真剣で料理人をやりなさい!?   作:シャト6

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第37話

飛翔と由紀江の2人は、手紙に書かれていた我谷ダムにやって来た。

 

飛翔「随分立派なダムだね」

 

由紀江「はい。ここはあまり人も来ませんので、隠れるには絶好の場所かと」

 

飛翔「それに、この水の流れ出る音はかなり大きい。もし相手が武器を持ってたら厄介だな」

 

そんな事を考えながら、2人は中に入っていく。中を進んでいくが、人の姿は見当たらない。

 

飛翔「静かすぎる…」

 

由紀江「はい。いくら何でも、人が1人もいないなんておかしいです」

 

飛翔「これだけ広いダムなんだし、少しくらい人がいても…」

 

そんな話をしながら奥に進んでいくと、1つの扉があった。

 

由紀江「あからさまに怪しいですね」

 

飛翔「そうだな。ここに来るまで各部屋の中は確認して来たし…」

 

2人は頷くと、持っていた刀を抜く。そしてゆっくりと扉を開けて中を確認する。

 

飛翔「真っ暗だな」

 

由紀江「そうですね」

 

ゆっくりと進んでいくと、突然目の前が明るくなった。

 

「ようこそ」

 

目の前には沙也佳と、沙也佳を誘拐したであろう人物が立っていた。

 

沙也佳「お姉ちゃん!!」

 

由紀江「沙也佳!!」

 

飛翔「お前が沙也佳ちゃんをさらったのか!!」

 

沙也佳の横に立っている男に話しかける。

 

「さらった?…ああ、この娘を誘拐した男なら、そこで寝ていますよ」

 

指を指した方を見ると、無残な姿の男が倒れていた。

 

由紀江「!!?」

 

誰が見ても分かる。既にあの男は死んでいると…

 

飛翔「なら、さっさと沙也佳ちゃんを離せ!!」

 

「そうですね。彼女は十分役目を果たしてくれました」

 

男はそう言うと、縛られてた沙也佳を逃がした。

 

沙也佳「お姉ちゃん!!」

 

由紀江「沙也佳!!」

 

走って来た沙也佳を優しく抱きしめる由紀江。

 

飛翔「で、貴方の目的は何ですか!!」

 

「目的…」

 

飛翔の言葉に、男は考える素振りを見せた。

 

「目的は…君を殺す事だよ。川盛飛翔君」

 

飛翔「何故俺の名前を!?」

 

自分のフルネームを言われて、思わずドキッとする。

 

「当然だよ。君の両親には、私達の研究を邪魔されたからね。それに、必要なデータ等も全て消された。君も見ただろう?化け物になった人間の姿を」

 

そう言われて飛翔は、英雄の島に行った時の事を思い出す。

 

「まぁ、あれも結局は失敗したがね」

 

飛翔「失敗だと?」

 

「そうとも。化け物に変身はするが、こちらで制御が出来なくてね。いやはや、実に面倒な事だよ」

 

飛翔「……」

 

男の言葉に、飛翔の拳はどんどん力が込められていく。

 

「君の両親は、あの化け物を生み出すウイルスを全て無力化出来るんだ。既に完成しているみたいだが、どうにもデータが見つからなくてね。仮に見つかっても、君に関する事がパスワードになってるから、もし見つけられて使われても面倒だし、殺した方が早いと思ってね♪」

 

飛翔「ふざけんなよ…あんたらの実験の為に、何も知らずに使った人間は!!」

 

「だからどうだというのだね?我々の実験に協力できるのだ。素晴らしい事じゃないか!!ハハハハハハ!!」

 

盛大に笑い出す男。

 

沙也佳「あの人…おかしいよ」

 

由紀江「ええ」

 

2人は、男が言った事をおかしいと言う。

 

「…さて、お話はここまでですね。貴方達には、死んでもらいましょう!!!」

 

すると男は、自分の首に注射器を射ち込んだ。

 

飛翔「まさか!!」

 

飛翔は、あの島での事を思い出す。

 

飛翔「まゆっち!急いで沙也佳ちゃんを連れて逃げるんだ!!」

 

由紀江「で、ですが!!」

 

飛翔「早く!こいつはもうすぐ化け物になる!!2人を護りながらは無理だ!!」

 

由紀江「…クッ!!」

 

そして由紀江は、沙也佳を連れて逃げて行った。

 

飛翔「さて、今回は自分の武器だ。どうにかなるだろ」

 

「グッ…ガアッ!」

 

男の体は、どんどん変化してゆく。

 

飛翔「前の奴より酷いじゃないかよ!とにかく、広い場所に行かないと!!」

 

取り敢えず外に出る事にした。後ろから男が追いかけて来ているが、まだ完全に進化しきれていないのか動きが遅い。だが、それも一瞬だった。外に出た瞬間、背後から物凄い勢いで突進してきたのであった。

 

飛翔「がはっ!!」

 

そのまま手すりに叩き付けられる飛翔。

 

『ホウ…アノ攻撃ヲ防イダカ』

 

飛翔「…なるほど、意識は以前と比べるとはっきりしてるって訳か」

 

落ちた刀を拾いながらそう言う。

 

飛翔(さて、どうしたものかな…)

 

相手から目を離さないようにしながら、どうするか考えていた。一方、沙也佳と外に出た由紀江は…

 

沙也佳「こ、ここまで来れば安心だね」

 

由紀江「そうね」

 

そんな話をしてると、ダムの方から大きな音が聞こえた。

 

由紀江「飛翔先輩…」

 

すると由紀江は、持っていた刀を握り締めダムに向かう。しかしそれを沙也佳が止める。

 

沙也佳「お姉ちゃん!危ないよ!!」

 

由紀江「離して沙也佳!飛翔先輩が!!」

 

沙也佳「でも!その飛翔さんが言ってたじゃん!!『ここから逃げろ』って!!」

 

由紀江「確かにそうですけど…」

 

沙也佳に言われ、飛翔に言われた事を思い出す。

 

沙也佳「それに、いくらお姉ちゃんが強くても、あんな化け物相手にするのは無理があるよ!せめて、もう少し助っ人がいれば…」

 

由紀江「!!それです!」

 

すると由紀江は持っていた携帯を取り出し、何処かに連絡をした。さて、場所は戻ってダム…

 

飛翔「ふん!はぁ!!」

 

『グハハハ!!効カヌハ!!!』

 

攻撃をするが、相手の皮膚は硬く弾かれる。

 

飛翔「やはり、普通に斬っても駄目ですね…」

 

『当然ダ!コノ皮膚ハ、鋼鉄並ノ強度ナノダ!』

 

自分の胸を叩きながら笑う化け物に変身した男。

 

飛翔「…だったら、出し惜しみは出来ませんね」

 

そう言うと、飛翔は気を集中させ始める。

 

『これは…』

 

その光景に、流石の男も驚く。

 

飛翔「さぁ、第二ラウンドだ!」

 

『面白い!!』

 

飛翔「はぁ!!」

 

飛翔は相手が殴りかかてきたのを避け、相手の頭上にジャンプした。

 

『なに!?』

 

飛翔「一刀流…龍槌閃!!」

 

そのまま相手に向かって落下し、斬撃を与えた。

 

『グアアアアアアア!!!!!!!!』

 

見事に相手の右腕を斬りおとしたのであった。

 

飛翔「ふぅ…」

 

距離を取り大きく息を吐く。

 

『グッ…ヤルナ。ダガ!!』

 

すると、先程斬り落とした腕が再生し、最初のとは比べ物にならないくらいゴツイ腕になった。

 

飛翔「なっ!?」

 

これには流石に驚きを隠せない飛翔であった。

 

『グハハハッ!!見タカ!コノ再生能力ヲ!!!』

 

飛翔「クソッ!」

 

悔しがる飛翔。男は大きく笑い出す。その時…

 

「川神流…かわかみ破!!」

 

上空から男に向かって光線が放たれる。

 

『グワアアア!!!』

 

見事に当たり男は吹き飛ぶ。

 

飛翔「いったい…何が?」

 

「随分と苦戦してるみたいだな」

 

声が聞こえた方を向くと、ここにはいない人物達がいた。

 

飛翔「モ…モモ先輩!!?それに…」

 

「やっ、飛翔君♪」

 

飛翔「燕先輩に天衣さんも!?」

 

上空にはヘリがあり、そこからも次々と人が降りてくる。

 

「よう」

 

飛翔「あずみさん、それに李さん達まで。どうしてここに?」

 

由紀江「私が連絡したんです」

 

すると、逃げたはずの由紀江がいた。

 

天衣「私に連絡がきてな。それで九鬼に連絡したのだ」

 

あずみ「連絡がきた時は驚いたが、あの時の化け物と戦ってるって聞いてな。英雄様の許可をもらって来たんだよ」

 

燕「それにしても…」

 

先程の百代の攻撃を喰らい、驚異の再生能力で体を再生した男。

 

百代「ほう…私の攻撃を喰らってもあの程度か」

 

飛翔「いえ…よく見て下さい。モモ先輩の攻撃を喰らった場所が再生されてるんです」

 

ステイシー「ファック!なんだよそりゃ」

 

燕「まるでモモちゃんの瞬間回復みたいだね」

 

飛翔「それだけならいいんですが、再生した場所が更に強靭になってるんですよ。ただでさえ硬い皮膚なのに…」

 

刀を持ちながらそう答える。

 

天衣「つまり、生半可な攻撃じゃあいつが持ってる再生能力で再生されるて事か」

 

あずみ「なら簡単だ。再生でいない程の攻撃をあいつにぶち込めばいいんだろ?」

 

李静代「簡単に言いますねあずみ」

 

燕「でも、これだけいればいけると思うよん」

 

それぞれの言葉に同意する。

 

飛翔「だったら皆さん、少しだけ時間を稼いで下さい」

 

『えっ?』

 

その言葉に全員が飛翔を見る。

 

飛翔「あいつを痛めつけてくれれば、後は俺が何とかします。ですのでお願いします」

 

百代「…分かった」

 

燕「了解だよ」

 

そして、飛翔を残して全員が攻撃を始める。

 

飛翔「はああああああああ!!!!!」

 

飛翔は今までにない位気を集中させる。

 

百代「川神流、富士砕き!!」

 

燕「やああ!!」

 

ステイシー「ロックにいくぜ!!」

 

李静代「参ります」

 

天衣「私について来れるか?」

 

それぞれが攻撃を男にぶつける。

 

『グウウ…チョコマカト!!』

 

周りから一斉に攻撃され、徐々にダメージが蓄積される。しかし…

 

『鬱陶シイワ~!!!』

 

暴れだした男の攻撃に、百代達は吹き飛ばされる。

 

百代「うわあ!!」

 

燕「きゃああ!!」

 

あずみ「ぐわああ!!」

 

ステイシー「ファック…」

 

李静代「…強い」

 

天衣「ああ…」

 

ボロボロになった百代達を見て、男は大笑いする。

 

『グハハハハハ!!!今ノ俺ニ敵ウ者等イナイ!!』

 

百代「それは…どうかな?」

 

『ナニ?』

 

百代の言葉に男は問う。

 

あずみ「ああ、あれを見てみな」

 

あずみの言葉に男はそっちの方を見る。そこにいたのは飛翔だった。

 

飛翔「皆さん…お待たせしました」

 

『グハハハ!!貴様1人デドウスルツモリダ!』

 

飛翔「いや…これで終わりだ!」

 

大きく刀を振り上げる。

 

飛翔「破邪剣征…桜花放神!!!!!」

 

そう叫ぶと、ピンク色した光が男目掛けて放たれた。

 

『グッ…グワアアアアア!!!!!!!』

 

光に包まれ、男は完全に消失したのであった。

 

飛翔「はぁ…はぁ…」

 

技を放った飛翔は肩で息をする。そして…

 

 

 

 

パキン

 

 

 

 

持っていた飛翔の刀は真っ二つに折れた。

 

由紀江「飛翔先輩!!」

 

すぐに由紀江を始めとするメンバーが飛翔の所に集まる。

 

百代「無事か飛翔!」

 

飛翔「え、ええ…なんとか」

 

燕「よかった~」

 

天衣「ああ」

 

あずみ「けど、お前の刀はこの通り真っ二つになっちまったぜ?」

 

折れた刀を見せる。

 

飛翔「そうですね…あの技にその刀が耐えられなかったみたいですね」

 

あずみ「まぁ、刀については九鬼でどうにかしてやるよ」

 

飛翔「ありがとうございます」

 

天衣「では戻るとするか」

 

そして全員が九鬼のヘリに乗り込み、由紀江の屋敷に戻るのであった。戻ると、由紀江の両親からお礼を言われ、沙也佳は無事に戻って来た由紀江と飛翔に抱き着いた。その光景を見て、由紀江を除く女性陣が飛翔達を睨んだのは言うまでもなかった。




破邪剣征桜花放神(サクラ大戦)
剣を振り下ろし、発せられる衝撃波で敵を一刀両断する。

龍槌閃(るろうに剣心)
足腰のバネを利用して相手の上空にハイジャンプし、上空から強烈な振り下ろしの斬撃を与える技。
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