飛翔「今日もいい天気だな~♪」
今日は学校が休みなので、店も休みにしている。ブラブラと河原を歩いてると土手に腰掛けてる男と女の子がいた。
飛翔「ん?」
「君、これ以上総理に近づかないでくれたまえ」
飛翔「総理?」
「あ~構わねぇ」
「ですが・・・」
「いいって言ってるだろ?お前さんも、ここに座らないか?」
飛翔「は、はい・・・あれ?君はたしか」
「は、ははは、初めまして!!黛由紀江と申しましゅ!!」
飛翔(・・・噛んだ)
総理(噛んだな、由紀江ちゃん・・・)
由紀江「あうううう」
噛んだ本人は、顔を赤くして穴があったら入りたいって顔をしている。
飛翔「ん?黛・・・もしかして、大成さんの娘さん?」
由紀江「父をご存知なのですか?」
飛翔「かなり昔ね。ところで・・・」
俺は黛さんの隣にいる総理を見る。
飛翔「何で黛さんは、総理と一緒に?」
由紀江「よ、呼び捨てでか、構いません!!でで、出来ればまゆっちとお呼びください!!!」
『いきなりアダ名とか、まゆっちも成長したな』
突然話し出したストラップ?
飛翔「えっと・・・」
ここはツッコミをした方がいいのか?それとも、このまま無視した方が・・・
由紀江「この子は松風といいます。九十九の神が宿っているのです」
松風『よう!オイラ松風ってんだ♪宜しく頼むぜ』
飛翔「・・・・・・・」
何処からどう見ても、腹話術にしか見えないけど・・・本人がそう言うならそうなんだろう。
飛翔「そ、そうなんだ。宜しくね松風」
松風『おう!』
飛翔「俺の名前は川盛飛翔、川神学園の2年だ」
由紀江「宜しくお願いします!川盛先輩!」
飛翔「飛翔でいいさ。それより、何で総理がこんな所に?」
総理「息抜きだよ息抜き。友達の由紀江ちゃんとな」
飛翔「凄いなまゆっち。総理と友達って」
由紀江「い、いえいえ!私のような者が、日本のトップで在らせられる総理とお友達などと!!」
総理「俺は由紀江ちゃんの事を、友達と思ってるぞ?」
松風『よかったなまゆっち』
由紀江「はい松風!ここは、一筆入れるべきでしょうか?」
松風『取り合えず落ち着こうぜまゆっち』
由紀江「・・・はい」
自分で自分を落ち着かせた由紀江であった。
飛翔「ならさ、俺とも友達になってくれよ」
由紀江「よ、よ、宜しいのですか!?」
顔が物凄く強張っている。
飛翔「あ、あぁ・・・まゆっち、顔が怖い」
由紀江「はっ!?」
飛翔「落ち着いて。で、どうかな?」
由紀江「は、はい!私からもお願いします!!」
総理「よかったな由紀江ちゃん」
飛翔「総理もどうです?ウチの名刺渡しときますんで」
飛翔から名刺を受け取ると、総理は驚きの表情になる。
総理「おめぇさん・・・これは本当かい?」
飛翔「はい。元々両親の後を継いだんですけどね」
総理「そうか・・・おめぇさんが」
飛翔「出来れば、この事はまゆっちにも内緒で」
総理「由紀江ちゃんにもかい?」
飛翔「いずれ俺から話しますよ♪」
総理「・・・そうかい。なら、俺からはなにも言うまい」
「総理、そろそろ・・・」
総理「分かった。由紀江ちゃんに飛翔よ、また会おう」
そう言い残して、総理は行ってしまったのであった。まゆっちもこの後、友達と待ち合わせだそうなのでその場で別れた。俺は再び河川敷を歩き出す。景色を眺めながら歩いていると・・・
グニュッ
何かを踏んだ感触がした。その上・・・
「ううっ・・・」
呻き声の聞こえた。恐る恐る下を見ると、俺の足の下に女性が倒れていた。
飛翔「ちょっ!?だ、大丈夫か!!」
俺は慌てて女性に声をかける。
「・・・た」
飛翔「なに?なんだ?」
俺は女性の口元に耳を近付ける。
「・・・お腹・・・空いた」
飛翔「・・・へっ?」
その言葉に、俺は間抜けな声を出してしまった。
飛翔「・・・取り合えず、家に運ぶか」
そう決めた俺は、女性を背負い家に向かったのである。到着して女性をベッドに寝かせると、俺は早速料理を作り始めた。調理をしていると、女性が目を覚まし起きてきた。
飛翔「気が付きました?」
「ここは?」
飛翔「俺の店ですよ。近かったんでここに運んだんです。河川敷で倒れてたんですけど、覚えてます?」
「ああ。空腹で意識を失ったのを覚えている。世話になったな。では」
女性は、店を出ていこうとする。すると飛翔はカウンターに料理を置く。
飛翔「ちょっと待ってくださいよ。せっかく料理も作ったんですから、食べていって下さいよ」
「しかし・・・」グーッ
女性のお腹が鳴った。顔を赤くしていた。
飛翔「お腹は正直みたですね。座ってください」
「いや・・・」
俺は無理矢理彼女を座らせる。そして、作った料理を並べた。
飛翔「どうぞ召し上がれ」
「私は、今持ち合わせが…」
飛翔「金はいいですよ。俺が勝手に作ったんですから」
「だが…」
頑として女性は料理に手をつけなかった。
飛翔「いいから。誇りがあるのは分かります。武道を嗜んでいるあなたに」
「だったら!」
飛翔「誇りに死ぬのもいいですが、ご飯を食べて生きてみれば見える明日もあるんじゃないですか?」
「・・・い、いただきます」
飛翔の言葉に負け、女性は飛翔が作った料理を一口食べる。すると、物凄い勢いで料理を食べていく。そして、あっという間に料理はなくなった。
「ふぅ」
そして満足な表情になっていた。
飛翔「美味かったでしょ♪」
「ああ、こんなに美味い料理は初めて食べた」
飛翔「そりゃよかった」
飛翔は空いた食器を下げて洗い物を始める。それが終わり女性にお茶を出す。
飛翔「ところで、何であんな場所で倒れてたんです?」
「実は・・・私は不幸体質でな」
飛翔「・・・はい?」
突然の言葉に、飛翔は洗ってた手を止めた。
「いきなり言われてもピンとこないかもしれないが、本当の話なんだ」
飛翔「不幸体質って、何処まで不幸なんです?」
「前に知り合いの家に行った時、隕石が堕ちてきた」
その言葉に、飛翔は何言ってんだこの人と思ってしまった。
飛翔「嘘でしょ?」
「本当だ。後は、財布を溝に落として一文無しになり、そこら辺の雑草で2日はしのいだが」
飛翔「oh・・・」
「アイス等を買っても、一口も食べれず落ちるのは当たり前だ」
飛翔「・・・・・・」
ついに飛翔は、何も言えなくなってしまった。しかし、そこで疑問に思うことがある。
飛翔「でも、さっきの話が本当なら、今頃俺の店に隕石が堕ちてきても不思議じゃないよね?」
「そう言われれば・・・ご飯も普通に全部食べれたし」
飛翔「・・・本当に不幸体質なんですか?」
「疑うなら、試してみればいい」
そう言われたので、飛翔は簡単なクジを作った。
飛翔「じゃあ、ここから当たりを当ててください」
「クジは、1度も当たった事はないからな」
そう言いながら引くと、見事に当たりを当てていた。その後、何度やっても当たりが出る。
「そんな馬鹿な!?」
本人はかなり驚いている。原因は、飛翔は風間翔一以上の強運の持ち主であり、それは周りにも影響するのである。つまり、女性の不幸体質を消してしまうほどの強さである。
飛翔「ま~不幸体質は嘘と言うことで。それと、お互い自己紹介しませんか?」
「すっかり忘れていたな。私は橘天衣だ」
飛翔「川盛飛翔です。橘って、もしかして四天王の!?」
まさかの人物に驚く飛翔。
橘「そうだ。元だがな」
飛翔「それで、橘さんはこれからどうするんですか?」
橘「天衣で呼び捨てで構わない。君は私の命の恩人だ」
飛翔「あ~・・・追い追い慣れていきます」
橘「ハハハッ、そうしてくれ。後、はっきり言えば行くところはないな。当然金もない訳だし」
落ち込みながら答える橘さん。
飛翔「だったら、住み込みで働きませんか?」
橘「住み込みって、この店でか?」
飛翔「ええ、この店は元々俺の両親がしてた店です。そこで働いて、家の警備等もしてくれると嬉しいです。当然お給料は出しますよ?」
橘「・・・ありがたい。是非ともお願いしたい」
飛翔「分かりました。これから宜しくお願いしますね♪天衣さん」
橘「呼び捨てでいいと言っただろ?」
飛翔「暫くは我慢してください」
橘「仕方ないな」
こうして、新たな住人とスタッフを迎え入れた飛翔であった。