無人機を倒した俺たちは報告の為に管制室に来ていた。更識簪は更識楯無によって医務室に連れて行かれた。
「お前達、よくやった。と言いたいところだが、呉島、話してもらうぞ。あの怪物の事を」
確かに、あんな大量のインベスが現れたんだ。隠すなという方が無理がある。何れ話さなければならないとは思っていたが、だが今は
「その事については何れ話す。だが、まずは織斑先生、2人だけで話がしたい」
「何故だ?」
「あの怪物の事も確かに重要だが、まずは無人機だ。あの無人機の事で、2人だけでだ」
「……いいだろう。お前達、一旦退室してくれ」
「は、はい。わかりました。皆さん、行きますよ」
山田先生が6人を連れて管制室から退室した。これで話が出来る。
スコール、エムはIS学園から脱出し、オータムと合流していた。
「オータムの言っていた通り、あのアーマードライダーは一筋縄ではいかないようね」
「ああ、油断していると、こちらがやられてしまうぞ」
「次に奴と会ったら、絶対に殺してやる」
そんな会話をしていたその瞬間、3人の目の前にクラックが開かれた。だが、クラックが開かれただけでインベスは出現しなかった。
「な、何だよこれ!?」
「これは、IS学園にも現れた物と同じだ……」
「どうやら向こう側の森につながっているようね」
「どうするんだ、スコール?」
「行ってみましょう。何か面白いものがあるかもしれないわ」
3人はクラックの中へ入った。
「何なんだよ、この森は?」
「なんだか薄気味悪いわね」
「おい、あれを見ろ」
エムは何かを見つけオータムとスコールにも見せた。それは、巡回している黒影トルーパーと戦極ドライバーを装着して果実をとっているユグドラシルの研究員たちだった。
「あれは、アーマードライダーか?」
「同じものが何体もいるということは、あのアーマードライダーは量産タイプのようだな」
「二人とも、あの防護服を着ている奴らを見てみなさい」
2人は研究員たちを見ると、研究員が果実をもぎ取りロックシードに変換させていた。
「あれは……」
「アーマードライダーの力は、この森のあの果実が源のようね」
「ははっ、面白い物を見たぜ」
「スコール、どうするんだ?」
「お土産に持って帰りましょうか」
「決まりだな」
すると3人はISを装着し黒影トルーパーに襲い掛かった。
「な、何だお前たちは!?」
「うぜえよ!!」
黒影トルーパー達は急に襲い掛かられたため反撃が出来なかった。
「しゅ、襲撃者だ!!」
「今すぐ本部に伝えろ!!」
黒影トルーパー達はすぐに対応したが、中々うまくいかなかった。だが、研究員の一人が通信に成功した。その通信は凌馬の所に繋がった。
『どうした?』
「襲撃者です!ISを装着したものに襲撃されました!!」
『何っ!?やられたか……。今すぐそこから退避だ。避難を最優先させるんだ』
その声はオータムにも聞かれていた
「させねえよ!!」
3人は黒影トルーパーに攻撃を続け変身解除まで追い込んだ。そして3人は黒影トルーパーの戦極ドライバーを奪い取った。
「もらったぜ」
「だが、これは私たちにも使えるのか?」
「一応試してみましょう」
3人は戦極ドライバーを腹部ににあてた。するとベルトが伸びて装着された。
「一応使えるみたいだな。じゃあ後はっと」
オータムは近くにある果実をもぎ取った。その果実はマツボックリロックシードに変わった。
「ちっ、同じ奴かよ。まあやってみるか」
オータムはマツボックリロックシードを開錠した。
『マツボックリ!』
「たしかこうするんだったな」
オータムはマツボックリロックシードを装着しハンガーを閉じた。
『ロック・オン!』
そしてカッティングブレードを倒した
『マツボックリアームズ! 一撃・イン・ザ・シャドウ!!』
マツボックリが被さり展開された。オータムは黒影トルーパーに変身した。
「ちゃんと使えるようだぜ」
「じゃあ、後は錠前ね」
オータムは変身解除をするとマツボックリロックシードを投げ捨て、3人は果実をもぎ取った。その果実はロックシードに変わった。だがそのロックシードはまだ誰も使ったことがない物だった。
「おっ、これは良さそうだぜ」
「オータムと同じか」
オータムとエムは同じロックシードのようだった
「私だけ違うみたいね。でも、まあいいわ。後はこのベルトを少し改造しないとね」
3人はクラックに戻り森から出て行った。
「それで、話と言うのは?」
「あの無人機を送り込んできた奴に、心当たりがあるんじゃないのか?」
「……何故そう思う?」
「ISと言うのは、ISコアが無ければならない。そうだな?」
「ああ。ISの基本だ」
「なら、無人機にも当然ISコアが使われていることになる」
「そうだ」
「だが、篠ノ之束が残したISコアは合計で467。その全てが、既に各国に分配されている」
「ああ」
「それに、各国のIS企業は、良くて第3世代を作るのがやっとの筈だ。それらの企業が、無人機など作れるはずが無い」
「確かにそうだ。それが?」
「ISコアは全部で467個。その全てが各国に分配されている。だが、そのコアで作れるのは、有人機のみ。つまり、無人機に使われていたコアは、新たに作られた物ということになる。」
「お前、まさか……」
この反応、間違いない。
「ISコアを作れるのは、この世界に1人しか存在しない。つまり、篠ノ之束だ。そもそも、ISを開発したのも、篠ノ之束だ。開発者なら、無人機を作ることくらい容易い筈だ。よって無人機を送り込んできたのは、篠ノ之束だ。これが俺の推測だ」
「……お前は何もかもお見通しというわけか」
「なら、やはり……」
「お前の推測通りなら、今回の無人機の襲撃は束の仕業だろう。しかし、束がいったい何をしたいのか、私にもよくわからない」
「そうか」
織斑千冬といえども、篠ノ之束のことはすべて理解しているわけではないようだな。
「なら、白騎士事件についてだ」
「っ!?」
「以前俺はプロフェッサー凌馬にある映像を見せられた。白騎士事件の時の白騎士がミサイルを撃ち落とす映像。そして、第1回モンドグロッソの貴女の試合の映像だ。急にその映像を見せられ、何だかと思ったが、よく見比べてみると、白騎士と貴女は、同じ動きをしていた。これで思った。白騎士は、お前だな?」
「……やはり見抜かれていたようだな。白騎士は私だ」
ついに自白したか。
「何故あのようなことをした?あれは正真正銘のテロ行為だぞ」
「……あの時私は、親の代わりにあいつを育ててきた。一夏を守る力がほしかった。だからその力試しとして束の考えに乗った」
「……それが理由か?」
「ああ、そうだ」
「プロフェッサーは白騎士事件の真実を公表しようとしている。いつになるかは知らないがな」
「何?」
『PPPPP』
俺の携帯が鳴った。プロフェッサーか
「私だ」
『貴虎、大変なことになっちゃたよ』
「いきなりどうした?」
『ヘルヘイムの森で黒影トルーパーが襲撃された。その時に戦極ドライバーが奪われてしまった』
「何っ!?」
戦極ドライバーが奪われただと!?まさか、そんなことが……
『おそらく亡国機業だろう。奴らはアーマードライダーとしてやってくるかもしれない。気を付けたまえ』
電話が切れた。亡国機業に戦極ドライバーが奪われるとは……、してやられたな。
「どうした?」
「厄介ごとが増えただけだ」
「厄介ごとだと?」
「ああ。話は終わりにさせて貰う。あの怪物のこともいずれ話す。それまで待っていろ」
「……いいだろう」
話を切り上げ俺は管制室を後にした。
医務室では、大ダメージを負った簪がベッドで寝ていた。そこには楯無がついていた。
「うん……」
「簪ちゃん!?大丈夫!?」
「お、お姉ちゃん……、ここは?」
「医務室よ。あのISの攻撃を受けて気絶しちゃっていたのよ。でも、大したことなくてよかったわ」
「打鉄は?打鉄弐式はどうなったの……?」
「……簪ちゃんのISは、あの攻撃で破壊されたわ……」
「っ!?そ、そんな……」
「でも、また皆で組み上げましょう。コアはないけど、きっとどうにかなるわよ」
「どうにかなるって……そんな簡単に言わないで!」
「か、簪ちゃん!?」
「今までずっとできなくて、何度も試して失敗してそれを繰り返して、それで織斑君のおかげで完成して、この前出来たばかりのISがすぐに破壊されたんだよ!それなのにどうにかなるって……、今まで候補生なのに専用機が無く、やっと完成した物がすぐに壊される人の気持ちなんて、お姉ちゃんにはわかんないよ!!」
「か、簪ちゃん、私はそんなつもりじゃ……」
「出てってよ!!出てって!!」
「か、簪ちゃん!?」
楯無は無理やり追い出された。楯無が見た簪の目には、涙が浮かんでいた。