AtoZの所持者≪改≫   作:GENERAL

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ようやくマトモに原作が始まりました。
こっからはどんどん話が進む……予定です。

11/8 かなり大幅に内容を付け加えました。


第21話 自己紹介で趣味は読書と答える奴は大概虹オタ

 ……どうしよう……

 明らかに不審者を見る目で見られている……

 勢い余って教室に突っ込んだ挙句、第一声が「初めまして」て。

 まずはこの状況の説明をしろよ俺。

 一先ず立ち上がって姿勢を正し、自己紹介をする。

 

「え、えぇと……き、今日からお世話になります、茅野咲です。一応、IS動かせます」

 

 うわぁ……

 自分で言って何だけど片言すぎるだろ……

 もっと色々うまいこと説明しなきゃ駄目だろこの場面……

 

「え、今IS動かせるって……」

「二人目の男性操縦者なんてニュースであったっけ?」

「軍服……?」

「と言うかあの顔どっかで……」

「【朗報】二人目の男性操縦者現る……っと」

 

 マ ズ い。

 俺が手配されたのは二年前……ほとんどの人は忘れているだろうが、思い出されないとも限らない。

 と言うか学園から説明とか無かったのか……?

 つか最後、何さらっとスレ立てしてんだ。

 

「あ、あの……質問、いいか?」

「ん?……ってお前は……」

 

 俺がぶつかった教卓の丁度目の前の席から、この教室唯一の男子が立ち上がる。

 ……二年前も会ったけど相変わらずイケメンだな。爆発すればいいのに。

 

「俺は織斑一夏。えっと……二年前、あの事件の時に俺を助けてくれた人が居たんだけどさ、その人の声と随分似てるっていうか……同じっていうか……」

「……覚えてんのか?」

「!その反応……やっぱりそうなのか!?」

 

 こいつは好都合だ。

 ここで二年前の濡れ衣を晴らしてしまえばあの鬼にも対処できるだろう。

 

「ああ、でもあの日何故か犯人扱いされて……まぁ色々あって逃げ果せたんだ」

「……俺、警察の人に全部正直に話したんだけどさ……何でか信じてもらえなくて、その……ごめん!」

 

 頭を下げてくる織斑君。

 ……信じてもらえなかった、か……

 謎が更に深まったが、それより今は……

 

「別に謝んなくても良いって。折角男同士なんだ。仲良くしようぜ?」

「あ……ああ!こちらこそよろしく!」

「おう、よろしく!」

 

 良し、多少強引ではあったが友好関係は築けた。

 後はここからどうするかだが……

 とりあえず学園長室的なのを探してみるか?

 流石に話は伝わってるだろうし……

 

「一夏!無事か!」

「えっ、ちふ……織斑先生?」

 

 ドアから息を切らした織斑選……先生が入ってきた。

 もう追いついてきやがったか……

 駄菓子菓子、今の俺には最強の盾があるのだよ。

 

「貴様……一夏から離れろ!」

「うおっ、とっ!」

 

 だが話す暇も無く、いきなり攻撃される。

 右手、左手、左足…あ、パンツ見えそ……

 

「フンッ!」

「がっ!」

 

 余所見をした隙を先生は見逃さず、首筋に綺麗に延髄切りを決められてしまった。

 勢いよく吹っ飛ばされ、黒板に体を打ち付ける。

 今日は厄日だわ……

 

「ちょ、ちふ……先生!そいつは俺の命の恩人で……」

「黙れ。お前をあんな目に合わせたのは此奴だ。仕留めなければ……今、この場で確実に……」

「千冬、姉……?」

 

 

 

 

 

 

 

「……痛ったいなぁ……俺が普通の人間だったら死んでますよ?織斑先生」

「!?」

 

 おぉ驚いとる驚いとる。

 ぶっちゃけ今の俺なら余程強力な一撃でない限り致命傷にはならない。

 つっても今回は割とヤバかったが。

 首が吹っ飛ぶかと思ったわ。耐えたけど。

 

「この化け物が……」

「そ、そこまで言わなくても……」

「「「メンタル弱っ?!」」」

 

 数人からツッコミが入る。

 いやだって俺普通の人間よ?流石に化け物呼ばわりされたら傷つくわ。

 ……さっきの台詞と矛盾してるとか言わんといてくれ。

 

「ええい、らちがあかん!織斑!」

「あ、俺の事は一夏で良いぞ?」

「そうか、俺も咲で良い。では改めて一夏!お姉さん説得ヨロシク!」

「あ、あぁ……千冬姉、この人はかくかくしかじかで……」

 

 

 

 

            ◆    ◆    ◆

 

 

 

 

 

「……そんな、馬鹿な……」

 

 一夏から全ての真相を聞いた後、どこぞのCIA中米支局長の如く呟き、愕然とする織斑先生。

 ……色々俺も聞きたいことがあるんだがなぁ……

 

「あの、先生?」

「あ、あぁ……本当に君には、申し訳ない事を「いやそうじゃなくて」……?」

 

「……他の人、どうにかしません?」

「…………!!」

 

 ハッとした顔で教室を見渡す先生。

 こちらを見る女生徒達の目線は……なんか全員ポカンとしてるな。

 そりゃこんな急展開に巻き込まれたら誰だってこうなる。俺だってこうなる。

 

「…………諸君、私がこのクラスを担当する織斑千冬だ。早速だが授業に入る。茅野はそこの席に座れ。窓は後で片付けておく」

 

 直ぐに凛とした元の顔に戻り、生徒に指示を出す先生。

 言っちゃなんだが強引すぎる……

 何事も無かった事にしようとしてるのだろうか……

 

「茅野についてだが、こいつは政府により極秘で発見された二人目の男性操縦者だ。決して外部の人間に口外しないよう。特にそこの……」

「ひぃっ!?」

「……こいつのように、授業中に携帯端末を弄って情報を流したりしたら……」

 

 さっきスレ立てしてた奴、マジだったのか……

 先生が席に近づいて端末を取り上げ、素手で粉々にしてゴミ箱に突っ込む。

 

「……こうなると思え。分かったら返事!」

「「「「「「イエス、マム!!」」」」」」

 

 ……これはひどい。

 どう考えても恐怖政治じゃねえか。いやまぁ情報漏洩は許しちゃいけないけども。

 生徒が先生に敬礼するってどうなのよ?

 

「では改めて授業に入る。先ずはISの基礎についてだが――」

 

 

 

 

            ◆    ◆    ◆

 

 

 

 

「……となる。今日の授業はここまで。午後は各自寮に向かい、荷物の整理をすること。解散!」

 

 今日は初日ということもあってか、午前中だけで授業は終わった。

 内容は本当にISの基礎……アラスカ条約の話や篠ノ之束などについて話しただけだった為、置いていかれることは無かった。一安心である。

 

「あぁ茅野、織斑、お前たちは残れ。寮の部屋割りについて話す」

「あ、はい」

 

 俺と一夏だけが残り他の人間が居なくなると、先生は少し肩の力を抜き、俺の方に向き直った。

 

「……茅野、済まなかった。私は、恩人にとんでもない事を……」

「いやあの、もういいですって」

「しかし……これでは私の気が……」

 

 相当義理堅い人なのだろうか。

 いくら俺が言っても聞き入れてくれず謝罪の言葉を述べ続ける先生に対し、少しだけイラついた。

 ……ので。

 

「てい」

「……?」

 

 ぽすり、と先生の頭にチョップを入れる。

 この人精神年齢的には俺の先輩ぐらいの年らしいし、こんな事をするのもあまり抵抗は無かった。

 

「はい、これで全部チャラです。貴女は謝った、俺は受け入れた、それで終わりで良いじゃないですか」

「……随分と、クサい台詞を言うものだな」

「毎日練習してます」

 

 俺の言った言葉に対し少し微笑んだ先生は、ようやく頭を上げてくれた。

 うむ。万事解決。これでいいのだ。

 

「さて、面倒臭い話も終わった所で、本題お願いしますよ、先生?」

「お前は本当に15歳か……?……まぁ良い、寮について話そう」

 

 今の今まで少し距離を置いていた一夏も戻ってきたので、並んで話を聞く。

 

「寮の部屋についてだが、他の生徒と同じように2人部屋を使ってもらう。これが鍵だ。万が一無くしたらすぐに報告しろ。部屋のドアを付け替える」

「了解っす」

 

 まぁこの辺りは別に問題無い。

 セキュリティを考えたら当然の事だ。

 

「そして風呂はまだ話がまとまっていない。暫くは部屋の備え付けのシャワーを使え。間違っても大浴場には行くなよ?」

「え?何でだ……何でですか?」

「……一夏、お前女子と風呂入りたいの?俺も入りたいけど」

「あっ、いや別に入りたくない!」

「……」

「黙って尻を抑えないでくれよ!」

 

 だって女子と入りたくないって……ねぇ?

 まさか一夏君ソッチ系なの?ウホッでアッーしちゃう系なの?モーホーなの?

 

「……とにかくそういう事だ。不純同性交遊はするなよ?一夏」

「だから俺は違うっての!」

 

 話をしてみれば、意外と先生はネタに乗ってくれる人だったらしい。

 まだまだ聞きたいことは山ほどある訳だが……今はまだいいだろう。

 とりあえず鍵を受け取り、寮に向かうのだった。

 




情報漏洩ダメ絶対。
ちなみに咲の国際手配はこの時点でひっそり解除されてます。
どうでも良い情報でした。
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