サモンナイト4 妖精姫と呑気者   作:なんなんな

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失踪したと思った?残念!他のを書いてただけでした!
どっちにしろ投稿期間が二〜三ヶ月空いた事実は変わりませんけどね。自責の念で筆を折りそう。

さて、内容は殆ど進まずミュランスの星うんぬんまで。文字数は結構行ってる(作者的に)んですが……。おかしいね。
あと誤字などミスが多そうなんで違和感が有れば報告を是非に。


第3話 ドキドキ、はじめての御使い ~A Cutie Angel~ ③ (原作 三話)

「ただいま」

 

 ミントさんたちとの話でかなり明るい展望が見え、その軽い足取りのまま店の玄関をくぐる。

 フロアの中程のテーブルでは、フェアたちの方も話が一段落ついていたようだ。

 

「おかえり……っていうかナオ、外行ってたの?」

「トイレか何かかと思ってた。長かったから大きい方かとも思ったけど」

「姉さん……」

 

リシェルがド直球だからこっちもド直球で評す。品がない。

 

「話どのくらいすすんだ?」

「それが――」

「ミルリーフの親をこっちから探しに行くのよ!」

 

自信満々で声高らかにかなり難易度の高いことを言ってくれる。

 

「えーと……」

「もちろん、この街から離れて――みたいなことじゃないし、アイツらを刺激しないくらいのことしかできないけどね」

 

思わず言葉が淀んだ私に、フェアが補足した。結局私の微妙な表情は変わらないけど。

 

「それはそれで……じゃあ何するのん?」

「取り敢えずもう一度星見の丘に行ってみようと思うわ。何か手がかりがあるかもしれないし」

「もしかすると飛んできてるかもね。親が」

「手掛かりと言えば、アイツらの手掛かりもあるかも分からんな」

 

 ミルリーフを拾ったときの戦闘。あの時は私達の圧勝で、相手は夜で暗い視界を煙でさらに悪くして慌てて逃げて行った。もしかしたらアイツらの持ち物が何か落ちているかもしれない。もう回収とかされてるかもしれないけど、私としてはこっちが本命かな。

 

「いつ?」

「『善は急げ』明日よ」

 

今日って言い出さないのが意外。っていう表情を読み取ったのか、リシェルが言葉を続ける。

 

「この前、勝手に持ち出してた強い召喚石取り上げられちゃったから今度は自分で誓約しなきゃいけないしね」

「ああ、なるほど」

 

 戦力は大切だものな。……一応協力者の目処はついたけど、協力してもらえるとしても手紙が届いてこっちに来るまでの間はやっぱり自分たちで対処しなきゃならないワケだし。

 

「そ・れ・と」

 

たてどうしたものかと鼻でため息をついた私の頬を、リシェルの指がムニっとつつく。

 

「あんたは早いとこミルリーフと仲良くなること」

「えっ」

「ピィ?」

「この前もミルリーフがあんたに懐いてれば街に出ちゃうこともなかったでしょ?」

「いや、それは私とミルリーフの相性が悪いんじゃなくてフェアが懐かれれすぎてた結果」

 

だよな? とミルリーフを見遣る。

 

「ピッ」

 

返事は良いんだよなぁ。

 

「じゃあフェアと同じくらい懐かれなさい」

「えぇ……」

 

『そう言うリシェルが懐かれるように努力すれば?』といつもの調子で口に出しかけたけど、言わないでおいた。そういうふうに言ったらまるでミルリーフを厄介者として押し付け合ってるみたいだからな。

 

「ともかく、フェアさん以外にもミルリーフが安心してられる相手を増やすようにしようってことだね」

 

ルシアンめ、リシェルの要求を上手いことマイルドにしたなぁ。

 

「纏めると、これから戦力強化とミルリーフとの信頼関係の構築が肝ってこと?」

「ま、そういうことね」

 

 その後、明日出かける際の、より細かい内容が決められた。相手をあまり刺激しないよう"いつものメンバー"だけで行くつもりらしいが、一応グラッドさんとかにも伝えておこうと思う。

 

  ――――――――――――――――――――――――――――

 

「――とは言っても」

 

 リシェルたちが帰った後。

 私は宅配弁当の空箱回収と買い出しへ行ってきて、戻ってきたら今度は言葉の勉強ををする。フェアは膝の上で眠るミルリーフが落ちないように気をつけながら帳簿とにらめっこだ。そんな中始めた雑談も、やはり割と頭の痛いことで……

 

「武術は『はい強くなります』って言って強くなれるものじゃないし」

「召喚も、前々から言ってるけど強いとその分扱いに困るもんね」

 

 召喚魔法で予想以上の火力が出てしまって自爆とか、特に私なんて強制術が使えないから超危険だ。敵に怯えて勝手に変なもの喚んで自爆なんて心底笑えない。

 

「またミントさんに訊いてみる? 丁度良さそうな召喚獣」

「それしかないでしょ。どっちにしても私たちだけじゃ召喚辞典が無いし」

 

 召還術はサモナイト石を介して行われる……では、サモナイト石が有れば誰でも喚べるか? 答えは否。

 まず呼ぶ際に魔力を消費する。よって、魔力の素質の低い人間は召還術を使えない。その消費魔力は召還獣の格が高いほど大きくなる。これで、世の中の7割くらいの人間は、せいぜいネズミ程度の力を持つモノが喚べれば上出来らしい。

 それに、強制術。コレも喚ぶときと同じように魔力を消費する。格によって効かなくなるのも同じ。あたかもコレが効くのが当たり前のように召喚獣が人間の下に位置付けられているが、意外とこの術の効力外に居る召喚獣は多い。まぁ、自分より格上の召喚獣を喚ぶバカはそう居ないし、召喚術使いから一般に売り出される時点で反乱防止首輪(デスゲーム漫画なんかによく出てくるアレみたいなもの)が付けられていたり調教済みだったりするから同じだけど。

 そしてそもそもの話。『サモナイト石でどの召喚獣を喚ぶか』を決めるのに専門的な術と知識が必要だ。それが『誓約の儀式』であり『召喚辞典』である。

『誓約の儀式』は軍学校の召還専攻(又はエリート向けの全積みコース)か、古くからの召喚師から学ぶことができる。私の場合は後者、ブロンクス家長子のリシェルさん(笑)からだ。

 そしてこの儀式はモノ(触媒と言う)の『縁』を利用する。『縁』は仮称で本当は『エルゴ』と言う。と言うより、何か召還関連の重要語句の正式名称は大体『エルゴ』だ。『誓約の儀式』は『触媒の縁を解析し、サモナイト石を通して界の意志(世界のシステムか神か何か、だと私は解釈した)へ接続、繋がりのある異界のモノを特定。さらにその真名を特定・利用し"召喚師に力を貸す"という契約を結ばせる』というものらしい(リシェル談)のだが、"ちゃんと言う"と『触媒のエルゴを解析し、サモナイト石を通してエルゴへ接続、エルゴのある異界のモノを特定、さらにそのエルゴを特定・利用し"召喚師に力を貸す"というエルゴを付与する』というエルゴまみれの意味不明文になる。バカじゃねえの?

さて、そこで問題になるのが『触媒の選定以降、召喚獣確定まで自動で行われる』のと『誓約の儀式完了時、リィンバウムに召喚獣が喚び出される』点だ。問題点の推理は簡単だろう。変な触媒を使って変なモノを呼び出したらヤバい。

 そこで使われるのが『召喚辞典』だ。つまるところ、触媒のレシピ本。何を使えば何が出てくるかが書かれている。

 ボクスはリシェルの召喚辞典(ブロンクス家秘伝のものを盗み見て写したもの)から青い首輪を、スワンプはミントさんの召喚辞典からローブ(ミントさんの家に有ったもの)をそれぞれ触媒に使った。

ルニアは……私が勝手に『自分を触媒にしたらどうなるん?』という好奇心で喚んだ。今思えばヤバいことをした。

 

「はー……やること山積みで目が回りそうだよ。これでミュランスの星も取らなくちゃならないんだから」

 

と、思考を宙に漂わせている内にもまた新しい単語がフェアの口から出る。

 

「ミュランス……?」

 

名前の響はアレと似ているが……。

 

「そう。有名な料理店紹介雑誌の評価なの」

 

まんまアレみたいだ。確かにフェアの店は質の高い料理を出しているけどアレに載る感じじゃない。いわゆる大衆店。……でも取る取らないの話になるってことは、アレとは違って高級店ばかりを扱っているわけじゃないんだろうか。

 

「昨日テイラーさんに言われたのよ。もー、どうしようかなー……これでも割と必死に頑張って経営してるんだけど」

「その辺は……。あと二〜三年もすれば『トレイユと言えばここ!』みたいな位置付けにはなると思うけど」

「ありがと。でも一年も待ってくれる雰囲気じゃないんだよ」

 

ひでぇ。

 

「んー、他の人に訊いてみるとか」

「そうね……そうするわ。そうするしかないし」

「ちなみに今の星は?」

「ひとっつも無し。と言うか、雑誌に載りさえしてない」

「じゃあ案外宣伝さえすればひょいっと取れたりしそう」

「だと良いんだけどね。それに、宣伝って言ったってどうすればいいかも分かんないし」

「ビラ……は、無理」

「そのビラを作るお金が無いからね」

 

 広告のレイアウト能力と紙代と印刷代を配る枚数数×回数分。紙は思っていた値段(文明が進んでない所じゃ高価って言うし)より安いんだけど、自宅ででも印刷できる日本と違ってこっちは印刷を印刷師に頼まなければならない。それがまぁ高い。どれだけ効果が有るかも分からないものにかけられる値段じゃない。

 

「リシェルの召喚で印刷機でも出ないかな」

「印刷の機械? 一応アテにしてみるけど望み薄でしょ」

 

ブロンクス家の召喚辞典にはひょっとしたら載っているかもしれないが、リシェルが持っているレシピはその中の面白そうなもの(リシェル基準)だけだ。印刷機は入ってないだろう。

 

「となると他……。うーん、やっぱり、そういう利益重視な方面ではあの弁当路線が強いと思う」

「って言うと?」

「まずさ、有名になるには立地が酷すぎる。ここは街の一番奥……ここに定住してる人しか来るきっかけが無い」

「評判を広めてくれる旅人が来てないってことね。じゃあ、街道近くに看板を立ててみるのは?」

「それはもちろん。今より大分マシになる。それでも『料理店:忘れじの面影亭』とだけの情報でワザワザ山を登ろうとはなかなか思わない」

 

と言うか名前が胡散臭い。何か精神的にあいまいな人が集いそう。どうにかして別の名前をつけられないだろうか。○○屋(正式名称:忘れじの面影亭)みたいな。

 

「どんな店……どの程度の味かを示さないと」

「なるほど。それで弁当ってワケね」

「そう。街道近くの商店に置いてもらう」

 

 今やっている宅配弁当と違って箱が回収できないからその分割高になるけど。……いや、そこも何とかなるか? 日本の竹皮、熱帯のバナナの葉みたいに安価で手に入る保存に適した包みが有るかもしれない。若しくはホットドッグやハンバーガーのように元々持ち運びやすいものにするとか。

 

「置いてもらえるかな……?」

「味を知れば、マトモな商人なら『コレは売れる』って分かるはず」

「そ、そうかな……?」

「こっちに来てからフェアの料理より美味しいものを食べたことない」

「え、えへへ……そう真剣に面と向かって言われると照れるわね。さっきから褒め過ぎじゃない?」

「いや、言い足りないくらい。フェアのことは尊敬してる」

「――っ」

「……まぁ、フェアの料理以外ほとんど食べたこと無いんだけど」

「オチをつけなきゃ話せない病気なの?」

「そうかも」

「……はぁ。もう、出してくれた案が良くなかったら晩御飯一品減らしてたとこだよ」

 

 そう言ってまた帳簿付けを始めた。私もさっさと一日のノルマ(自分で決めた)を済ませなきゃな。

 ちなみにさっきのはフェアの照れ顔のせいでなんか私も照れたから急遽取ってつけたオチだったりする。つまりフェアが悪い。




話の展開が緩やかなうちに説明を詰めておくスタイル。
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