けど、『僕は悪くない』
P.S:祝、お気に入り数、30人突破!!
「………っあ」
意識が浮上し、重い瞼を開けると、変わった色の天井が目に入ってきた。
何故そんな天井を見上げているのかと考え始め、襲われた事を思い出した。瞬間、彼は覚醒した。
ーーそうだ、引きずり込まれたんだ…あの絵によって
その異常性に、思わず起き上がると立ち眩みで、目を回してしまった。その堪え難い悪寒をこらえて、あたりをみわたす。
どうやらどこかの小部屋のようだと彼は判断する。何故こんなところにと考えるが、一向に答えは出ない。結局のところ、考える事をやめてその疑問を頭の隅へと追いやっておく。
取り敢えず、さっき見渡した時に見えたこの部屋唯一のトビラに向かう。試しにドアノブを握って回すが、やはりと言うべきか、カギがかかっていた。
次にその隣のところにあった窓を確認する。が、トビラと同様に、カギがしまっているのかビクともしない。それどころか、カギの開閉装置すらない。まさかと、トビラの方を調べる、が心配は杞憂で、こちらには鍵穴はきちんと存在していた。
最悪の事態にならずに、胸を撫で下ろし、ほっと息を吐く。ということは、カギがこの部屋にあるかもしれないという考えに至り、彼はカギの捜索を始めた
ーーー数分後、一向にわからないカギの所在に業を煮やし、トビラにあたりかけるが、イラついては判断力が落ちるだけだと考え直し、心を落ち着けようとする。確か飴があったはずと、コートのポケットに手をいれるが、飴玉の代わりに硬い何かの感触が返ってきた。取り出すと、それは小さなカギだということに気が付いた。
もしやと、鍵穴にその小さなカギを差し込むとピッタリとはまる。そのままカギを回すとトビラは開錠された。いやはややっと出られるわ、と内心喜びながらも、サッサとトビラを開けた……のだか、その先に広がっていたのは更に奇怪な場所。
「一体…ここはどこなのかしら…」
とため息を吐きながら、彼ーーギャリーは、途方に暮れた。
◻︎ ◼︎ ◻︎ ◼︎ ◻︎
「……!」
明久が目を覚ますとイヴが抱きついてきた。
いきなりのことに頭がフリーズしそうになるが、
よかった……よかった……と繰り返すイヴを見て、冷静さを取り戻させられた。
ーーそういえば、襲われたんだったね…僕
やっと気を失っていた理由を思い出し、取り敢えず、彼女を宥めながら周りを見渡してみる。
と、白いバラが花瓶に挿してあることに気が付いた。一目で自分のバラだと確信するが、前見たときよりも、元気になっているようだ。ふと、身体の調子が良いことに気が付く、気絶する前は、頭から血が出ていたような気がするのにと考えたところで、はたと分かってしまった。僕が能力にめざめたんだ!と妄想が始まったところで、イヴから、
「体ってバラと繋がってるから…なら逆にバラが元気になれば、体も元気になるかもって…でも正解でよかった…!」
イヴの説明で、明久は勘違いしていた自分が恥ずかしくなったが、持ち直す
「…イヴちゃん、ありがとう。おかげで助かったよ」
救われたことには変わりないと、彼が素直にお礼を伝えると、イヴは頭を振って否定する。助けられたのは自分だと、ひとりじゃ心細くて、前に進めなかったとそういってきた。“じゃあ同じだね”というと、彼女は泣きそうな顔を上げてこちらを見つめる。
「僕もひとりじゃ、怖かった。イヴちゃんがいてくれてとっても心強い」
思っていることを何も着飾ることなく、真正面からイヴへと伝える。それが自分のこころを伝える一番の方法だと、彼の姉がいっていたのだ。
その言葉に、少し顔を赤くして誤魔化すために目を擦ってそっぽを向く。少しして、イヴがなんとか体裁を保てるようになったところで、明久に向き直った。
「…指切りしよ」
「何を?」
「絶対に、一緒にいるって。最後には、戻ってくるって」
明久はイヴからのお願いに、キョトンとするが、すぐに笑顔で、頷く。
「じゃ、僕からは、絶対諦めないって約束するよ」
それは、自分への戒めであり、拠り所とする為に、
ふたりは小指同士を結んで、あの歌を二人で紡ぐ。
“ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんの〜ます!ゆびきった!”
そして、ふたりはどちらからでもなく、笑い始めたーーーーー
Cross my heart and hope to die, stick a needle in my eye.
これわかるかな?
さて、今回の話、どうでしたでしょうか?たのしんでいただけると幸いです。
この話は、たとえ進まなくても、やっておかないとと思いまして……
追記)イヴちゃん以外にも、素直に褒められたら嬉しいとかんじるのは普通だと思うの。
感想などお待ちしています