真剣で料理人をやりなさい!?   作:シャト6

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第27話

南の島から帰ってきた俺は、久々に店を開こうと準備をしていた。

 

飛翔「天衣さん。準備はどうですか?」

 

天衣「問題ないぞ」

 

飛翔「もうじき、辰子さんが買い出しから帰ってきますので、それまで休憩してて下さい」

 

天衣「分かった」

 

天衣さんは、奥の部屋に引っ込んだ。暫くすると、辰子さんが買い出しから帰ってきた。

 

辰子「ただいま~」

 

飛翔「お帰りなさい辰子さん」

 

辰子「今日は、ブリとシメジが安かったよ~」

 

辰子はそう言いながら、買い物袋を渡す。

 

飛翔「ありがとうございます。なら、今日のメニューはこれですね」

 

そう言うと、飛翔はメニュー表に書き出した。飛翔の店では、その日仕入れた食材でメニューが決まるので、毎回メニュー表に書いている。すると、天衣さんが出てきた。

 

天衣「帰ったか辰」

 

辰子「ただいま~天衣ちゃん」

 

飛翔「それじゃあ、開店しますよ」

 

そして店を開店した。いつも通りに客の入りはいい。そして、あっという間に閉店時間になった。飛翔は学生なので、夜の6時~10時までの4時間しか営業していない。

 

飛翔「ふ~!お疲れ様」

 

辰子「疲れたよ~」

 

天衣「いつも思うが、本当に人気だな。飛翔の店は」

 

飛翔「地道にやって来ましたからね。天衣さん、すみませんが暖簾を下げてきてもらっていいですか?」

 

天衣「分かった」

 

飛翔に頼まれて、表の暖簾を下げにいく。すると、誰かに声をかけられた。

 

「まだやってるかしら?」

 

声をかけたのは、1人の女性である。パンツスーツ姿で、いかにもキャリアウーマンって見た目だ。

 

天衣「一応閉店の時間なのだが・・・」

 

すると、中から飛翔が出てきた。

 

飛翔「大丈夫ですよ。1人くらいなら。天衣さん、そのまま暖簾は下げてください。扉に立て札を出しときますんで」

 

天衣「分かった」

 

飛翔「では中へどうぞ」

 

そして、女性は中に入る。飛翔も立て札を出して中に入る。

 

飛翔「ご注文は?」

 

「取り合えず、お酒もらえるかな?」

 

飛翔「熱燗で?」

 

「お願い」

 

取り合えず熱燗を作る。

 

飛翔「お待たせしました」

 

女性に熱燗を出す。

 

「後、この鰤としめじの味噌バター風味をもらえるかしら?」

 

飛翔「分かりました」

 

注文を受けて、料理を作る。

 

飛翔「お待たせしました」

 

料理も出して、飛翔は一服する。すると、店に誰かがやって来た。

 

燕「やっほ~飛翔君」

 

飛翔「燕先輩、どうしたんですか?」

 

やって来たのは燕。彼女がここに来るのは珍しい。

 

燕「ほら、明後日にはKOSが始まるでしょ?メンバー決まったかなって思って」

 

飛翔「そう言えば、締め切りは明日一杯でしたね」

 

南の島とかで、色々とあって忘れていた。

 

燕「その様子じゃ、忘れてたみたいだね」

 

飛翔「面目ない」

 

燕「じゃあさ、一緒に・・・」

 

そこまで言うと、燕は店にいた女性を見て言葉を失っていた。

 

飛翔「燕先輩?」

 

飛翔は、燕を見る。

 

燕「お・・・」

 

飛翔「お?」

 

燕「お母!?」

 

『えええええええ!!!!????』

 

その言葉に、飛翔や天衣は驚いていた。辰子は、寝ている。

 

飛翔「つ、燕先輩のお母さん!?」

 

俺は酒を飲んでいる女性に聞く。

 

「ええそうよ。燕ちゃんの母親で《松永ミサゴ》よ」

 

飛翔「いや!いくつで産んだんですか!?」

 

飛翔がそう言うのは当然である。彼女の見た目は、どう見ても二十代後半に見える。

 

ミサゴ「あらそう♪こう見えても40歳よ?」

 

天衣「嘘だ!」

 

その言葉に、天衣はそう言う。

 

ミサゴ「本当よ」

 

燕「けど、何でお母がここに?」

 

ミサゴ「仕事が早めに終わってね。けど、時間も時間だし外食しようと思ってこの店に入ったのよ。まさか、燕ちゃんの知り合いだったとは知らなかったわ」

 

燕「そうだったんだ」

 

説明を聞いて、燕は納得した。

 

飛翔「けど、そんなに驚く事ですか?」

 

飛翔はそう言う。そう思うのは当然だ。いくら仕事で忙しいとは言え、あの反応はまるで数年ぶりに会ったリアクションだ。

 

燕「あ~、そう言えば飛翔君には話してなかったね」

 

ミサゴ「聞いても、反応に困るとは思うわよ?」

 

飛翔「反応?」

 

俺は、燕先輩とミサゴさんにお茶を出す。どうやら、話が長くなりそうなので、天衣さんに辰子さんを送って、先に帰るように言った。そして天衣は、辰子を背負って店を後にした。

 

ミサゴ「私と燕ちゃんは、実に8年ぶりに会ったわ」

 

飛翔「8年ぶり!?」

 

流石に、思っていた年数と違ったので、飛翔は叫んでしまった。

 

飛翔「何で8年も」

 

ミサゴ「実は、久信君が株に失敗してね」

 

燕「私のお父の名前だよ」

 

燕が説明する。

 

ミサゴ「それで、かなり莫大な借金を作って」

 

燕「しかも、借りたとこが悪くて、私が借金代わりに連れていかれそうになったのよ」

 

飛翔「・・・・・・」

 

その言葉に、飛翔はどう反応したらいいか困っていた。

 

燕「飛翔君、ここは笑うとこだよ」

 

ミサゴ「そうよ。今は別々に住んでるけどね」

 

飛翔「アハ・・・アハハハ」

 

最早苦笑いしか出来なかった。どうやら、離婚はしていないみたいだけど、一緒に住むのは今のところ考えていないミサゴさんであった。借金はまだあるが、副収入の納豆で、大分減ったそうだ。

 

飛翔「でも、納豆が副業とは驚きました」

 

燕「お父の本業は、九鬼の技術者だからね」

 

飛翔「へ~。それは凄いですね」

 

燕先輩の父親は、かなり凄い人らしい。

 

燕「それはそうと飛翔君。明日の昼頃また来てもいいかな?KOSの事で話があるし」

 

飛翔「ええ、ならまた店に来てください」

 

燕「分かったよん」

 

ミサゴ「さて、私もそろそろホテルに戻ろうかしら」

 

燕「お母、まだホテル暮らしなの?」

 

ミサゴ「そうよ。借りるにしても、家を空ける事の方が多いし」

 

どうやら、ミサゴさんはホテル暮らしみたいだ。

 

飛翔「ですが、お金掛かりませんか?」

 

ミサゴ「確かにそうね」

 

飛翔「・・・・・・」

 

すると飛翔は考える。

 

燕「どうしたの飛翔君」

 

飛翔「いや、もしミサゴさんがいいなら、家に住みませんか?」

 

ミサゴ「貴方の家に?」

 

飛翔「はい。俺が雇う形になりますが、それでいいなら」

 

飛翔はそう提案する。確かに飛翔は強いが、刀がなければ一般人と同じである。普段刀は辰子に預けている。だが、いつでも辰子会えるとは限らない。天衣がいるが、彼女も川神院等に出掛ける事もあるので、ずっといるわけではない。ならば、もう1人くらい雇っておいて損はない。

 

燕「確かにいいかも。そうすれば、飛翔君も守れるし、お母に会いやすくなるよん♪」

 

嬉しそうに、ミサゴに受けるように期待する燕。ミサゴも、自分の子供にその様な期待された視線をされれば、引き受けない訳にはいかない。

 

ミサゴ「それなら、お世話になるわ」

 

飛翔「よろしくお願いします。これが、家までの地図と合鍵です」

 

ミサゴ「1度ホテルに戻って、明日には行くわ」

 

飛翔「分かりました」

 

そしてミサゴは、ホテルへ帰っていった。燕も自分の家に帰る。途中で、『お店じゃなく、飛翔君の家に行っていいかな?』と言われたので、明日駅前で待っているように伝えたのであった。

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