成績「そうだ大佐、だから勉強を……」
私「あれは嘘だ」
一度書き始めたら止まらなくなりました。私悪くない。
強いて言えばコマンドーを放送したBS朝日が悪い。(?)
「……さて、アイツをどう思う?鈴」
「どうって言われてもねぇ……あんなの見たことないもの」
「奇遇だな、俺も見たことがない」
軽口を叩いているが、内心はかなり焦っていた。
土煙の中から現れた謎の物体はどう見てもISで、しかも――
「名称不明、ね。操縦者情報も出てこないし、本当にISなのかしら?アレ」
「俺の方もジャーヴィスが解析してくれてるんだが……どうだ?」
『かなり厳重なプロテクトに阻まれています。突破は困難です』
「困難って事は……時間かければいけるか?」
『善処致します。既にドクター篠ノ之には連絡済みです』
「流石だな」
束ならプロテクトの突破くらい造作もないだろう。
何せ神が創ったISを解析したくらいだ。
とは言え……
「どうにかしなきゃいけない事は確かだ。
「ええ、集中砲火で一気にやっちゃいましょう」
どういうわけだか知らないが、今のところ全く動く気配が無い。
これが向こうの作戦だとしたらそれまでだが、やるだけやってみる価値はある。
「で、あんたのさっきのアレ、一体何なのよ?分身作れるなんて聞いてないわよ」
「そりゃ言ってねえからな。ちなみに使ったのは、【Dummy!】……これだ」
「ダミー、ねぇ……本当に何でもアリね。もう考えるのやめたわ」
「お前ドライブ好きよな……」
「何だかんだでかなり王道してたしね。さ、とっとと片付けちゃいましょう!」
「了解……!行くぞジャーヴィス!」
「『変身!』」
【Luna!Dummy!】
ドライバーを閉じて再び展開。
身体とISを一体化させ、更にルナメモリをマキシマムスロットへ。
【Luna! Maximum Drive!】
地上に降り立つと先ほどと同じようにマキシマムドライブを発動させ、数秒で作った分身で謎のISを取り囲む。
今度はもう吹き飛ばされはしない筈だ。
……上から来るぞ!とか無いよな?信じてるぞ?
「息合わせなさいよ!」
「そっちこそな!ジャーヴィス!」
『了解』
分身体と俺は同じフォームで手を構え、鈴は龍砲を発射するための非固定浮遊部位を前方に持っていく。
「龍砲50発……纏めて食らいなさい!」
『「ルナティック・ファンタズマ!」』
正面からは鈴の龍砲、その他の方向からは俺と分身体が放つ光弾。
当たればタダでは済まない筈のその攻撃は確かに奴に命中し、巨大な爆炎をあげた。
ISによる保護が無ければ今頃鼓膜が吹っ飛んでいるだろう。
「うわぁ……えっげつない技ねアレ……」
「爆発はロマンだろ?」
「それには同意するわ」
さて、これだけ派手に爆発したのだからもう動けないだろう。
土煙の中をハイパーセンサーを使って捜索する。
やがて見つけたISは、既に満身創……痍……?
「ッ!危ねえ!」
「キャアッ!」
咄嗟に鈴を突き飛ばし、俺も同じ方向へ飛ぶ。
その次の瞬間、俺たちのいた場所には極太のビームが放たれ、地面を抉っていた。
『咲様、あのISはまだ機能を停止していません』
「んな馬鹿な!アレはもうボロボロに……」
「ね、ねぇ咲……あれ……!」
「……!?」
鈴の指差す方向には、先ほどと同じ姿勢で佇むISの姿があった。
だが重要なのはそこではない、あのIS――
「壊れた箇所が……修復されてる?」
もげていた腕はくっつき、ひび割れていた胴体はまるで逆再生を見ているかのように元に戻っていく。
おかしな方向に曲がっている首はそのままなのが逆に恐ろしい。
「っていうかアレ、ひょっとして……」
「あぁ、まさかとは思ったが無人機だ。もし人が乗ってるならあんな壊れ方はしねえ」
クソッ、どうしたら良い?
手持ちのメモリでアレを粉々にぶっ壊せるほどの大火力が出せるのは……
「……ツインマキシマムしか無いよな。やっぱ」
仮面ライダーW本編にて翔太郎が使用した、ベルトのマキシマムスロットとトリガーマグナムのスロット両方にメモリを入れて発動するツインマキシマム。
二つのメモリの力を一気に引き出すことにより強大な技を放つ事ができるが、そのぶん身体にかかる負担はシャレにならない博打技だ。
『咲様、ツインマキシマムの成功率は現状5%です。通用するとも限りません』
「じゃあどうしろってんだよ!……ってうおッ!」
どうやら完全に直ってしまったらしい。
先ほどと同じような光線を俺は慌てて避け、鈴は上空へ退避する。
だがそれを見た向こうは学習したのか、今度は小さい光弾を連続でばら撒いてきた。
「ちょっと!さっきまでと全然動き方が違うわよ!」
「分かってる!クソ……一か八かだ、頼むジャーヴィス、メモリを……」
――と、次の瞬間。
「うおおおおおおォォォッ!」
ガラスの砕けるような大きな音と共に、雄叫びをあげて謎のISに突っ込む男が一人。
「やっと来やがったか、一夏!」
「遅いわよ!」
「言い訳は後で、するッ!」
一夏の剣は既に零落白夜を発動しており、そのまま謎のISに袈裟斬りを繰り出した。
初撃は躱されたものの、一瞬で下から切り上げられた青い刃がISの装甲を切り裂く。
謎のISはエネルギーを奪われ少しグラついたようだが、すぐに体勢を立て直してまた光線を放ち始める。
一夏はギリギリでそれを避け、上空へと舞い上がった。
「クソッ、削りきれなかった……!」
「いや、ナイスだ一夏!鈴!ジェットストリームアタックをかけるぞ!」
「了解!」
「いや何だよそれ!?」
「知らねえのかよ使えねぇな!」
「理不尽な!」
まぁ良い。
俺が先頭になり、再び地面に降りてきた鈴は後ろから追従する。
当然正面からは光弾が迫ってくるわけだが……
「甘ぇよ!」
【Luna! Trigger!】
【Trigger! Maximum Drive!】
速攻でメモリチェンジを済ませ、トリガーマグナムのスロットにメモリを装填する。
走りながらの射撃だがこの技にとっては問題では無い。
「食らいやがれ!」
「『トリガー・フルバースト!』」
向こうから放たれた光弾をはるかに超える数の青と黄色の光弾がトリガーマグナムから放たれ、相殺する。
更に残った弾は謎のISに直撃し、先ほどの一夏の剣によって開いた傷を更に広がらせた。
「鈴!」
「分かってるわ、よッ!」
双天牙月を構えた鈴が俺の肩を踏んで跳躍し、そのまま一気に振り下ろす。
「俺を踏み台にしたぁ!?」
「ここは乗らなきゃダメでしょう、よっと!」
振り下ろされた青龍刀は深々と突き刺さり、そのまま鈴は離脱する。
「締めはお前だ!」
「「一夏!」」
「う……おおおおおォォォッッ!!」
俺の後ろから剣を構えた一夏が突撃し、すれ違いざまに一閃。
零落白夜の一撃で胴体を引き裂き、エネルギーを根こそぎ奪い取った。
そして三人の全力の攻撃を受けた謎のISはしめやかに爆発四散。
爆風の中から飛んできた双天牙月を鈴は後ろ手で掴み取り、刀のように背中に仕舞う。
俺はトリガーマグナムを指先で回し、顔の横に構えた。
「「……決まった(わね)……」」
「お、おう……」
どうやら完全に壊しきることができたようで、背後からは何の反応も無い。
これくらい格好つけてもバチは当たらないだろう。
「さて……一応確認だけはしないとな」
【Cyclone! Trigger!】
ソウルサイドをサイクロンに変え、風の力で土煙を吹き飛ばす。
爆発の起きた場所にはクレーターができ、中心には謎のISの残骸が横たわっていた。
胴体は真っ二つだが、それ以外の場所は割と原形をとどめているようだ。
あれだけの爆発を起こしたのにどういう事なんだろうか?
「ま、流石にエネルギーが切れれば何もできないだろ……ってどうしたジャーヴィス?」
右手に引っ張られ(?)謎のISに触れる。
『……咲様、これを』
「あん?一体何……が……ッ!?」
「おーい、どうしたんだ咲—?」
「い、いや何でもない!」
手にしたあるモノを咄嗟に手の中に隠し、一夏と鈴の元へ駆け寄る。
「何かあったの?」
「いや、完全に止まったかどうか確かめたくてな。それより一夏、どうやって入ってこれたんだよ?あの先生が黙っちゃいないと思うぞ?」
「あー……千冬姉からは走って逃げて……アリーナのシールドは破って入ってきたんだ」
「死んだか……」
「ご愁傷様、一夏」
「薄情者ー!」
その後勝手にISを使った事やシールドを破壊した事などについてみっちり絞られたらしい一夏は、マトモに戦った俺たち以上に疲れた顔をして部屋に戻ってきたのだった。
自業自得とはいえ流石に良心が痛んだが……まぁ、許せ。
◆ ◆ ◆
――織斑先生からの説教が終わり、一夏を残して一人で部屋に戻ってきた後。
先ほど回収したあるモノをポケットから取り出し、まじまじと眺めた。
暗い黄緑色をしたそれはUSBメモリの形に酷似しており、表面には……
「G……ジーンメモリが、何でアイツから……」
DNAの螺旋構造をモチーフにしたGのマーク。
それは確かに、俺が特典として望んだ26本のT2メモリの一つ、ジーンメモリだった。
ぶっちゃけ今日明日の科目は消化試合でしたので。
大丈夫です、きっと。多分。
そしてこの前また評価をいただけました。有難いことです。
これからもどうぞよろしくお願いします。