真剣で料理人をやりなさい!?   作:シャト6

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第39話

休み時間、誰にも見つからない場所にいた。それは体育館裏である。そしてそこで再び先程の手紙に目をやる。

 

【お前の母親は淫売だ。親が淫売ならお前も淫売だ。近寄るな】

 

「ご丁寧に、パソコンで書いてるな。これだと筆跡なんかは期待できないな。それに、気も感じないから気とは無縁な連中だな」

 

手紙から軽く気を探る。しかし、そこからは何も感じない為一般人の仕業であると考え始める。しかし…

 

「正直言って、気が分かってくれた方が探しやすいんだがな。逆に探す手間が増えたからな」

 

そう思いながら手紙をポケットにしまう。

 

「取り敢えずこれだけじゃ犯人を捜すのは難しいな。暫くは早めに学校に来て確認するか」

 

丁度その時チャイムが鳴り、俺は教室に戻っていった。そして翌朝、俺はいつもより早めに登校し椎名の下駄箱を確認する。すると、上履きに落書きがされていた。淫売娘、ビッチ等色々と書かれていた。

 

「ったく、高校生にまでなって虐めとかガキかよ」

 

そうボヤキながら上履きを取り出し、念の為に持ってきてたたわしと洗剤で汚れを落とす。しかし油性で書かれている為なかなか落ちない。

 

「チッ、全然落ちないな」

 

洗うのを諦め、財布を取り出して同じ大きさの上履きを買い、椎名の下駄箱に入れておく。

 

京「あれ?」

 

登校して下駄箱を開けた京。すると、自分の上履きに違和感を覚えた。

 

京「…新しくなってる?」

 

それから暫くは、自分の下駄箱に何もされていない事を不思議に思う京であった。そして数日後、ようやくあんな事をした犯人を見つけた。

 

「へっへっへ。今日は画鋲を入れてやるぜ」

 

「何がそんなに面白いんだ?」

 

「!?」

 

画鋲を入れようとした男は、慌てて声がした方に振り向く。

 

「お、お前は!?」

 

「俺の事はどうでもいい。だが、そこはお前の下駄箱じゃないよな?」

 

ゆっくりと俺は男に近寄る。

 

「お、お前には関係ないだろ!!」

 

すると、一緒にいた男がそう言う。

 

「関係ないか。ま、ここじゃ人目が付く。ちょっと面貸せ」

 

そして俺を含めた4人は、体育館裏に移動した。その光景を見ていた人物に気が付かないまま。

 

京「あれって」

 

場所は変わって、体育館裏に来た4人。

 

「さて、何でこんなしょうもない事をしてたんだ?」

 

「別にいいだろ。あんな淫売な奴」

 

「それに、俺達には強力な後ろ楯があるんだぜ!」

 

「後ろ楯?」

 

「麻呂の事でおじゃる」

 

そう言いながら現れたのは、この学園の日本史担当の教師である綾小路麻呂だった。

 

「何故教師である貴方がそんな事をしているんですか?」

 

綾小路「そんなの決まっておろう。この学園を綺麗にするためでおじゃる」

 

「綺麗に?」

 

綾小路「そうじゃ。あのような淫売の娘などがおれば、他の生徒達にも悪影響じゃからの。もっとも、2年F組におる風間ファミリーの連中もそうじゃがの」

 

その言葉に、俺は握っていた拳に更に力が入る。しかし、ここで殴ってはいけない。

 

「貴方は教師として恥ずかしくないんですか!!」

 

綾小路「だまりゃ!麻呂は日本三大名家であるぞ!麻呂に手を出せばどうなるかわかるでおじゃろう?」

 

「……」

 

その言葉に、我慢してたが等々キレてしまった。

 

「…んなくだらねぇ理由で、俺のダチにあんなことをするように頼んだのか?」

 

そう言葉を発した瞬間、川神学園が不穏な空気に包まれる。

 

綾小路「な、なんでおじゃる!?」

 

「「「あ…あぁ…」」」

 

綾小路は辺りを見回し、後ろにいた学生達はビビって腰を抜かしていた。

 

「そんなくだらない理由で俺のダチに手ェ出したのかって言ってんだよ!!」

 

その時、パキッと音がした。

 

綾小路「ふ、ふん!あのような者を庇うなど、お前はどんな教育を受けたのでおじゃろうな。親の顔が見てみたいでおじゃる」

 

しかし綾小路は喋るのを止めない。

 

綾小路「おぉそうであった。貴様の親は既に死んでおったな。まぁ、ロクな親でなかったのでおじゃろうな」

 

その言葉を聞いた瞬間、俺の中で何かが切れた。次の瞬間、今までにない位巨大な気が川神市全体を覆った。同時にそれは、川神市内に住んでいる武道家達が一瞬で気が付くほどである。俺はゆっくりと、1歩ずつ麻呂に近付いていく。

 

綾小路「ま、麻呂に手を出せばどうなるか分かっているのでおじゃるか!!」

 

「んな事はどうでもいいんだよ。俺はテメェのその腐った根性を叩きなおしてやるよ」

 

片手で指をボキボキと鳴らす。

 

綾小路「ひ、ひえええええ!!」

 

綾小路は完全に戦意喪失していた。俺が一歩踏み出した瞬間、俺と屑の間に数人が割り込んだ。

 

「やれやれ、何事かと思って来てみれば」

 

「まさかこの気の正体がお前とはな」

 

「…そこをどいて下さい。学園長、モモ先輩」

 

前方にいたのはこの学園の学園長である川神鉄心。そして武神であるモモ先輩。

 

「驚いたネ。まさか君の気がここまでとハ」

 

「ホントだよねん」

 

後ろには体育教師であるルー・イー。納豆小町こと燕先輩。他にもマルギッテや忍足あずみ、まゆっちが来ていた。

 

鉄心「すまぬがそうはいかんのぅ」

 

「では貴方は、そこの屑教師であるそいつを護るんですね」

 

鉄心「確かに綾小路先生には反省してもらうつもりじゃ。じゃが、今のお主では綾小路先生を殺してしまいかねんからの」

 

「ええ、はっきり言って俺はそこの屑を殺す気でいますよ」

 

更に気を大きくする。その気にルーやまゆっち、更には燕先輩達は膝をつく。

 

ルー「こ、これハ…」

 

燕「そ、想像以上だね」

 

由紀江「まさか…飛翔先輩がここまでだったとは」

 

マルギッテ「し、信じられません」

 

あずみ「マジ…かよ」

 

しかし、流石の鉄心さんとモモ先輩はまだ立っていた。既に後ろにいる4人は気を失っているが。

 

百代「しかし驚いたぞ。今までお前から気の気配なんか感じなかったからな」

 

「ああ、それは…」

 

すると俺は、自分の足元に落ちていた鎖を取る。

 

「こいつのお陰ですよ。俺の力は加減などできませんからね。全て一撃死なんですよ」

 

鉄心「なんと!?」

 

百代「そこまでとはな」

 

「で、どうします?悪いですけど俺はそいつに一発いれるまで止めませんよ?」

 

鉄心「ならば仕方ないのう。顕現の参・毘沙門天」

 

鉄心さんはすぐさま技を出す。その技は 0.001秒の一瞬で、闘気によって具現化した天から毘沙門天の巨大な足によって対象を踏み潰す。当然ながら俺はそのまま踏みつぶされる。

 

百代「おいジジイ、流石にやり過ぎじゃないか?」

 

鉄心「じゃがモモよ、ああでもせねばあ奴は止まらぬぞ」

 

そう話す2人。しかし次の瞬間、2人は再び戦闘態勢に入る。

 

「危なかったですよ。素早くこいつを出さなかったら負けてたでしょう」

 

毘沙門天の巨大な足は、いくつもの手で止められていた。足をあげ俺を持ち上げる。

 

百代「なっ!?」

 

鉄心「これは!?」

 

「百式観音!」

 

俺の背後には、具現化した観音が出現していた。

 

鉄心「なんと!?わしの技とそっくりじゃ!!」

 

「…悪いが邪魔するならアンタでも容赦しないぞ」

 

百代「面白いぞ飛翔!」

 

笑いながらモモは俺に向かって来る。俺は手を合わせる。

 

「…百式観音・壱乃掌」

 

次の瞬間、俺の背後にいた巨大な観音が動き出し、1つの手が凄まじい速さで百代に襲い掛かる。当然、その速さにモモ先輩は避ける事が出来ず弾き飛ばされてしまった。

 

百代「グアァァァァァァ!!!!!!!」

 

鉄心「モモ!!」

 

モモ先輩は吹き飛び、体育館の壁を突き破った。

 

鉄心「ヌゥ…まさかここまでの強さを持っていたとは」

 

「おい鉄心、これは何事だ」

 

すると、後ろから金髪の老人が同じ老人を連れてやって来た。

 

鉄心「ヒュームか。いやなに、ちょっとトラブルがあっただけじゃよ」

 

「ですが、まさかあの百代様がいとも簡単に吹き飛ばされてしまうとは」

 

ヒューム「ほう…中々な赤子のようだな」

 

「ヒュームさんにクラウディオさん、貴方達も邪魔をするんですか?」

 

ヒューム「ふん!調子に乗るなよ赤子が」

 

クラウディオ「ヒューム、あまり相手を刺激しないで下さい」

 

その言葉に反応したかは知らないが、再び観音が動き出す。

 

「百式観音、参乃掌」

 

鉄心「いかん!皆避けるんじゃ!!」

 

いち早く鉄心が叫ぶ。それに反応できたのは鉄心さんとヒュームさんだけであった。まゆっちやあずみさん達は左右から来る手に挟まれてしまった。

 

鉄心「どうやら、無事なのはわし等だけなようじゃな」

 

ヒューム「フッ、何時ぶりだろうな。ここまで血が騒ぐのは」

 

鉄心「ほっほっほ。そうじゃの」

 

そう言うと2人は、今までにない位気を高める。

 

ヒューム「いくぞ赤子!ジェノサイド・チェーンソー!!!!!」

 

鉄心「顕現の七、神須佐能袁命八岐斬り!!!!!!」

 

2人は俺に向けて攻撃を放つ。しかし、2人の攻撃は百式観音の掌によって全て防がれてしまった。

 

鉄心「なんと!?わしらのあの攻撃すら防いでしまうのか!!」

 

ヒューム「中々面白い」

 

すると、先程吹き飛ばされた百代が戻って来た。

 

百代「やるな飛翔」

 

鉄心「モモ!!無事じゃったか!!」

 

百代「ああ。けど、まさか吹き飛ばされたと同時に気まで吸収していたとはな。お陰で瞬間回復が一回しか使えなかった」

 

その言葉を聞いて鉄心さんは驚きを隠せなかった。

 

鉄心(彼は既にわしらをも超えておる。その様な者をどうやって倒すかのぅ)

 

そう考えていると、俺は動き出す。

 

「百式観音・九十九の掌」

 

俺は、両手で数字の9を作る。それが完成した瞬間、百式観音の全ての手が高速に動き、鉄心さん達に襲い掛かったのであった。

 

 

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドどドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

そして、激しかった攻撃が終わる。

 

鉄心「ぬぅ!!」

 

ヒューム「グッ!!」

 

百代「な、何て攻撃だ」

 

3人は既にボロボロになっていた。

 

鉄心「川神流奥義、瞬間回復!!」

 

鉄心さんはまだ気がある為、瞬間回復で傷等を回復させた。

 

鉄心「モモ、お主はもう下がっていなさい」

 

百代「ふざけるな!って言いたいとこだけど、もう気も残っていないしここは言う通りにするか」

 

鉄心「お主もじゃヒューム」

 

鉄心さんは横にいるヒュームさんにも話しかける。

 

ヒューム「フン!俺まだ無事だ」

 

鉄心「そんなにボロボロの状態で言われてものぅ」

 

ヒューム「話している暇があるのか?」

 

そう言われ前を向くと、百式観音の口が開き物凄い気が集中していた。

 

鉄心「あれはまずいのう…」

 

流石の鉄心さんも冷や汗が止まらないようだ。そして誰もが発射されると思った瞬間声が聞こえた。

 

「待って飛翔!もう止めて!!」

 

その声の主は、椎名であった。




百式観音(HUNTER×HUNTER)
皆様ご存じ、HUNTER×HUNTERのアイザック=ネテロの技です。作者がここ最近ハマっている為登場させていただきました。
超高速の両手の動きから、ありえない方向から攻撃を飛ばして攻撃する。両手を合わせるだけで発動し、その速度はすさまじい。


百式観音(ひゃくしきかんのん)壱乃掌(いちのて)
背後に展開させた大量の腕を持つ巨大な観音が、 腕を振るって攻撃をしかける。


百式観音・参乃掌(さんのて)
背後に展開させた大量の腕を持つ巨大な観音が、相手を挟みこむようにして合掌する。


百式観音・九十九の掌(つくものて)
指で「99」の文字を作ることで、具現化させた数十の手を持つ巨大な観音像が連続の掌底を繰り出して攻撃をする。相手に反撃の暇さえも与えない。
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