回避性能とは何だったのか……(ブシドースタイルを眺めながら
「さぁて、ここからが本番だ。行けるな?」
『システムオールグリーン。サイクロンメモリ稼働率、100%。飛行開始します』
サイクロンメモリは疾風の記憶を内包したガイアメモリだ。
故に全ての風は俺に味方する。
当然、身体を浮かせるだけの風を起こして空を飛ぶ事も出来る訳だ。
風というよりはサイクロンドーパントの使っていた様な小型の竜巻に近いが。
空に飛び上がり、オルコットさんと向かい立つ……向かい浮く?
まぁどっちでも良い。
「その姿は……第二世代型、なのですか?」
「あ?あー……そういやアレは基本的に
背後から強烈な風を吹かせ、一瞬で距離を詰める。
「落ちる、ぞッ!」
ドロップキックでオルコットさんを吹っ飛ばし、追撃を加えるべく更に接近する。
「きゃあっ!……くっ、ティアーズ!」
「ぬ……」
変身の際に発生した余波で吹き飛ばされていたビットが戻ってきて、背後から先程と同じ様にレーザーで攻撃を仕掛けてくる。
だが、甘い。
「どぉぉおらッ……せいッ!」
「嘘!?」
追い風を超強力な向かい風に変更し、背後のビットに背中を向けたまま接近。
そのままサマーソルトキックで撃ち落とす。
ISのサポートにより、雌火竜もびっくりの綺麗なフォームが決まった。
地面と激突したビットはしめやかに爆散。お達者で。
「一丁上がり!」
さぁ一気に残り3つも……
『後方注意』
「な……ぐぇっ!」
……かなり強力な一撃を背中に貰ってしまった。
複眼部分……ホークファインダーには、相手の武器名であろうスターライトmkⅢの文字が表示されている。
そういえばビット以外にも武器あるんだったか……
こんな当たり前の事を忘れているようじゃまだまだ駄目だな。
「いつつ……流石にこれだけじゃ無理があったか……ジャーヴィス」
『畏まりました』
俺の思考を読んで、ジャーヴィスが手にメモリを転送してくる。
メモリのイニシャルは三日月を模したL。
「T2の底力……見せて貰おうじゃないの!」
ドライバーから両方のメモリを引き抜き、新たに送られたメモリをソウルサイド、サイクロンメモリをボディサイドに装填し、再び展開する。
【Luna!Cyclone!】
「?色が……変わった?」
右半身は黄色、左半身が緑色という変則フォーム、ルナサイクロン。
ボディメモリとソウルメモリという概念が無いからこそ出来る組み合わせである。
「ほんでもって……よっ、うわ本当に伸びた!」
「ハァ!?貴方、腕が伸びて……」
「隙あり!」
「なっ……返しなさい!」
「嫌だねー!」
某霞龍が如く伸ばした手に驚いているオルコットさんの隙を突き、スターライトmkⅢ――面倒臭いので以下スターライト――を奪い取る。
最も扱い方は分からない……が。
「分からないなら、分かるようになれば良い!」
【Luna!Trigger!】
再度メモリを交換、相性の良いルナトリガーの組み合わせにフォームチェンジする。
銃撃手の記憶が武器の使い方を脳に直接叩き込んでくる。
少し気持ち悪いが……閣下の腹パンに比べればどうと言う事は無い。
「うぉ……っと。サイクロンじゃないから飛べないんだったな……」
浮力を失ったが華麗に着地。
まぁここまで来れば後は消化試合だ。
スターライトを右腕で構え、制御はジャーヴィスに任せる。
「俺は銃撃苦手だからな。頼むぜ?」
『了解』
巨大なレーザーライフルから放たれた三発の光線は幻想の記憶によって軌道が捻じ曲がり、残り三つあった全てのビットを撃墜した。
「なっ……貴方、レーザーライフルで偏光射撃を?!」
「いやそんな高等テクじゃないんだけど……まぁ良いや誤解させとこ」
使い終わったスターライトはその辺にポイして、ボディサイドのマグネホルスターに装着されていたトリガーマグナムを手に取る。
うむ、やはり拳銃型の方がしっくりくる。下手だけど。
「さぁてどうする?ビットは全部潰した。ライフルも奪った。まだ他に武器があるんなら付き合うぜ?」
「ぐっ……まだ……まだですわ!インターセプター!」
コールして呼び出された武器は……ショートブレードか?
呼び出すのに名前を言わないといけないという事は使い慣れていないのだろう。
そこまでして勝ちに来るか……
「だったら正面から……迎え撃ってやる!」
【Trigger!Maximum Drive!】
ドライバーから引き抜いたトリガーメモリをマグナムのマキシマムスロットに装填、グリップバレルを上に持ち上げ変形させる。
マキシマムマズルにエネルギーが収束していき、黄色と水色の光を放つ。
「……かかりましたわね!」
「何……ファッ!?」
あ……ありのまま、今起こった事を話すぜ!
オルコットさんのISのスカートっぽいパーツが持ち上がったと思ったらミサイルが……って言ってる場合じゃねぇ!
「息合わせろ!ジャーヴィス!」
『了解』
トリガーマグナムへのエネルギー充填率はまだ60%……
頼む、貫通してくれ……!
『「トリガー・フルバースト!」』
撃ち出された無数の光弾は軌道を変えながら進み、うち何発かはミサイルと激突する。
残った全ての弾はオルコットさんに向かい、そして……
「きゃあああぁッ!」
「……やったか!」
『……咲様、その台詞は……』
…………あっ。
だが時すでに遅し。
迂闊にフラグを立ててしまったせいか、全てのSEを削りきれなかったらしい。
マキシマムをモロに食らって満身創痍ながらもブレードを構え、此方を見つめるオルコットさんが居た。
「ハァ……ハァ……くっ、ここまで、ですのね……」
「……正直、武器奪った時点で勝ったと思ってたんだけどなぁ……」
「わ、わたくしを誰だと思っていますの……?イギリス代表候補生、セシリ……ア……」
既に限界だったのだろう。
全てを言い終わる前にISが解除されて意識を失い、こちらに倒れこんで来てしまった。
これは仕方が無い。受け止めなくては。
決してやましいことなんて考えてないからそこんとこヨロシク。
「よっ、と………………柔らけぇ……」
なんか全体的にふにふにしてて柔らかくてトビそうですはい。
髪から漂う良い匂いと相まって更に意識を刈り取りにかかってくる。
女性から抱きつかれた……というか今回は相手からしたら不本意だろうがこんな場面を経験するのが初めてでなかったのが幸いし、何とか耐えた。
ありがとうラウラ。
『試合終了!勝者、茅野!』
『お疲れ様でした。咲様』
「おう、お前もお疲れ、ジャーヴィス。ただもう少し早く
『それに関しては訓練を怠った咲様に非があると思われますが』
「申し訳ありませんでした」
何にせよ初のISバトルは無事勝利に終わった。
色々あったがまぁ今は……
「……ちょっとくらい揉んでもバレないかな……」
『茅野、そこから指一本動かすな』
「イエス、マム」
固まって織斑先生をただ待つのであった。
チャアクの連携が削られてエフェクトも若干しょぼくなって……
連携は別に良いのですがせめてエフェクトの方だけでも4G仕様にならないものか……
あのズドドドドンって感じが好きなんですよね。
あ、エネルギーブレイドに関しては文句ないです。ええ。