【AC4】インフィニット・ストラトス 〜主を失った召使い〜 作:消毒済みの汚物
アーオシゴトイソガシ( ´Д`)y━・~~
キャラ追加しつつ、進めて行きます。
ネタが浮かばねぇ。
お気に入り50突破。ありがとうございます。
その日は、とても冷たい雨が降っていた。街行く人々は傘を差しつつ、身に感じる寒さに凍えている。
先日ラフカットを起動してIS2機を相手にした(内1体は瞬殺も当然だった)が、どうもそれに関するニュースが流れているのを確認した為、これからは生身のまま過ごすことになりそうだ。生前と比べると遥かに平和なこの世界なら、さしたる問題はないだろう。
しかしながら、それが長続きするとなると問題だ。平和ボケしてしまう。争いの無い世界とは、それはそれで良いものだろう。だが、今の私はそうではない。いつ怪しげな人間が話しかけてくるか分からないから、常に気を張っておく必要がある。
(雨音しかしないとは・・・昨日とは打って変わって静かなものだ)
平日の昼間、更にこの降雨。市街の端の方にあるBAR周辺は静寂に包まれていた。この身に感じる寂しさは、いつぞやの日常を思い出す。
オーナーは今夜の営業に備えてベッドで熟睡している。留守番は任せて外出することにするか。
生前の普段着でもあったスーツに着替え、傘を拝借する。玄関のドアを開けると、灰色の曇り空と大量の雨粒が目に映る。その他、同じく傘を差して冷たい空気に首をすぼめながら歩いている歩行者が数人。
(何も起こらないと良いが・・・)
心休める外出にしたいものである。とりあえず外食だな。
「おっ、出てきた出てきた!」
モニターの映像のみが光源となっている部屋。床はケーブルで埋め尽くされていて足の踏み場もない。もっとも、その部屋の住人はその上をまるで当たり前の様に歩いているわけだが。
「ここ3週間色々と見てきたけど、何なんだろうね〜この人。未来人?」
さすがにそれは無いか〜!と、1人で盛り上がっているのは、腰まで伸びた紫色のロングヘアの女性。何とも言えない珍妙な服を身にまとい、連接された多数のモニターが設置されたデスクに腰掛けている。
モニターに表示されているのは、スーツ姿の青色の短い髪をした男性。自分よりやや年上と思われるその男を、紫髪の女性は珍奇なものでも見る様に観察していた。
「・・・未知の粒子を使用したバリア状の防御機構、片手で運用可能だとは思えない高火力の武装、SFモノに出てくる戦闘ロボットの様な外見。各国の兵器開発機関が造れそうなシロモノじゃないのは明らかね」
別のモニターに新たに映像が映し出される。それは、ここ最近起きたISが関わっている抗争事案を捉えた監視カメラの映像だった。内いくつかには、ISとは全く違う外見の兵器が見れる。
それらに共通しているのは、単機でIS複数を相手に一方的に立ち回っていることだ。相手が軍所属、武装組織、IS委員会問わずに。
「ぶっちゃけ誰が死のうが関係無いけど、大元の部分は私が作ったものをあんな簡単に蹴散らされたら、こっちとしてもちょっと悔しいわね〜。一体誰が造ったのかしら?本人に聞いてみれば確実か!そうだそうだ!」
モニターの電源を切り、部屋から立ち去る。
「ハーイ、くーちゃん!明日から束さんとフランス旅行なんてど・う・か・し・ら?」
「あ、束様。また束様の興味を引く様なニュースです」
向かった先の部屋(こちらは至って普通の部屋)には、銀髪の小柄な少女がいた。
「先々週から、ヨーロッパ各国軍所属のISが謎の襲撃を受けているとの情報を入手しました。フランス、ベルギー、ドイツ等5ヶ国の軍隊がです」
「うーん、どうも最近世界は物騒ですな〜。ISに襲撃を仕掛けるなんて、一体どこのテロリストなんだい?」
「それが・・・」
束様と呼ばれた紫髪の女性からの質問に、くーちゃんと呼ばれた銀髪の少女の表情が曇る。
「襲撃をはたらいているのは・・・おそらくISではないものかと思われます。被害を受けたISの機体を調べたところ、既存のISの運用可能な装備を遥かに超える火力を持つ銃器によるものではないかと・・・」
「え?何それ?もしかしてあの変な脚のロボット?」
「それとは別のものだと思います。超遠距離からの狙撃によるものの可能性が高いです」
(・・・他にもいるってこと?あの逆関節のヤツ以外にも?)
「・・・くーちゃん、すぐに旅行の支度して!早いとこ行くわよ!」
「ちょ、束様⁉︎」
銀髪の少女が戸惑っているのを尻目に、いそいそと準備を始める。その表情は、機体に胸を踊らせる子供の様にも見えた。
(・・・ん?)
昼食がてら、たまたま目に止まった喫茶店に入ろうとした時、妙な集団を目にした。
正面から歩いてくる、スーツ姿にサングラスという出で立ちの男達。全員が全く同じ格好をしているが故に、それを見た瞬間、この前起きたことを思い出した。
IS委員会のエージェント。以前は書店から出てきたところに鉢合わせしたのだが、同時にこちらを探していた彼らに即発見されたわけだ。その時の者達と見た目はほぼ同一。先日の件でまた調査に来ているのだろう。
「上からの情報じゃあ、ここら辺で例の件は起きたらしいが、そう簡単に見つかるもんかね」
「ターゲットのISモドキをそこまでして管理下に置きたい・・・まあ確かに、軍のISですら敵わないシロモノを放置するわけにはいかんのは分かるが」
「なんか羨ましいぜ。女尊男卑の風潮から完全に逸脱してるも同然だからな。にしても、中々見つかんねぇな
・・・」
(以前とは違うメンツだが、目的は同じというわけか・・・ふむ、いいだろう)
以前はISについての情報を得るがために委員会に世話になったが・・・そろそろこの世界そのものにも視野を広げなければな。汚れ仕事でも頼まれ、世界各地に赴くのも良い。報酬も色がついてそうだ。
思い立ったが吉日。目の前の集団と距離を詰める。こちらを避けようともせずに真っ直ぐと歩いてくる男性に対し、男達の注意が向く。すると・・・
「・・・ん?おい、目の前のヤツってまさか」
「・・・⁉︎ビンゴだ!マジでいやがった!」
何名かは気づいた様だな、いいぞ。先頭の男性の5メートル前で歩みを止める。エージェントらも同じく、皆が立ち止まった。
「IS委員会のエージェントだな・・・俺を探している様だが、何か御用かな?」
「・・・ISに似て非なる機動兵器を駆る男性・・・貴方で間違いないですね?」
1人からの質問に、ああ、と返す。
「お察しの通り、我々はIS委員会所属の諜報員です。委員会総裁が直々に御用があるとのことです」
「お一人のところ恐縮ではございますが、我々と共に来て頂きたい。よろしいでしょうか?」
委員会総裁・・・つまりトップから直々の御招待か。私の存在も知れ渡っている様だな。
「良いとも。案内してくれ」
OKを出すと、エージェントの1人が携帯端末を取り出し、誰かに連絡を取り始めた。私を詰め込む車でも呼んでいるのだろう。程なくして、リムジンが路地から出てきた。2機のISと一緒に。
「ISも御一緒とは・・・乗車したところを蜂の巣にでもするのか?」
「何かあった際の護衛です。貴方に危害を加えるつもりは毛頭もありません。ご安心を」
ISのパイロットに目をやると、それぞれの女性は共に緊張した様子だった。どこかしら敵意のある様にも見えるが。
「さあ、こちらへ」
リムジンが目の前に停車し、ドアを開けて案内される。中に乗り込むと、付き添いの女性が1人。耳に奇妙なデザインのピアスをしている。確か、ISは非機動状態の時は別の物質に形状変化しているんだったか。つまりこの女性は、怪しい素振りを見せた際にこちらを制する為に同乗しているのだろう。
(結局のところ、危険物扱いか・・・呆れる)
視線を向けると、護衛のパイロット2名と同様に緊張している様だ。こちらに常に目を向けている。安心しろ。殺しはせん。身体に聞くこと・・・はない。
「全員乗ったな?では出ぱ・・・」
ズンッ
「「「「「「「⁉︎」」」」」」」
突如、車両全体に伝わる地響き。乗車していたエージェントらが状況を確認すべく慌てて車から出て行く。
「何が起きた?」
「危険です!貴方はここにいて下さい!」
降りようとしたところを、同乗していた女性エージェントに制止される。窓から外の光景を見ようと身体をずらすと、そこには異様な光景があった。
ISが4機。ボディとは不釣り合いな程にデカい腕部の機体だ。パイロットは装甲ともスーツとも言えない物で全身を覆われており、表情を読み取ることは出来ない。
そしてISの真上にはーーふざけた外観の浮遊物体が浮かんでいた。
「ハイハーイ!変なロボットを操るハンサム紳士さーん!あんまりにも気になるもんだから、束さん直々に会いに来ちゃったよ〜っ!」
今度は、街中に設置されたスピーカーから一斉に女性の声がする。一体どうなっている・・・。
「束さんて・・・まさか、篠ノ之束⁉︎」
「今まで行方が一向に掴めなかったのに、いきなりなぜここに⁉︎」
「うるせぇゴミ屑共が。喋るな見るな息するな殺すぞカス」
周囲がどよめいていると、トーンの下がった声で罵詈雑言を浴びせてきた。エージェントらは皆がたじろいでいる。すると、浮遊物体のコクピットと思われる部分が開き、中から2人の人間が姿を現した。
「・・・と、ゆーわけで、リムジンから降りてきてくれるかな?」
私のことか?ハンサム紳士とは・・・良い気がしない。大体何だあのキチ○イは、格好と言い言動と言い、常軌を逸している。
(イクバールに似た様な男が・・・いや、気のせいだ)
「んも〜、そんな恥ずかしがらなくても良いよ〜。出てこないなら、イタズラしちゃうぞ☆」
そう言っているのはーー何やらウサギの耳の様な頭飾りをした、紫の髪の女性。メガホン片手に何言ってやがる。
「よ〜し、やっChina!」
その女性が何か合図の様なものを出す。直後、
4機の内の1機がエージェントの1人を叩き潰した。
「な、何を⁉︎」
「だからうるせぇっつってんだろゴミ屑。お前も死ね」
バゴォッッ、と、派手な音と共にまた1人が叩き潰される。ひび割れたアスファルトの中心には、原型をとどめないほどにグチャグチャになった死体だけが残っていた。
それを見て、生き残っているエージェント全員が顔を青くした。赤の他人を何の抵抗もなく殺す。次は自分かもしれないと言う思考が頭をよぎった途端これだ。
(・・・やれやれ。まったく面倒なヤツだ)
これ以上死なれたらさすがに可哀想だ。第一、何の関係もないあの女のせいで私の印象が悪くなったら困る。ハァ、とため息をつきつつ、リムジンを降りた。
「お!ほっほ〜う、ナマで見るとより一層・・・と、いけないいけない。はっじめまして〜!篠ノ之束とはぁ〜、ぁ私のことよ〜ってね☆まま、立ち話も何ですから、私の家にでも・・・」
「黙れ変態」
「ぅえぇっ⁉︎し、初対面なのにそんな毒舌吐かれるなんて、束さんショック〜・・・」
同じくだバカタレ。
「貴様なんぞに何の用も無い。帰宅せよ」
「ガーン‼︎な、何てことを・・・もっと他に言うことがあるはず!」
「遠くから
はるばるご苦労
さようなら
これで良いか?変人」
「なぜに川柳⁉︎それに、へ、変人だなんて・・・もう無理。束さん初対面の人からこんな精神攻撃受けるの初めて。立ち直れない」
ガックリ・・・と、浮遊物体の上で大袈裟にへたれこむ
その姿はこの上なくシュールである。
「これ以上は時間の無駄だ。さっさと乗って行くぞ」
ウンザリして、リムジンの中に引っ込む。
が、次の瞬間、リムジンが宙に浮いた。否、持ち上げられた。
「・・・だから〜、私と一緒に行くって言ってるでしょ?」
ISがリムジンごと、乗員を連れ去ろうとしている。マジか。
「し、篠ノ之束様!おやめ下さい!」
「アーキコエナイキコエナイ。最初からこうすりゃよかった。さ、かえr」
ドガッッ
「?」「⁉︎」
浮遊物体に乗っている2人の表情が変わる。何か異変が起きたのか?確認すべく、リムジンから飛び降りる。
周囲を見渡すと・・・ISの内1機が攻撃されたのか、スパークと火花を上げていた。パイロットの頭部と胴体に大きな穴が空いている。
「ご、ゴーレムちゃんが⁉︎・・・どいつだ?私の可愛いゴーレムちゃんに傷を付けたクソ虫はァッ⁉︎」
篠ノ之束が声を荒げるが、どうにも腑に落ちない表情をしている。ISのSEを無視して、本体に直接ダメージを与えたかの様な損傷の仕方だ。既存のISではこの様な芸当は不可能。では何が?
ドガッッ、ガフッッ
続け様にもう2機。頭部と胴体にそれぞれ1発ずつ、そして、同様の被害に終わった。被弾したISはピクリとも動かない。
「束様、危険です!ここは引いた方が・・・」
ズンッッ
「なっ⁉︎あ、新手だと⁉︎」
突然、リムジンを持ち上げていた最後の1機の上に、黒い巨大な物体が落ちてきた。リムジンごと踏み潰す形で。
「ひょ〜っいつものポピュラーなヤツが2機とォ、見たことねェヤツが4機ィ。大収穫だぜこりゃあ!」
現れたのはーー四つ足の異形の巨人。頭部のみが赤い、黒い巨影。
「うっわ、何よコイツ」
「あれは・・・」
「IS・・・じゃない⁉︎」
「・・・アンシール、お前もか」
束さんのキャラ、こんな感じでしょうか?
どなたか助言下さい。