戦姫絶唱シンフォギア~歌わない決闘者系ノイズ目録~ 作:特撮仮面
今回の話は、唐突なオリキャラ。そして立花響、小日向未来の過去に関しての暗い話があります!
いつものうま○棒の真ん中のような話を望んでいる方は、覚悟を決めて呼んでください!
当方に迎撃の用意あり! 覚 悟 完 了 という方はスクロール!
彼が立花響、そして小日向未来と出会う前、彼にはおっちゃんと呼び慕う人が居た。
小さな公園に、毎日のように屋台を引きやってくるおっさん。赤茶色の髪と、獅子のたてがみのような髭が特徴的な無駄にガタイの良いおっさん。名前は――風鳴響一郎。
今回は市街地での戦闘だったため、ノイズ警報が鳴り終わる頃には殲滅、奏者及びフィーネに絡まれる前に撤退を開始したのだが――
「遊坊、食ったらどうだ?」
…いや、俺ノイズだから物食べられないんスけど
「ん? 大丈夫だろ、いけるいける」
ちょっ!? 思えば何でナチュラルに会話してんの!? てか何俺の腕掴んでんの!? あんた炭化――してねぇ!? 何それ怖い!? 分かった! 分かったから押し付けないで!? たい焼き潰れて中身が――あとぅううういいいいいい!?
出来立てのたい焼きが潰れ、そこから餡子が彼の肌にへばりつく。ダメージは無いし、実際のところ熱くもなんともないのだが、やはり人間だったころの性質故か思わず餡子の潰れた部分を抑えて、腸捻転したミミズの如く地面を激しくのたうち回る彼。
だが、暫くのたうち回ったところで自分には、現在痛みや感覚と言う概念が存在していないことを思い出して立ち上がる。元人間ゆえに感覚器のようなものを張り巡らせることで感覚を感じているようにしているだけであって、ノイズ状態の――ひいてはノイズ自体には、移動などに必要な感覚以外は各種感覚が存在しないのだ。
はぁ、と溜め息を吐くと彼は屋台に座り直す。たい焼きは食べれないが、とりあえず体内に取り込んでおこう。凄い勿体ないし、ほんの少しとは言えフォニックゲイン感じるし――って、あれ? フォニックゲインって食い物から発生するっけ?
彼が違和感に首をかしげていると、おっちゃん、響一郎が笑う。
「なにやら珍妙な姿になりやがったが、元気そうじゃねえか」
まあ、慣れりゃこんなもんですよ。で、おっちゃんはどうなのよ最近。
「いやー、最近は未来ちゃんも響ちゃんも食べに来てくれないから困ったね。全然人来ない」
それ、ここの立地条件が悪いせいだからな!? こんな寂れた公園に誰が来るってんだよ!?
住宅地からも大分離れ、山道の中腹にひっそりと存在しているこの公園。一々急な階段を上り下りしなければなら無いという理由から、死ぬほど利便性という言葉からかけ離れた場所に存在している。
ノイズになる前、響一郎に世話になっていた時期ですら、決闘者として並々ならぬ身体能力を持つ彼をしても面倒だと思ってしまうほどだったし、何より彼と響、未来、そして時々来る近所のお爺さんやお婆さんを除けば、それこそ開店休業状態なのだ。響一郎がぼやいたところで客は増えないし、前提としてこの最低な場所に態々屋台をしにこなくても良いだろうに…。
相変わらずだなおっちゃん。何だかんだで世話になったこともあり、ここ暫く顔を出せなかったことで気がかりだった彼は、響一郎が元気にしていることを実感して安堵の溜息を吐きつつ、屋台に取り付けられた椅子に座る。
「…お前、今各国でマークされてるんだって?」
っ!? 何でそれ知ってんだよ、おっちゃ――あだっ!? っ~、何で知ってんだよぉ。
自分の慕う大人の言葉に思わず声を荒げて立ち上がる彼。が、この屋台に取り付けられた座席はあくまでも急ごしらえの代物。ノイズの姿とは言え人間のころとほとんど変わらない体型である彼が急に立ち上がってしまえば、当然膝や脛を屋台に打ち付けてしまうわけで。再度奔る痛みに思わず屋台に伏せる彼。
きっと人間の姿なら涙目になっているであろう彼に、響一郎が笑いかけた。
「んー、そりゃなぁ…」
「ノイズさん!?」
響一郎が何かを言おうとしたところで、彼の背中に投げかけられる声。
聞き覚えのある声に、まるで浮気のばれた亭主のようにゆっくりと顔を向かせる彼。
そこに居たのは、黒髪に黒い瞳。the日本人といった優しい、日だまりを思わせる雰囲気を持つ少女。
制服の眩しい響の親友である小日向未来の姿。彼女は彼の姿を確認すると、一瞬瞳の光を沈め顔を伏せてこちらにゆっくりと――って速い速い!?
一歩踏み出してからの流れるようなスプリント。制服、そしてスカートだと言うことを忘れさせる見事なフォーム。実は結構筋肉がついていてがっしりしている健康的な白い太股から生み出される驚異的な加速。流石は中学時代に陸上部最強と言われただけはある。余裕の速さだ。地力が違いますよ。
100mを5秒フラットで走れるのではないか、そんなことを考えてしまうくらいの速さで彼に迫った彼女は、寸前で身体を横に地面を抉りながら急制動。ノイズなので触れられないが、もし触れられるのならば襟首を掴んでいるだろうと思わせるほどの剣幕で彼にくってかかった。
「ノイズさん!? 貴方響に何したんですか!?」
え? 別に俺なにもしてない――
「嘘です! 響、この間暗くなって帰ってきたと思ったら、何かシャワーの水に向かって右腕振り抜いて、ドロー修行だよ未来! とか言ったり、格闘ゲームの技真似しだしたり、カンフー映画とか徹夜で見たり、何か紙にラブソング書き出したりなんですかあれ凄い羨ましいんですけど!!」
バッサリ斬られた!? てかそれ最後が全てじゃねえか!?
「だって、今まで見たことが無いくらい真剣に「想いを伝えるにはどうすれば良いかな? 未来…」とか大丈夫私には貴女の想い伝わってるよ響ィイイイイ!!」
とりあえず落ち着け!? カイトや海馬社長の魂がが乗り移ってる――て、まずはその可愛らしい鼻から垂れてる友情の証を拭えぇえええ!!
「……ふぅ……え、えっと、ごめんなさい! 取り乱して」
今更冷静になって、いつもの穏やかな日だまりしたところで恥じらうなんてランクじゃないこと仕出かしてるんですがねぇ。
「し、仕方ないじゃないですか。想い、とか私も伝えたいことは…。全部貴方が行方不明になるからですよ、遊吾さん」
え? 俺のせいなの? …てか、なんで俺が遊吾だって――なぜ普通に会話できてんだよ。この子。
「だって、前から遊吾さん分かりやすいんですもん」
「分かるぞ、未来ちゃん。こいつ分かりやすいよなぁ」
え? 結構ポーカーフェイスには自信があるんだけど。
「「それはない」」
「と言うか、お前のは只の顔芸だから」
「私たちが危ないときとか、態々相手に取り入るような言動して仲間に入ってから、なぁんちゃってぇ、とか言って裏切るときなんて、凄いゾクゾクしちゃいましたよ?」
マジで!?
久しぶりの穏やかな時間。やはり何だかんだで会話ができるのは楽しい。彼は思う。自分の行動に後悔はしていないけれど、もしも自分がノイズでなければ、と。
それは、きっともっと面白いはずだ。自分がDホイールを整備しつつおっちゃんの手伝いをして、時々響や未来と遊ぶ。きっととても穏やかで楽しいだろう。
だがそんなことはなく、自分はノイズ。おっちゃんは何故か触れていたが、未来には触れない。響と触れ合うと言うことはつまり炭化もしくは戦闘待ったなし。
さてと、と彼は立ち上がる。今回も収穫は大きかった。フィーネとのやり取り以来、レベル上げを中心にシンクロを意識したお陰で今までの半分のコストでシンクロが可能となったし、あの姿になることも出来た。
後は来るべきフィーネとの決戦に備え、更なる研鑽とフォニックゲインの貯蔵を行うべき。彼らとの会話は楽しいが、続きはいつか人間に戻ったときにでも行うことにしよう。
まだ余裕があるとは言え、ここで収穫分を使いきりたくはない。
「行くのか?」
ああ、未来のお陰で響の様子も知れたし、おっちゃんも元気そうだしな。
「…餞別だ。頑張れよ」
響一郎から渡されたのは、出来たばかりのたい焼き。ただ袋一杯に詰め込むのはどうかと思う。
彼が抗議の視線を送るが、響一郎は笑うだけ。やれやれ、と溜め息を吐くと彼は未来に声をかけた。
響のこと頼むな? あと、お前も響の心配ばかりして背負い込んだりするんじゃねえぞ? お前ら二人、拗らせたら面倒くさいんだから。
「ふふ、その時は遊吾さんにまた助けてもらいますから。それと、響のことは任せてください。私の太陽ですから!」
そいつは何より。でも、頼むから拗らせないでくれよマジで。次拗らせたらお兄さん泣くからな。
身体が透過していく。どうやら転移機能が空気を読んでくれているらしい。次に会うのがいつになるか分からない為、しっかりと目に焼き付けておこう。
次の瞬間、未来、笑顔笑顔という彼の言葉は宙に、元々そこには存在しなかったかのように、彼が消える。
残り香も、気配もない。彼が完全にいなくなると、未来は大きく息を吐いて屋台に伏せる。
「っはぁ~」
「おやおや、お疲れだなぁ。未来ちゃん」
はっはっは、と大口を開けて笑う響一郎に、未来は頬を膨らませて言う。
「だって、どんな姿でも遊吾さんだから仕方ないじゃないですか」
「うんうん、そうだな」
ニヤニヤと笑う響一郎に、顔を赤くしながらも、早く仕事してくださいとたい焼き機の前に戻るように言う未来。
青春だねぇと笑う響一郎、背中から思いきり叩いてやろうかと思ったが、彼の身体の頑丈さはもはや生物レベルではないので押しとどまる。
再び溜め息を吐くと、未来は屋台に置かれた水を飲みながら遊吾のことを思い出していた。
遊吾・アトラス。そう名乗る彼と出会ったのは二年前、響や未来がまだ中学生の頃だ。
とげとげしたウニのような頭の、凄い年上で怖い人――未来や響は、彼が数えて16、つまり自分達と年齢に差がないことを知らない――それが彼女の初めてあったときの彼への印象だった。
家も戸籍も無く、この不便な公園にDホイールなる、道路交通法を明らかに違反した二輪車と共に段ボールで出来た、20畳の凄まじいクオリティーの家に住む男性。
目付きは鋭く、その瞳には得体の知れない光が宿り、身体はがっちりしていて持つ雰囲気も威圧的なものであった。
最近面白い人が居るんだけど未来も会ってみない? 響のそんな話から始まった関係。
最初の頃は、そんな怪しい人の元に響を行かせられないと親友を守るために付いていったのだが、そんな彼女の思いは、彼と出会った瞬間に吹き飛んでしまう。
「遊吾っさーん!」
「ぐほっ!? ちょっ、ビッキー痛い!? 首がヤバイって!? 絞まってる、極ってるから!?」
親友が見たことの無いような、弾けるような笑顔で男性に飛び付き、その男性は額を地面に打ち付けながら悶え苦しんでいた。
色々と台無しである。あの後、響を引き剥がしたときの彼の「貴女が神か」と言わんばかりの救われた表情を、彼女は一生忘れないだろう。と言うか、顔面蒼白とか、親友はどんな力で抱き付いていたやら。
それからだ。暇さえあれば彼の元に行く響に付いて――いや、自身も部活が無い日や部活終わりなどにトレーニングと称して彼の元に通い始めたのは。
最初は警戒心だけだったけど、通う頃にはそれが好奇心へと変わっていた。
Dホイールと呼ばれる二輪車を整備する彼、たい焼き屋のおじさんに仕込みを手伝わされている彼、そして、響にデュエルモンスターズなるカードゲームを教える彼――彼女たちは知らないが、彼が教えていたのはルールこそ現在のものだが、態々初心者に分かりやすいように複雑な召喚方などを排した、タイホーン、舌魚などの効果を持たない、俗にバニラモンスター主体の、デュエルモンスターズ最初期の決闘の仕様である――そのどれでも、彼は雰囲気ににつかない凄く純粋で、子供のような笑顔を浮かべていた。
だから未来は、彼に興味をもった。
普段の大人びた雰囲気と彼女たちと話しているときの、子供のような表情、そして荒事が起こったときの大胆不適且つ、卑怯な手、姑息な手を使ってでも、相手を文字どおり殲滅する恐ろしい彼。
「ヒャハハハハ!! まずは地獄の一丁目だァ!!」
「よくも響に、未来に手をだしてくれたなぁ? 踊ってもらうぜ、死のダンスを!」
「なぁんちゃってぇ! あれぇ? もしかして俺が未来や響を裏切ってお前らの元についたって、本気で思ってたんですかぁ? 頭のなか彼岸花で一杯ってかぁ?」
「おやおや、暴力はいけませんよ? 私はただ話し合おうとしているだけじゃありませんか。このICレコーダーと写真は私の持ち物です。無理矢理盗ろうとするのは犯罪ですよ?」
「今では貴殿方が犯罪者、私たちは被害者、随分と差がついてしまいました。悔しいでしょうねぇ」
……今思い出したら、とてつもなくヤバイ奴だった。
響と未来、二人が困っているとき、物凄いタイミングで必ず助けてくれる男の人。
あの日、ライブの惨劇の日。偶然手に入ったツヴァイウィングのペアチケット、そしておじさんが彼に渡した一枚。
本当なら、三人でライブに行くはずだった。だが、あの日未来は急に入った家庭の事情でライブに行くことは叶わず、そしてあの、数千人規模の死傷者が出た未曾有の大災害、ノイズ襲撃事件が発生したのだ。
ノイズが発生したと言うニュースを見たときは、本当に肝が冷え、目の前が真っ暗になった。もう二人が帰ってこないのではないか、そう考えただけで発狂しそうなほどの恐怖が未来の小さな身体にのし掛かってきた。
だが、二人は帰ってきた。一人は憔悴こそしていたが無傷で、だがもう一人は、親友である響は瓦礫に潰されただかで全身傷だらけの重症で。
あの時の事は二年経った今でも思い出せる。自分だけ安全な場所に居たと言う怒り、ノイズへの憎しみ、傷付いた二人に対する悲しみ。だが、何よりも彼女が後悔しているのは――
「守るって言ったのに!!」
嘘つき、裏切り者。響の痛々しい姿を見て、彼をそう罵った。あの時の彼の顔を歪めた姿が、自分に下げられた頭の、つむじがくっきりと目に焼き付いている。
錯乱していたとしても、あれだけは言ってはいけなかった。後から知ったのだが、彼はノイズの発生により暴徒同様となってしまった人々を止め、瓦礫に潰された人を、怪我人を救いだし、ノイズを退け、戦場のようなライブ会場を嵐のように駆け巡っていたらしい。
現場に居た特異災害対策機動部一課の人の話では、彼が居なければこれの倍は死傷者が出ていたかもしれないと言うことだった。
その様子は簡単に想像できる。ノイズが発生した最初の混乱で響とはぐれた彼は、死に物狂いで彼女を探したのだろう。ついでにノイズをぶっ飛ばし、人々を助けていたに違いない。
だが、彼は間に合わなかった。でも未来は責めるべきではなかった。必死に戦い続けた彼にかけるべき言葉は、よかった、ありがとう、お帰りなさい、だったはずだ。
「…うぅ、おじさぁん」
「あー、ほらほら、泣き止んだ。…只の飲用水で何で酔ってるんだよこの子」
ライブの後、生き残った人をマスメディアが面白おかしく取り上げ、彼のことも大きく取り上げられた。だが、必死で生きて帰ってきた人々に対する一般の人の反応はあまりにも冷酷だった。
未来の周り、特に響は酷かった。
同じ学校の生徒が何人かライブに行っていたらしく、運悪くその生徒たちは全員死亡。病院から無事に退院し、中学で唯一ライブ会場での生き残りとなった響を待っていたのは、虐めと言う名の歓迎だった。
未来が知る由は無いのだが、シンフォギアはその性質上現在の日本国憲法及び国際法に抵触する可能性が恐ろしく高い存在であるせいで、その情報は秘匿されなければならない。
その為、ノイズ災害であったとしても世間に放送されるニュースの内容は、ノイズ災害ではなくライブ会場での将棋倒しなどの被害が基本となる。
つまり、人間による死のみが情報として流れ、生き残った人=他者を踏みにじった人間だという理屈。そして、それに加えて国が出した被害者への補償金が物議をかました。
様々な要因が重なり、それを利用した謂れのない言論の暴力が彼女たちを襲った。
響は学校で一人生き残ったことで虐めを受け、立花家は地域で迫害されることになった。父親は仕事を追われ蒸発、虐めを受けて彼女は、いや未来も響を守ることで被害を受けた。
遊吾は、二人を守るために戦った。警察や屋台のおじさん、響一郎の協力を得て無責任な報道を自粛させるようにし、彼は地域の人、学校の生徒に対して様々な行動を起こしたが結果は芳しくなかった。
それから一年ほど、少しだけ虐めが少なくなった頃――地域の悪や虐め、迫害の加担者及びその関係者に対し、説得を行う。説得が通用しないならば情けも容赦もないサテライト制圧作戦、サイコデュエリスト(デュエルモンスターズのモンスターや魔法、罠を実体化させる存在)としての力を利用してのマインドクラッシュ、洗脳~ブレイン・コントロール~など、一部犯罪レベルの行動により無理矢理行動を自粛させた――に彼は行方をくらまし、彼女たちは現在私立リディアン音楽院高等科に入学、女子寮で生活している。
「あー、うー、どうすれば遊吾さんに……ここは責任をとるということで響と私で遊吾さんと同棲するしかッ!!」
「落ち着け! あ! 響ちゃん、ひびきちゃああああん!!」
「あれ? 響一郎おじさんどうし――未来!? どうしたの未来!?」
実は、彼がノイズになっていることに最初に気づいたのは、未来だったりする。
天羽奏に己の魂――カーと呼ばれる、一種の魔力のようなもの。自然に回復していくものの、人間を構成する大切な要素であり、これを譲渡するということは即ち死を意味する――の大半を渡し、更にフォニックゲインや決闘者の放つデュエルエナジーを譲渡することで彼女の蘇生を行った彼であったが、その弊害により、彼は人間としての己の姿を保つことが難しくなり、死ぬことこそ無かったものの、その代わりにそれらエネルギーのバランスの崩れた雑音と言う存在となってしまったのだ。
二年前の事件直後はまだ人間の身体を保てていたものの、時間が経過するごとに徐々にノイズで居る時間が増えた。これを彼は隠していたのだが、彼女は偶然ノイズとなる彼の姿と、ノイズから彼に戻る姿を目撃してしまったのである。
とはいえ、それを誰かに言うわけにもいかず彼女はそれを誰にも話すこと無く生きていたのだ。だが、今回遊吾と出会ったことで色々と箍が外れてしまったのだろう。
「ひびきぃ、遊吾さん、元気そうだよ」
「え!? 未来遊吾さんに会ったの!? いつ!?」
「ついさっきまで居たんだがなぁ。タイミングが悪い」
「はぁ…まったく、まあいいです。私の想いの伝え方は決まりましたから!」
ほら、未来帰るよ? やらぁ、まだいるの~。まるで酔っぱらいを引き取りに来た家族のような会話をしながら二人は屋台を後にする。
まいどー! そんな声を二人にかけ、背中を見送った響一郎は、大きく息を吐くと天を仰いだ。
「青春してるねぇ…願わくばあいつらの未来に――っと、これ以上は野暮って奴か」
彼は残ったたい焼きの材料を全て焼き切ると、屋台を閉める準備を始める。
彼は特殊な立場に、立花響はシンフォギア奏者に。だが、大人である自分にはきっとあの二人、いやあの三人に対して出来る何かがあるはずだ。彼は屋台を閉めると携帯を取り出して何処かへ連絡を始めるのであった。
「――ああ、俺だよ俺。久しぶりだな、弦十郎?」
屋台から二日後くらい――
「ようやく見つけましたよ、ノイズさん!」
「あーもう、他のノイズは邪魔! 私の歌を聞けェ!!」
「ノイズ――いや、遊吾さん…。私と、私と決闘しろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
評価、してもええんよ? とか言ったら黒が一気にオレンジになっていた。何を言っているかわからないと思うが(ry
評価!?なぜ評価がここに!?押したのか、まさか自力で評価ボタンを!?評価ァ!!という謎電波を受信してしまいました。
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