動きが取れなくなってしまった。いや、今ならいけるか?
「篠ノ之、やれ!」
「あ、ああ!!」
篠ノ之は紅椿に装備されている2つの剣を使い無人機に攻撃をした。だが無人機はその攻撃に反応し俺から離れ篠ノ之の攻撃を避けた。だが、これで隙が出来た。今なら確実にやれる。俺はゲネシスドライバーのシーボルコンプレッサーを1回押し込んだ。
『メロンエナジースカッシュ!』
「ハアッ!!」
斬撃が無人機に命中した。結果、無人機のスラスターは破壊された。
「篠ノ之、止めだ!」
「はあああああっ!!」
紅椿の『雨月・空裂』が無人機を貫いた。そして、無人機は爆発四散した。
「はあ、はあ、や、やった……」
「安堵するのはまだ早い。まだ無人機は残っている」
「わ、わかった」
俺と篠ノ之は次の所へ向かった。
次に俺が向かったのはオルコット、凰、デュノア、ボーデヴィッヒの所だ。4対3で数的には有利だが、追い詰められている。こいつらにも援護射撃をしてやろう。
「呉島、どうするつもりだ?」
「援護をする。それだけだ」
俺は再びダンデライナーのバルカンで援護射撃をした。当然その攻撃は外れるが。
「呉島さん!」
オルコットが俺に気付いたか。
「篠ノ之、そっちは終わったのか!?」
「ああ、呉島の援護があったおかげでな」
「呉島の?確かに今の援護もあいつからだったな」
「あんたがあたしたちを援護するなんて珍しいことをするわね」
何を言ってるんだこいつは。
「まあ、援護してくれたことは感謝しようよ」
「呉島さん、サイレント・ゼフィルスはどうなりましたの?」
「すまない、奴には逃げられた」
「逃げられたって、自分から任せろと言って何をしてるんですか!?」
これには反論の余地がない。
「そんなことは今はどうでもいい。奴らを倒すぞ」
「呉島さん!」
「セシリア、落ち着いて」
そうだ、落ち着け。こいつらには全員飛び道具があるか。よし、ここは賭けに出るか。
「オルコット、奴らに全方向からビット攻撃をしろ」
「えっ!?ですが避けられてしまいますわ!」
「それでいい。これは奴らが避ける前提のことだ」
「呉島、何か考えがあるのか?」
「ああ。そのためにも、お前たちにはやってもらいたいことがある」
「無茶なことをさせるんじゃないでしょうね?」
「どうすればいいの?」
「簡単なことだ。あの3体を囲んで飛び道具で攻撃すればいい。そのための準備は俺がする。頼んだぞ」
「お、お待ちください!」
「セシリア、今はあいつの言うとおりにするぞ」
「ボーデヴィッヒさん……」
「はあああっ!!」
現在俺は3体の無人機から同時に狙われている。そうだ、俺を狙え。俺はたまにしか攻撃をしない。奴らの攻撃を避け続け、たまに攻撃をする。だが、その攻撃は当たらない。当たらなくてもいい。それを続ける。そして、理想の状況が出来上がった。無人機3体は密集とまではいかないが1ヶ所にまとまった。あいつらの準備は……よし、いけるな。
「やれ!」
「「「「「はああああ!!」」」」」
全員の飛び道具が無人機に向けて発射された。特に、オルコットのビットがいい仕事をしている。俺もソニックアローを上空に撃ち、光の矢が何発も下に落ちていく。それでも無人機は回避行動をとっている。そして、無人機3体は回避行動を続けた結果、俺から見て奴らは1直線になった。俺はこの時を待っていた。俺はすぐにメロンエナジーロックシードをソニックアローにセットした。
『ロック・オン!』
照準は合わせた。これで決める。俺はソニックアローの弓を引いた。
「ハアッ!!」
『メロンエナジー!』
俺は『ソニックボレー』を放った。光の矢は一番前にいる無人機に直撃した。だが、これで終わりではない。光の矢は無人機を貫通し、後ろにいた無人機にも当たった。さらにそれも貫通し一番後ろにいた無人機にも直撃し、貫通した。結果、無人機3体は爆発四散した。俺は賭けに成功した。
「た、倒したの……?」
「ああ」
「呉島、これがお前の作戦だったのか?」
「作戦と言えば作戦だったが、8割は賭けだ」
「賭けだと?」
「ああ。残り1体だ。行くぞ」
最後の1体、おそらく織斑と更識が戦っているであろう場所に向かった。
「あれは……」
更識楯無か。既にISを纏っているが、妹を助けに行こうとしているのか?だが、何故今になって……?まあいい。奴を倒せば問題ない。
だがその時、斬月・真達の周りに多くのクラックが開き、多くのインベスが出現した。
「インベス⁉︎バカな、何故こんなに⁉︎」
「こいつらって、あの変な森にいた奴ら⁉︎」
「どうしていきなり現れたんですの⁉︎」
「それにしても、数が多すぎるよ‼︎」
「呉島、何なんだこいつらは⁉︎」
「見ての通り怪物だ‼︎」
一度にこんなにも多くのインベスが出現するとは、やはりヘルヘイムが活性化してきているということか。初級しか現れていないのが、不幸中の幸いか。更識楯無もインベスに絡まれている。だが、あいつならあのインベス程度なら簡単に蹴散らすだろう。
「まずはこいつらからか」
更識楯無は簪の所へ向かおうとしている途中、彼女の周りにクラックが開き5体の初級インベスが出現した。現れた初級インベスは飛行をし、更識楯無に襲い掛かった。
「これがあの時の怪物なら、見過ごせないわよね」
楯無はインベスに向かった
(簪ちゃん、すぐに行くわ)
その頃、一夏と簪は無人機と戦っていた。
「簪、大丈夫か!?」
「うん……。まだ……いける」
だが、そこにもクラックが開き無数のインベスが出現した
「なっ!?こいつらは!!」
「な……何……これ……?」
そこはもはや修羅場と化した。
管制室では、千冬と真耶が今の状況にもはや唖然とするしかなかった。
「お、織斑先生、あれって……」
「おそらく、あの時の噂の怪物だろう。だが、あんなに現れるとは……」
「ハアッ!!」
インベスの数が多すぎる。これでは限がない。織斑達の所にまでインベスが来てしまっている。これではいつあの無人機が攻撃して来るか知れたものじゃない。とにかく、早くインベスを倒し、あいつらの救援に向かう。しかし、他の奴らは随分とインベスに苦戦しているようだ。こんな大群だ、仕方が無い。特に、更識楯無だ。妹のもとへ行けないのだからな。
「くっ、早く簪ちゃん達の所に行かないと……」
更識楯無は苛立っていた。倒しても倒してもインベスは湧いてくる。そんな状況に焦りを感じていた。
そして簪はインベスの大群に苦戦していた。
「このままじゃ……、!」
簪は無人機が自分に向けて熱線を撃とうとしているのがわかった。
「あれに当たるのはまずい……」
簪は無人機の攻撃を避ける為に回避行動をとった。だが、簪は無人機の攻撃を避けることしか考えていなかった。結果、背後からインベスの不意打ちを受けてしまった。
「しまっ……!」
時すでに遅し。無人機の攻撃は簪に放たれた。
「キャアアアアア‼︎」
熱線はインベスをも巻き込み、簪に直撃した。
「っ⁉︎」
今の悲鳴は、更識簪か⁉︎俺は悲鳴がした方を見ると更識簪が無人機から攻撃を受けていた。
「簪‼︎」
「簪ちゃん‼︎」
無人機の攻撃を受けた簪のISは破壊されてしまった。ん?あの光っているものは何だ。あれがISコアなのか?そして無人機の攻撃はそれをも破壊した。まさか、ISコアさえも破壊するというのか?篠ノ之束、貴様は一体何をしたいんだ⁉︎簪はISが破壊されそのまま落下していくが途中で更識楯無に救われた。
「簪ちゃん、しっかりして!簪ちゃん!」
あの様子を見ると気絶しているようだな。
「うおおお‼︎」
織斑が1人で無人機に向かって行った。ダメだ、1人では無謀すぎる。だがこちらはもう少しでインベスを全滅させられる。
「ハアッ‼︎」
ソニックアローを放ちインベスを全て倒した。残るはあの無人機だけだ。篠ノ之の時と同じ事をするか
「織斑」
「貴虎!」
「俺が押さえている間に雪片を叩き込め」
「えっ?」
「いいな」
「あ、ああ‼︎」
俺は無人機に向かった。はっきり言ってこちらから奴に食いつくのは無理だ。奴から来てもらわなければならない。とりあえず奴が接近してくるまでに適当に攻撃するる。奴は避ける。そうだ、避けろ。そしてそのままこっちに来い。俺は攻撃を続けた。そして奴は遂に俺に接近してきた。奴が振り下ろしたブレードを俺はソニックアローで防いだ。よし。
「織斑‼︎」
「うおおおおお‼︎」
『メロンエナジースカッシュ!』
「ハアッ‼︎」
俺は斬撃で無人機を切り裂いた。そして
「うおおお‼︎」
織斑の雪片が叩き込まれた。奴は大ダメージを負い、爆発四散した。これで全ての無人機を倒した。亡国機業、インベスの乱入はあったが、どうにか終わった。だが、一つの犠牲が発生した。