AtoZの所持者≪改≫   作:GENERAL

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番外編と並行して書いてたら遅くなってしまった……
近いうちに投稿します。多分。


第二章 原作突入編
第20話 人外怖い(棒


「…き……咲………咲!!」

「うおぉう!?」

「着いたぞ。IS学園だ」

「うぇ……あ……あー…そうでしたね……」

 

 いつの間にか寝てしまっていたらしく、閣下に叩き起こされた。

 ヘリだけで日本まで飛べる訳は無く、途中から小型ジェット機に乗り換えてここまで飛んできていた。学園が手配してくれたそうだ。

 

 寝ぼけ眼を擦りつつジェット機から降りると、深呼吸をして眠気を飛ばす。

 ドイツとは空気の匂いが違うような、それでいて懐かしいような……不思議な気分になった。

 

「さて、我々ドイツ軍が入れるのはここまでだ」

「えっ?いやでもここって……」

 

 IS学園は大きな島の上に作られているのだが、今いる場所から学園と思しき建物までは結構な距離がある。

 一本道だから迷う事はないだろうが……

 

「IS学園は一つの国家、本来なら軍を島に入れる事は許されないそうだが……今回は特例だ」

「そう、ですか……」

 

 詰まる所、ここから俺は完全に一人になるということだ。

 見知らぬ場所で年下の女の子達に囲まれて過ごす……夢の楽園かもしれないが、その前に俺の胃が悲鳴を上げるだろう。

 え、今までと大して変わらないだろって?

 見知らぬ人と家族が一緒な訳なかろう。

 

「まぁなんだ、そう気負うな。せっかく二度目の青春が楽しめるんだ、楽しまなきゃ損だろう?」

「そりゃまぁ……そうですけども……」

 

 高校3年間は帰宅部で割と灰色だったような……

 ……考えるのやめた。

 

「お前がここでどれだけ成長するか……期待しているぞ、咲」

「……了解しました。元帥閣下」

 

 割とあっさりとした別れの挨拶を終えて、飛び去って行く閣下を敬礼して見送る。

 白い機体は直ぐに小さくなり、見えなくなった。

 

「……さて、行きますか」

 

 一先ず学校まで行けば、職員の人が案内をしてくれるらしい。

 綺麗に舗装された一本道をのんびりと歩く。

 

「しっかし本当に広いな……敷地面積どんくらいだ?」

『シュヴァルツェ・ハーゼの訓練場が10個は収まる程度の広さとお聞きしています』

「解説どうも」

『恐縮です』

 

 懐に仕舞ってあるダブルドライバーから、相棒の声が聞こえる。

 そろそろ別の収納方法も考えたいところだ。ぶっちゃけ上着に仕舞うと鬱陶しい。

 腰に着ける……いや常に装着状態でいればいいのか?

 でもバックルにするには大きすぎるし……

 

『前方にご注意を』

「え?あ()ッ」

 

 下を向いて歩いていたせいで電灯に頭をぶつけた。地味に痛い……

 

「もうちょい早く言ってくれ……」

『善処致します』

 

 アイアンマンでは様々な仕事をこなしていたジャーヴィスだが、やはり相棒とは根本的に異なっているようだ。

 変身状態ならまだしも、普段の状態では今の所話し相手にしかならない。

 情報収集などもさせようとは思ったのだが、ネットに繋がらないと言われてはぐうの音も出ず。

 携帯を経由させる事も出来なかった為放置中である。どうしろってんだ全く。

 

「っと、ようやく着いたか……」

 

 目の前にはこれまた大きく立派な作りの校門があり、隅の方に守衛室と思しき場所があった。

 一先ず守衛さんに事情を話して入れてもらおうと、踏み出したその時。

 

「そこの君!」

「え?あ……!?」

 

 大きい門の方から呼ばれて見てみれば、そこに立っていたのは一人の女性だった。

 黒く長い髪を後ろで束ね、少しキツそうな顔立ちをしたその人はまさしく……

 

「……織斑、選手?」

「あぁ、選手はやめてくれ、今は先生と……」

 

 ――一瞬の間。

 気がつけば俺は首を掴まれ、持ち上げられていた。

 

「かっ……!」

「……まさかこんな所で会えるとは……私は運が良い……」

 

 こちらを見る目は先程とは一転し、暗く染まっている。

 

「離…し、て……くれませんか、ねぇッ!!」

「ッ……少しは腕が立つようだな」

「そいつぁどうも……」

 

 締め上げていた手を掴んで引き剥がし、距離を取る。

 

「手配中の人間がよくここまで来れたな。まさか本当にドイツの回し者だったとは……」

「だからそれ全部誤解だって……言っても無駄っぽいっすね……」

 

 あの時も話は聞いてもらえなかったが、今回は更に怒りが増しているらしい。

 テレビに映っていた凜とした表情は何処へやら、最早ここまで来ると鬼である。

 

「今更何の用があって来た?まさかまた一夏を……」

「だーかーら全部誤解なんですって…と言うかこっちも聞きたいんですけど、何で俺が犯人扱いされてんですか。あん時建物の中に武装集団居たでしょう?」

「生憎だがあの場にはお前しか居なかった。惚けようとしても無駄だ」

「……え?」

 

 居なかった、だと?

 あの場に居た集団は確か纏めて縛っておいた筈だ。

 それが全員逃げたって言うのか?

 ボスに至っては原型あやふやになる直前まで痛めつけたってのに。

 

「じ、じゃあ弟さんは?彼の口から何があったか聞いてないんですか?」

「それは……貴様に言う筋合いは無い。とっとと私に捕まれば話してやっても良いぞ?」

「お断りします!」

「なっ、待て!」

 

 待てと言われて待つバカはおりません。

 正門から入れないなら別の場所から入るまでよ。

 他の先生にも追い立てられたらそん時は理事長室なりなんなり駆け込んでやる。

 

「ジャーヴィス!いけるか!」

『何時でも大丈夫です。【Cyclone!】』

「後で何言われるか分からんけどまぁ、今は非常事態だろ!【Joker!】」

 

 走りながら腰にドライバーを装着し、メモリを両方装填し、開く。

 

【Cyclone!Joker!】

 

 装着完了と同時に上空へ飛び立ち、校舎の方へ向かう。

 ……向かおうとしたのだが……

 

「……今なんか変な音しなかったか?」

 

ガツン、と大きな音が後方から聞こえた。

ジャーヴィスに機体をチェックしてもらうと、驚きの結果が返ってくる。

 

『どうやらミス織斑からの攻撃を受けているようです。回避を』

「攻撃って一体何……で……?」

 

 振り返った俺の目に、そこそこ大きな石が映る。

 慌てて避けたが、その間にも織斑…先生は次の石を構えていた。

 

「うぉおお危ねえ!何だよあの人!てか本当に人かよ!」

『石でISに傷を付ける人間は今の所咲様と閣下様くらいのものかと』

「……俺そんな人外だったっけ……あと閣下に様は付けなくていい」

『畏まりました』

 

 と、とりあえず遠くに逃げよう。

 さすがにこれだけ高いところまで届く訳が……

 

 ガゴォン!

 

『ソウルサイド、スラスター損傷。飛行状態を維持できません』

「ウッソだろオイ……!」

 

 どうやらピンポイントで弱い部分にぶつけられたらしい。

 ぐるぐると回転しながら、校舎の方へ向かって落ちていく。

 

「ちょ、待て、流石にこのまま突っ込んだら、マズ、いっ!」

 

 メモリを両方抜き取って格納し、装着を解除する。

 そのまま目の前に迫る窓に向かってダイブし、全身を強化して割れるガラスから身を守る。

 

「どおおおおぉぉぉぉ!?」

 

 体を床に思い切り打ち付け、かなりの痛さに悶える。

 さらにその勢いのまま転がり、恐らくドアであろう物まで突き破ってしまった。

 後で弁償しますごめんなさい。

 

「痛っ……ててて…………あっ」

 

 

 

 

「な、何この人……」

「今、廊下の窓突き破って入ってこなかった……?」

「と言うか、男……?」

 

 目の前には見渡す限り、女子、女子、女子……一人男子が混じってた。

 

「え、ええと……初めまして?」

 

 かくして、俺の二度目の学園生活は波乱の幕開けを迎えた。

 さて……ここからどうしたものか……

 

 本当に、どうしたものか……

 




そういえば今日は例大祭ですね。
ちなみに私は友人にぬいぐるみを買ってきてもらう予定だったり。
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