AtoZの所持者≪改≫   作:GENERAL

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今回、自分で書いてて恥ずかしくなるような台詞があったりなかったり。
おかしいなぁ……
あと短いです。


第17話 シリアスは3分まで

「……罪を数えろ、ですか……」

「あぁそうだ、だがまぁ今は良い、この戦いが終わったらゆっくり……」

 

 脚と腕に力を込め、高速移動の構えを取る。

 

「……数えさせてやる」

 

 真正面から思いっきり突進していく。

 いつものように後ろに回りこまなかった理由は至極単純、木が邪魔なのである。

 ここは孤島の森の中、訓練場の障害物の無い環境とは訳が違う。

 とは言え文句を言うわけにはいかない。

 

「先ずはお手並み拝見!」

 

 突進した勢いのままに、正面に拳を突き出す。

 

 だが……

 

「遅すぎます」

「なっ……ガハッ!」

 

 いつの間にか俺の横に移動していたクロエさんに脇腹を蹴り抜かれ、そのまま3mほど吹き飛ばされる。

 生身でIS吹き飛ばすとか……流石と言うかなんと言うか。

 

「ゲフッ……束はともかく、アンタも大概バケモンだなオイ……」

「今ので力の差はお分りいただけたはずです。そこを退いてください」

「だーから嫌だっての。俺を動かしたけりゃ……そうだな、今やってる仮面ライダーのサブライダーのベルトを持って来れば考えてやる。考えるだけな」

 

 アレ今価格高騰してるんだよなぁ……

 おのれ財団B。

 

「……貴方の事を束様は大変気に入っておられます。私も貴方を傷つけるような事はしたくありません」

「じゃあ見逃してくれよ……融通のきかない奴は嫌われるぞ?」

「それは……できません。束様の、御命令です」

「……そうかよ」

 

 どうやら本当に頭が固いらしい。

 もしくは束を盲信しているか……

 何にせよ、このまま放っておいてはいけない気がする。

 

「じゃあ交渉決裂、とりあえず……」

 

 横に吹き飛ばされた為に、今はクロエさんの向こうにいるみんなに(ドイツ語で)叫ぶ。

 

「今すぐこの島から出てくれ!事情は帰ってから話す!」

「なっ……そんな事できるか!私達も戦「頼むから!」ッ……」

 

 ISさえあればと思っていたが撤回する。多分今の俺ではクロエさんに勝てない。

 さっきの蹴りのダメージが想像以上に大きくて叫ぶのも結構辛いし。

 

「俺は多分殺されはしない!絶対に生きて帰る!ゲフッ……だから早く!」

「……」

 

 

 

「……行くぞ」

「……お姉様?」

 

 最初に動いたのは、クラリッサだった。

 

 

「咲?貴方が私達に嘘を吐いたというのは……本当ですか?」

「……最初に会った時、言っただろ?記憶喪失ですって……」

「え?アレの事ですか?」

「え?」

「え?」

 

 ――不味い、シリアスが薄くなっている。

 

「いや、アレ結構罪悪感あったんだけど……初対面だったし……」

「あんなバレバレの嘘で騙される人はそうそういないかと……」

「マジで?」

「マジです」

 

 …………。

 

「い、いやホラ、他にも何回か嘘吐いたし!前のプリンも……あっ」

「え?アレ犯人咲だったの?寝ぼけた私が食べたって事になったよね?」

 

 久し振りに登場したヴァネッサ。

 

「だ、だって実際半分は食ってたし……」

「半分って事は……もう半分は咲が食べたのか?!」

 

 ちなみにあの時食ってしまったのはラウラの分だ。

 

「ご、ごめんなさい……」

 

 シリアス、短い間頑張ってくれてありがとう。

 次はもう少し長く働いてくれ。

 

「まったく……罰として、帰ったら1週間デザート抜きだ!いいな?」

「そ、そんな殺生な……って、え?」

 

 

 

「……だから、絶対無事で帰って来い!約束だ!」

 

……約束、か。

 

「了解しました!ラウラ大尉!」

「よろしい!」

 

 敬礼し、森の向こうに消えていく隊のみんなを見送る。

 何故かクロエさんは手を出してこなかった。

 

「……私には分かりません。家族とは……そこまで大事なものなのですか?自分の命を賭けるほど、価値のある物なのですか?」

 

 この人がこんなに動揺しているところを見るのは初めてだなと思いつつ、話を続ける。

 

「……例えばの話だがな、クロエさん。もしも、万が一……いや本当に有り得ない事だけど束が危機に陥った時、アンタならどうする?」

「そんなの……命を賭してお守りするに決まって……!」

 

 ハッとした顔で目を見開くクロエさん。

 ……初めて見た時は随分と驚いた、白目に当たる部分が黒く瞳は金色をした、不思議な色の目だ。

 

「……アンタと束の関係はよく知らんけどさ、家族ってそういうモンなんだよ。俺はまぁ……前世ではこんな大した事言える人間じゃなかったけども、それでも今の俺にとって一番大切なのは、隊のみんななんだ」

 

 ラウラに家族だと言われた時は本当に嬉しかったなぁ……

 涙腺ダイレクトアタックと言ったのもあながち間違いではない。

 実際あの時は半泣きの状態だったのだ。

 

「……私などが……」

「?」

「私などが、束様の家族で……本当に良いのでしょうか?」

「俺は逆に駄目だと言うところが想像できん」

 

 むしろ嬉々として抱きついてくるまである。

 

「とりあえずラボに戻ろう。んで束に聞いてみればいいさ」

「……分かりました。ですが……」

 

 まだ何かあるのかねこの子は。

 

「侵入者を討ち漏らした事をどう説明いたしましょうか……?」

「そ、それは……俺が責任取る!なぁに心配はいらん……多分」

「……フフッ」

「ちょ、今笑った?笑ったよね?」

「笑っておりません」

「いや絶対笑ったって!なぁ!ほらもっかい!ワンモアプリーズ!」

 

 

 

 

 

 

            ◆    ◆    ◆

 

 

 

 

 ――そしてその後。

 

「……く、くーちゃんが……デレた、だと……?い、一体何をどうしたのささっくん!?」

「ちょ、おま、説明するから離せ!締まる!締まってるから!」

「……♪」

 

 束は意外な反応を見せてくれたのだった。

 




主人公が主人公するお話でした。
これはおかしい……おかしくない?
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