ようやく2-4突破……!
長かった……!
まさか1週間以上かかるとは……
「ん……むぅ…………ミツザネェ!」
自分の寝言で目を覚ました。
我ながらなんてセリフ口走ってんだ。
「……ここは……」
確か俺は脱走しようとして、あと一歩のところで誰かに捕まって……
「眠らされたんだっけか……にしても何処だよここ」
周囲には怪しげな機械がずらりと並んでおり、モニターに表示された意味不明な数字の羅列がぼんやりと部屋全体を照らしていた。
なんて言うか、すっごく「科学者の部屋」って感じだ。
主にマッドな方面の。
全部私のせいだとか言いそうなタイプ。
「お目覚めですか?」
「ッ!?」
暗闇から突然現れたのは、銀髪の美少女……って、
「ラ、ラウラ……か……?」
小柄な体格、流れるような銀髪、目は閉じているから確認できないものの、外見がほとんど一致していた。
だが声が違うし、何よりラウラはここまで流暢に日本語は話せない。
「私はクロエ。クロエ・クロニクル。こちらへどうぞ、束様がお待ちです」
それだけ言うとまたゆらりと消えてゆく。
「お、おいっ!……何なんだよ一体……」
タバネサマ……とやらが俺を攫った張本人なのだろう。
ん?タバネサマ……たばね様……束様?
……その名前にすっごく聞き覚えがあるんですけど……
「嫌な予感しかしねぇ……」
とは言え今は従うほかない。
クロエ……さん?が消えていった方に向かって、とりあえず歩いて行くことにする。
◆ ◆ ◆
「こちらです」
「お、おぅ……」
しばらく進むとまたぬるりと現れ、扉を開いてくれた。
この人は良い人なのか何なのか……
と言うかラウラに瓜二つなところも色々聞いてみたいんだが。
……うん、とりあえず聞いてみよう。
少しでも時間を稼
「早く入ってください」
「うおッ!?」
け、蹴り飛ばして強引に部屋に入れおった……
蹴られた場所をさすりながら前を向くと、誰かが立っているのが見えた。
「やーやー不思議くん!ようこそ我が家へ!」
「眩しっ!」
暗い部屋に突然光が溢れ、目を閉じる。
と言うか今の声……どう聞いてもゆかりんボイスだったよね?
え、何?世界一可愛いよとでも言えばいいの?
いや確かに前世でも今世でも王国民やってるけどさ。
ちなみにこの世界ではもうゆかりんは結構な年……何でもない。
しばらく経ってようやく目が慣れ、目の前にいる人物を把握した。
まず目を引いたのは頭に着いているメカニカルなウサ耳、その次に超弩級の胸部装甲。
……アホやってる場合じゃないな。
ピンク……というか紫か?
日本人離れした髪に不思議の国から出てきたかのような青を基調にしたエプロンドレス。
そう、この世にISをもたらした天災科学者、
「私は篠ノ之束!まぁ知ってるだろうけどさ」
……その気になれば一人で世界制服もできるであろう最恐の科学者が、目の前に居た。
「…………」
「…………」
お、落ち着かねぇ……
とりあえず椅子に座らされてテーブルを挟んで向かい合っているんだが、じぃっとこちらを見つめるばかりで何も話しかけてこない。
正直逃げ出したい。
確実に捕まると分かっているけど逃げ出したい。
「束様、夕食の準備ができました」
「おー!待ってたよくーちゃん!」
あぁ、飯を待ってたのか……
って何だあの皿の中身……
あれは…炭?その横のはマジで分からん……
半透明で四つ繋げたら消えそうな見た目の何かが置いてあった。
篠ノ之博士はそれをフォークで突き刺し、次々と口に運んでいく。
「うん!今日も美味しいよくーちゃん!」
「ありがとうございます。束様」
……誰でも良い……
誰でも良いから……助けてくれッッ……!
◆ ◆ ◆
「さて!本題に入ろうか!」
その後、食後の紅茶……らしい何やらざらざらとした物体を流し込んだ篠ノ之博士は、ようやくこちらに話しかけてきた。
もっとも俺のSAN値は既にピンチなんですけどね。
「は、はい……」
「じゃあ質問させてもらおうか。君、一体何者?何で君からコアの反応があるの?」
「……ええと……」
コアの反応……と言うのはまぁ、俺の懐に入ってるドライバーの事だろう。
生みの親だものな。そりゃ一発でバレるわ。
……どう説明すれば良いんだ?
まさか神から貰ったなんて言っても信じてもらえないだろうし、かと言って誤魔化そうにもこの人には通用しないだろうし……
てか何でこんなアッサリバレるように作っちゃってんだよ。
やっぱりダメダメじゃねーかあの神。
「ねぇ、早く答えないと……
「は、はいぃ!!」
……えぇい、こうなりゃヤケだ。
正直に全部ぶちまけてみよう。
嘘なんて言おうものなら確実に殺られる。
いや死すら生温い「何か」をされる。
「えっと……かくかくしかじかまるまるうまうまで……」
◆ ◆ ◆
「……で、貴女に捕まって現在に至るわけです……」
「…………」
と、とりあえず全部正直に話したが……
俯いて何も反応が無い……
「あ、あの「面白い!!!」…………はぇ?」
がばっと顔を上げた篠ノ之博士は、さっきまでのが嘘のように目を輝かせていた。
そしてそれに驚いて変な声を出す俺。
「面白い面白い!実に面白い!君、名前は?!」
「えっあっ……か、茅野、咲……です……」
「そうかそうか、さっくんか!これは良い実け……ゲフンゲフン、研究対象ができたもんだよ!」
実験って言ったよね?
絶対言ったよね?
そんな俺の動揺を知ってか知らずか、背中をバンバン叩いてくる篠ノ之博士。
普通に痛いのでやめていただきたい。
力強すぎるだろ……
こんなんじゃ将来絶対男が寄り付かな
「何か言ったかな?」
「い、いえ、別荘もございません」
とりあえずなんか知らないけど天災博士に気に入られてしまった……
……ラウラ……シュヴァルツェ・ハーゼのみんな……
俺、生きて帰れないかもしれない………
◆ ◆ ◆
――その頃のドイツ。
「や、やはり気になる……先程から何も物音がしないではないか……」
「確かに静かすぎるな……というか寝息すら聞こえなくないか?……まさか、息をしてないんじゃ!」
「開けるぞ、咲!」
ドアを開けたその先には……
「い、いない……だと……」
「さ、咲!どこだ!咲——!」
……ちょっとした騒動が起こりつつあった。
……そろそろ原作入りさせなきゃマズいですかねぇ……
なかなかタイミングが掴めないというか何というか……