【AC4】インフィニット・ストラトス 〜主を失った召使い〜 作:消毒済みの汚物
コジマが脳を蝕んでおりまして、更新を忘れる始末。
ヤバイですね。アスピナ診療所を紹介していただきましたので、近々そちらに行ってきます。
(・・・・・・ヒマだな)
朝起きてシャワー浴びて朝食取ってベッドに腰掛けている現状である。やることが何も無いとこうなる。
(・・・もう耐え切れん)
出てやる。基地外に。
部屋に置手紙を残し、ラフカットを纏って脱柵した。後悔はしていない。始め、財布の中身を確認したところ、見たことの無いデザインの紙幣やら硬貨やらが入っていた。おそらくこの国家の通貨だろう。買い物もそれなりには出来るわけだ。
市街地から外れた人気の無い工場(恐らくは放棄されたもの)に降り立ち、元の姿に戻る。敷地内から出たところで、辺りを見回す。すると、遠くに高い建造物が確認出来た。
(とりあえず、あそこへ行くか)
市街地へ歩き始めることにした。
(ようやく着いたか・・・それにしても、酷く賑わっているな)
歩き始めて40分程、栄えている街中まで来ることが出来た。今日は休日なのだろうか、街道は老若男女問わず、多くの人々で埋め尽くされている。
生前の世界と比べると、人々は皆活気に満ちている様に見える。楽しそうに談笑している者、手を繋いで互いに微笑んでいるカップルなど様々だ。まるで“生きる事”に対する不安を抱いていない様に感じることが出来た。
さて、人間観察はこれ位にして情報収集としよう。まだまだこの世界について知らねばならん事が大量にある。特に、軍事的面についてだ。
物事は最終的には武力で以って解決する事が出来る。規模の大きい物だと、国家と国家による戦争などだ。現状、この局面に遭遇する可能性が私には十分にある。価値観の違いなどがその火種となりうるだろう。
ひとまず、情報の収集元を探す事にする。さすがに街中にパソコンがポンと置いてあるわけはないだろうから、書物を取り扱っている場所ーー図書館や書店が適しているだろう。本屋本屋と・・・
「うるさいわねッ!警察呼ぶわよ!」
「な、そ、それだけは勘弁してくれ!そんな大事じゃないでしょ!」
なんだ?あんな店先で騒がれたらあそこの店主もさぞかし・・・あれは書店か?
痴話喧嘩だか何だか知らんが、おかげで目的の場所が見つかった。そこまで長居するつもりは無いので、さっさと用を済ませて去るとするか。
「だからやってねえって!おい!そこのアンタ、助けてくれ!」
(ッ!しまった・・・)
チラチラ見ながら書店に向かっていたら、目が合ってしまった。
「この女、すれ違いざまに鞄に手が当たったってだけで『スリ』呼ばわりしてきやがるんだ!アンタも見てただろう⁉︎ただ手が当たっただけだったよな⁉︎」
見てないんですけど。
「はぁ?何言ってんのよ。ちょっとそこの男、コイツに味方するつもりなの?」
とばっちりだ・・・と思いつつ、仲裁に入る。あんまり騒がれてたらこちらとしても迷惑だ。集中出来ん。
「まあ双方とも落ち着け。こちらの男性が言ってる通り、本当に偶然だった可能性もあるだろう。何か盗られた訳でもないのなら水に流していいんじゃないか?」
「はぁ⁉︎何言ってんのよ!もういいわ。警察に頼んで調べてもらった方が確実だわ。アンタもこの男を庇ったってことで突きつけるから」
何だこいつ、冗談じゃないぞ。なんで私まで巻き込まれなければならんのだ。正気か?この女・・・
「おいおい、取り敢えず冷静になれ。こちらの男性の言い分も汲んでやっていいだろ?周りの一般人も我関せずといったところを見るに、そういうことなんだろ?」
「うるさいわね‼︎黙ってなさい‼︎・・・全く、ISに乗れないくせに何偉そうなこと言ってるの⁉︎最近の男はそれ位の事も考えられない程頭がおかしいのね!呆れてくるわ!」
・・・“ISに乗れないくせに”?何だそれは、そんな事が理由になるのか?
「ISに乗れないなら何だ?昔から男にしか出来ないこと、女性にしか出来ないこと、それらの点を互いに尊重し合っていたんじゃないのか?」
「そんなのはもう過去のことよ!現在はISに乗れるかどうかが重要なの!いきがってんじゃないわよ‼︎」
「・・・そういうお前は乗れるのか?ISに。それだけ男性を批評するなら、お前は乗れるってことだよな?」
なんとも腹立たしい。こういうのを相手にするのは得意ではないのだよ私は。“男のくせに”という発言からして、男性を卑下する風潮でもあるのか?
「お黙り‼︎少なくともアンタよりは適性あるわよ‼︎馬鹿じゃないの⁉︎」
(・・・つまり、乗れないと。救えんなコイツは)
脅すか。ラフカット起動。
「ああもう、怒ったわ。今警察呼ぶから、逃げるんじゃな・・・」
ブウゥン
ラフカットを身に纏ったことにより、視点が高くなる。丁度、相手の女を見下ろす様な形だ。そして視線の先にいる女はというと・・・
(・・・間抜け面だな。所詮、そんなものか)
“信じられない物を見てしまった”というのは、まさにこの事か。そんな顔をしている。魚の様に口をパクパクさせ、その場で腰を抜かしているのだ。実に滑稽な光景だ。
そしてゆっくりと、異形な外観の脚の片方を上げて、その女の傍の所を強く踏み付ける。ズンッという音と共に、歩道に亀裂が走った。
「肝のデカい女だと思ったが、ただの空威張りだったか。今後はその下らん偏見を改める事だな」
踏み込んだ片足を引くと、女は一目散に逃げ出した。取り敢えずは、一件落着か。
元の人間の姿に戻り、事が済んだことを当たられていた男性に告げようとしたが・・・いつの間にか居なくなっていた。しかも、その男性だけではない。始め来たばかりは賑わっていたこの通りが、今では深夜の如く静まり返っている。通行人も一人としていない。
(・・・まあいい。情報収集だ)
いちいちそんなことを気にしていたらキリがない。本業に戻ろう。
書店に入ってみると・・・中はガランとしていた。私のせいか?なら申し訳ない。
「誰かいないか?聞きたい事があるのだが」
店内全体に聞こえる位の大きさで呼んでみる。すると、カウンターの奥のドアが開いて初老の男性が出てきた。
「ああ、い、いらっしゃい。何をお探しで?」
先ほどの一部始終を見ていたのだろう、エラく挙動不審だ。目線すら合わせようとしない。
「ISに関する書物はどこにあるか、教えていただきたいのだが、いいかな?」
そう言うと、店員の男性はキョトンとした顔になった。
「ISに関する本?それなら、入り口側の本棚から2列目にありますけど・・・」
それだけ聞いて、その本棚の位置に向かう。何やら胡散臭い帯の付いた物が多かったが、その中から適当に数冊を取り、購入。終始店員からはヘンな目で見られたのだが、そんな事は意に解さず店を出た。
「すみません、よろしいですかな?」
店を出るなり、また声を掛けられた。
「・・・何かな?」
声を掛けて来た者は、黒のスーツに身を包んだ男性4人だ。皆サングラスを掛けている。
「あなたですね。ISを扱える男性というのは」
「我々はIS委員会の者です。あなたに伺いたい件がございます」
「一緒に来て頂けますかな?」
「・・・・・・いいだろう」
“IS委員会”・・・ISを管理する組織だろうか。委員会という程であれば、それなりの規模の組織なのだろう。
(何かしら、ネタが掴めるかもしれん)
付いて行ってみよう。命を狙う様であれば、ラフカットになって皆殺しだ。脅迫するのもいいかもな。
黒塗りの車に乗ってから4時間、委員会の本部と思われるビルの前に到着した。デカい。ビッグボックス程ではないが、この大きさなら相当な規模なのだろう。
到着するなり、ビルに入って正面奥にあるエレベーターに誘導される。エントランスは多くの所属員がいるが、女性の比率がいやに多い。軍の基地といい、この世界では女性の社会進出がこれ程までに積極的なのだろうか。
エレベーターボーイ(?)が60階のボタンを押すと、ドアが閉まり物凄い速度で上階に上がっていく。エレベーター内を目線のみで見渡している内に60階に到達。ドアが開く。正面にはやや長い廊下の先に、両翼扉が一つ。それ以外何もない。
「このまま前方の部屋へと向かって下さい」
それだけ言われて、エレベーターを降りた。
(“大会議室”ね・・・大体読めてきたな)
おそらくは質問攻めの嵐だろう。『その機体はどこで手に入れた』とかだろうな。答えたところで私自身に何のデメリットもないが、それだけだと面白くない。
(ちょっとばかり掻き乱してやるか・・・)
その上でこちらも情報を仕入れる。うむ、これで行こう。意を決して扉を開くと・・・中は暗かった。
暗いとは言いつつも、光源はある。円形のテーブルの中央にホログラムの地球が表示されており、その上にアルファベットがチラチラと浮き出ている。そのぼんやりとした青白い光が、すでにテーブルに座っている男性・女性の口元までのところを薄く照らしている。何とも言えない雰囲気である。
「よく来てくれた。待ちくたびれたよ。さぁ、掛けたまえ」
中央奥に座っている男性にそう促される。会議室に入ってすぐ前の席のみ空いていたので、そこに腰を掛けた。
私が着席すると同時に、テーブルに掛けていた全員がクリップボードやらメモ帳やらを用意し出した。情報を聞き出す準備は万端の様だ。
「さて・・・早速だが始めるとしよう。まず最初に・・・」
(・・・ラフカット起動)
突如目の前に現れた、ISとは違う異形の機体。それを目の当たりにした室内の各々は叫びを上げた。
「な、貴様、何を企んで・・・ッ⁉︎」
こちらを制しようとした男に、右手に携えたMARVEを突き付ける。それが明らかに武器だと分かった途端、急に腰が引けた様に後退りした。
「お前達は何故私をここに呼んだ?」
「・・・昨日、衛星が貴様を捉えてな。見たところ男なのにISを起動したものだから、もしやと思ってこうして呼んだのだ」
(“男なのに”・・・?)
そう言えば、昼前に書店の前で会った女が『ISに乗れないくせに』と、初対面にも関わらず言ってきたな。
「・・・ISというのは、男には扱えず女のみが扱える物なのか?」
ふと疑問に思って聞いてみる。
「あ、ああ。そうだ。理由は不明だが、何故か女性にしか反応しないんだ」
なるほどな。つまり・・・
「そして、今この世界では女性が男性よりも優位に立ち、そこから更なる問題も浮上していると」
「・・・まあ、そういうものだ」
なんともまあ・・・だが、生前の世界でも似た様なものがあったな。
アーマードコア・ネクストーーそのパイロットたる“リンクス”は、誰しもがなれる訳ではなかった。脳や神経を機体と接続させて、機体の反応速度を限界にまで高める“AMS”。この“AMS”は、元より適性のある人間に手術を施すことによって初めて成立するものだ。
この適性を『先天的才能』と勘違いしていた輩がいたもので・・・言い方が悪いが、人格破綻者だったな。レイレナードにはそんな奴はいなかったと信じたい。
「そうか・・・わかった。では」
何とも下らんものだったな。これ以上聞く気も無い。
「待て!どこへ行くつもりだ⁉︎」
「用は済んだ。これ以上この下らん談笑に付き合うのは時間の無駄というものだ。帰らせて貰う」
「なッ!くそっ、IS部隊!ターゲットを捕獲しろ!逃げるつもりだ!」
(捕獲ときたか・・・管理下に置く気満々だな)
生憎、捕まるつもりも無い。会議室の壁に向かってMARVEを撃つ。壁は瞬く間に穴が空き、ボロボロと崩れ落ちた。
「ヤツめ、飛び降りるつもりだ!ビル周辺にもISを展開させろ!絶対に逃がすな!」
そこまでして手中に置きたいのか。まあ、好きにやるがいい。無駄だからな。
破壊した壁から飛び降りる。ふむ、このビル周辺はかなり建物が林立しているな。都市中心部だろうか。
などと考えていたら、アラートが鳴り響く。ミサイル?ふと横を向いてみると、本当にこっちに向かって飛んで来ていた。
取り敢えず、着弾寸前まで引き付けたところでQBで躱す。目標を突然見失ったミサイルはあらぬ方向へ飛翔していった。
(もうご登場か。いいだろう、相手してやる)
ミサイルが飛翔して来た方を見ると、マシンガンを連射しながら接近して来るISが2機。どちらも外見・武装は同じだ。相変わらずパイロットの上半身が露出している。何とも珍妙な兵器だ。
前回と同様にマシンガンは避けずに食らってみる・・・が、やはりPAに接触した時点で弾丸が霧散した。それを見た相手のISのパイロットは驚愕している。いいザマだ。
1機にMARVEを向けて即座に射撃。発射された弾丸は敵機の未来位置に向けて飛んで行き、着弾。バランスを崩して頭から地面に落ちて行った。同時に地上に着地する。
ビル周辺には既に命令を受けて展開しているIS部隊が、それぞれが装備している兵装をこちらに向けて構えている。数は7機。
「投降する意思は・・・無い様だな。お前は危険な存在だ。ここで消してやる」
部隊長と思しきパイロットが、私を殺害する意思を告げる。その他の機体のパイロットは・・・何とも言えない顔をしていた。7vs1で勝てる筈が無いと、余裕を持った表情をしている者、男のくせに何をいきがっているのかと、明らかに見下している者と様々だ。
(・・・他の武装も出すか。左腕にANTARES、右背にLAMIA、肩にEUPHORIAを追加)
ラフカットの武装はMARVEだけではない。一度、本気で戦ってみるか。
選択した武装が次々と現出し、機体のシルエットを変える。
「全機、攻撃開始‼︎」
指揮官の合図で、全機体が一斉にその火力を発揮する。マシンガン、ミサイル、キャノン等の集中砲火。相手が並のISならパイロットごと死に追いやる過剰火力である。
数十秒後、指揮官機から順に攻撃が終了していく。ターゲットのいた場所はミサイルやキャノンの炸薬が爆発した際の煙で満ちており、目視による確認は出来ない。
「やったか⁉︎センサーの反応は⁉︎」
「センサーに反応・・・無し」
暫くして煙が晴れると、そこには何もなかった。機体の残骸、パイロットの身体の一部すら無い。
「アレだけの飽和攻撃なら、跡形も無く消え去ってもおかしくないわね」
「こちらIS部隊1番機、ターゲット撃破。これより帰か」
ズドンッッ
突如、上空から落下して来た何かに指揮官機が押し潰された。配下の機体が全機ほぼ同時に、指揮官機の方を向く。
「ッ⁉︎そんな、撃破したはず⁉︎」
そう。そうなったはずだった。しかし、目の前にヤツはいる。無傷で。
「う、撃て‼︎仕留めろ‼︎」
全機が再び攻撃した。だが、当たらない。ヤツの動きは異常だった。
「なっ、は、速い・・・」
「どこに行っt・・・キャアァッ⁉︎」
捉えきれない。ISのハイパーセンサーのロックが追いつかない。自分の視界にヤツの機体の一部が見えたと思ったら、直後にすぐ消えるのだ。
「5番機、シールドエネルギー0!はっ、2番機も⁉︎」
スピードのみならず、火力も馬鹿げてる。右手の実弾兵器の弾丸十数発で、左手の兵器から射出されるレーザー数発で、こちら側の僚機を1機、1機と処理していく。
「3番機、7番機、機体限界です!これ以上は危」ザーー…
「⁉︎6番機応答しろ!6番機ッ⁉︎」
(やられた⁉︎私以外全員⁉︎馬鹿な・・・7対1だぞ⁉︎)
数的不利すらまるで最初からなかったかの様に覆す、一方的な蹂躙だった。
ズンッ
(⁉︎まさか、後ろを取られた・・・⁉︎)
咄嗟に左手に実体ブレードを呼び出し、反時計回りに薙ぎ払いつつ機体を反転させる。が、何もいない。
「クッ、どこだ⁉︎出て」ガキャッッ「グハァッ⁉︎」
後方から強い衝撃を受け、思わずバランスを崩す。慌ててブレードを振り回すが、当然ながら相手に当たるはずが無い。
「フンッ・・・滑稽だな」
「⁉︎」
捉えられんよ、お前には
男の声が聞こえた直後、何かに撃ち抜かれた気がして、意識が途切れた。
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「目標地域まで残り4分。高度を少し下げて」
「「「了解」」」
フランスとオランダの国境付近に位置する、IS委員会第2ヨーロッパ支部から救援要請が発せられた。至急、ISを4機派遣してもらいたいとのことらしい。
「目標視認。ミサイルロックオン開始。10秒後一斉発射」
「カウント開始。10、9、8、7・・・」
第2ヨーロッパ支部のビル周辺で戦火が確認出来る。規模からして、IS5機以上が同地域内で交戦しているだろう。だが、敵勢力は“第1世代機と思われるIS1機”だと聞いている。一体どういう事だ?
「6、5、4・・・」
第2ヨーロッパ支部に配備されているISは、確かラファールだったはず。相手が第1世代機なら1機で十分に事足りる戦闘力なのに・・・。
まぁ余計な事は考えずに、今は目の前の敵に集中することにしよう。
「3、2、1、発」ガスッッ
「「「⁉︎」」」
「ひ、被弾しま・・・ランサー損し・・・・・飛行・・・能!落ち・・・」
(何だ⁉︎一体どこから・・・)
ガフッッ
「キャッ‼︎・・・ああっダメ!落ちるっ!」
突然、何者かから攻撃を受けた。恐らく、狙撃による攻撃だ。左側から狙われている。
「弾丸の飛来方向を計算・・・左下方の廃工場からです!」
部下の報告の通り、廃工場にカメラを向けると・・・いた!
4つ足のISで、スナイパーライフルと思われる長銃身の銃器を持っている。見ただけで狙撃機と判別出来た。
「よくも部下を・・・ッ!ミサイルの標的をヤツに変更!ロック出来次第撃て‼︎」
「了解!ロックオン開始・・・ッ⁉︎隊長‼︎対象をロックオン出来ません!」
「なっ⁉︎バカな・・・」
「仕方ありません、キャノンによる砲撃で攻げ」ガガァンッ
「被弾、被弾‼︎落ちます‼︎キャアアアアッ⁉︎」
部下が全てやられた。あの第1世代機にッ。
「・・・よくも部下を‼︎喰らえぇっ‼︎」
両手にアサルトライフルを呼び出し、斉射する。だが狙撃機は動こうともしなかった。
狙撃機の機体の周囲に、緑色に光り輝くバリア状のシールドが見える。ライフルの弾丸がそれに接触すると、跡形もなく霧散した。
「⁉︎」
初めて目にする光景に驚愕する。これまでのISには見られない防御機構からして、相手は第3世代機なのだろうか?だが、第2世代機が開発されて以降、全身装甲のISなど完全に廃れたはず。
だが、こう余計な事を考えている間に、敵機の銃口が此方を捉えていた。
(マズッ‼︎避け・・・)
ダンッ
(・・・油断した、火力も異常だ)
咄嗟にブースターの推力を落とし、機体を左に逸らしたことで直撃は免れた。しかし、掠っただけでシールドエネルギーを20%弱も損耗した。既存のISの、片手で運用可能な武装でもあれほどの威力は考えられない。
(此方の攻撃は通用せず、火力は相手方が圧倒的に上、オマケにレーダーも使い物にならないとは・・・)
電子装備が使えないとなると、増援要求も不可能。撤退しようにも、部下を置き去りには出来ない。第一、狙撃機であるヤツの射程からどうやって脱しろというのか。
(・・・投降を試みるか?上手くいけば)
「おっと、動くなよ」
「⁉︎」
(しまった‼︎いつの間に背後を⁉︎)
次の瞬間、上からのしかかられ、地面に押し倒された。相手の左前脚でブースター部分を踏みつけられている。
「ったく、まぁた女か。何でこのパワードスーツには女しか乗ってねえんだ?」
「・・・なぜ変声機を使っている?悪趣味なヤツめ」
ダンッッ
「ぐあぁっっ⁉︎」
「黙れクソアマァ‼︎弱えクセにいきがりやかってよォ‼︎」
至近距離で絶対防御の発動する箇所に発砲されたことで、シールドエネルギーが大きく削れる。直撃で65%といったところか。化物め。
「フンッ、殺したいのなら好きにしろ。私の部下がいずれ増援を要請するさ。そうなれば、いくらお前とて持つまい」
「部下ぁ?ああ、お前の他にいたヤツらか?」
相変わらず男声で喋るのかコイツは。ますます気に食わん。
「残念。ソイツらはみ〜んな仲良く天国に旅立ちましたとさ、てなァ!ハハハハハハッ‼︎」
「⁉︎ッ・・・貴様ァ‼︎殺す‼︎よくもッよくもォ‼︎」
機体を瞬時加速の加速力で、強引に敵機の拘束から逃れる。直後、両手にブレードを展開。近接攻撃なら、ヤツのシールドも破れるはずだ。
「死ねェッ‼︎」
ザシュッ
「・・・・・・ガハッ、ウゥッ」
しかし、両の刃が届く前に、彼女の身体を光の刃が貫いた。短く、それでいて超高密度のエネルギー体でもあるそれはーー02-DRAGONSLAYER。レイレナード製のレーザーブレード。
「ケッ、散々いきがっといてこんなモンかよ、雑魚が」
死にくされ。
文字数安定せず。お粗末様です。