AtoZの所持者≪改≫   作:GENERAL

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2-4の壁にぶち当たりました…
戦艦育てなきゃ…


第13話 華麗なる逃走劇

「あのー……」

「何だ」

「カツ丼とか出ません……よね?」

「生憎ここは取調室じゃなくてなぁ、それにそんなのは大昔のドラマだけだ」

「で、ですよね〜……」

 

 やぁ、茅野咲だよ。

 色々あって拘束衣を着せられて窓の無い部屋なうだよ。

 こんな物着る機会があるなんて人生何が起こるかわからないもんだね。

 何で人助けしてこんな目に会わなきゃいけないんだろうね。

 クソが。

 

 

 

 

 ……話は2時間ほど前に遡る。

 機動隊に捕らえられた俺は大人しく従い、拘束衣を着せられて連行されていた。

 ドライバーは懐に仕舞ってあったので今のところは無事だ。

 もっとも取り出す事はできないが。

 

「あの、俺何か悪い事しました?」

「……」

「無視ですかそうですか…」

 

 両隣を歩く隊員に話しかけても沈黙しか帰って来ず、できることと言えば頭の中で神に対する呪詛を唱えまくる事くらいだった。

 何故俺がこんな目に遭わにゃならんのだ。

 

 少し横を向くと織斑選手が眉間に皺を寄せて歩いていた。

 貴女の弟さん助け出したの俺なんですけども。

 と言うかさっきの通信で話したばっかなのに覚えてないの?

 ねぇこっち向いてよ。言いたいことがもっとあるんだよ。

 

 そんな事を考えていたら凄い目で睨まれた。

 おぉ怖い怖い。

 でも本気で怒った時のリー姉の方が怖いな。

 視線だけで動けなくなったのは後にも先にもあの時だけだ。

 

 澄まし顔で死線、もとい視線を流していると、舌打ちをして前に向き直ってしまった。

 いや、だから助けたの俺……まぁいいか。

 

 その後はまぁ、目隠しをされて車に乗せられて運ばれて、部屋に放り込まれたわけだ。

 いやぁ〜乱世乱世。

 脱獄はできそうにないでゴザル。

 

「あの、刑事さん、お名前は?」

「なんだ、随分と余裕があるんだな。こんな状況だってのに」

「い、いやぁ……知った顔に似ていたものですから…」

 

 どっからどう見ても泊進ノ介にしか見えないんだよなぁ……

 とは言っても仮面ライダードライブは既に放送が終わっているし、中の人も別に居るから他人の空似なんだろうけど。

 

 しかしこの状況……さしずめ俺は合体スペシャルの時の天晴といったところか。

 生憎忍者になる予定は無いがな。

 

 と、そこへノックが鳴り響き、泊巡査(仮)はドアを開ける。

 入ってきたのは……普通の人か。

 ここで霧子とか来たら面白いのに。

 

「泊警部補!報告があります!」

「どうした?」

 

 うお、苗字まで同じだった。

 ……って警部補!?

 思ってたよりだいぶお偉いさんだったのか……

 

「それが……織斑一夏があの人に会わせろと……」

「弟くんが?……分かった。但し特殊面会室を使う。拘束衣もそのままだし、長くても5分程度だと伝えてくれ」

「了解」

 

 おぉ、主人公君ナイスプレー。

 これで俺の身の潔白が証明されれば、晴れて解放……

 

 

 ……待てよ?

 

 よくよく考えると、これはかなりマズイんじゃなかろうか。

 

 誘拐犯達の前ではメットをつけていたから顔はバレていないし、男がISを使っていたという証拠も無い。

 織斑選手は……どうだろう。何故か俺の事を覚えていない様子だったし、今更会う事も出来ない。

 だがしかし。主人公君はおそらくISに乗っていた中身が俺だと知っているだろう。

 そしてその事をバラされていたとしたら……

 

 解剖、実験、モルモット……

 嫌な単語ばかりが頭に浮かぶ。

 

 ……仕方がない、逃げるか。

 犯罪者の烙印を押されるだろうが、実験動物になるよりは遥かにマシだ。

 

 幸いな事に着せられた拘束衣は手を前で固定するタイプだったので、引きちぎるのは容易かった。

 しかも運が良いことに持ち物も取り上げられていない。

 

「ふっ……ぬっ……らぁっ!」

 

 バツン、と響いた音に、ドアの方を向いていた泊さんは慌てて振り向く。

 

「なっ……お前!」

「保釈金は後日お支払いしますんで!」

 

 軍服の上着のポケットに隠してあった超小型スモークグレネードを放り投げ、起爆させる。

 ドイツの科学力は世界一ィ。

 いや今は日本が世界一だけどもそこは置いておいて。

 

「うわっ!ま……待て!」

「待てと言われて待つ馬鹿は……い、ま、せんッ!」

 

ドアの横の壁を強化した拳で何度か殴りつけて破壊し、出口であろう方角へ走り抜ける。

 

「……?おい君、一体どこから……」

「失礼!」

 

 曲がり角から現れたおっさん……あの人現さんじゃね?

 まぁ特に気にせず、顎に渾身の左フック(強化解除済み)を叩き込む。

 これも何度か元帥閣下にやられた技だ。

 顎を殴ると脳震盪を起こして気絶してしまうらしい。

 

 骨を折らないように加減したつもりだったが、今は確認している暇がない。

 合掌して先に進む。

 

「上に向かう階段は……あった!」

 

 窓のないところを見るに、今居るところは地下のはずだ。

 上に向かえば窓の一つくらいあるだろうし、そこから脱出する事にする。

 

「居たぞ!絶対に通すな!」

「あぁもう……あと少しだってのに……」

 

 階段の途中で5人程度に塞がれた。

 もう情報が伝わったか。流石というか何というか。

 こんな時は……

 

「上手くいってくれよ……念糸!」

「な、なんだ、体が……」

「た、隊長、体が動きません!」

 

 よっし上手くいった。

 ハンターハンターではなく結界師の方をイメージして作った念糸で、隊員さん達の体を纏めて縛りあげたのだ。

 まぁ今回はたまたま上手くいっただけなので、この隙に脇を抜けてとっとと退散する。

 去り際にコッソリ拳銃を奪うのも忘れずに。

 使うかどうかは分からんが念の為だ。

 

 

 

 

 

「しっかし入り組んでんな……テレビ局かっつの……」

 

 そのまましばらく走り続けたが、占拠されにくい造りが行く手を阻み、中々思うように上に上がれずにいた。

 もういっそIS展開して上まで突っ切ってやろうかと考えたが、下にいる人が埋まってしまう可能性もあるからそれはしたくない。なるべく。

 となるとやっぱり正攻法で行くしか……待てよ?

 

 前後の安全確認完了。人の気配は近くには無い。

 何でそんな事が分かるのかって?……鍛えてますから。

 

 懐から取り出したドライバーを素早く腰に当て、上着の内ポケットに入れていたメモリも取り出す。

 

「上手くいくといいけど……変身!」

 

【Joker!】

 

 メモリを装填してドライバーを展開、ISを装着する。

 そんでもって……

 

「えぇと、どっかこの辺弄れば……出た!」

 

 ISには操縦者の視覚その他諸々を補佐するハイパーセンサーとやらが搭載されている。全方位視界接続だとか、射撃の際の補佐だとか、そう言った事を全て行ってくれる優れ物だ。

 そしてこれをフル稼働させてやれば……

 

「空気の流れを探知、周辺のスキャニング……建物の構造、把握!これで勝つる!」

 

 俺の視界には、かなり詳細なマップが表示されていた。

 もう少し先に分かれ道があり、右に進めば階段があるようだ。

 さらにそこからこう言ってこう進んで……えぇい、面倒くさい。

 

 上に行っても入り組んだ構造が続くようで、少しげんなりした。

 まぁそんな事を言っていても仕方がないので、装着解除してまた走り出す。

 まだ、先は長い……

 

 

 

 

            ◆    ◆    ◆

 

 

 

 

 とは言ってもマップがあるだけでかなりヌルゲーと化した。

 道中出くわす機動隊であろう人たちとか刑事さんとかは全て殺さず無力化。

 我ながら上出来である。

 

 そしてとうとう、この建物の一階に辿り着いた。

 あとは窓の一つでも探して逃げるだけ……なのだが……

 

「そこを動くな!貴様は既に包囲されている!」

「……そのセリフをリアルでまた聞くとは思わなかったなぁ……」

 

 一階に辿り着いた俺を待ち受けていたのは、数十人もの機動隊全員が銃をこちらに向けているという絶望的な状況だった。

 階段の後ろにも前方の廊下にも大量にいる上に、開いた部屋の入り口からも銃が覗いているのが見える。

 おまけに付近には窓無し。あるとしたらずっと先に見える正面入り口くらい、か。

 

(これは……想像以上に詰んでるっぽい?)

 

 ドライバーはもう仕舞ってあるし、取り出そうと少しでも動けば確実に撃たれるだろう。

 いや撃たれても死にはしないが、痛いものは痛い。

 それにこれだけの数に一斉に撃たれたら流石の俺と言えど原型を留めていられない。

 人肉ミンチの完成ってか。今夜のオカズはハンバーグかな?

 そうじゃない。

 

 動こうに動けない、絶体絶命の状況、そんな時だった。

 

「…………何か、来る?」

 

 一応全身強化を施しているために聴覚も過敏になっており、何かが飛んでくるような音をキャッチした。

 この音は何度か聞いたことがあるからすぐ分かる。

 そう、この独特の風切り音は……

 

「……RPG!?」

 

 とっさに身を屈めると、前方から飛んできた砲弾はうまいこと機動隊の間をすりぬけ、近くの壁に命中する。

 爆発するかと思いきや壁に突き刺さり、かなりの量の煙を吐き出し始めた。

 

「ゲホッ……ぐっ、催涙弾だ!」

「何だ一体……ブエックショイ!どこから飛んできた!」

「分かりません!エックショイ!」

 

 隊員の人達が途端にくしゃみを連発し、隙だらけになった。

 勿論俺も被害を受けているが、これなら何とか脱出でき……

 

 ガシッ

 

 ……ガシッ?

 

 突然後ろから腕を掴まれ、

 

「ちょっと失礼するね♪」

「ムグッ!?ン……」

 

 口に押し当てられたこれは……麻酔……か……

 

 薄れゆく視界の中に、一瞬だけ兎が映ったような……

 

 

 

 

            ◆    ◆    ◆

 

 

 

 

――その頃ドイツでは。

 

「咲は大丈夫だろうか……」

「今は多分寝てるわよね……」

「こら、あまり大声を出すな。起こしてしまうだろうが……」

 

 黒ウサギ隊員達が、咲の部屋の前で身を案じているのだった。

 




そういえば仮面ライダーゴーストの情報が結構出回ってますね。
ちなみに私はニュートンの音が好きです。
映画館で聞いた時は中々衝撃でしたが。
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