ーーだか私は謝らない(キリッ
ーー手帳によると、この先に緑色の通路…通称、緑の間というところに出る扉があるらしい。
所々読めない字が有るものの、大体はルビが振ってあるのでなんとかなっている、よって問題はない…はず。
ーーこの手帳を拾った部屋とは真逆に位置する所までたどり着くともう一度手帳を、読むとこの扉にはカギがかかっており、開けるには青いカギというものが必要というのが緑の間に行くべしという指示の後に書かれていた。
「いやっ!そういうのは先に書こうよ!?」
青いカギがあるのはどこかという文を探す。漸くそれっぽい所を探し出すが、そこには一言ーーガンバッ☆とだけ
それを見た瞬間、床に手帳を叩きつけた明久は悪くないだろう
「使えないよこれ!?」
手帳についダメ出しして、扉を背にして脱力をする
扉にもたれかかり、ドアノブに体重をかけて支えようとした時、
ーーベキッ
何か折れるような音とともに世界が90度回転した
「ふべっ」
頭を床にぶつける
「イタタタ…」
打ち付けた部分をさすりながら、状況を確認しようと辺りを見回すと、コロコロと音を立てながら手元らへんに転がってくるものに気がついた金属的なそれを例えるならそう、よく扉についているアレだ。
「ってドアノブゥ⁉︎」
慌て手帳を回収したのちに、ドアノブ(仮)を片手に背後のブツへと振り返った。ーーそこには某ボクシング漫画の主人公のように真っ白に燃え尽きた扉が半開きになっていた。
「…………よしこれで先に進めるや、うん、何にもなかったよね僕?」
少しだけ立ち尽くした後頭の方の処理が追いつかなくなったので、全てスルーすることに決め込んだ。
「ほんとに、そうなのかなぁ」
唐突に聞こえた声に、身を震わせる。「ど、どこ?」と言いながら声の主を捜す。しかし一向に見つからない。
「こっち」
その声は下から聞こえてきた。そちらを見下ろすと、そこに一匹のアリがいた
「ぼく、あり、きみ、だれ?」
「えっ、えっと僕は明久、よろしくね……」
少しだけ間が開いた後、アリと話していることに気がつき
「ええええ‼︎あ、アリが喋ってるぅ!?アイエー‼︎⁉︎」
慌てすぎて、最後らへんは自分てもどうやって出したのかわからない奇声だった。それだけ混乱したのだ
そこでハッとした明久はとある結論を出す、このアリは
「宇宙人かっ!」
と拳を握って、アリへと熱い視線を送ると
「ぼくはありだよ」
呆れたようなトーンで虫に諭された。
流石に額に青筋を浮かべかけたが、ふとこの虫なら何か知っているかもと考え直し、怒りをグッと抑える
「ねぇ、ここを誰が通るのをみなかった?」
極めて冷静に、にこやかにアリへと語りかける。笑みが引きっているということはない、ないったらない。
するとアリが昆虫たちの絵画のかかっている通路の方を向き
「おんなのこが、ぼくの絵を持って、あっちいったよ」
それを聞いた途端、明久は走り出した。突き当たりにあるドアへ一直線で向かう。
ーーもしかすると、あの子が!
扉を蹴飛ばす様に突破すると、なぜか床に絵が敷いてあった。隙間からその下が穴であるとわかる。恐らくは橋代わりだろう。大きさ的にあなは、明久が全力で跳んで届くかどうかといったところだろう。ちなみに彼の身体能力は同年代に較べて高い基準にある
さて、橋となった絵はどうなっているのかというと。
なにやら赤茶のなにかが絵画内で四散しており、所々に黒い脚が見える。先程アリがぼくの絵を持っていったと言っていたが、恐らくそれのことだろう。つまりそれはアリが潰れたものだと推測した。
「ウプッ…端っこを通ろう」
少しだけ吐き気を催しながら渡る。勿論踏むのは端の方だけだ。渡り切ると思い出したように走り出した、いそぎ扉を開け、次の部屋に辿り着く。
そこには、頭のないマネキンのような石膏像と、その前にしゃがんでいる女の子がいた
間違いないと駆け寄りながら確信する
「イヴちゃん‼︎」
明久は喜色の声をあげその少女の名をよぶ。
その少女ーーイヴもはっとこちらに向くなり顔が明るくなった。
その時明久は、彼女の背後で石膏像“無個性”が動き出し、イヴへと襲いかかろうとするのをは見た。
「伏せてっ!」
とっさに、未だに持っていた壊れたドアノブをマネキンへと投げつける。それが腹部に炸裂し、一瞬だけ相手をよろめかせることに成功した。
イヴは明久の行動で自らの背後に何かいることを察し、明久の方へと走り出す。明久はイヴを先に行かせてすぐにその後を追う。が“無個性”も黙っているわけではない。もう既にイヴを追いかけてきているのだ。そしてマネキンは、まだスピードに乗っていない明久の二の腕をその刃のような指先で、皮膚を裂いた。その痛みで息が詰まる。声が凍った。だがここで止まればーーー死ーーー
最悪の光景を頭を振って振り払い、“無個性”を走って振り払う。なんとかアリの絵がある部屋に逃げ込む。既にイヴは絵画を渡りきっている。それに習い、アリの絵を渡る。しかし今回、運命の女神は彼に微笑まなかった。
「うぁっ!」
渡っている途中アリの絵に穴が開き、足を取られてしまい倒れこんだ。
イヴが明久の声で気がつくのと、顔のない人形か部屋に入ってきたのは同時だった。ズンズンと近づいてくる足音、まるで、カウントダウンのようだ
イヴは明久の手掴み思いっきり引っ張る。それによって明久は思わず呻くが一向に抜けない。
“無個性”がもうすぐこちらを突き刺す事の出来る位置まで来そうな時、明久はペインティングナイフを絵画につきさし切れ込みを入れる。刹那、イヴが引っ張り、足を捕らえていた穴と繋がり脱出した。が、絵画の色は失われた。“無個性”はそれに気づかず、そのまま絵を踏み抜いて奈落へと落ちていった。
「た、助かった……?」
「…うん、そうみたい」
イヴからの肯定を受け、ハフッーといきを吐いた。
なんとなくイヴの方を見ると、彼女の目にはハッキリと疑惑が浮かんでいた。居心地が悪いので聞いてみることにした
「どうしたの?イヴちゃん」
彼女は少し考えてから、
「あなたは、本当に明久なの?」
「いやいや!僕は、365度どこからどう見ても吉井明久でしょ⁉︎」
とっさに否定をしたが、それによって、イヴの目は疑惑から呆れたような視線に変わっていた。
「それじゃあ、5度になっちゃうよ」
一周は360度だと教えられて、明久は恥ずかしさから顔を逸らし吹けないのり口笛を吹く真似をした
その様子を見てやっとイヴは顔を綻ばせる。
それにつられて明久も、笑ってしまう
ふたりで一頻り笑った後互いの無事を祝した。
「明久、無事で良かった」
「うん、イヴちゃんも良かったよ無事で」
そしてまた、どちらともなく笑い始める
◻︎ ◼︎ ◻︎ ◼︎ ◻︎
ーーー僕は思っていた、きっと、ふたりなら、『大丈夫』だということを。そんな保障どこにもないのにね
◇◆◇
イヴは、“無個性”のいた部屋で、緑のカギというものを手に入れていた。
これにより、2人は、さらにこの不思議な美術館の奥へと踏み入れることが出来るようになった。
「ーーいくよ、イヴちゃん」
「…うん」
イヴが頷くのを見て、改めて前のトビラへと目を向ける。
既に件のカギで開錠は済んでいる。あとはドアノブを回して開けるだけだ。
そっとドアを開けながら、中の確認をしようとするが、想像よりも殺風景だった、
あるものと言ったら、左右にどこかに繋がるトビラ、そして前方にある目くらい……………目?
明久は、いわゆる第一宇宙速度でトビラを閉めた。
背後では、その動きと音にびっくりしたイヴが目を丸くしている。
「…どうしたの、明久?」
イヴは明久の突然の奇行を問うと、明久は、顔じゅうに汗を浮かべて、イヴへと向き直りながら
「……なんか…メジェドさまっぽいのがいた……」
補足しておくと、メジェドと言うのは、エジプトで祀られている神の一柱のことだ。それをなぜ彼が知っているかというと、学校で流行っているパズルでダンションを突破して行くゲームに出て来るキャラの元ネタとして有名なのだ。
ーーきっとこれから、いろんな神さまが出てきて、互いに食べ合って、なんかよくわかんないけど、神々の黄昏的な何かが起こって、お前の愛を俺に見せろォ!とかいう魔王が出てきて、それを解放しようとして、その後世界の存亡を賭けた戦いが始まるっていう展開がーー「明久、私にも見せて」
明久の止まらない勘違いのとんでも妄想、もとい思考はイヴの一言によって止められた。
明久は、イヴにその場所を譲り、イヴがトビラの向こうへと意識を向けている間に、手帳を取り出し、緑の間の項のページをめくり、次へ目を向ける、
「……私、メジェドっていうのを知らないけどーー
そこに書いてあるには、次の間の名前は、
ーーどちらかというと、猫に見えるよ…」
「うん、どうやらね……」
◻︎ ◼︎ ◻︎ ◼︎ ◻︎
ーー猫の間、ここから先に進むには、魚の形をしたカギが必要と、手帳に書いてあった、そしてそのカギは、左右の部屋にあるということだと、明久は考えた
「どっちから行く?」
「……」
イヴは、明久の問いを受け、おもむろに左右の中心ら辺で、カギを立てる。そっと手を放すと、カギは左に倒れた。その方を指差し、
「…こっち」
明久は、それを見て、ちょっと顔を引きつらせた後、
「ーーいや、まぁ、うん、そうだね、行こうか」
いやまて、それでいいのかーーーーーー
◇◆◇
ーー左の部屋にはいると、何やら小さい壁が乱立していた。
「これって、絵を飾るところ?」
たぶんと答えたイヴも、その光景に警戒を強める。
ベチャと何かが塗られる音がした、その音源の方に向くと、黒い人型の絵、その下に黄色の絵の具で文字が書かれていた。
ーーーかくれんぼする?ーーー
2人が読んでいる間に、その人型は消え失せていた。
ーー待って、かくれんぼってことは、
「この絵たちの中にいるってこと?」
「…恐らく、そうだと思う」
「…じゃ、かたっぱしから行こうか」
とりあえず隣の絵からと、明久は、カーテンに隠された絵画の下にあるボタンを躊躇いなく押した。
カーテンが開くと、三日月の絵画が現れた途端、辺りが暗くなった。
「……やっぱり、かたっぱしからは危ないと思う」
「そ、そうだね」
イヴに諭され、額に汗を流す。
結局、頼りになるイヴが先導してボタンを押すことになった。
まず、トビラから最も遠い所からと、イヴは、三つ連続で開けた。その絵は所謂、続き物というものだった
明久は、その題名を順番に読むと、
“粉砕” “玉砕” “大喝采”
……明久は一瞬だけ、男の高笑いの幻聴が聞こえたが、そのイメージを頭から追い出す。
固まっていたららちがあかないと考えた明久は、そっとイヴのそばから離れて他の壁のボタンを押すことにした。
適当に選んだ壁のボタンを押すと、向こうには、着替え中の女性の絵が…明久の思考がフリーズした
と、同時に絵から悲鳴があがり、女性が彼の頬を叩いた。
そのままカーテンが閉まり、絵は隠れたが、その衝撃のあまり、明久はボーっとしてしまっている。
「イタッ」
突然、手から痛みという信号が送られてきて、とっさに後ろに振り向く、と、イヴが、じと目でこちらを見ていた。
どうやら手の痛みは、彼女がつねったからのようだと判断した。
明久は、彼女のもう一方の腕を見て絶句した。
彼女の袖がパックリと裂けていたのだ。
「ちょっ、イヴちゃん!大丈夫なの⁉︎」
慌てて、彼女の腕をとり、傷を確認するが、切れ込みの割には大したことは無いようだ。
ーーこれもバラのお陰なのかな…?
改めて、バラの有り難みを感じる。
ふと、彼女が手に何か持っているのに気がついた。
その視線が何を見ているのかを察したイヴは、
「かくれんぼの戦利品」
と、ドヤ顔で、魚の頭部の模型を見せてくる。
どうやら、いつの間にか、かくれんぼを終わらせていたらしい。
「で、カギが、景品だったんだ」
「うん」
精一杯のカッコつけとしてのドヤ顔だが、どちらかというとかわいい方だなと、明久は感じた。
◻︎ ◼︎ ◻︎ ◼︎ ◻︎
先ほどまで僕たちがいた部屋とは、違う物置のような部屋。
今、僕らがいるのは、猫の間の右のトビラの先、つまり、さっきのかくれんぼの部屋と真逆の部屋だ。
その部屋は、いっそ清々しいほどの埃と汚れで塗れていた。
埃のせいで、鼻がムズムズする。僕としては、早めにこの部屋を出たいが、その為には魚の体を見つけなくちゃならない。という訳で、かたっぱしからダンボールや、彫像、木箱を探っている。
イヴちゃんの方は、かくれんぼで頑張ったので、休んでもらってる。いまは、バラの絵に釘付けのようだ。
イヴちゃんは、僕程、身体が強くない。ここで待ってもらうよりも、外で待っていて欲しかったんだけど、頑なに聞いてくれなかった。サッサと終わらせないと、イヴちゃんの体調が悪くなるかもしれないと考えると焦って手が定まらない。
「イテッ!」
運の悪い事に木箱のささくれが手に刺さってしまった。
焦るからか、と反省して、ダンボールごとその木箱をずらす。
「ーー!明久ッ!!」
唐突にイヴちゃんの切羽詰まった声、それが聴こえた直後、体をとんでもない衝撃が襲った。
体が宙に浮くーー少し遅れて、吹き飛ばされたんだと気がついた、と同時に、頭に鈍痛が響いた。
「ウギッ‼︎⁉︎」
床に叩きつけられたんだろうか……世界が揺らぐ、気持ち悪い…
何が、起こったーー!
彫像だ、動く彫像が他と紛れていたんだ……!
その彫像は、こっちに向かって近づいてくるーー
怖い……来るな……!
不意に体が後ろに引っ張られた。辛うじてそれをしたのがイヴだというのがわかる。でも、このままじゃ2人ともやられる…どうにかしてイヴだけでも、逃がさないと……
けど、今にも意識が途切れそうだ、声も出ない。
イヴが、ぼくを抱き締める。
違う…!ぼくはいいから逃げて………
そんな願いが神様に届いたのか、別の形で現れた
あと4メートルといったところで、彫像が、何かに引っかかってひとりでに倒れ、砕けた。
「……たす…かっ……た………」
そこで僕の意識は、沈んでいった。イヴちゃんの泣きそうな顔を最後にーーーーーーー
ーーーーーーふむ、喜劇としては、少々役が不足しているかな?まぁそんな事は、もう対策はある。しかし、メ■■ーの方は、まだ出れそうにないな、だか、彼へのもう準備は終わっているだろう。あと少しで彼の出番でもあるしね……さてさて、皆、楽しんで頂けるかね。この茶番劇のような喜劇をーーーーーーー
薔薇→バラに変更
最近好きになったラスボスのセリフ
•諦めなければ夢は必ず叶うと信じているのだァッ!
•人間賛歌を謳わせてくれ、喉が枯れ果てるほどにッ
•万歳ァァィ!、万歳ァァィ!、おおおぉぉォッ、万ッ、歳ァァァァィ!!
ラスボスってなんだっけ?