とある科学の多重能力   作:とある初春の電脳花弁

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第7話です。今回は少し文章の書き方を変えてみました。良かった点、悪かった点などありましたら、感想をお願いします。それでは第7話をどうぞ。


無能力者

「不破さん!待ってください!」

 

「佐天⁉︎どうしてここに?」

 

支部から飛び出して、タクシーを拾うために大きな道路へ出た戒人を呼び止めたのは、息を切らした佐天 涙子だった。

 

「私も、私も連れて行ってください。」

 

息を整えながら、佐天は戒人の目を真っ直ぐみて言う。

 

「なに言ってんだよ。これから行く所がどこかわかってん

のか?スキルアウトがウヨウヨしてる様な所だぞ!危険す

ぎる!」

 

「だから行くんです!」

 

佐天が叫ぶ様にして言う。

 

「初春や白井さんが危ない目にあっているのに、黙ってじ

っとしてるなんて私にはできないんです。わかってます。

私が行ったってなにもできないことくらい。私が一番わか

ってるんです。でも…」

 

「わかった。一緒に行こう。」

 

「え?いいんですか?」

 

戒人は頷きながら、

 

「初春や白井を守りたいって気持ちは俺も一緒だ。まして

や、付き合いの長い佐天なら尚更だろ。それに現場ではケ

ータイなんかはつかえない。人手は多いに越したことはな

いからな。ついてくるからにはしっかりと働いてもらう

ぜ。」

 

「は、ハイ!」

 

佐天は笑顔で大きく返事をした。

 

 

 

 

「これ!お釣り、いらないから!」

 

「ちょ、お客さんこれじゃ足りないよ!」

 

「足りない分は私が払いますから。不破さん!待ってくだ

さいよー!」

 

タクシーに乗って現場近くまで来た2人は、ケータイの画面を見る。やはり通信妨害をされている様で、繋がる気配はない。

 

「じゃあ、私はここから1番近い警備員の詰所まで、」

 

ドォォォォォンッ!!

 

「‼︎」

 

耳を切り裂くような爆裂音が響き渡る。見ると、ビル群の方から煙が上がっていた。

 

「やっぱり何かトラブルが起きてやがったのか⁉︎」

 

戒人はチッ、と短く舌打ちをして、煙の上がった方へと走る。佐天もその後を追うようにして、全速力で駆け出した。

 

ビル群は酷い有り様だった。窓ガラスが全て割れてしまっているものもあれば、壁が焼け焦げてしまっているものもある。その中を進んでいくと、プスプスと煙を上げている鉄の塊があり、その周りには、

 

「ひっ…⁉︎」

 

血の海が広がっていた。佐天はその光景に息を呑み、しばらく息をするのを忘れていた。美琴たちと共に様々な事件を解決してきた佐天でも、こんな光景は初めてだった。吐き気を催すどころか、気絶しそうになる。

 

「大丈夫か?佐天!」

 

戒人が佐天の身体をささえる。

 

「え、えぇ。なんとか…」

 

突然佐天がはっ、として、

 

「まさか初春たちもこれに巻き込まれて…⁉︎」

 

戒人は背中に冷たい汗が流れるのを感じた。

 

「そんな…まさか。」

 

と、その時、

 

「白井さん!逃げてください!」

 

半壊しているビルの向こう側から声がした。

 

「初春の声!」

 

佐天はよろめきながら体制を立て直し、声のした方へ走り出す。それに続いて戒人も額の汗を拭い、佐天の後を追った。そこには煤だらけでボロボロになってうずくまっている黒子と、その近くに座り込んで黒子に何か言っている茶髪の女がいた。女は話すのを終えると、立ち上がり、左手を振り上げる。その左手は青白い光で包まれていた。もう一度女の口元が動く。その声は聞き取れなかったが、戒人には見えた。その女の口が。

 

シ ネ

 

戒人の頭の中で何かがブチ切れるような音が聞こえる。

 

「ゥラァァァァァァァ!」

 

頭で何か考えるよりも先に身体が動いた。一歩目を大股で踏み込む。そのまま女との距離を詰めるために二歩目、三歩目と続けていく。女が黒子に向かって左手を振り下ろすのが見えた。間に合え。間に合え、間に合え!届け、届け、届け…

 

「届きやがれぇぇぇぇぇぇ!」

 

 

ゴッパァァァ!

 

 

右の拳に痺れるような感覚。それと同時に伝わる柔らかな人間の肉の感触。戒人が突き出した右手は女の左頬にめり込んだ。

 

 

 

 

(一体何が…?)

 

サンガは何が起こっているのか理解できなかった。自分の身体は、なんだ。空中を舞っているのか?ツインテールの少女を殺そうとした瞬間、左側から何かがやってきた。そこまではわかっている。しかし、その次からは何が何だかわからない。何故自分の身体が回転しながら浮いているのか、何故自分の身体が地面に叩きつけられたのか。

 

気絶とは、大脳皮質全体、あるいは脳幹の一部の血流が瞬間的に遮断されることで起きる。つまり、全身の痛覚を消していようと、患部に強い刺激を受ければ、誰でも気絶してしまう。サンガは黒子との戦闘で、右手の甲、両足の太ももとつま先を鉄矢によって負傷していた。大量の失血が、戒人の攻撃への反応を遅らせ、そして戒人の一撃が、サンガを気絶させたのだった。

 

 

ビル群の中央付近。高校生くらいの男が頭を抱えて、唸っていた。

 

「そんな…馬鹿な話があるかよ。」

 

この男は、レッドサラマンダーと抗争を起こした、もうひとつのスキルアウトのチームである、リヴァイアサンのメンバーの流石木 圭人(さすがき けいと)。レッドサラマンダーとリヴァイアサンは、元々は駒場 利徳が束ねていたスキルアウト達だった。だが、駒場が消え、それぞれに違った価値観から、幾つかのチームに分かれていった。リヴァイアサンは無能力者の能力者との共存を目指し、警備員や、風紀委員の情報屋的な活動をしていた。レッドサラマンダーの目的は無能力者の安全。だが、そのためにレッドサラマンダーのリーダーである矢坂 大輝は、能力者狩りを始めた。そしてあろうことか、殺人にまで手を染めるようになってしまったのだ。これを止めるためにリヴァイアサンは、圭人をはじめとする、百数十人のメンバーをビル群に送り込み、レッドサラマンダーの沈静に動き出した。しかし、相手は能力者と手を組み、リヴァイアサンを迎え撃つ。能力者の反撃をまともに受けたリヴァイアサンのメンバー達は、まともに動けるのが、後十数人といった、壊滅的な状況であった。圭人は金色に染まった頭をかきむしった。

 

「チッキショウ!あいつらいつの間に能力者なんかと…そ

れにしても俺たちに対する反応が早すぎる。まさか情報が

漏れてやがったのか?」

 

ビルとビルの間から、この辺りで一番細長いビルの屋上を見上げる。そこには牛乳を入れるようなタンクを背中に背負い、銃器を持った長髪の男。口元には大きなスカーフが巻かれている。

 

「おらおらぁー!隠れてないで出て来いよー!おらおらぁ

ー!」

 

その男の持った銃から弾丸。ではない何かが発射される。水だ。銃から放たれた水はビーム光線のように真っ直ぐと伸び、ビルの壁を貫く。そして男が円を描くように銃を振り回すと、壁が円形にくり抜かれた。

 

(ヤバい。このまま隠れててもいつかやられちまう。どう

すりゃいい…)

 

圭人は考える。考える、考える。そして思いつく。この状況をひっくり返せる策を。

 

「無能力者舐めんじゃねぇぞ。このクソ野郎!」

 

圭人はビルの間から飛び出した。

 

 

 




いかがだったでしょうか?変えたところがわかりにくいかったかもしれませんが、今回は同じ単語を何回か並べて、その人物の行動を伝えようとしてみました。ですが、あまりうまくいっていないかもしれません。変な書き方でわかりにくかったら、申し訳ありません。今後、改善していきたいと思います。次の話からはリヴァイアサンのメンバーの流石木 圭人が活躍します。戒人の多重能力が覚醒するのはもう少し先です。また明日も、読んでくださるとうれしいです。読んでいただき、ありがとうございました。
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