幻想遊戯   作:ぬっく~

1 / 1
なんか、思いついたので投稿。
感想・変更点があったら、どうぞ感想欄にどうぞ
評価も忘れずに……


第1話

どうして、こんな事に成っちゃんだろう……。

雨の降る中、私は二人の女性を前にしていた。

 

「許さない……」

 

「許さない? なら貴女の大切なこれで戦わせてあげるわ」

 

水色の髪の女性の隣にいた女性は一歩出ると、既に装着されたデュエル・ディスクを機動させる。

しかもその女性が誰なのか、私は知っている。

ようやく見つけた私にとっては嬉しいかもしれない……けれど、こんな合い方はちっとも嬉しくない。

数年前に失踪した……私の……唯一血の繋がった……姉との再会。

 

『デュエルモード』

 

だけど、臨んだ形での再会では無かった。

あいつのせいで……。

 

「今……助けてあげるから……お姉ちゃん」

 

「…………」

 

その日、二人の姉妹が命を懸けた決闘が行なわれた。

 

 

 

あれは数か月前のことだった。

 

 

 

「遊美~」

 

徐々に熱くなる季節。

夏の始まりが近づいている時、今日の授業が終って放課後になった時にクラスメイトに私は呼び止められた。

 

「何……」

 

「もーう。あんまり怖い顔していると、また絡まれるよ!」

 

「別に構わない」

 

「また、停学になるよ……」

 

高校2年の私はある意味周りから嫌われている。

入学当時から数度の停学を喰らっている。

その為、友達とか全くいない。

 

「で? 私に何の用?」

 

「そうそう、実は……」

 

ああ、因みに今私と話し掛けているのは、幼馴染でクラス委員長の凛だ。

その凛がポケットから四つ折りされたA4用紙を取り出す。

 

「これに出て欲しいの!!」

 

「…………」

 

それは、商店街の()()()()()()のチラシだった。

 

「どうせ、優勝商品が目的でしょ……?」

 

「そう!! なんと、参加費無料の上に優勝者にはお米10kg無料とか破格条件じゃない!!」

 

私たちの住むこの町……と言うよりこの世界では全ての争いはリアルファイトか()()()()()()()()()()のどちらかかしかない。

だから、こう言った話は普通にある。

 

「とういう訳で……」

 

「報酬はその半分を貰うよ?」

 

「はいはい、わかっているよ」

 

そう言ってちゃちゃっと支度して、私と凛は商店街へと向かう。

 

 

商店街に着く頃には多くの人たちが集まっていた。

まあ、米10kgって言うと3000円を無料で渡すと言うもんだ。

 

「え、え~。これより、デュエル大会を開始します」

 

米屋の店長の大会宣言により始まった。

参加人数が多いので時間は掛かってしまったが、決勝戦まで私は進んだ。

 

「なんだ、凛は負けちゃったの」

 

「へへ……」

 

私の相手にどうやら負けてしまったそうだが……それはつまり。

 

(相当強敵だな……)

 

幼馴染ということで、私との成績は1000を超えている。

その上、学校では五本の指に入る程の強者でもあるのだ。

 

「では、これより決勝戦を始めます」

 

相手は金色のウエーブ髪の女性だった。

 

「「デュエル!!」」

 

そして、始まった。

 

八雲紫

LP:4000

手札:5

 

上条遊美

LP:4000

手札:5

 

(八雲……紫?)

 

ここで疑問が生まれた。

八雲紫と言う名の女性は知らない。

ここ最近、引っ越して来たと言う話は知らない。

 

(隣町から来たのかな……)

 

そう言っている内に先攻後攻が決まった。

 

「私が先行のようね」

 

「ええ。どうぞ」

 

先攻は八雲紫だった。

 

「私は手札から永続魔法『地獄門の契約書』を発動」

 

「契約書?」

 

10年以上これをやっているけれど、こんなカテゴリーは私は知らない。

 

「私のスタンバイフェイズに1000ポイントのダメージを受けるわ」

 

「1000ポイント……」

 

『!?』

 

周りの人たちが驚くのも無理はない。

ライフ4000の中で、1000のダメージは大きい。

だけど、それだけ受けるとなると、それ相当の効果があるはずだ。

 

「一ターンに一度、デッキから『DD』モンスターを一体手札に加えるわ」

 

「サーチ効果だったか……」

 

レベル制限も無く、『DD』と言うカテゴリー限定とはいえ強いだろう……。

 

「デッキから『DDケルベロス』を加えるわ。さらに永続魔法『魔神王の契約書』を発動。これもスタンバイフェイズに1000ポイントのダメージを受けるわ」

 

「これで2000」

 

「『魔神王の契約書』の効果。一ターンに一度、手札と場のモンスターで悪魔族融合モンスターを融合召喚が出来る」

 

「融合の魔法を無しで融合召喚……」

 

あのカードがある限り、融合し放題だと言う事か……。

 

「手札の『DDリリス』と『DDケルベロス』で融合。牙剥く地獄の番犬よ、闇夜に誘う妖婦よ、冥府に渦巻く光の中で、今一つとなりて、新たな王を生み出さん! 融合召喚! 生誕せよ!『DDD烈火王テムジン』」

 

DDD烈火王テムジン

融合・効果モンスター

星6/炎属性/悪魔族/攻2000/守1500

 

「カードを2枚伏せて、ターン終了よ」

 

八雲紫

LP:4000

手札:0

 

DDD烈火王テムジン

 

地獄門の契約書

魔神王の契約書

セット

セット

 

「私のターン、ドロー」

 

私はドローしたカードを確認する。

 

(ダメージを受ける魔法カードをそのままにする訳がない……なら)

 

「私は『伝説の黒石』を召喚」

 

伝説の黒石

効果モンスター

星1/闇属性/ドラゴン族/攻 0/守 0

 

「『黒石』の効果発動。このカードをリリースすることで、デッキからレベル7以下の『レッドアイズ』を一体特殊召喚する。来なさい、『真紅眼の黒炎竜』!!」

 

真紅眼の黒炎竜

デュアル・効果モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000

 

「バトル! 『真紅眼の黒炎竜』で『DDD烈火王テムジン』に攻撃」

 

真紅眼の黒炎竜

攻撃力:2400

 

VS

 

DDD烈火王テムジン

攻撃力:2000

 

「トラップ発動よ。『戦乙女の契約書』」

 

戦乙女の契約書

永続罠

 

「このカードが存在する限り、相手のターンの間、私の悪魔族は攻撃力が1000上がるわ」

 

「っ!」

 

真紅眼の黒炎竜

攻撃力:2400

 

VS

 

DDD烈火王テムジン

攻撃力:3000

 

上条遊美

LP:3400

 

「2枚伏せて、ターンエンド」

 

「では、ここでさらにトラップ発動。『契約洗浄』」

 

契約洗浄

通常罠

 

「私の場の『契約書』を全て破壊する」

 

「やっぱり、伏せていたか……」

 

先程の『戦乙女の契約書』も多分、1000のダメージを持っていたはず。

なら、それを回避するカードが伏せてあるはず。

 

「さらに破壊した数だけ私はデッキからドローする」

 

「な!?」

 

八雲紫

手札:3

 

「その後、破壊した数×1000のLPを回復するわ」

 

「破壊した上でドローと回復って……」

 

インチキ効果も大概にしやがれ! って言いたくなる程の効果に私は驚く。

 

上条遊美

LP:3400

手札:3

 

セット

セット

 

「私のターン、ドロー」

 

真紅眼の黒炎竜を破壊されたのは予想外だったが、このターンは残れるだろう。

 

「私は『DDナイト・ハウリング』を召喚」

 

DDナイト・ハウリング

チューナー・効果モンスター

星3/闇属性/悪魔族/攻 300/守 600

 

「『ナイト・ハウリング』の効果発動。このカードが召喚に成功した時、墓地から『DD』モンスターを一体選択して、特殊召喚する。ただし、この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力、守備力は0になるわ」

 

「チューナーと言う事は……」

 

「ええ。『DDリリス』を特殊召喚。そして、レベル4の『DDリリス』にレベル3の『DDナイト・ハウリング』をチューニング。闇を切り裂く咆哮よ。疾風の速さを得て新たな王の産声となれ! シンクロ召喚! 生誕せよ! レベル7! 『DDD疾風王アレクサンダー』!」

 

DDD疾風王アレクサンダー

シンクロ・効果モンスター

星7/風属性/悪魔族/攻2500/守2000

 

「そして、『テムジン』の効果。このカード以外の『DD』が特殊召喚された場合、墓地に存在する『DD』モンスターを一体選択して、特殊召喚する。もう一度『DDリリス』を特殊召喚」

 

DDリリス

効果モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻 100/守2100

 

「さらに『アレクサンダー』の効果が発動。このカード以外の『DD』が召喚、特殊召喚された場合、墓地に存在するレベル4以下の『DD』を一体選択して、特殊召喚する。『DDケルベロス』」

 

DDケルベロス

ペンデュラム・効果モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻1800/守 600

【Pスケール:青6/赤6】

 

(ペンデュラム?)

 

テキスト確認すると、そこには見たこともない文字が書かれていた。

 

「気になるようだけど、貴女にはそんな暇はないわ」

 

「レベル4のモンスターが2体……来るのね」

 

紫はくすりと笑う。

 

「レベル4の『DDリリス』、『DDケルベロス』でオーバーレイ! この世の全てを統べるため、今 世界の頂に降臨せよ! エクシーズ召喚! 生誕せよ! ランク4! 『怒濤王シーザー』!」

 

DDD怒濤王シーザー

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/水属性/悪魔族/攻2400/守1200

悪魔族レベル4モンスター×2

 

あっと言う間に融合とシンクロ、エクシーズをやってみせてしまった八雲紫。

私はそれに笑えずはいられなかった。

 

「ふ、ふう、ははは……面白いよ。これは、楽しめそうだ」

 

「あら? 貴女はこの攻撃を防ぎれるとでも?」

 

「さあ? やってみれば?」

 

「そう。なら行かせてもらうわ。『DDD疾風王アレクサンダー』でダイレクトアタック!」

 

DDD疾風王アレクサンダー

攻撃力:2500

 

「っ!!」

 

遊美

LP:900

 

「『DDD怒濤王シーザー』でダイレクトアタック」

 

「トラップ発動。『ガード・ブロック』」

 

ガード・ブロック

通常罠

 

「この戦闘ダメージを0にし、カードを1枚ドロー」

 

「なら、『DDD烈火王テムジン』でダイレクトアタック」

 

「トラップ発動。『リビングデッドの呼び声』」

 

リビングデッドの呼び声

永続罠

 

「蘇りなさい。『真紅眼の黒炎竜』!」

 

「あらら……。カードを2枚伏せて、ターン終了よ」

 

八雲紫

LP:7000

手札1

 

DDD烈火王テムジン

DDD疾風王アレクサンダー

DDD怒濤王シーザー

 

セット

セット

 

「私の……ターン!! ドロー」

 

これが、最後のターンだろう。

なら、禁じ手を使わせてもらうわ。

 

「私は魔法カード。『真紅眼融合』」

 

真紅眼融合

通常魔法

 

「私の手札・デッキ・フィールドから、融合モンスターカードによって決められている融合素材モンスターを墓地へ送り、『レッドアイズ』モンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。デッキから『真紅眼の黒竜』と『デーモンの召喚』で融合。黒竜と悪魔が今一つになる時、姿を現す! さあ、行こう。『悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン』!!」

 

悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン

融合・効果モンスター

星9/闇属性/ドラゴン族/攻3200/守2500

レベル6「デーモン」通常モンスター+「レッドアイズ」通常モンスター

 

「更に、モンスターをセットして、魔法カード、『ミニマム・ガッツ』を発動」

 

「!?」

 

これは、私が決めた禁じ手。

これをするだけで、必ず勝ててしまうから。

 

「セットしたモンスターをリリースして、『アレクサンダー』の攻撃力を0にする」

 

DDD疾風王アレクサンダー

攻撃力:0

 

「バトル! 『悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン』でアレクサンダーを攻撃!!『地獄炎弾』」

 

「それを通すとでも思う? 罠……!?」

 

「残念だけど、無理よ。『悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン』の効果。ダメージステップ終了時まで相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない」

 

(ッ!? 私が伏せた聖なるバリアが使えない……その上、『ミニマム・ガッツ』の効果で……)

 

悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン

攻撃力:3200

 

VS

 

DDD疾風王アレクサンダー

攻撃力:0

 

「ぐっ!?」

 

八雲紫

LP:3800

 

「『ミニマム・ガッツ』の効果により、破壊された『アレクサンダー』の元々の攻撃力分のダメージを与える」

 

「ッ!!?」

 

八雲紫

LP:1300

 

「あんだっけあったライフがここまで削られるとは、思わなかったわ……だけど」

 

「だけど? まだ終わっていないわ。最後に『悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン』の効果発動!」

 

「なに!?」

 

「融合召喚したこのカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、私の墓地の「レッドアイズ」通常モンスター1体を対象として発動できる。墓地のそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。その後、そのモンスターをデッキに戻す」

 

「それじゃぁ……」

 

「そうよ。墓地に存在する『真紅眼の黒竜』をデッキに戻し、2400のダメージを与える!!」

 

八雲紫

LP:0

 

あっという間の出来事だった。

7000もあったライフを一気に0にしてしまった。

 

「勝者、上条遊美!!」

 

店長の宣言で周りから拍手が贈られる。

約束通り、米10kgを頂き、私たちは帰った。

 

 

 

「ただいま……姉さん」

 

誰もいないアパートの一室に私は入った。

私の両親は私と姉さんを残して蒸発した。

姉さんは私の為に沢山頑張って金を稼いだ。

その姉さんも……。

 

「…………」

 

中学2年の夏。

私の姉は失踪した。

 

「…………」

 

プロデュエルリストになったおかげで、僅かだがまともな生活はできていたが、その日の夏の試合に姿を消した。

行方も不明、それ以降誰も私の姉さんを見なかった。

 

コン、コン……

 

「はい……」

 

誰が来たので私は出ると、先程戦った金髪の女性、八雲紫がそこにいた。

 

「あの……」

 

「上条遊奈……」

 

「!?」

 

彼女は確かに私の姉の名を言った。

 

「なんで……」

 

「なんでですか? ですか?」

 

紫はくすりと笑い、部屋に入って来る。

 

「私は貴女のことが気にったのよ。だから、ここで提案するわ。上条遊奈が残した世界を……」

 

「どう言う意味……」

 

「あの日の夏に私たちが住む“幻想郷”に異変がおこったわ。だけど、誰もこの異変に対抗出来なかった。そこで、私たちは外の世界から貴女のお姉さんをこちら側に呼んだのよ」

 

「じゃあ……貴女が!!」

 

「ええ。貴女に迷惑をかけたわ……だけど」

 

「だけど?」

 

「再び、起こり始めたのよ」

 

「異変と言うことですか……」

 

「ええ。そこで貴女をね」

 

「姉さんは……」

 

「残念だけど、こちらでも行方不明なのよ……」

 

「…………」

 

姉さんは何を思ってこの人の願いを受け入れたのだろう。

それを私は知りたい。

 

「私を連れ行ってもらってもいいですか……」

 

「……ええ。そのつもりよ」

 

そう言って、紫の背後に亀裂が入る。

そこが開くと無数の眼が現れる。

 

「私は貴方を歓迎するわ。上条遊美さん」

 

私は幻想郷へと踏み入った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。